かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーなかやま保育園(4回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーなかやま保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0014
緑区台村町399
tel:045-938-5651
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

特に優れている点
1)保育の全体的な計画に基づいて年間指導計画を作成し、さらに月・週・日などの期間に応じて詳しい指導計画に落とし込み、個々の「ねらい」に沿った丁寧な保育に取り組んでいる。それをもとに各クラスの担任が年度の振り返りとして冊子にまとめ、年度末の保護者会で説明し配布も行っている。クラスごとの子どもの活動内容や成長の様子を確認できるとともに、次年度の子どもの様子を読み取ることができる。また、年度初めの保護者会では1年の活動や目標についてクラスごとにまとめた冊子を配布し、保護者に理解してもらえるように取り組んでいる。
2)子どもが自主性をもって行動できるようになるための取り組みとして、指示や命令をしないこと、大きな声を出さないこと、職員が進んであいさつをして子どもたちの見本となることなどを職員間での共通の認識としており保育の中で実践している。登園から活動、昼食、午睡、おやつ、降園までの保育時間の流れを、一つひとつ区切り一斉に活動を促すのではなく、子ども一人ひとりが流れを理解して次の行動に移っていく様子は、保育場面観察当日も確認することができており、子どもたちに浸透している様子がうかがえた。
3)地域ネットワークとして区こども家庭支援課が主催する会議や地域の園長会に参画して、地域の子育てニーズなどの情報収集に取り組んでいる。地域の法人内保育園との交流から地域情報を収集して、入園希望者などの地域ニーズの把握にも取り組んでいる。また、地域の子育て支援サービスでは、交流保育、園庭開放などを実施している。「リボン広場」(人形劇の鑑賞会や保育講座)や交流保育を年3回以上開催したり、「あかちゃんの駅」(おむつ交換の場所やトイレの提供など)によって地域に園舎を使ってもらったりする機会を設けている。園の専門性を地域に還元することに努めている。
4)職員一人ひとりの目標管理を基調とした人事考課制度を敷いており、目標設定後や自己評価後などのタイミングに園長面談を実施して、指導助言が受けられるようにしている。また、法人の人事考課制度は賞与や昇級へつながる適切な制度になっていることも確認できている。園長は職員との日常的な関わり中で「保育の本質」や「ふり幅」に関する指導・助言に力を入れたり、個々に合った教育や研修を案内したりして、さらに職員のモラルやモチベーションを向上させることに力を入れている。それらの取り組みによって、2名の主任体制が確立されている。

特に改善や工夫などを期待したい点
1)自ら遊びを想像し、意欲的に遊びを展開したくなるような保育環境を目指しており、行事の内容についても「日常的な保育の延長」になるような内容にしていくことに力を入れている。また、保育時間の長い子どもの遊びがマンネリ化しないように遊びを提供したり、玩具の配置や使い方に変化を持たせたりすることも目指している。個人目標と配慮について定期的に保護者に知らせ、さらに子どもの発達について共有化を図ることに努めており、保育上の疑問点などが生じた際には、園長・主任がそれぞれの立場で必要に応じて指導助言し対応する体制を整えている。必要に応じて職員と個別面談の機会を設け、細かく指導や助言を行うことにしている。園では職員が保育しやすい環境を作ることが重要と心得ており、園の保育力をより充実・向上させることを目指している。
2)日頃から保護者とのコミュニケーションを図り情報共有に努めているが、送迎が集中する時間帯には保護者一人ひとりへの対応が難しく、送迎が両親でない場合もあるため平等に時間が取れていない現状がある。面談や参観にはいつでも応じることを伝えているが、それぞれの家庭状況等もあり全員への実施はできていないことも踏まえ、個人差がないようにする配慮と工夫に努めている。さらに、登降園時などを通じて保護者と子どもの姿について話すことを目指しており、日々のこどもの姿や課題等について、保護者とゆっくり話をする時間をどのように作るかを検討している。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・児童票などをもとに、子ども一人ひとりの背景や事情を考慮しながら個別に対応することを基本としている。日常においては保護者との会話や連絡帳などによって様子を確認し、保育(カリキュラム)に反映させることにしている。
・入社時の施設運営マニュアルに基づいた研修をはじめ、入社後3年目まで毎年実施している振り返り研修などの機会を通じて重点的に学べるようにしている。さらに、それらの法人全体での研修に加え、「身だしなみ」、「言葉遣い」、「子どもの呼び方」などは、日頃より注意を促している。
・子どもの人権の尊重についてのマニュアルがあり、入社時研修で全職員に周知されている。また、園内研修でも児童憲章の内容の確認とともに子どもの人権の尊重について理解を深めている。
・職員は通勤時や出退社時にも倫理観を持った行動をとるように日頃より注意することを心がけている。正しい日本語を職員が使い子どもと関わるようにしたり、ポジティブな視点を持って保育に取り組んだりすることを心がけている。さらに、保護者の状況に合わせて気持ちに寄り添う対応に努めている。
・保育士は子どもと1対1の関わりに努め、信頼関係を大切にして日々の保育に取り組んでおり、羞恥心への配慮として保育室内では着替えやオムツ交換の場所を設定しており、決まった場所で行うことを職員間で周知している。
・個人情報の取り扱いやプライバシー保護に関する規定を設け、研修を通じて職員に周知している。入園時には肖像権の取り扱いについて書面で同意書を取り交わし、保護者の意向に沿った対応に努めている。
・今回行った保護者アンケートの「子どもや保護者の尊厳の尊重」に関する各設問においても高い満足度が得られており、各種の取り組みの成果が得られていることがうかがえる。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・入園にあたり「入園のしおり」の内容に沿って保育理念や基本方針、園での生活について説明を行ない、個人面談では保護者の要望を聴き取ると共に、子どもの成育歴・健康面(アレルギーの有無も含む)・発達状況・食事の様子等を丁寧に聴き取ることにしている。重要事項や個人情報等の取り扱いについても説明している。
・保護者に配付される「入園のしおり」には、保育園の生活において必要となる事項がわかりやすく明記されており、卒園まで保管し必要に応じて確認してもらうように伝えている。
・入園時には、子どもの不安やストレスが軽減されるように子どもの成育歴・年齢・保護者の就労状況などを考慮した上で慣れ保育を行なっている。始めは短時間から進め、子どもの様子に注力しながら個別に進めることにしている。
・新年度を迎え、進級児(在園児)が、新しいクラスの中で不安にならないように、進級前から次年度のクラスになれるように意識しながら異年齢交流などの活動を行っている。
・全体の計画とともに園独自の指標を確認しながら指導計画の作成につなげている。0歳児、1歳児では年間到達目標、2歳児から5歳児までは保育計画(指標)、さらに就学前の6歳児については養育・教育のねらい、集団との関わり方、行事の捉え方などについて具体的な姿が示されている。
・0歳児では、特定の保育士と愛着関係を深めスキンシップを多く取り、安心して過ごせるように配慮している。音の出る玩具や握りやすい玩具など、手指の発達に合わせて玩具を取り揃え、子どもが届く場所に設置し、子どもの成長や発達に合わせて室内環境や絵本、玩具の入れ替えを行っている。
・はいはい、つかまり立ち、歩くなど保育室内で自由に動き回れるような場所を確保し、発達に合わせて安全に見守りながら階段の昇り降りも練習している。身の回りのことに興味を持ち自分でやろうとする気持ちを大切に受け止め、衣服や靴を自分で脱いだり着たりできるように声かけし、子どもが自分の持ち物やロッカーの場所を知り、自分で取り出したりしまったりできるように設定している。
・積み木やブロックなどで遊びながら色や形、数などを伝えるほか、絵本や図鑑なども取り入れて動物や物の名前を伝えている。ままごとなどのごっこ遊びを通して言葉のやり取りや、友達と一緒に遊ぶことの楽しさを伝えている。
・幼児では、指導計画に基づいた体育・本育・造形・音育についての年齢ごとの指標に沿った内容を具体的に日々の保育に取り入れている。戸外遊びではおにごっこ、ドッヂボールなど集団遊びを楽しみながらルールを知り、友達と遊ぶ楽しさを感じることができるようにしている。歌や楽器、絵画、などの活動を通して表現することの楽しさや、友達と協力して作り上げる喜びを味わうことができるようにしている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・保育理念「あったかい心をもつ子どもに育てる」のもと8項目の基本方針や保育目標を掲げ、保護者、職員、関係者への周知に努めている。指導計画を策定する際にも保育理念や基本方針などを骨子として盛り込み、日々の保育に反映させるようにしている。園舎内には保育理念等を掲示するとともに入園説明会や保護者会で説明したり、ホームページ、入園のしおり、パンフレットなどにも掲載したりして浸透に努めている。
・法人のホームページには共通項目である保育理念・保育プログラム・一日の流れ・年間行事等をはじめ、利用案内や所在地等の概要が掲載し、資料請求や問い合わせ、パンフレットのダウンロードなどもできるようにしている。また、公式SNSページでは、日常の保育や季節の行事の様子などを分かりやすく掲載し、園に関する情報を得ることができるようにしている。
・全体的な計画は保育所保育指針に加え、法人独自の取り組みである楽習保育指針を踏まえて作成している。作成した計画は期間(日・週・月・半期・年間)ごとに振り返り、子どもの姿と指導計画の方向性を検証し、必要に応じて修正を加えて次期の計画に反映するようにしている。子どもへの個別配慮については、連絡帳、面談などにより保護者の意向を把握して取り入れている。
・全体的な計画を踏まえて年間指導計画を作成し、月間指導計画と週案の作成につなげている。保護者には入園時や年度初めの保護者会で指導計画の内容や年齢に応じた子どもの発達の様子についての説明を行い、毎月の園だよりでは「ねらい」や「活動の様子」を伝えている。園だよりに加え園舎にはクラスの活動の様子を掲示して、指導計画や目標に沿った保育内容が実施されていることを伝えている。
4 地域との交流・連携 ・地域ネットワークとして区こども家庭支援課が主催する会議や地域の園長会に参画して、地域の子育てニーズなどの情報収集に取り組んでいる。また、地域の法人内保育園との交流から地域情報を収集して、入園希望者などの地域ニーズの把握にも取り組んでいる。また、法人の運営事務局連絡会では、国の保育事業に関する情報を収集して園運営に反映させることに取り組んでいる。
・ニュースやインターネットからの情報やリスクマネジメント関連の情報などは、職員に回覧して注意喚起を促している。また、見学や来園した地域の保護者からもニーズの把握に努めている。行事を開催する際には園の外掲示板にポスターを掲示し、交流のある保育園には案内を送り、地域の関係者にも案内して参加を促している。
・地域との交流を目指して、地域の保育園、小学校や高齢者施設などと継続的に関わることで、子どもの育ちを支援することに力を入れている。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・福祉サービス従事者として規範や倫理については、入社時の施設運営マニュアルに基づいた研修をはじめ、入社後3年目まで毎年実施している振り返り研修などの機会を通じて重点的に学べるようにしている。さらに、それらの法人全体での研修に加え、「身だしなみ」、「言葉遣い」、「子どもの呼び方」などは、日頃より注意を促している。
・情報の重要性や機密性を踏まえ、PCは経営層、専門職用、一般職員共用などに分けてIDパスワードで管理し、法人として運用基準を定めている。児童票や児童要録、契約書などの書類は施錠できる書庫で保管し、出し入れについても管理基準を設けている。
・保管している各種の情報は、必要な時に活用できるように、各職員が内容を確認しながら随時更新している。管理基準の変更や更新などは法人本部が主催する説明会や通達によって、円滑に実施できるようにしている。
・地域の子育てに関する情報は、園長などが出席する地域の園長会で把握しており、地域交流や保育の取り組みについては毎月の職員会議で見直し、改善点や課題を見つけ、次回に反映させるようにしている。
・園長は法人施設運営担当者と共に月次収支を確認しており、園内の経費については管理簿をつけて管理している。
・環境整備ではゴミの減量化とゴミの分別に取り組み、省エネ対策としては、節電やエアコンの設定温度等に注意を促し、グリーンカーテンで工夫している。
・エコ化としては子どもの自由制作では牛乳パックや廃材を利用、ゴミは産業廃棄物回収専門事業者に業務委託したしている。
・今回行った保護者アンケートの「子どもや保護者の尊厳の尊重」に関する各設問においても高い満足度が得られており、各種の取り組みの成果が得られていることがうかがえる。
6 職員の資質向上の促進 ・有給休暇については体制をチェックして最大限取れるようにしたり、できる限り残業をしない勤務体制を設定することにも取り組んでいる。職員自己評価の結果からも、職員のやる気につながる「働きやすい職場環境」になっていることがうかがえる。
・日常においても職員が気持ちよく働けるよう、一人ひとりが自分の思っていることを聞き取って、コミュニケーションを図っている。法人主導のもとに保育士の人材確保とバランスを加味した人員配置に取り組んでいる。
・職員の就業状況や意向を把握し、休暇取得や福利厚生の活用を推奨している。休暇取得に関しては、平等性を加味してシフト作成に取り組んでいる。
・園長は職員個々の抱えている仕事量の把握に努め、効率よく仕事ができるような提案や助言を行ない、就業時間内に勤務を終えられるようにしている。
・毎年職員健康診断を実施し、その実施機関で必要に応じて「食事指導」「健康相談」「メンタルヘルスカウンセリング」を行なうなど、職員はいつでも相談できるシステムが整えられている。また、インフルエンザ予防接種の斡旋を行い、多くの職員が流行時期前の接種に努めている。

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