かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市菅生保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市菅生保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0026
宮前区初山1-23-15
tel:044-977-9320
設立年月日 1975(昭和50)年01月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
<施設の概要・特徴>
 川崎市菅生保育園は、JR武蔵溝口駅からバスにて約15分緑地停留所で下車徒歩2分の幹線道路に面した地域にあります。開設は、昭和50年1月1日で44年の歴史があります。自然にも恵まれ、園児の散歩コースも多数あります。              
 保育方針(目標)に「・健康なこども ・思いやりのあるこども ・意欲的なこども」を掲げています。
園舎は639u、園庭は907uです。園庭には登り棒やマルチパーツ・三輪車等の遊具を備え、子ども同士が主体的に遊ぶ姿が見られました。 
園の入所児童数は127名です。乳児と幼児のスペースは階を分けて、扉と鍵により安全に配慮され、子どもたちが快適に過ごせる環境が整えられています。日々の保育は、保育理念・保育方針・園目標の実現に向けて、経験の豊かな保育士のもと利用者からの非常に高い評価をいただく保育が行われています。
<特によいと思う点>
1.子どもの人権を大切にし、気持ちに寄り添ったきめ細やかな保育に努めています。
 保育理念に「子ども一人ひとりの最善の利益を尊重する」と掲げ、子どもを尊重する姿勢を明示しています。研修への参加、職員が学び合う機会を持っています。打ち合わせ、会議で共通認識をもち、子どもに寄り添い、職員が同じ思いで関わるようにしています。個々の家庭状況に合わせた対応を行い、子ども一人ひとりの考えや気持ちを受け止め、子どもが自分で選択し、自由に遊べるよう、多様な遊具を配置するとともに、遊びのなかでもルールを守る指導も行っています。
2.子どもが基本的な生活習慣や身体的活動が身につけられるよう支援しています。
 子どもの発達状況を踏まえ、年齢に応じた身につける事項である保育活動を実践し、基本的生活習慣の自立へ向け導いています。家庭と連携して基本的生活習慣が見につくように働きかけ、子どもが自らやってみようと思えるような声掛けと動線の確保・環境整備を行っています。子どもたちが自ら進んで体を動かすことができるような働きかけがされています。朝の体操を行ったり、遊びの中で、身体づくりを推進しています。
3.地域に対し積極的に情報発信するとともに、園が保有する機能を地域に提供しています。
 地域に開かれた保育園として、保育園の掲示板を利用し、区役所の広報誌の情報や園の保育に関する情報を紹介しています。ブランチ園として事業の広報、掲示版、「保育所等地域連携」と連携しWEB情報を発信をしています。地域の幼稚園、小学校に園便りを配付したり、地域向け冊子も作成しています。また、園庭開放、体験保育、親子でランチ、あそびの広場等を行うなど園が保有する機能を地域に提供しています。
<さらなる改善が望まれる点>
1.マニュアルの体系化や内容の充実向上について引続きの整備努力が期待されます
 現在、業務の各分野全般に亘り、マニュアルが作成され、正確性、効率性や安全性の確保・向上などに努めていますが、個々のマニュアルの中には着意事項や考慮事項に止まっているものも見受けられます。今後、初心者でもある程度業務が実施できるよう具体的要領や手順・手続きなどを検討し、付加して行くことによりマニュアル整備は更に進捗・充実して行くものと思われます。全般の体系も含め近い将来、組織的に見直しをされては如何かと思われます。
2.園独自に業務運営の中長期的視点・構想をまとめ、文書化することが望まれます。
 園の諸計画作成に当たり、川崎市保育基本計画に掲げられている中・長期的なビジョンをしっかり把握しこれを反映しています。園独自で中長期計画を作成する地位・役割はありませんが、年度の諸計画作成の際には園独自の中長期的視点、構想が必要となります。現状でもこれについて毎年考察・検討され年度の計画に反映されていますが、文書化までには至ってません。折角検討・考察され構想(アイディア)として纏められていますのでもう一歩進めて様式等を定め、文書化されては如何かと思います。それにより職員にも配布でき、意思の疎通が図れ、記録として残り、計画、実行、見直し、改善サイクルがより円滑になると思われます。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念に「子ども一人ひとりの最善の利益を尊重する」と掲げ、子どもを尊重する姿勢を明示しています。「川崎市子どもの権利に関する条例」「保育士倫理網領」に基づき、個々の家庭状況に合わせた対応を行い、子ども一人ひとりの考えや気持ちを受け止め、子どもが自分で選択し、自由に遊べるよう、多様な遊具を配置するとともに、遊びのなかでもルールを守る指導も行っています。研修への参加、職員が学び合う機会も持っています。打ち合わせ、会議で共通認識をもち、子どもに寄り添い、職員が同じ思いで関わるようにしています。
・利用者のプライバシー保護を徹底しています。規程・マニュアル等を整備し、取り組んでいます。毎年度初めに個人情報について承諾書を提出してもらい保護者の意向を確認し、個人情報のやり取りが必要な場合は保護者へ十分な説明をし、同意を得ています。写真の掲示や外部への情報提供などを行う場合、保護者より同意書を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・利用者の意向の集約・分析とサービス向上への活用に取り組んでいます。個人面談を毎年必ず1回は行い、また、年2回はクラス懇談会を行い定期的な意見聴取の場としています。保育参観・保育士体験もできるだけ多くの保護者に参加を呼び掛け、意見を伺っています。さらに、行事などアンケートを取り、意見をくみ取り、集計結果を保護者へ通知し、次年度への改善に繋げています。直近の会議で検討するなど、できるだけ速やかな改善に努めています。意見箱の設置、苦情を受け付ける第三者委員の存在などがあることも説明しています。また、保護者会との連携にも努めています。
・利用者が意見を述べやすい体制が確保されています。懇談会、保育士体験、個人面談に加え、ご意見箱や第三者委員など複数の方法が確保されていて、状況にあったものを選ぶことができます。また、相談、意見が言いやすく、プライバシーを配慮する部屋も用意されています。これらの仕組みについては入園のしおりに記載され、園だよりにもタイムリーに掲載され周知の徹底を図っています。こまめに声をかけるなど、保護者や子供たちが話しやすい雰囲気づくりを心がけています。
・家庭と保育所の生活の連続性保持することにより、基本的な生活習慣が自然と身につく保育が行われています。登園時では家庭での様子を聞くとともに、前日の様子を保健日誌、引き継ぎ簿で確認し子どもの家での様子を確認しています。家庭と連携して手洗いや歯磨きなど基本的生活習慣が自然に身につくように働きかけています。子どもが自らやってみようと思えるような声掛けと動線の確保・環境整備を行っています。
・子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供しています。食事は自分のペースで食べ、友達と会話をしながら楽しい雰囲気の中で食べ、自由にお替わりし、しっかりとした食育がなされています。行事食など、型抜き、盛り付けなどで変化をつけて、レイアウト、楽しい雰囲気作りを行っています。ランチルームを導入したり、子どもが主体的に食事に向かえるように職員同士で連携を図っています。喫食状況報告書をつけ、食欲、嗜好、更には健康状態把握にも気を配っています。
・子どもが心身の健康を維持できるよう努めています。まず、子どもたちが健康・安全に過ごせるように、保育士、栄養士、看護師が連携した保育を進めています。また、健康維持するために健やか手帳、歯科健診、園医健診の結果を職員に周知させるとともに、家庭での育児に有効に反映されるよう保護者に知らせています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・就学対応や入園時の説明会では保護者等の不安を取り除く対応をしています。入園のしおりや園の概要の冊子を作成し、保護者や地域の方へ提供しています。しおりや冊子は分かりやすくするため、文章は簡潔に具体的な記述に努め、必要に応じルビを振っています。就学への対応では、実務担当者会議、幼保小連携会議等に出席し、近隣の小学校と意見交換や必要な情報を収集し就学に向けて支援を行っています。保育所児童保育要録を提出し小学校との細かな引継ぎを行い、懇談会や就学相談会を紹介したりし、保護者との信頼関係を基盤として不安感を取り除くよう配慮もしています。
・子ども一人ひとりの具体的なニーズを把握し、個別の目標を立て、児童票に記載しています。全体会議、乳児幼児会議、園内研修、ケースカンファレンス等で専門職の意見も聞き、情報を共有し部門を横断したさまざまな職種の関係職員(種別によっては組織以外の関係者も)が参加して、アセスメントに関する協議を実施するなど、手順に従ったアセスメントを行っています。これに基づいて園長補佐を中心に職員全体で、年間指導計画・月間指導計画などについて、職員間で検討共有しています。
・子どもの安全確保の取組について「危機管理マニュアル」、を作成し、職員に周知しています。園長を中心に、園長補佐からそれぞれの保育士に至るまで対応組織や役割分担が定められ、地震や川の氾濫、感染症対策などを主体に、実際の事故や研修で学んだことを基に、検証などを行い再発防止のための改善や被害を最小限に止めるための取り組みが行われています。毎月様々な設定での避難訓練や、防災訓練を行い、近隣保育園、小学校、消防など地域と連携した訓練を実施しています。室内外の設備や備品の転倒・落下防止の処置が講ぜられ、安全点検も月1回行っています。
4 地域との交流・連携 ・地域に対し積極的に情報発信するとともに、園が保有する機能を地域に提供しています。地域に開かれた保育園として、保育園の掲示板を利用し、区役所の広報誌の情報や園の保育に関する情報を紹介しています。ブランチ園として事業の広報、掲示版、「保育所等地域連携担当」と連携しWEB情報を発信しています。地域の幼稚園、小学校に園便りを配付したり、地域向け冊子も作成しています。また、園庭開放、体験保育、親子でランチ、あそびの広場等を行うなど園が保有する機能を地域に提供しています。
・地域の福祉向上のための取組を積極的に行っています。子育て支援会議、菅生中学校区地域教育会議、宮前区地域教育会議、手つなぎまつり運営委員会など地域の関係機関・団体との定期的な連絡会等に園長が参画しています。地域の共通課題に取り組み、地域教育会議に定期的に園長が参加しています。地域子育て支援センターと月1回会議を持ち、情報交換を行い、地域の福祉ニーズを把握し事業に参加しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・園の理念・基本方針を明確化・周知しています。理念、基本方針は玄関、事務室、保育室の目に付きやすいところに掲示しています。また、園概要、リーフレット、入園のしおりに載せてます。保育内容説明会ででも内容を説明しています。毎年年度末の職員会議で保育目標の確認、年度初めに保育で大切にしたい点を話し合い、より保育の理解を深め、質の向上に繋げています。保護者に対しては、保育内容説明会等で丁寧に説明し、資料を配付して、具体的な保育の実践を様々な形で伝えています。
・園長は自らの役割と責任を職員に対して表明し、的確な指導を行っています。年度初めに、「年間保育方針」等を文書で作成し、自らの考えを職員に伝えています。これを踏まえて組織表の見直しを行っています。組織表に基づいて職員に対し役割、責任を定めるとともに、全体会議等で所要の説明を実施しています。市の人事評価制度に基づき職員一人ひとりと面接を年3回行い、職員の思いや考えを把握し、また園としての課題や保育の質の向上のため、一人ひとりの役割、責任について指導・助言や悩み相談なども行っています。
・毎月の会議では各月の保育について課題や反省事項を明確にし、改善に努めています。職員は全体会議をはじめ各種会議に参加し、業務の評価、分析・検討や課題の把握、改善の検討などに携わっています。すぐ改善できるものについては速やかに対応し、市や区あるいは他機関との調整を要し、しっかり検討すべき事項については次期あるいは次年度での計画に反映させ、着実な改善を図るなど、課題の特性に応じた改善策を講じています。組織の力をしっかり活用して質の向上を図る仕組みができています。
6 職員の資質向上の促進 ・職員の質の向上のため、年度初めに年間の研修計画を作成し、その中で研修に参加する機会が均等に与えられ、年代、担当分野、個々に合わせた研修が明確にされています。それぞれの業務に合った研修を年間通してバランス良く進められるように参加を計画しています。新人育成をはじめ、組織で人材育成が行われており、キャリアシートも実施されています。研修後、報告書の作成提出。会議等で全職員に報告し周知を図り、実践に繋げるとともに、個別の研修内容や計画全般の見直し・改善について検討し、質の向上の効果をより大きなものにしています。
・川崎市職員配置基準に沿った配置で子どもの人数、障がい児保育等のための人員配置が行われています。川崎市の基準に基づいて看護師、栄養士、保育士、用務員等が確保されており、人材育成研修に参加し研鑽しています。区の「保育所等地域連携担当」と連携し、保育園として人材や人員体制など必要に応じ区と相談しています。

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