かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

なかまちっこ園(2回目受審)

対象事業所名 なかまちっこ園(2回目受審)
経営主体(法人等) 有限会社ドゥーラ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0041
都筑区仲町台1−14−23
tel:045-479-6503
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
「なかまちっこ園」は、横浜市営地下鉄ブルーライン仲町台駅から徒歩3分の、駅前ながら閑静な集合住宅の1階にあります。港北ニュータウンの整備された街並みで道幅が広く遊歩道も整備され、緑道や公園など自然と緑の多い環境にあります。近隣には設置法人系列園が2園あり、そのほかにも保育園が点在しています。
設置法人の有限会社ドゥーラの社名には、親を助けるという意味があります。平成5年に広島県福山市で創業、平成11年に有限会社設立、横浜保育室を経て平成23年4月になかまちっこ園を開園しています。0〜5歳児53名(定員50名)が在籍し、一時保育も受け入れています。
園舎はワンフロアで、保育室は、0歳児、1歳児、2〜5歳児にわかれています。2、3歳児室と4、5歳児室は可動式の壁で仕切られています。園には72平方メートルの園庭があります。園近くの別敷地に法人系列3園の「なかまの広場」と呼ばれる園庭があり、プールやステップハウス、築山などを設置しています。
・園の特徴
  保育目標に「すべての子どもがかけがえのない自分に気付くように」と掲げています。子どもたちがお互いに育ち合いながら見通しを持って生活する力を引き出せるように、2、3歳児と4、5歳児の縦割り保育を取り入れています。また、小規模園であることから子どもたちが認め合い助け合う関わりを多く持てるように、近くにある系列園との交流も大切にしています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの主体性や自主性を育てる取り組み
   3歳児クラスからは「サークルタイム」というミーティング活動を取り入れています。職員が援助しながら子どもたちが話し合います。子どもたちは、その日の活動内容、クラスのルール、日ごろの楽しかったこと、悲しかったこと、不思議に思ったことなども取り上げています。4、5歳児クラスでは朝のサークルタイムを合同で行い、夕方は5歳児だけで行っています。子どもたちが嫌だったことなどをテーマに話し合ったときには、そのことを言葉にして掲示しています。また、子どもたちが決めたルールなども掲示しています。朝の「サークルタイム」では、その日の活動についても話し合っています。一人の子どもの「久しぶりに虫探しをしたい」という意見を取り上げて、この時期ならどこに行くのか、何が必要なのかなどを話し合ってから、虫取り網と虫かごを持って公園に出かけています。「サークルタイム」でのやりとりは職員が記録し、ファイルして保護者が閲覧できるようにしています。

2.子どもが自由に遊べる園内環境作りの工夫
  子どもたちは工夫を凝らしたそれぞれの保育室内で、自由に遊んでいます。0、1歳児保育室はそれぞれ仕切りや棚でコーナーを作っています。0歳児保育室には職員手作りのソファーや丸椅子を置いてあり、絵本コーナーとしています。1歳児保育室には荷物棚の下や畳コーナーがあり、好きな場所を選んで遊べるようになっています。2、3歳児保育室には板を敷いておままごとコーナーを作っています。4、5歳児保育室には職員と保護者が作ったロフトが設置され、一人で竹の上り棒を上り下りできる子どもたちが使用しています。鏡や椅子を置いた化粧室のようなコーナーもあります。5歳児だけのコーナーもあり、子どもたち自身で遊ぶ環境を作っています。

3.保護者と職員が連携した子どもの成長への関わり
  基本方針の中には「子どもたちの成長をご家族とともに見守り、ともに喜び、ともに支える」とあります。保護者が安心して働ける環境を保障しながら、子どもと保護者が思い出を作れるように、保護者ができるだけ園との関わりを持てるような機会を増やしています。入園後には保護者に抱き人形を作ってもらい、子ども一人一人のこころの拠り所としています。また、4歳児の保護者にはランチョンマットとランチセットの袋を作ってもらっています。法人系列3園での保護者会やおやじの会などもあり、おやじの会が夏祭り縁日での焼きそば作りやプールの設営、撤去をしています。5歳児のお泊り会では5歳児保護者が食事作りや飾りつけを行っています。また、保護者は手作りおもちゃや園庭の草むしりをボランティアとして手伝っています。子どもたちは保護者が協力して活動している姿を見て、サークルタイムのミーティング活動や日常に生かしています。園のホームページには保護者による4コマ漫画を掲載したり、子どもが興味を持っている絵本を共有できるように、絵本の貸し出しをして、園と保護者とのつながりを深めています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.各種情報を工夫して収集し、職員間で共有する仕組み作り
  園で行っている活動や実績の記録が整備されていません。保護者との日ごろの話し合いの意見や要望、地域交流の実績、ヒヤリハット、育児相談などを簡単な方法で記録し、職員間で情報を共有することが望まれます。

2.職員の質の向上のさらなる取り組み
  ミーティングや職員会議の時間を活用して内部研修を行っています。外部研修に参加した職員は報告をして、職員間での情報共有をしています。今後さらに、職員の質と保育環境向上につながる事例検討や勉強会などの内容を検討して、内部研修を行うことが望まれます。

3.中長期で考える園運営
  平成23〜32年度までの法人系列3園合同の中長期計画と園の単年度の事業計画は策定しています。今後さらに、法人の理念や方針に沿った園としての将来のあるべき姿または課題解決を見据えた中長期的な計画の策定を進め、事業計画の実現に向けて全職員で取り組むことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園の基本理念は「保護者が安心して働ける環境を保障する」とし、基本方針を『支え合い 育て合い 子育てをじっくり楽しもう!』、保育目標を『すべての子どもが かけがいのない自分に気付くように「笑顔」「思いやり」「誇り」「子どもらしさ」』として、子ども本人を尊重したものとなっています。 

・「大人が嫌なことは子どもも嫌なこと」それを職員は常に心がけており、人権の尊重を園全体で取り組んでいます。発達に応じた声かけができるようにクラス内で意見を出しあっています。

・その時々の子どもの気持ちをしっかりと汲むこと、子どもの気持ちが切り替わるまで職員が気長に待つことを心がけています。それぞれの子どもの家庭状況にも配慮して対応しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・園内外の清掃はマニュアルがあり、各保育室にも安全・衛生チェック表を掲示しています。清掃を担当する用務員(保育園周辺業務非常勤職員)がおり、職員とともに清潔を保てるように努めています。

・0歳児クラスには巧技台が常設してあり、つかまり立ちのできる低い棚もあります。4、5歳児クラスにはロフトがあり、のぼり棒を使って上がります。ロフトの上には小さなおもちゃがあり、安心して遊ぶことができます。

・0歳児クラスから子どもたちに何をしたいのか、意見を聞くようにしています。5歳児クラスは毎日2回、子どもたちの意見を出し合う「サークルタイム」を設けています。今日行きたい公園、やりたい遊び、子どもたちが嬉しかったこと、嫌だったことなどを話し合っています。

・園で、かめ、めだか、金魚、えびの飼育をしています。また、プランターでほうれんそう、小松菜、いちごなどを栽培しています。クラスごとにどんな野菜を育てたいかを話し合い、近くのお店に種を買いに行き、水やり、収穫まで体験しています。当番を決めて水やりやえさやりをしています。

・職員は子ども同士のけんかを人間関係の学びの場、成長の機会として大切であると考えています。職員は大きなケガにならないように、子どもたちが自ら解決、仲裁する芽を摘まないように見守っています。噛みつきやひっかきの多い1歳児クラスでは、年度初めの懇談会において、この年齢の特徴や園の対応についても説明し、保護者の理解を得られるようにしています。

・「食事は楽しい時間」を第一にしています。職員が子どもに完食を強制することや、苦手なものを無理に食べさせたりすることがないようにしています。

・法人系列3園で運動会、もちつき、縁日、いもほりを行っています。4、5歳児クラスは公立保育園に行き、積み木で交流しています。近隣保育園の4園で、5歳児のドッジボール大会を毎年開催しています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画は保育の基本方針に基づいて、法人系列3園の各園長、主任、職員が把握している家庭の状況、地域の実態や周囲の環境を考慮して作成しています。(法人系列3園は同じ地域にあります)

・3月の入園説明会で、全体説明会と保護者の面接をしています。園長が全体説明を行い、保護者の面接は4月からの担任が対応して個人面談記録を作成しています。また、食物アレルギーのある子どもについては、栄養士との相談も行っています。

・入園時には保護者に「抱き人形」の製作をしてもらい、子ども一人一人のこころの拠り所としています。保護者がすぐに製作できない場合は園で用意したものを代用しています。

・子どもの年齢や発達に応じて、年間指導計画、月間指導計画、個別指導計画などを作成し、職員の自己評価、園長の確認、必要に応じた見直しをしています。

・障がい児保育を行っており、玄関はスロープで多目的トイレも設置しています。子どもの障がいに合わせて、ベビーカーやベビーチェアも使用できるような環境にも配慮しています。

・食物アレルギーにおいては、栄養士が保護者と入園時から定期的な面談を行い、保護者と担任、栄養士が連携して対応しています。また、除去が必要な食物を完全に除去して提供しています。月の献立が発行されたらその月の対応について担任と保護者で確認し、栄養士に伝えています。調理室でもわかりやすく掲示しています。

・保護者には行事後に無記名アンケートを実施し、玄関には意見箱を設置して要望や苦情を申し出やすいようにしています。また、保護者会や保護者会の運営委員会、クラス懇談会などでも、保護者の意見を聞き取るように努めています。

・看護師が歯磨き指導と手洗い指導を行っています。歯磨き指導には赤染めを使っています。手洗い指導には区役所から手洗いチェッカーを借りて、子どもたちと実際に体験しながら学んでいます。絵本や紙芝居も活用して指導しています。

・職員で自衛消防団を組織しています。災害時における各自の役割を明記し、各クラスに掲示しています。

・保育方針については年度初めの懇談会で保護者に説明しています。運動会や生活発表会の園長挨拶の中でも基本方針を分かりやすく織り込むようにしています。

・0〜2歳児クラスは個別の連絡帳か、写真を使ったスマートフォンアプリでその日の様子を伝えています。3〜5歳児クラスは毎日、保育の様子をスマートフォンアプリで伝えています。

・法人系列3園の保護者会組織があります。保護者会主催で縁日やもちつきを開催しています。2か月に1回定例会があり、場所の提供をしています。役員以外の保護者も運動会の用具運びや園庭の草むしりのボランティアに参加しています。


4 地域との交流・連携

・看護師、栄養士が「離乳食Q&A」「月齢ごとの離乳食の目安」をテーマに相談会を行い、参加者から好評を得ています。

・年間を通じて様々なイベントを企画し、地域の子育て支援に貢献しています。「あそびにおいで!」の参加者からは「普段子どもとどのように遊んでよいのか分からなかった。参加してよかった。」との声がありました。

・園の活動を地域に発信する情報誌「なかまの木通信」を年4回発行し、子育て支援の活動報告を行っています。

・横浜市北部地域療育センターと園の連絡ノートで情報共有し、日常的に連携できるようにしています。横浜市北部地域療育センターの担当者が年2回巡回訪問しています。

・縁日、泥んこあそび、カプラ(木製の積み木)あそび、講演会を法人系列3園で開催し、地域の保護者や子どもたちを招待しています。夏休みには地域の子ども向けにマジックショーも開催しました。

5 運営上の透明性の確保と継続性

法人就業規則の中には服務規律があり、職員が守るべき規範や倫理などを服務心得として明文化し、職員に周知しています。(業務上の機密及び当園の不利益となる事項を他に洩らさないこと、いかなるときも園児に対しての虐待をさけることなど)

・職員には、年2回の全体職員会議や1対1ミーティング、入職時オリエンテーションで、法人取締役や園長から理念や基本方針を説明しています。

・重要な意思決定にあたり、法人取締役と園長は、保護者会定例会や保護者会運営委員会の場で意見交換しています。また、不参加の保護者には委任状を提出してもらい、継続的に話をして進めています。

・運営面での重要な課題は、全体職員会議、園ミーティングなどで職員に周知し、園全体の取り組みとしています。「保育所保育指針」の改訂に伴う「全体的な計画」の作成は、法人取締役、法人系列3園の主任、園長で作成し、3園常勤ミーティングで見直しています。

・設置法人系列3園合同のH23年度開園当初〜H32年度までの中長期計画を作成しています。また、各年度のおおよその目標を定めて、開園当初は組織や人材のシステムと基盤作りから始まり、年度ごとに保育のスキルアップや地域に根付いた活動の展開、運営の見直しも計画に取り入れています。

6 職員の資質向上の促進

・園長と職員は1対1で目標シートを使用しながら年3回面談をしています。1回目は年度初めに目標を定め、そのためにどう動くのか、園として求められる役割行動や期待されていることも記載しています。2回目は中間の振り返りとやり方の検討、3回目は年度末に目標の振り返りと達成度の評価を行っています。また、1年目の職員にはトレーナー(中堅職員)か園長がついて対応し、随時面談をしています。

・園内研修は、園ミーティングの際に行っています。設置法人では、救急救命などの研修を毎年の必須研修としており、全体ミーティングで実施しています。園ミーティングでは、看護師指導のもと、常勤職員、非常勤職員が参加して嘔吐処理、インフルエンザ、はしか、アタマジラミなどを取り上げて行っています。

・設置法人では理念や基本方針に基づいた人材育成計画があり、職務等級や職務内容に応じた職能給についても示されています。入社時オリエンテーションで法人取締役から説明しています。

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