かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

緑の杜保育園

対象事業所名 緑の杜保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 神奈川民間保育園協会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0033
高津区下作延2丁目6番3号
tel:044-866-6914
設立年月日 2005(平成17)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
【施設の概要・特徴】
●緑の杜保育園は、公設民営施設の川崎市下作延保育園を経て、平成27年に完全民営化をしました。経営母体は社会福祉法人神奈川民間保育園協会であり、継続して子どもの最善の利益を追求し、益々、地域に根差した保育園として取り組んでいます。緑の杜保育園は継続して、一般財団法人川崎市保育会(59の認可保育所及び、11の諸規模保育施設の70園が加盟)に加盟し、川崎市立保育園の民営化方針の受け皿として展開しています。緑の杜保育園は、JR線、東急田園都市線溝の口駅から徒歩5分程度、高津区役所が近くにあり、商業地、住宅地が混在し、生活にも至便な地域に位置しています。
●園舎は現在も旧市立保育園を継承して保育を実施していますが、緑の杜保育園の子ども達は、安全な隣の高架下の遊園地や、公園に続くアスファルトの道を走って丈夫な身体を作り、広い園庭では固定遊具や様々な遊具を使って自由にのびのびと元気に遊んでいます。食育にも力を入れ、完全給食を実施し、園庭ではクラス別に季節の野菜をはじめ植物の栽培を行い、クッキング保育を実施して心身ともに健康な身体づくりに取り組んでいます。
〈特に良いと思う点〉
1.【一人ひとりの人権を尊重し、規制しない保育の実施】
●緑の杜保育園では、一人ひとりの人権を尊重して保育に当たり、方針として「規制しない保育」、「怒らない保育」を進めています。子どもとの信頼関係を大切にし、子どもと向き合い、子どもと気持ちを共有し、理解を深めながら「受容」する保育に努めています。また、子どもと同じ目線に立ち、体を触れ合わせ、保育士の温もりを通して信頼関係を深めています。規制しない、怒らない保育を行うことにより、子どもが自ら考える力や自ら判断し、行動する力を育むよう取り組んでいます。
2.【情操教育の推進】
●緑の杜保育園では、オリジナルプログラムとして、体育教室、英語あそび、リトミック(鼓笛隊)を導入して実施しています。子どもの感受性を大切に音や音楽に楽しみ、外部の専任講師による体育指導や外国人講師から歌を通して英語を身近に捉え、さらに、音楽教育を重視して専任講師でのリトミック、歌唱指導、伝統ある鼓笛隊指導の取り組みを実施しています。鼓笛隊は毎年、運動会で披露しています。幅広い活動を通して子どもの自由表現による感情や情緒を育み、創造力を培い、子ども一人ひとりの個性的な心を豊かにし、子どもの可能性を広げています。これらの活動は子どもの将来にどこかで役立ち、自分がやりたいことの素地にもなる取り組みです。
3.【食育活動と食事の提供】
●緑の杜保育園の特徴の1つとして、食育に力を注ぎ、完全給食を実施しています。園では、子どもの健やかな発育・発達を目指して提供し、子どもの食生活を支援しています。さらに、食を営む力となる基礎を培い、完全給食は子どもの重要な役割として担い、栄養バランスのある食事を提供しています。園庭では栽培や収穫体験を行い、クッキング保育を実施し、食育活動と日常の食事(給食)との関わりを意識して食育活動に取り組んでいます。5歳児は就学を見据え、午睡時間に代わり食育のカリキュラムを導入する等、食体験、食習慣の形成につなげています。
<さらなる期待がされる点>
1.【近隣施設との交流(高齢者施設)】
●子どもにとっても高齢者にとっても世代間交流は大切なことと思います。特に、在園児の祖父母はまだ若い年代であると曾祖父母の代との交流はより貴重になると思います。交流により、子どもが高齢者を労わるという思いやりの心が芽生え、高齢者にも生きがいを与え、双方に精神的な活性化と感受性を育み、大切な交流の一環になることと思います。緑の杜保育園は、高津区の中心に位置しているので、近くに高齢者施設が該当しませんが、高津区役所に働きかけを行い、高齢者の集い等に子どもが参加できる試みや、隣の高架下の公園でゲートボールに来る高齢者から地域の老人会(シニアクラブ)の情報を得て、きっかけ作りをする等、工夫が必要に思われます。また、小規模のグループホームやディサービスでの交流も視野に入れながら検討されることを期待いたしております。
2.【保育士と看護師の連携について(専門職の採用)】
●現在(2018年度)、専任看護師の不在に代わり、業務代行の担当保育士がその任に当たり、保育(各種)マニュアルに怪我・急病等の対応方法、留意点を示し、全職員に周知徹底を図り、対応に努めています。2019年4月からは専任看護師の採用が予定され、突発的な病気・怪我等が発生した時点で咄嗟の判断、応急処置、多数の子どものケア、健康・衛生について子どもの安全を確保する体制が強化されます。今後、保育士と看護師は異常が起きた乳幼児に対して連携して対処しなければなりません。日頃から保育士とコミュニケーションを図り、看護師も普段から乳幼児の健康状態に気を配り、理解と共に連携しやすい状況を構築していくことが望まれます。他にも行事等の会議に参加する等、安全面・衛生面からの意見により行事当日に互いの動きや、連携により早急に対処できる態勢も整備できると思います。保育士と看護師の連携を大切にし、子ども・保護者との信頼関係にプラス「安心」が加わり、さらなるより良い園作りに尽力していかれることを期待いたしております。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●園では、子どもの意思を尊重し、子どもの行動を無理やり規制しないよう行動・気持ちを受け止め、様子を見ながら集団活動に参加できるよう促しています。また、保育士と子どもの距離感に配慮し、タイミングを見極め、子ども自身の意思で行動できるよう援助しています。
●基本理念での「一人ひとりの子どもの人権を尊重する」を基に、全職員で共通認識を図り、保育に当たっています。園長は、職員会議で子どもの人権について繰り返し伝え、大人の身勝手で園児を振り回す事のないよう指導しています。虐待の防止・早期発見については、「虐待防止マニュアル」を備え、職員間で情報共有を図り、保護者との会話や登降園時の親子関係、子どもの行動や着替え時の身体チェック、子どもの心身の状態を常に把握し、早期発見に努めています。
●個人情報保護については、職員に守秘義務を周知徹底しています。保護者には入園のしおりに記載し、入園説明会時に説明を行い、文書、子どもの名前・写真等に関して同意書を得る等、肖像権に配慮しています。子どもの気持ちに配慮した支援では、子どもの気持ちや思いを汲み取り、自尊心を傷つけることのないよう心得、保育にあたっています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足の把握に向け、意見箱を設置し、保護者が自由に意見を述べる機会を設定しています。また、保護者会役員会、懇談会、保育参加、個人面談を実施し、要望や意見を聞く機会を設けています。行事後はアンケートを実施して保護者の意向や満足度の把握に努めています。第三者評価受審年度は第三者評価の利用者アンケートから意見を抽出し、利用者満足・サービスの向上に取り組んでいきます。
●意見、苦情、相談等については、苦情処理委員会を設け、状況に応じて対応できるよう体制を整えています。保護者とは登降園時に声かけを行うよう心がけ、気軽に意見等が述べられるように努めています。事務室の入口は、玄関前にあり、保護者が気軽に話しかけができるよう雰囲気作りに努めています。苦情解決の仕組みについては、「緑の杜保育園苦情解決要領」を備え、苦情処理委員会を通して迅速に検討を図り、保護者へフィードバックを行い、報告書を作成して保管しています。
●園では、保育の基本として、肯定的な表現を心がけ、ポジティブな保育を推進しています。また、家庭環境や生活リズムによる一人ひとりの違いを把握し、発達過程を理解及び受容し、適切な支援に努めています。日常的に異年齢合同保育を実施し、戸外活動、園行事等を通しても異年齢児で経験、活動で関わりを深め、思いやり、助け合う気持ちを育んでいます。幼児クラスでは、外部の専門講師による体育教室、英語あそび、リトミックのプログラムを様々に体験し、英語あそびでは外国文化の雰囲気を体験しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●園の必要な情報は、ホームページやパンフレット、入園のしおり等で提供しています。入園希望者等に施設内や保育の様子を見学してもらい、パンフレットを配付して説明をしています。保護者へは毎月、園だより、クラス便りを配付し、保育の様子や今後の予定、子育てのアドバイス等も掲載して情報を提供しています。サービス利用開始後は慣らし保育を実施し、保護者の就労状況に応じて柔軟に対応し、家庭や子どもの状況を見て進めています。子どもには、不安な気持ちに寄り添い、スキンシップを行い、遊びに誘う等、子どもが安心して、安全な場所という認識が持てるよう努めています。
●全体的な計画を基に、年間、月間カリキュラムを策定しています。個別指導計画の策定にあたり、クラスリーダー、主任保育士と話し合い、作成しています。また、保育所保育指針を踏まえ、「養護」と「教育」の各領域を考慮して作成しています。子どもに関するサービス実施状況の記録は統一様式を使用し、統一した記録になるよう努めています。見方や記述の仕方については「見方や記録の書き方」等の園内研修を定期的に実施し、統一した記録の作成に研鑽を図っています。
●提供するサービスの標準的な実施方法については保育マニュアルに明示しています。職員の心構え、ポジティブ保育の書籍等を活用し、緑の杜保育園の標準的な実施方法について適宜、会議等で周知しています。園では、ポジティブ保育を実践し、「保育の質」「保育の量」等の観点からポジティブ・ケアギビング(積極的な養育)の考え方を導入し、子どもの成長発達につなげています。職員は、ポジティブな養育について自己評価を行い、より良い保育を目指しています。
4 地域との交流・連携 ●園の情報提供は、川崎市ホームページ、かわさきし子育て応援ナビ、高津区子育て施設マップ、高津区子育て情報ガイド「ホッとこそだて・たかつ」、ホームページ等に情報を開示しています。園の掲示板にも情報を貼り出し、園行事の際は町内会の掲示板にも掲示させてもらっています。
●地域子育て支援として、一時保育、休日保育、園庭開放、プール地域開放を実施し、地域の子育て支援に貢献しています。地域の町内会に所属し、お祭りにも協力しています。ボランティアの受け入れについては、受け入れマニュアル、レジメを作成し、事前にオリエンテーションを行い、園の方針や姿勢を明確にし、受け入れ体制を整え、夏季ボランティア、保育士養成校、地域の高校生の体験学習を受け入れています。
●地域の関係機関との交流では、高津区の園長会、保育会、高津区の幼保小連絡会、年長児担当者会議等に出席し、行政、地域の関係機関、団体の連絡会に定期的に参加しています。高津区の相談員、地区担当保健師とも連携を図り、家庭支援や就学を見据えたフォローを行い、地域の福祉ニーズも把握しています。高津区主催の事業・活動に参加し、保育まつり、関連事業での園児作品展や、子育てフェスティバルに子ども、職員が参加しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●保育の理念、基本理念、保育目標は、入園のしおり、ホームページに表記して周知し、基本理念、保育目標は目に付くところに掲示して周知しています。職員に対しては、年度初めに全体的な計画を説明し、保育理念、基本方針も併せて周知しています。保護者に対しては、入園前説明会等で理念や方針について説明し、入園時に入園のしおりを配付して理解を促し、保育の実践を通して理解が深まるよう努めています。子ども一人ひとりの人権を大切にする保育を目指し、規制保育は行わないこと、子どもの意思を尊重し、無理強いせず自分の意思で集団活動に入れるよう信頼関係を築き、誘導する方針を説明しています。
●事業計画及び全体的な計画、年間指導計画を基に各年齢の月間カリキュラム、週間カリキュラムを作成しています。計画に、専門講師による音楽あそび、英語あそび、体育教室、プール指導等を取り入れ、自由遊びでは情操教育、手指足等四肢の発達、社会勉強等を学び、感性豊かな心を育み、子ども一人ひとりの興味や関心を伸ばして就学前の意欲につなげ、将来の子どもの素地作りを大切にして取り組んでいます。
●サービス内容の評価については、今年度、第三者評価を受審し、サービス内容の質の向上につなげていきます。保育参加月間、各行事時に保護者アンケートを実施し、意見を抽出して改善点は見直し、より良いサービス向上に努めています。園長は、職員の希望、園の質の向上につながる課題を把握し、シフトの調整を図り、職員が園内研修・外部研修を受講できるよう保障し、保育の知識・技術等の向上に取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●園児の人数により適正な職員配置を行っています。人材の採用では、保育理念、基本方針に賛同する人材、方針に合った人材を求め、勤務体制、行事への取り組み等の説明を行い、理解の上、採用を決定しています。職員一人ひとりの能力を発揮できる環境作りと、子どもの発達を保障するための人的環境の整備に努めています。
●職員の教育・研修については、理念や基本方針の実現に向けて、職員会議等で示しています。法人主催の研修や、高津区主催の研修・勉強会に参加し、保育に生かしています。外部研修については職員個々の希望を聞き、研修への参加を保障するようにしています。園内研修では、実行委員を中心に計画し、職員、園全体に必要な研修、個々に学びたい研修を検討して作成し、職員の資質の把握と向上を図っています。
●園長は、職員の日々の様子、就業状況や意向を把握し、シフトの調整を図り、職場環境に配慮しています。有給、代休、夏季休暇、遅刻・早退等の届出簿を整備し、職員個々の取得状況について確認しています。園長は、職員の日々の様子を確認し、声かけを行うなど配慮に努め、有休消化率や時間外労働の状況を毎月末に確認し、改善の必要性が生じた場合は業務内容や人的配置を見直し、改善に努めています。福利厚生では、職員の健康診断を年1回実施し、定期的に検便、ノロウイルス検査等を行い、健康管理を行っています。緑の杜保育園独自に厚生活動を実施するための実行委員を設け、食事会を実施し、職員間の交流・親交を深めています。

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