かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ミラークよこすか

対象事業所名 ミラークよこすか
経営主体(法人等) 社会福祉法人 電機神奈川福祉センター
対象サービス 障害分野 就労移行支援
事業所住所等 〒 238 - 0008
横須賀市大滝町2-15-1 横須賀東相ビル6階
tel:046-821-3450
設立年月日 2015(平成27)年01月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 就労移行支援事業所「ミラークよこすか」(以下、「事業所」という)は、京浜急行線横須賀中央駅より徒歩約5分で、横須賀市の中心部にあります。周辺は行政関係ビルや商業ビルが立ち並ぶ繁華街で、建物は鉄筋コンクリート造、9階建ての6階にあります。運営主体は社会福祉法人電機神奈川福祉センターで、2015年1月に自立訓練事業所(生活介護)として開所しました。2017年4月には事業変更を行い、就労移行支援事業所に移行しています。2018年度からは従来から実施していた定着支援事業が法制化され、就労後の面談や企業訪問、事業所でのイベント開催などに力を入れた取り組みを行っています。利用者は知的、身体、精神の3障害者を対象とし、一人ひとりに合わせたプログラム開発を行い、きめ細やかな支援の下に訓練に励み、就労への高い実績を上げています。「利用者が自主的に考え、行動できるように支援する。一人ひとりが自信をつけることが出来るよう支援する。利用者との信頼関係を築く」を支援方針とし、利用者の人生、個性、尊厳を大切に、これからの生き方を尊重した支援を行っています。 


<特によいと思う点>

1.「就職ナビゲーション」で目標を明確にした支援を行い、高い就労実績を上げています

 「就職ナビゲーション」とは、利用者のこれまでの経歴や経験を生かし、どのようなことに取り組むかを自ら認識し、就労に向けて振り返りや実践練習を計画的に実施するプログラムです。内容は、@自分のことを知る A就職について知る B就職活動準備 C就職活動開始 D就職という段階を追った構成になっています。こうした目標を明確にして本人の得意・不得意分野を踏まえた作業訓練、自信を持てる支援を行い、29年度は12名の就労という高い実績を上げています。


2.定着支援事業期間及びその後の就労を安定的に行う支援体制を講じています

 就職後の職場定着サポートに力を入れています。就職した会社で就労を継続できるよう就労後の個別支援計画に基づいて一人ひとりに応じた定着支援を実施しています。定期的な職場巡回や月に1〜2回の面談を行い、課題に合わせて相談に応じ、ストレスや不安を軽減する取り組みを行っています。また、年3回のイベント・懇親会を開催し就労者仲間の交流や支援の円滑化を図っています。事業所から就労したほぼ全員の就労者の参加があり、定着支援事業支援期間はもとより、その後の就労を安定的に行う体制を講じています。


3.利用者の特性に合わせ一人ひとりの課題、状況に合う個別プログラムを作成しています

 内容が同じであっても利用者の強みを引き出す訓練を実施しています。例えば作業の中でミスは少ないが時間がかかる利用者と、時間は早いがミスが多い利用者では基本の手順書の内容を柔軟に変更しています。出来ないことに目を向けるのではなく、出来る事を伸ばし利用者自身の達成感、やりがいを持てるように配慮しています。利用者がどのようにしたいかを基本に、個々の強みが出るように作業訓練を実施しています。


<さらなる改善が望まれる点>

1.自己評価による定期的な振り返りを行い、サービスの質の向上を図る取り組みが期待されます

 利用者アンケートを通じて事業所の評価や意見・提案を受けています。今年度は福祉サービス第三者評価を受審しており、その結果の公表を予定していますが、事業全体を客観的に見直す自己評価への取り組みは今まで行われてきませんでした。今後は組織全体で自己評価による定期的な振り返りを行い、サービスの質の向上に向けて取り組まれることを期待します。


2.ボランティア受け入れへの工夫や努力が期待されます

 実習生の受け入れは数多く実施していますが、事業所の特性上ボランティアの受け入れは困難な要素が多いと捉えており、現状ではボランティアの活用は行われていません。事業所としてボランティアの受け入れは地域に開かれた運営となり、福祉に対する啓発活動でもあります。利用者との触れ合える活動内容などを地域と一緒に検討する機会などが望まれます。


3.理念・方針を利用者に分かりやすい形で明示することが期待されます

 サービス開始時には利用者や家族に向けて重要事項説明書に基づき、運営方針を説明しています。日常の支援や個別面談、家族面接で方針に触れていますが、理念や運営方針、支援方針など分かりにくい面があります。理念・方針は運営の根幹であり、より明確な形で理念・方針を訓練室等に掲示し、利用者に分かりやすい形で説明されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 「利用者が自主的に考え、行動できるように支援する」という支援方針を定めています。個別支援計画の作成や講座(プログラム)の選択、イベントの参加や企画等、本人の意向や主体性を基本にし、利用者個人を尊重する支援を行っています。また、就職活動に向けて利用者自身が作成する「私の取扱説明書」では、その作成の過程で利用者の生活や環境、障害特性を職員は深く理解し、日常の支援に利用者の意思を反映させた取り組みを行っています。


A 法人の規定集「障害ケアガイドライン」には「虐待防止対策規程」が策定されています。法人全体研修として「虐待とは何か」という研修が実施され、職員全員が虐待防止への意識を高めています。日常的に利用者との面談や相談の機会を多く設けており、意見や苦情、日常生活状況を把握できます。必要に応じて行政機関との連携を図っています。


B 法人として「個人情報保護規程」を定めています。サービス利用開始時に結ぶ契約書には利用者・家族の秘密を洩らさない守秘義務を謳っています。施設外実習を行う際や関係機関との情報交換、緊急時などに於いて利用者の情報提供が必要となる場合には必要最小限及び細心の注意を払うことを条件とし、「個人情報使用同意書」により、同意を得ています。プライバシーに配慮し面談は相談室を利用し、男女別々の更衣室やロッカーを設置しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 月1回以上の就職ナビゲーションを行っています。個別の対応を大切にし、利用者本人が意欲を自主的に持てるように、個別のトレーニングを導入するなどして、利用者の状況に合わせています。訪問時には利用者が自主的に作成した新聞が手書きで掲示され、さらに、新聞はPCの得意な利用者によってPC上に掲載されています。このように、利用者の気持ち、意欲を肯定的に受け止め満足度の向上に取り組んでいます。


A 利用者は自分が相談したい職員に相談ができるようになっています。また、利用者の個性を配慮して職員が声をかけたり、相談室、スクリーン、パーテーションを用いて人目が気にならない空間をさりげなく作るなどして、利用者のプライバシーに配慮した話をしやすい環境を作っています。


B 個別の支援計画では、「〜できなかった」という経験も必要だと考えているので、利用者にも自分の強み、弱みを客観的に自覚し、何をどのように改善したら良いか考える事を大切にしています。そして、利用者の「〜したい」という気持ちを尊重して、職員がアドバイスをするなどして、一緒に考えた上で支援しています。例えば、作業時間がかかり過ぎる場合は、少し量を減らすことで、時間内に作業が終了したという達成感と、次回への意欲が生まれるように、利用者の個性に合わせて作業手順などを柔軟に変えています。


C 利用開始時に健康状態などのデーターを把握していますが、通常の健康状態は、利用者の自己申告によっています。咳が出ているときなどは社会人のマナーとしてマスクを着用するように話をしています。講座の中で散歩をするプログラムがあり個別に対応しています。協力医との連携を取っていますが、施設の2階は呼吸器内科医の開業医院があり緊急時に受診することができます。利用者の状態で必要に応じ家族に迅速な状況報告や、救急搬送等をおこなっています。


D 利用者から職種の希望と訓練の様子から適正な把握を行い、本人の希望を聞き職員からも実習提案をするなどして、利用者の特性に見合った就労ができるように努めています。利用者の希望の他に家族の意見も参考にし支援に努めています。個別のプログラムを実施し、作業訓練、施設外作業を通して、就労の適性把握と課題整理を行い、利用者個別 に目標を設定しています。2017年から就職ナビゲーションとして利用者本人が働くことに関して、働くために必要な事はどのような事か、振り返り、実践練習を計画的に実施しています。


E 就職活動は個々の訓練の習熟度、特性によって個別に対応し、利用者の就労後のアフターケアに力を入れています。就職した会社で就労するための支援(定着支援)として、月に1〜2回面接や企業に出向いたり、面接を行うなどして利用者のサポートに努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ パンフレットやホームページには、知的・精神・発達障害を持つ方の、就労移行支援・就労定着支援に特化した施設であることを明記しています。見学者には説明資料を用いて、見学から利用に至るまでの手順を分かりやすく説明しています。 契約時は重要 事項説明書、契約書に沿って説明し、利用者の特性にあわせて契約書等は平仮名で表示したものも用意しています。サー ビス利用開始後の個別支援計画は利用者と相談の上、作成しています。


A 個別支援計画の見直しは、必要に応じて柔軟に対応し3か月を超えない範囲で実施しています。利用者の良い面が引き出され、自信を持って取り組めるように、支援する事を心がけています。 例えば、同じ作業内容でも利用者の特性によってはチェックシートを作ることで、作業内容の時間の短縮、ミスの軽減につながります。利用者の特性に合わせて個別の細やかな支援を実施することで、利用者の「〜したい」という気持ち、主体性、自立を促せるように本人の意向、職員の客観的な視点を含めて計画の策定、見直しをしています。


B 利用者支援プログラムごとに作業手順書を作成し、利用者は作業記録表を記載しています。さらに、利用者一人ひとりの特性や得手・不得手を考慮しミスが起きないようにするための手順書を作成し、利用者自身にも自分の課題を認識してもらえるように配慮しています。月1回の職員会議では本人の要望、習熟度を確認し、個別に実施内容を検討しています。必要に応じて手順書、マニュアルなどの見直しが行われ、職員は利用者一人ひとりに応じて共通の対応ができるように、サービスの提供を図っています。


C 重要事項説明書には、苦情・相談体制の体制について明文化され、権利擁護機関の「かながわ福祉サービス運営適正化委員会」も記載しています。法人内にも第三者委員会を設置し、年1回、苦情解決報告会を実施しています。 ホーム ページでは「苦情申し出窓口の設置について」が掲載されています。利用者の苦情などは職員間で周知され、他の利用者から同じような声が無いか等を調べサービスの向上に努めています。

4 地域との交流・連携

@ ホームページには事業所の特徴、事業内容、プログラム、利用の流れ、事業報告等の情報を掲示しています。就労サイトからも独自の視点で事業所の内容を発信しています。地域の計画相談利用者や養護学校の生徒等に対して、利用する、しないにかかわらず事業所の実習を提供し、アセスメントの実施や評価を行うなどサービスを提供しています。横須賀市教育委員会主催の「就労支援合同学習会」の講師を請け負い、地域に事業所の専門性を提供しています。


A 実習生は受け入れていますが、事業所の特性上ボランティアの活用は困難な要素が多く、現在はボランティアの受け入れは行われていません。事業所では、地域住民にたいして施設の目的や概要の周知、施設の透明性は必要と考えており、ボランティア活動受け入れに対する工夫を模索しています。


B 就労移行支援事業所連絡会及び地域の就労支援会議への定期的な出席をし、福祉業界の動向をはじめ地域福祉の情報を得るなど交流を図っています。また、地域の福祉就労支援会議では、就労支援のための統一したアセスメントシートの作成に向けて主催者である横須賀障害者就労援助・生活支援センターを中心に協働で作成を行っています。学校や計画相談事務所、医療機関等地域のニーズを把握するために訪問を行い、施設情報・PRに努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 年1回、法人の全体研修会にて法人の理念や基本方針に基づく研修を行っています。職員会議や毎日のミーティングでは、法人理念や事業所の支援方針に基づく運営を行い、振り返りや確認の機会がもたれています。サービス開始時には利用者や家族に向けて重要事項説明書に基づき、運営方針を説明していますが、事業所としての理念・方針を明確な形で統一し、利用者に対して掲示や分かりやすい説明を定期的に行うことが有効と思われます。


A 中・長期の6ヶ年計画に基づき、単年度計画を策定しています。地域のニーズや行政、関係機関からの情報、職員からの提案、利用者アンケート等からニーズを分析・課題を捉え、施設長、課長、支援主任で事業計画案を作成し、職員全員で確認・合意をしています。本年度目標として就労定着支援事業を本格化し、行政機関との調整や対象者への説明を重視すること、広報活動やネットワークの拡大に向けた活動を行い、安定経営を実現することを重点目標にしています。


B 利用者アンケートでは、事業所への信頼度や総合満足度、作業訓練、講座、就職ナビゲーション等の取り組みの評価や提案を受けています。法人全体研修では、法人内各事業所の年度事業計画や6ヶ年事業計画についての発表があり、法人の全職員からの質問や意見を内部イントラネットを使い、受け付けています。こうした結果に基づき取り組むべき課題を明確にして改善策や改善実施計画、新たな企画を立ち上げるなど、質の向上に向けた組織的な取り組みを行っています。

6 職員の資質向上の促進

@ 法令や規範・倫理等は法人の規定集として纏めています。法人内の規定集はPC上の共有ホルダ内から全職員が閲覧できるようにしています。接遇や個人情報保護、虐待防止等各種研修を実施しており、定期的に規範や倫理の振り返りや確認を行っています。人事考課マニュアルの改正を行っており、新キャリアパス制度として平成30年度は職員に向けて職位の名称改正や職位ごとの標準的な業務、育成、評価、報酬を連動させた人材マネジメントの説明を行っています。


A 法人の誓いとして「絶えざる研鑽と成長」を掲げており、職員の教育・研修に関する基本姿勢を示しています。職員の職位に応じて県社協の福祉研修センターが行う福祉従事者研修を活用し、その研修プログラムの中で該当する職層の研修を受講することを定めた研修計画になっています。法人としては新人研修や職位に応じた研修、全体研修などを行っています。年2回実施する上司との考課面談に於いて研修への振り返りや評価、見直しを図っています。


B 年2回の管理者との考課面談を実施しており、その際には職員の体調面や移動希望等の意向を聞くなど必要に応じた対応をしています。規定集には福利厚生について慶弔金規程や互助会、ストレス制度実施規定等を定めています。年1回の健康診断、年2回の暑気払い、納会、年末年始休暇、年1回誕生日又は結婚記念日休暇、2日間の夏季休暇、有給休暇があります。職員の働きやすい環境づくりとして、有給休暇の取得や残業をしない体制を作っています。

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