かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

坂戸保育園(2回目受審)

対象事業所名 坂戸保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 尚徳福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0012
高津区高津区坂戸3-7-21
tel:044-811-6922
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
<施設の概要・特徴>
 尚徳福祉会坂戸保育園は、JR南武線溝の口駅から徒歩15分の市街地の中にあります。幹線道路から少し入ったところで、周辺には神奈川サイエンスパーク(KSP)や小学校などがあり閑静な環境となっています。平成21年4月1日に川崎市から民間移管により開設されました。
 園舎は鉄筋コンクリートの2階建てで延床面積は約1,567平方メートル、園庭面積は約881平方メートルになっています。保育目標に「1.心身ともに健康で意欲的な子ども 2.自分の思いを素直に表現できる子ども 3.友だちと楽しく遊べる子ども」の3点を掲げ、園庭には子供たちが自由に遊べる各種の遊具を備えており、遊びや生活のなかで身体を鍛え、感動したり共感する経験を通して豊かな心をはぐくむ保育を実践しています。
 園児の定員は、90名で現在は108名が在園しています。乳児と幼児のスペースは階を分けて、子どもたちが快適に過ごせる環境が整えられています。
日々の保育は、保育理念・保育方針・園目標の実現に向けて、経験の豊かな保育士のもと利用者からの非常に高い評価を得ている保育が行われています。
<特によいと思う点>
1.保護者や見学者に対してサービス選択に必要な情報提供を丁寧に行っています。
 子どもや保護者にとっての入園や卒園などの環境変化に対する不安解消に特に配慮しています。入園に関しては、ホームページへの保育内容の掲載、園のしおりの配布、園見学などの不安解消に役立つ情報を提供しています。入園後は懇談会、個別面談等で最新情報の提供に努め、「慣れ保育」を実施し、徐々に慣れるように配慮しています。また、卒園する園児については、いっしょに小学校へ入学する近隣園の子どもとの交流や、近傍の小学校への訪問など小学校就学に向け効果的な取組を実施するなど、きめ細かな心配りがなされ、不安解消を図っています。
2.子どもの権利を守り個人の意向を尊重した優しい保育に努めています。
 子どもの気持ちを第一に考え、一人の人間として尊重し、しっかりこれに寄り添い、配慮した保育が行われています。子どもの個性や日々の体調、気持の浮き沈みなどを感じ取って一人ひとりにやさしく接し、見守るなど、子どもの気持ちを尊重し、きめ細やかに対応していることが感じ取れます。園として方針の中にも冒頭に「子どもが快い環境の中で安心して生活し遊べるよう、一人ひとりの個性を大切にしながら、健やかな成長を見守り、その発達を援助します。」と掲げ、子どもの人権の尊重の姿勢を示し、子どもを思いやる優しい心を育み、大切にしています。
3.地域との密接な連携に努め、相互交流を図り地域への貢献とともに、保育の向上に繋がっています。
 地域に開かれた保育園として、高津区発行の「広場ノート」に園の紹介、区役所4階にチラシを置くなど当園に関する情報を開示しています。また、園の外部用の掲示板に園庭開放と室内開放を掲示、地域の行事等への参加など当園が有する機能を地域に提供しています。地域の福祉向上のための取り組みとして、町内会と一緒に坂戸公園の花壇の手入れの手伝い、老人いこいの家で歌やゲームを披露、当園の行事に坂戸小を招待、職員が各小学校の授業参観および懇談会への参加、坂戸公園での月一回の紙芝居等を行っています。
<さらなる改善が望まれる点>
1.非常時の対応について更なる準備が望まれます。
 防災訓練の段階的・継続的なレベルアップが着実になされています。近年、首都直下型地震とか南関東大地震などの地震の脅威が叫ばれていますが、坂戸保育園でも対応行動や避難訓錬を毎月1回、計画的に実施しています。被害想定などの情報も収集し、各種ケースに応ずる実際的な訓練に努め、印象に残るよう工夫されています。この種の訓練が有効に成果を上げるため逐次のレベルアップを図り、惰性に陥らぬように工夫を加え、継続的な取組が実施されてることが重要です。これらの対策については逐次見直はされていますが、完ぺきな対策は困難であり、今後引き続きの改善努力が期待されます。
2.マニュアルの整備に関し、引き続きの推進と見直し改善の努力が期待されます。   
 サービスの提供は「坂戸保育園マニュアル」に基づいて各種マニュアルが整備され、それに則り、実施されています。マニュアル類の整備は、創設以来、逐年着実に実施されてきました。しかしながら、保育を取り巻く環境は近年急速に変化し、「保育所保育指針」も大幅に改定され、また、当園も創立10年の節目を迎え、更なる推進努力と方向性も含めた見直し・改善も必要になって来たものと考えます。引き続きの改善努力が期待されます。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもの気持ちを第一に考え、一人の人間として尊重し、しっかりこれに寄り添い、配慮した保育が行われています。子どもの個性や日々の体調、気持の浮き沈みなどを感じ取って一人ひとりにやさしく接し、見守るなど、子どもの気持ちを尊重し、きめ細やかに対応していることが感じ取れます。園として方針の中にも冒頭に「子どもが快い環境の中で安心して生活し遊べるよう、一人ひとりの個性を大切にしながら、健やかな成長を見守り、その発達を援助します。」と掲げ、子どもの人権の尊重の姿勢を示し、子どもを思いやる優しい心を育み、大切にしています。
・人権に関する教育、研修のさらなる充実が望まれます。人権の尊重については園として、園長による訓話、主任保育士による指導、職員の日常の振り返りや研修参加およびその後の普及・共有などあらゆる機会に強調され、向上が図られています。諸々の制約がある中、職員の人権に関する資質の向上のため、種々努力されていますが、教育・研修計画の分析結果では課題や要改善点も認められます。引続きの改善・向上に繋がるように努力されることが期待されます。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・子どもの成長、発達の状況、個性、家庭環境や生活リズムをよく把握し、職員間で伝え合い、情報共有し、優しく一人ひとりに寄り添った接し方に努めています。子どもの気持ちを受け止め、自主性や自由意思を尊重し、それぞれの子どもに見合った保育環境などの遊具や絵本などを揃え、かつ、出し入れしやすいように容器や収納棚を考えて設置しています。これらを活用し、子どもが選択し自ら考えて行動できるように見守り、保育指針を中心とした保育展開を行っています。
・「クラス別保育」を基本としつつも異年齢保育を取り入れ、年上、年下の子どもたちに直に接することにより、思いやりや憧れの気持ちを養い、豊かな人間性の育成に繋がっています。また、近隣の「老人憩の家」などの施設や小学校との交流があり、様々な人間関係や友達との協同的な体験ができ、生活が豊かになるような環境が整備に努めています。今後ますますの発展が期待されます。
・苦情解決の体制として、園長を責任者とし、主任保育士を受付け担当者に指定しています。また第三者委員を設置し、保護者にも紹介しています。直接言い難いことについては「意見箱」を設置し、気兼ねなく意見を述べられる機会も確保されています。苦情解決の仕組みについては,入園のしおりなどに記載し説明しています。しかしながら、苦情解決の仕組みや外部の第三者委員の周知については不十分な点も見受けられ、利用者アンケートにもこのことが窺われ、周知の徹底やご意見箱の傍に「解決のプロセス」の説明図を掲示するなど、さらなる改善が期待されます。
・子どもの発達状況を踏まえ、基本的生活習慣が自然に身に着くように配慮しています。食事・トイレ・着替え・歯磨きなどの基本的生活習慣について子どもたちが年齢に応じて身に着ける事項をしっかり把握し、指導計画に反映し、日常の生活の中でも保育士は丁寧に見守り、必要に応じて援助しています。また、家庭と保育所の連携を密にして、連続性のある保育を行うことにも留意し、力を入れています。このため、保護者へは園の活動や子どもの様子を具体的に伝え、朝の受入時や降園時に保護者との会話を通して連続した一貫性のある保育内容に努めています。
・保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるよう、一日の保育の流れを考え、保育内容に変化をもたせて楽しくすごせるように配慮しています。また、一人ひとり遊んでいる様子を見ながらその子にとっての遊びを保障するとともに、その子への言葉がけにも配慮しています。異年齢活動(幼児の縦割り・乳児なかよしタイムなど)は、計画的かつ積極的に実施しています。また、朝・夕や土曜日には異年齢の子どもとも楽しく遊べるよう保育室や遊具・遊びを工夫しています。
・お弁当の日、バイキングの日、異年齢グループ活動のときの食事など食事環境に変化をもたせるなど、子どもが楽しく落ち着いて食事できるよう配慮しています。メニューや味付けについては、園長、主任が検食で味付けの評価をしたり、栄養士が子どもたちの喫食状況をみてまわったりして工夫をしています。また、子どもの体調により配慮食の対応をしています。アレルギー児に対しては別メニューを用意し、トレーを別にするなど誤食に注意しています。更に、園の食育に関する取り組み内容を給食だよりや日々提供した食事の写真掲示などで保護者に伝えています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

・子どもや保護者にとっての入園や卒園などの環境変化に対する不安解消に特に配慮しています。入園に関しては、ホームページへの保育内容の掲載、園のしおりの配布、園見学などの不安解消に役立つ情報を提供しています。入園後は懇談会、個別面談等で最新情報の提供に努め、「慣れ保育」を実施し、徐々に慣れるように配慮しています。また、卒園する園児については、いっしょに小学校へ入学する近隣園の子どもとの交流や、近傍の小学校への訪問など小学校就学に向け効果的な取組を実施するなど、きめ細かな心配りがなされ、不安解消を図っています。 
・地域の防災、安全体制に連携し、効果的な体制作りに努めています。法人が作成したマニュアルに加えて園独自の「緊急対応マニュアル」を作成し、火災、異常気象、事故、不審者や感染症などに対し、細部・具体的な対応を定めています。多種多系統の情報収集体制やそれに伴う行動基準が定められ、園全体として対応する体制が整備されています。また、職員間では、緊急連絡網も設定され、必要な人に情報が迅速に届く体制が整備されています。
・防災訓練の段階的・継続的なレベルアップが着実になされています。近年、首都直下型地震とか南関東大地震などの地震の脅威が叫ばれていますが、坂戸保育園でも対応行動や避難訓錬を毎月1回、計画的に実施しています。被害想定などの情報も収集し、各種ケースに応ずる実際的な訓練に努め、印象に残るよう工夫されています。この種の訓練が有効に成果を上げるため逐次のレベルアップを図り、惰性に陥らぬように工夫を加え、継続的な取組が実施されています。

4 地域との交流・連携 ・地域に開かれた保育園として、高津区発行の「広場ノート」に園の紹介、区役所4階にチラシを置くなど当園に関する情報を開示しています。また、園の外部用の掲示板に園庭開放と室内開放を掲示、地域の行事等への参加など当園が有する機能を地域に提供しています。ボランティアの受入れについては、生徒の受入れに関するマニュアルを用意しています。オリエンテーションを行ったうえで中学生・高校生のボランティアの受け入れを積極的に行っています。
・地域の福祉向上のための取り組みとして、町内会と一緒に坂戸公園の花壇の手入れの手伝い、老人いこいの家で歌やゲームを披露、当園の行事に坂戸小を招待、職員が各小学校の授業参観および懇談会への参加、坂戸公園での月一回の紙芝居等を行っています。地域の課題に対する取り組みの一つとして離乳食講座を開催しています。
・各小学校の授業参観や小学校教諭との懇談会、民生委員・また、児童福祉委員・町会長を園の行事に呼び交流するなど、地域の福祉ニーズの把握に努めています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念・基本方針について職員の理解が深まるような取り組みとして、当園のしおりを職員に配付するとともに各保育室に掲示し周知しています。また、理念・基本方針について子ども本人や保護者の理解が深まるような取り組みとして、保育説明会で伝えるとともに、来園時に目に触れるように玄関ホール・事務所・各クラスに掲示しています。当園は、理念・基本方針を達成するために全体的な計画にもとづく年間計画・月計画にもとづいた保育を実践しています。中・長期計画を踏まえた年度単位の事業計画が策定されており、事業計画書は事務所に備えていることを職員に周知しています。
・保育の質と職員の専門性向上のために、管理者自らの役割と責任を職員に対して表明しています。園長は、体系的な研修計画の作成、園内研修の実施、職員に対して外部研修への積極的参加の呼びかけなど、保育の質の向上に意欲を持ちその取り組みに指導力を発揮しています。年2回の職員全員の個人面談に園長が参加し問題点の把握や職員の理解を深めるなど、管理者自ら経営や業務の効率化と改善に向けた取り組みに指導力を発揮しています。
・保護者の保育参加や各行事参加の後感想を聞いたり、年1回園のサービス内容について保護者に「現況アンケート」を依頼したりして、園のサービス内容について定期的に評価を行っています。職員にアンケート結果を周知し、評価結果にもとづき職員会議で話し合い園として取り組むべき課題を明確にし、次年度の改善策・改善計画に反映させています。事業環境をとりまく環境を的確に把握するため、高津区の園長連絡会等を介して福祉サービス事業の動向の把握及び福祉サービスニーズなどに関する情報を収集しています。また、園の管理・運営について改善すべき課題を把握するため、園からの報告にもとづき本部が経営状況の分析を行っています。

6 職員の資質向上の促進 ・安全な保育実施のため月の勤務表により担当者のシフト配置を行っています。ハローワークや人材紹介会社を通じた人材の募集・確保は本部が行うが、園としても園の入り口に募集要項の掲示や近隣へのチラシ配布等を行っています。法令・規範・倫理などを正しく理解するため、明確に策定した就業規則を職員に周知しています。また、園長は、職員の育成・評価を行い、人材マネジメントを実施しています。更に、実習生の受入れと育成は依頼を断らず、担当者をおいて積極的に受け入れています。
・職員の教育・研修は研修目標を職員個々に立てるとともに、計画・目標にもとづき職位・職務を踏まえ、園長・主任が具体的な取り組みを選択しています。また、本部は個別の教育・研修計画は、園長に研修報告書を提出してもらい評価・見直しを行っています。
・人材確保が大変厳しいなかで、宿舎借上げや個人面談を通じて職員の就業状況や意向を把握し、必要あれば改善するようにしています。また、職員の健康維持に配慮し、年1回の健康診断・必要な抗体検査を行い抗体がない場合には予防接種、毎年インフルエンザ予防接種を実施しています。

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