かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あおぞら谷津保育園

対象事業所名 あおぞら谷津保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 あおぞら 
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0016
金沢区谷津町231-5
tel:045-784-0540
設立年月日 2005(平成17)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
あおぞら谷津保育園は京浜急行金沢文庫から徒歩8分という交通の便に恵まれたところにあります。
周りは住宅地ですが、すぐ近くには鎌倉につながる六国峠のハイキングコースの入り口があり、緑豊かな自然に恵まれています。丘陵地と反対方向には子どもの足で30〜40分の所に八景島の海があり、水にも親しめます。
あおぞら谷津保育園は社会福祉法人あおぞらが、2005年1月横浜市から公立「谷津保育園」の移管を受け誕生しました。母体のあおぞら保育園は1955年に9人の母親が集まって共同保育を開始したことから始まったものですが、あおぞら谷津保育園は法人の中で3番目の系列保育園です。
園は、通常の保育事業に加えて、産休明け保育、延長保育、障害児保育、一時保育、地域子育て支援拠点事業を実施しています。そのために、一時保育室や地域子育て支援室を備えて地域の保育ニーズに対応する仕組みを作っています。園舎は鉄筋の2階建てで、屋上では夏にプールを置くことができます。園庭にはたくさんの遊具が備えられ、広い園庭ではのびのびと子どもたちは体を動かすことができます。
定員は90名、開園時間は平日(月曜日〜金曜日)は7:00〜21:00、土曜日は7:00〜18:30となっています。法人の理念として「地域の母親たちの要求から生まれた共同保育の精神を受け継ぎ、『保育は幼児教育である』として子ども一人ひとりの全面発達を保障する」としており、保育目標が「・ともだちの中で全身を使って思いっきり遊べる子をめざす。・子育てという重大な仕事を父母 地域との連携をさらに深めながらおしすすめる」としています。

1.高く評価できる点  
● 保育士の働きかけのもとで子どもたちはのびのびと楽しく生活しています
広い園庭で子どもたちはのびのびと動き回ることができます。遊具も数多く用意されており、子どもたちは好きな遊具を取り出して遊びます。2歳児が乳児用の自動車に縄跳びのロープを巻き付けて引っ張ったり、カンぽっくりのロープを三輪車に巻きつけて引っ張ったりしてアイディア豊富に遊んでいます。砂場では3歳児が「水が出るから」とどんどん掘っていくと、本当に出てきて、嬉しそうです。保育士は子どもの発想を大切にして見守っています。鉄棒ができない子どもには「できるよ」と保育士ははげまし、周りの子どもたちからも「がんばれ」の応援の言葉がかかります。保育士が補助して足かけあがりが成功すると子どもは満足した様子です。
保育室では、画用紙にクレヨンを使って思い思いに絵を描きます。子どもたちが描く様子を「いいね!」と声をかけながら保育士は見守っています。裏表両面に書いた子どもには「かわいいね、どっちを見せたい」と子どもの気持ちを尊重しています。2歳児の子ども同士のケンカの場面では、「どうして叩いたの?」とわけを聞いて鎮めていますが、4歳児は、自分たちで話し合って、じゃんけんで解決することにしました。保育士は段階的に子どもたちで解決していけるよう、場面に応じて働きかけていて、子どもたちは安心してのびのびと育っています。
4・5歳児は年間通じて一対一のバディを組んで活動しています。いつもペアを組む5歳児が4歳児をリードして、4歳児は初めての活動でも5歳児に倣って落ち着いて参加できています。本格的なお茶会が園内で開かれましたが、この時も4歳児はバディの5歳児の通りに動いて楽しくお作法を学ぶことができました。

●地域に対して様々な働きかけが行われています
保育方針の中の一つとして「地域の中で育児に悩む父母たちと共に、子育てについて相談・学習等を行い、地域の子育てセンターとなるよう努力します」が挙げられている通り、園の地域に対する取り組みは活発です。一時保育は園内に一時保育室を作り職員も常時2名配置しており1日平均8名の子どもを受け入れています。園庭開放(月〜金)、園舎開放(月〜金)、プール開放(夏季)や「親子レストラン」(火曜日)、「あかちゃんの駅」(月〜金)、地域身体計測(第3金曜日)などを実施し親子が気軽に園を利用してもらえるような取り組みを実施しています。地域子育て支援センターは専任保育士を配置し、育児相談に応じたり、「旬の食べ物の話と給食試食会」「ベビーマッサージ」「子どもの偏食への対応策」など育児講座を今年度は19回開催しました。こうした講座については園周辺の地域掲示板にポスターを掲示してもらうなどしています。地域に対しては「子育て新聞」を発行するなどして地域の親子に働きかけています。

2.独自に取り組んでいる点
●職員は自身の資質向上、能力開発に意欲的で、研修制度などを積極的に活用しています 
園では職員の組織構造が明確になっています。園長をトップとして、その下に主任保育士、部主任までを管理職、一般職員は各クラスのリーダー、保育士等と位置付けられており、各職種それぞれの役割、職務内容が明記されています。職員はこうしたキャリアパスの中で自分自身が必要とする研修、能力開発への取り組みを積極的に行っています。園や法人も、管理職、中堅職員、新人職員と階層ごとの研修メニューを組んでいます。園内研修は毎月開催され幼児安全法、体育運動指導、リズムなど外部の講師を招いて指導を受けることもあります。テーマ別園内研究として地域子育て支援、集団作り、発達と遊びなどは園内の職員が発表者となってレベルアップに努めています。職員はこうした研修に積極的に取り組み、研修報告書を作成し現場の職務に活かしています。

●保護者との連携に努めています
園は保護者との関係性、連携を重視しています。あおぞら保育園の創設に保護者が積極的に関わり、協力してきた中で父母の会が結成され、これまで父母と園がともに協力しあって園を育ててきたという歴史がありました。園としても保護者との連携を積極的に進めています。春の遠足、盆踊り大会、新年マラソンもちつき大会などの行事にも父母の会が参加しています。園としては父母の会に対して園の情報公開にも積極的です。保護者に対するアンケート調査結果も公表し、保護者が指摘した園に対する問題点にも回答しています。さらに、園としての自己評価結果についても保護者に公開しており、透明性を確保しています。 

3.今後に期待する点
●園としての中・長期計画の策定が期待されます
単年度計画は策定されていますが、持続可能な園の運営を可能とするためには、常に先を見越した中・長期計画を策定し、その中で単年度計画が策定されていくことが望まれます。現在の段階で園としての中・長期計画は策定されていません。外部環境の変化が予想される場合は、その環境変化を想定した上での計画策定が必要と考えられます。さらに、外部環境が変化することによって、中長期計画の変更が必要とされる場合は、毎年、計画を見直していくローリングが望まれます。法人は、すでに長期のビジョンを作成しています。これを具体的な姿として園の中長期計画に落とし込んでいくことが期待されます。              

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・園は、「人権擁護セルフチェック」を職員が個々に行い、職員会議等で意見交換した内容を主任がまとめて法人各園で共有するようにしています。子どもの人権を尊重した保育を行うことは全職員の共通理解と認識しています。保育士は、穏やかでわかりやすい言葉で話し、子どもの気持ちや考えを態度や言葉から汲みとるよう努めて日々の保育を実施しています。
・友達や保育士の視線を意識せずに過ごせるよう、保育室に子どもたちが落ち着ける場所を用意しています。ウッドデッキや他の保育室、エレベーター前のコーナーなど必要に応じて一対一で威圧感を与えず静かに話し合える場所があります。年齢に応じてトイレにドアを設置し、幼児シャワーにはカーテンを設置し、屋上のプールへの移動階段にはすだれを用意するなどプライバシーに配慮しています。
・守秘義務の意義や目的を職員やボランティア・実習生に周知しています。個人情報の取り扱いについてのガイドラインが整備されており、全職員に周知するとともに「新年度マニュアル確認」の際に確認しています。また、個人情報の取り扱いについては、入園説明会等で保護者に説明し、承諾を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画は保育理念に基づき、子どもの最善の利益を第一義に作成しています。前年度末に、クラスごとに正規・パート職員を含めた「クラス保育検討会議」の中で議論し、職員会議でその意見をもとに作成しています。
・入園説明会後に、事前に記入してもらった児童票、健康台帳、問診票をもとに個別に面接しており、その際に子どもの様子を観察しています。
・乳児だけでなく、幼児についても個別指導計画を作成しています。年2回ケース検討会議を開き、個別の子どもについて議論しています。さらに、保護者からの要請があった時や、保護者と相談したいことがある場合には個人面談を行っています。個別指導計画で離乳食、トイレットトレーニングなどの課題については保護者との話し合いによって計画を作成しています。
・子どもたちが好きな絵本から劇ごっこや劇つくりに遊びを発展し、クリスマス会に発表するなど子どもの自由な発想を受け止め、それを集団活動に取り入れています。保育士は、遊びが見つけられない子どもに話しかけて興味のあるものを探し、友達と一緒にやってみようと誘っています。
・子ども同士のけんか等について保育士は、危険のないよう子どもの気持ちを代弁したり、子どもたちがお互いの気持ちを尊重しつつ、納得して仲直りができるよう配慮しています。幼児クラスは夏季に異年齢保育期間を設け、縦割りのクラスで活動します。年度後半には年長児が1歳児からの子どもたちの午睡後の着替えなどの手伝いに行き、異年齢の子ども同士が関われるよう配慮しています。
・園は、「・おなかがすく生活リズムをつくろう・食べものに興味をもち、好きなものをふやそう・みんなで美味しく楽しく食べよう」を食育目標に掲げ、子どもたちが自分から食べようとする意欲を大切に考え、保護者の要望に応じて冷凍母乳、冷蔵母乳の受け入れを行っています。「年間指導計画給食室」を作成して、食事を豊かに楽しむ工夫をしています。年齢に応じて食材に触れたり、クッキングをして野菜を食べられるよう工夫したり、収穫した野菜を給食室で調理してもらうなど子どもたちが食事やその過程に関心を持てるよう努めています。
・「献立表」「給食だより」を毎月保護者に配布しています。「給食だより」には“あおぞら食育目標”“春の旬のお野菜を使いましょう”“秋のおいしい食べもの”“大豆パワー”などの情報や給食メニューのレシピを紹介しています。保育参観、保育参加の時に子どもと一緒に給食を食べる機会を設けているほか、週1回保護者や地域の親子に向けて「親子レストラン」を行っています。
・一人一人の排泄のリズムを捉え、保育日誌に排泄の記録をして個人差を尊重しています。トイレットトレーニングは家庭と連携を取り、個別に対応しています。
・降園時にその日の子どもの様子を伝えるほか、乳児クラスは家庭と園生活の連続性を考慮した書式を使用し、幼児クラスは家庭での子どもの様子、疑問、質問を記入するなど全クラスが連絡帳を用いて保護者と日常的に情報交換をしています。また、入園、進級後に家庭訪問を行い、個別に担任と話をする機会を設けています。個別面談は保護者の要望に応じて随時行っています。クラス全体の様子や保育の目的、子どもの日常の様子をなどを伝える保護者懇談会を年5回(その内1回は父親懇談会)を実施しています。
・保護者が予定を立てやすいよう、前年度末に「入園・進級のしおり」を配布して年間行事予定を知らせ、さらに毎月の園だよりで月の予定の詳細を配布しています。6月に保育参観週間を設け、保育参加は随時受け入れています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・慣らし保育は入園時の説明会の時に説明し受け入れています。0歳児の場合、入園当初は担当保育士をきめています。ある程度園になれた頃にはゆるいグループ制を敷いて新入園児に配慮しています。
・特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。配慮を要する子どもの日誌、個別指導計画ファイルを作成し、職員間で情報を共有しています。配慮を要する子どもについて、クラス担任から報告を受け、ケース検討を行い理解を深め、保育に生かしています。
・横浜市子ども虐待防止ハンドブックを全職員に配布しています。子どもの毎日の着替えの時にはチェックしたり、朝の受け入れ時などに保護者の様子を観察しながら、問題発見につなげています。虐待が疑われるような場合、保護者との日常のコミュニケーションを取るだけでなく、場合によっては家庭訪問を実施して保護者の支援に心がけています。
・連絡帳に書かれた園に対する要望や意見は、そこだけコピーして会議等で共有しています。保護者懇談会でも意見が出されており、園に寄せられた意見・要望は園だよりなどで報告しています。
・入園時に得た情報に基づき既往歴等を把握し情報は職員間で把握しています。得た既往歴の情報は一覧表にして職員に周知して保育に活かしています。
・年2回の健康診断、年1回の歯科健診が行われ、結果は保護者に書面で知らせています。また、保護者に事前に「問診票」を配り、嘱託医に診てもらいたいことを聞き、結果を知らせています。嘱託医とは、毎年園内研修の講師をしてもらい、わからないことがあれば随時相談するなど連携を図っています。
・園は、重大な事故につながらないよう「衛生管理マニュアル」や「園児安全についてのマニュアル」などに場面別における留意事項が記されており、職員に周知しています。また、午睡時はブレスチェック要員を、プール遊びではプール監視員を配置するなどの対策を講じています。
4 地域との交流・連携 ・職員会議の議題に「地域子育て支援」を取り上げ、地域担当者から地域子育て支援活動や親子の様子等を報告してもらい、職員間で共有しています。地域での子育て支援サービスとして、一時保育(一日平均8名)交流保育(年31回実施)園庭開放(月〜金)園舎開放(月〜金)プール開放(夏季)あかちゃんの駅(月〜金)親子レストラン(火曜日)地域身体計測(第3金曜日)貸出し絵本などを提供しています。地域の保護者や子どもに向けて「旬の食べ物の話と給食試食」「ベビーマッサージ」「子どもの偏食への対応実践編」など育児講座を今年度は19回開催しました。
・「子育て新聞」や「地域子育て支援センター通信」などを町内会や嘱託医、子育てひろば、子育て拠点などに置いてもらったり、町内会に回覧してもらうなど情報提供しています。育児相談は、月曜日から金曜日までの毎日実施する他、園舎や園庭を毎日開放した際に悩みや相談を聞いています。保育園からのお知らせや育児講座などのポスターを園周辺に掲示したり、町内会の地域掲示板に掲示して情報提供に努めています。
・子どもたちは商店街に出かけクッキングの買い物をしたり、ハロウィンではふれあいまつりのチラシ渡しをするなど交流しています。5歳児クラスは近隣保育園3園と年間を通して交流し、3園対抗ドッジボール大会を行っています。また、金沢区「かなざわっこキラキラスポーツフェスティバル」では、園庭を会場として提供し、地域の保育園と連携をして沢山の子どもたちと交流をしました。
・ボランティアの受け入れのためのマニュアルがあり、オリエンテーションを実施し、ボランティアに対して利用者への配慮や活動の際の留意事項等を説明しています。ボランティアの受け入れ対応は部主任が担当しており、受け入れにあたり、あらかじめ職員は会議で説明し、保護者には園だよりで周知しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・就業規則に職員としての服務規定が記され、また法人の運営規定には個人情報の保護規定が示されており、職員等に周知されています。
・園の自己評価結果は園の玄関に掲示され、職員アンケート結果は父母の会で公表しています。経営状況に関しては、社会福祉法人公開システムでインターネット上に公開され、誰でも見ることができるようになっています。
・地域子育て支援センターを開設し、さらに親子レストランを地域に開放すること、ICカードの導入などの重要課題については園、保護者会、労働組合と話し合い、決定しています。
・現在の段階で園としての中・長期計画は策定されていません。ただし、単年度事業計画は策定されています。法人ではキャリアパスの中で、幹部職員を育成しており、また税理士などの外部の専門家に経営に関して意見を聞いています。現在、法人の長期的なビジョンは作成されているので、これを園としての具体的な年度計画として中・長期計画に落とし込んでいくことが期待されます。
6 職員の資質向上の促進 ・園長は園の「人材育成と人材確保の取り組み」をまとめており、人材育成に力を注いでいます。法人内研修は毎年計画的に行われています。「新人研修」「主任研修」「管理職研修」「事業別交流保育研修」「クラス別交流保育」など、職員の習熟度別に行っており、同時にキャリアパスを明示して研修しているといえます。職員それぞれに対し半期に1回、意向調査をしており、職員の自己評価も行っています。
・法人内研修の中で交流研修が行われています。そこでは、他の保育園の保育の現場に保育士が参加し、自分たちの保育を他の園の保育士に見てもらい、他の園の方法を勉強しています。
・園長による「あおぞら谷津保育園の人材構成と人材確保の取り組み」に職員の等級別の役割・研修内容が示されていて、キャリアパスが示されています。職員からは毎年、意向調査・自己評価表により自身の評価を行っており、これをもとに園長は成果・貢献度を評価していきます。処遇改善については、労働組合との話し合いを大切にしています。

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