かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市北加瀬保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市北加瀬保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0057
幸区北加瀬3-19-1
tel:044-411-3047
設立年月日 1966年06月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 川崎市北加瀬保育園は、JR川崎駅からバスにて約25(または東急東横線元住吉駅バスで10分)日吉中学校前停留所で下車徒歩2分の幹線道路に面した地域にあります。開設は、昭和41年6月で52年の歴史があります。自然にも恵まれ、園児の散歩コースも多数あります。              
 保育方針に「一人ひとりの人権や主体性を尊重した保育をする」「保育の知識や技術を提供し、保護者、家庭、地域と連携した子育て支援を行う。」を掲げています。敷地は834u、建物床面積は276uです。園庭には子どもたちが自由に遊べるよう、登り棒やマルチパーツ・三輪車等の遊具を備え、子ども同士が主体的に遊ぶ姿が見られました。園の平成30年度の入所児童数は61名です。子どもたちが快適に過ごせる環境が整えられています。日々の保育は、保育理念・保育方針・園目標の実現に向けて、経験の豊かな保育士のもと利用者からの非常に高い評価をいただく保育が行われています。
<特によいと思う点>
1.子どものことを第一に考え、優しく寄り添った保育が実践されています。
 保育の理念・方針に「一人ひとりの人権や主体性を尊重」を掲げ、子どもの気持ちを第一に考え、尊重し、しっかりこれに寄り添った保育が行われています。ベテランの保育士が多く、長年培った経験や知識を活かし、子ども一人ひとりの成長・発達はもちろんのこと、個性や日々の体調、気持の浮き沈みなどを感じ取って優しく寄り添った保育に努めていることが感じ取れます。これらのことがやがて保育目標の「自分らしく輝くこども」に繋がっていくと思われます。
2.地域の皆様と良好な関係が築かれ、保育の向上につながっています。
 昭和41年の創設以来52年に亘り、歴代園長はじめ職員の皆様が地域との良好な関係を築かれるため、継続的な努力をされてきました。この結果今日ではイベントなどにおいて地域の皆様より多大なご支援、ご理解を頂き円滑な運営に寄与しています。また、避難訓練においても隣接のマンションの敷地の一部を避難経路として開放して頂くなど、園児の安全確保にご協力を頂いています。今後もこのような良好な関係が深まり、保育のさらなる後押しに発展していくことが期待されます。
3.職員は相互に連携し、仲良く協力し合い、保育の質の向上に努めています。
 子どもたちは多感で好奇心旺盛、その行動は予測できないことも多く、いつ何が起こるか分からず、まさに「戦場」とよく言われます。そのような環境の中で職員は仲良く連携し、臨機応変に的確な対応ができるように心掛けていることが窺われます。ヒアリングの中でも「アットホームで、みんな仲良く協力し合っている」との声が多く聞かれ、そのことの表れと思われます。今後もこの状況が維持・継続されることを願っています。

<さらなる改善が望まれる点>
1.業務の効率化省力化の引き続きの推進努力が期待されます。
 近年保育所に対する期待はますます高まり、業務も質・量ともに増大しています。これに対し、人員、施設は限られ、社会の要請に応えるためには業務のより一層の効率化・省力化が求められ、当園にとってはその度合いはより大きいものと思われます。諸先輩職員の皆様はこのことをよく理解され、園の発展に尽くしてこられましたが、保育園を取り巻く環境が急激に変化している現在、より一層の業務の効率化・省力化が求められ、引き続きの推進努力が期待されます。
2.民営化への円滑な移行に引き続き努力されることが期待されます。
 当園は33年度に民営化が予定されています。民営化にあたっては多くの複雑多岐にわたる業務が生起し、また、保護者の不安、負担が伴うものです。今回実施したアンケートの中にもこのことに関連した意見も見受けられました。移行日が近づくにつれ新たな課題等も生起する可能性もありますが、引
き続き円滑な移行に向かって努力を継続されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・プライバシー保護について、規程・マニュアル等を整備し、取り組んでいます。毎年度初めに個人情報について承諾書を提出してもらい保護者の意向を確認し、個人情報のやり取りが必要な場合は保護者へ十分な説明をし、同意を得ています。写真の掲示や外部への情報提供などを行う場合、保護者より同意書を得ています。
・個人の意向を尊重しながら、社会生活でのルールをしっかり教えています。保育理念に「子ども一人ひとりの最善の利益を尊重する」と掲げ、子どもを尊重する姿勢を明示しています。家庭状況に合わせた対応を行い、子ども一人ひとりの考えや気持ちを受け止め、子どもが自分で選択し、自由に遊べるよう、多様な遊具や遊びを用意するとともに、遊びのなかでもルールを守る指導も行っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・職員と保護者の良好な信頼関係が築かれています。個人面談を毎年必ず1回は行い、また、年2回クラス懇談会を行い定期的な意見聴取の場としています。保育参観も多くの保護者に参加を呼び掛け、意見を伺っています。さらに、行事などで感想を取り、意見をくみ取り、直近の会議で検討するなど、できるだけ速やかな改善に努めています。また、次年度の計画にも反映させています。
・個別支援計画等に沿った、自立した生活を送るための支援を行っています。一人ひとりの発達段階、家庭状況、健康状態を担任が把握し共通認識を持ち、穏やかな言葉づかいで丁寧に見守りながら援助しています。行事等を通して自分なりの表現をしたり、他人の表現を見て認められるようになることによって、自分と他人の違いを認識し、個性が芽生え、それを大切にする保育が行われています。
・登園時に保護者から家での子どもの様子を聞いて確認するとともに、必要に応じて一日の保育のなかで配慮を行っています。家庭と連携して年齢に応じた基本的生活習慣を身につけ、積極的に身体的な活動ができるように援助を行っています。休息の長さや時間帯は、一人ひとりの体調や生活リズムに合わせて休息・午睡を配慮して保育をしています。保護者に子ども1人ひとりの一日の状況を幼児は「今日の保育」、乳児は個人の連絡帳等での書面で伝えるなど、安心して園に預けられるようにしています。また、保護者会、個人面談、クラス別懇談会で保護者の考え方を訊き、その意見を保育に活かすようにしています。
・保育時間の長い子どもについては子どもの様子を職員間で共有し、当番の保育士にその様子を引き継ぎするなど配慮しています。また、異年齢交流のなかから刺激を受け憧れの気持ちをもてるように、年齢の違う子どもとも一緒に遊び関係づくりを支援しています。更に、子どもが食に関心がもてるように食事時間の前に当日の献立を紹介したりして、楽しく落ち着いて食事をとれるような雰囲気づくりに配慮しています。旬の食材を使い、日本の食文化にちなんだメニューを取り入れています。味付けは市の方針もあり塩分を少なく薄味でおいしい献立になるよう配慮をしています。主治医の指示のもとに配慮食やアレルギー対応の献立を提供しています。アレルギー食は誤配・誤食がないように調理室、保育室の職員がダブルチェックを行って慎重に提供しています。食育に関する取り組み内容を保護者に伝えるため、食育活動の様子の掲示や、毎月給食だよりや献立レシピを事前に配布しています。
・けがや病気から身を守るため、当園の園庭マニュアルにもとづき子どもに遊び方を知らせるとともに全職員で環境の改善、危険の周知、検討を行っています。健康診断や歯科検診の結果については、保護者や職員に書面で知らせ、保育に反映できるようにしています。感染症については、健康福祉局による感染状況や園内の感染状況を保護者に知らせ、広がらないように注意を促し、保健だよりでも知らせています。乳幼児突然死症候群(SIDS)については、年齢に合わせて午前中の呼吸、顔色、姿勢をチェックし予防に努めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園に関し、市HPや園パンフレット等で、保育理念、方針、目標、年間行事等
園の情報を提供しています。「園のチラシ」「入園のしおり」にて保護者に説明しています。個人面談や懇談会等にても再度説明しています。保護者の問い合わせや見学、体験保育等状況に応じて対応しています。卒園に際し、幼保小連携会議等に出席し、近隣の小学校と意見交換や必要な情報を収集し就学に向けて支援を行っています。保育所児童保育要録を提出し小学校との細かな引継ぎを行い、懇談会や就学相談会を紹介したりし、保護者との信頼関係を基盤として不安感を取り除くよう配慮しています。
・子どもの安全確保の取組について「危機管理マニュアル」、を作成し、職員に周知しています。園長を中心に、園長補佐からそれぞれの保育士に至るまで対応組織や役割分担が定められ、地震や川の氾濫、感染症対策などを主体に、実際の事故や研修で学んだことを基に、検証などを行い再発防止のための改善や被害の極限のための取り組みが行われています。毎月様々な設定での避難訓練や、防災訓練を行い、近隣保育園、小学校、消防など地域と連携した訓練を実施しています。
・園の目標・指導方針を実現するための取り組みが計画的に行われています。子ども一人ひとりの具体的なニーズを把握し、個別の目標を立て、児童票に記載しています。全体会議、乳児幼児会議、園内研修、ケースカンファレンス等で専門職の意見も聞き、情報を共有し部門を横断したさまざまな職種の関係職員(種別によっては組織以外の関係者も)が参加して、アセスメントに関する協議を実施するなど、手順に従ったアセスメントを行っています。
4 地域との交流・連携 ・地域に開かれた保育園として、区役所広報誌、ホームページ、園の掲示板を利用して情報を公開しています。また、区内の子そだて支援事業チラシを来園者に渡し案内しています。園庭開放、体験保育、育児相談など子育て支援として要望により随時実施しています。また、それらの情報を区の広報に盛り込んでいます。保育のボランティアは随時受入れる体制をもち、中学生・高校生のボランティアの受け入れは要望があれば積極的に行っています。
・市や区内で開催される関係機関との連絡会や区のネットワーク会議に参画しています。地域ネットワーク内での共通課題に対して、解決に向けて地域の関係機関・団体と協働して具体的な取り組みを行うための市としての体制があり、実施しています。また、地域の福祉ニーズを把握するため、自治会や民生委員が関わっている地域の子育て支援事業「母親クラブ」との交流をもち支援を行っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・園の理念、基本方針は、玄関・事務室に掲示するとともにパンフレットにも明記し、保育方針、年間スケジュールに組み込んでいます。これにもとづき園長が毎年運営方針を年度初めの職員会議で提示し説明を行っています。当園は、人権を尊重し、おとなの見守りのなかで保育目標の『自分らしく輝くこども』となるよう保育を行っています。理念・基本方針について、入園説明会では保育目標を入園のしおりに沿って説明するとともに、保育説明会では資料を配付し丁寧に説明しています。中・長期計画を踏まえた年度単位の事業計画にもとづき年間指導計画を実施しています。年間指導計画は期ごとに振り返りを行うとともに、年度終了時には職員会議で総括し次年度に繋げるようにしています。また、年度の事業計画は保育内容説明会で保護者に説明し、各クラス懇談会においてより詳細に説明し周知しています。
・園長の責任と権限は職務分担表に明示しています。当園の運営方針を文書化し会議において管理者自らの役割と責任を表明しています。園長は、保育の質の向上に意欲を持ちその取り組みに指導力を発揮しています。人事評価では、個人目標を定め進捗を管理しています。また、人事評価面談では保育に取り組む意欲の促進に努めるとともに、会議や園内研修で指導・助言を行っています。
・サービス内容についての第三者評価を市からの指定時に受審しています。受審において職員が参画し、職評価結果を分析し、出てきた課題を職員が共有化し、改善策・改善実施計画に反映させて実施しています。公立保育園会議・全体会議、幼保小園長会議・ネットワーク会議等で収集し保育に活かしています。取り組むべき課題としては、市における新たな公立保育所の取り組み強化による(仮称)保育・子育て総合支援センターの開設予定にもとづき取り組んでいます。当園は市の施策により平成33年4月から民営化となる予定です。
6 職員の資質向上の促進 ・必要な人材や人員体制については川崎市人員配置基準があり、それにもとづいて人員配置が行われています。法令・規範・倫理などを正しく理解するための取り組みとして、川崎市の公務員としての服務規律に沿って確認・実行しています。なお、人材マネジメントとして市のもとにおいて客観性・透明性の確保が図られています。大学・専門学校等の実習生の受入れと育成を積極的に行っています。実習担当者が窓口となり、実習生が将来保育士として働きたいと思えるように実習指導を行います。
・職員が川崎市運営管理課や幸区保育総合支援担当の研修に参加し、研修後は報告書を作成し提出しています。職員の教育は、川崎市で策定している専門職のありかた基本方針、保育士基本方針にもとづいて取り組んでいます。個別の教育・研修計画は、年間3回の人事評価面談、キャリアシート面談において業務の進捗状況把握と見直しを行っています。
・職員の就業状況や意向を把握し、必要な休暇の保障をし、休暇の年間取得については偏らず事情を考慮しながら取得数が平等になるように工夫をしています。職員の福利厚生としては、年一回の産業医職場巡視があり活用できます。また、定期健康診断を実施しています。

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