かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

東寺尾どろんこ保育園

対象事業所名 東寺尾どろんこ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 どろんこ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0077
鶴見区東寺尾1-35-5
tel:045-642-8640
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
東寺尾どろんこ保育園は、2016年4月に開設され、0〜5歳児を対象とした定員154名(現在150名在籍)の保育園です。設置法人は社会福祉法人どろんこ会で、全国的に保育園、福祉関連施設を展開しています。
 園は、JR・東急東横線「菊名」駅からバスで15分程の住宅地にあります。園舎は木造2階建てで、1,053平方メートルの園庭があります。斜面を利用した段々畑もあり、野菜作りをしています。周囲には、自然を生かした多くの公園や遊歩道があり、園児は散歩や戸外活動で四季を感じています。
 法人内共通の保育理念は「にんげん力。育てます。」とし、運営理念は「『にんげん力』のある子を育てる遊びの機会と環境をつくります。」「保護者に子どもの様子を手にとるように伝えます。」「地域のみんなが子どもを育てるコミュニティづくりを目指します。」「一人一人が提案・実行できるパワーのある保育士集団を目指します。」を掲げ運営を行っています。

≪優れている点≫

1.様々な体験を通して子ども達の自主性・主体性を育てています

保育理念に「にんげん力。育てます。」を掲げ、自分で考えて行動する力を育む保育を実践しています。子ども達は毎朝、職員と一緒に、縁側の雑巾がけと1分間の座禅をした後に保育活動を始めます。
近隣には散歩コースがたくさんあり、また園庭は整備中ですが斜面滑りや木登り、虫探し等を楽しむことが出来ます。園の敷地内にある畑で子ども達に畑仕事を体験させ、ブロッコリーやカブなどの野菜を栽培しています。ウサギやオカメインコなどを飼育しており、幼児が餌やりと清掃を当番で行い保育に生かしています。
幼児クラスは異年齢保育を基本とし、広々とした保育室で、遊び、食事等の時間を一緒に過ごしています。保育室にはコーナーを作り、ブロック・パズル・製作・絵本などで遊び込める環境や、とび箱や鉄棒などの室内運動遊具を出して遊ぶスペースも作っています。遊び・片付け・食事・午睡の切替えは、職員が指示するのではなく、子ども達が自分で判断して行動できるように援助しています。
保育中は子どもによって幅がありますが、職員は「早くしなさい」とは言いません。職員は、子ども達の「やりたい」「行きたい」を尊重した保育を展開し、様々な体験をとおして、子ども達の自主性・主体性を育てています。


2.全職員で子どもの育ちに取り組んでいます

施設長のリーダーシップ、主任のスーパーバイザーとしての役割の下、内部研修で学びあい、会議での話し合いなどで、職員は密にコミュニケーションを図り、情報共有しています。クラス担任、看護師、常勤、非常勤職員が協力しながら子どもやクラスの様子を把握しています。
看護師は、保健衛生・健康面で、専門的な立場で保育に関わり、0歳児クラス担当もしています。栄養士は日々の食事提供のほか食育に関わっており、年齢ごとの保育のねらいを踏まえ、クラス担当職員と連携し、食育活動を行っています。
経験の浅い常勤職員をサポートする役割を非常勤職員も担っています。事務担当職員、用務担当職員は日常業務の中で子どもと触れ合い、見守りながら保育活動をサポートして、園運営に携わっています。異年齢合同で過ごす時間を多く設定しているため、クラスを越えた他のクラスの子ども達とのつながりがあり、全職員で丁寧に子どもに接し、子どもの育ちを見守っています。


3. 地域との交流を大切にして、園の活動を理解してもらう取組みを行っています

地域との良好な関係を築くために、自治会の行事や敬老会などに参加して交流しています。お祭りの日にはお神輿の中継所として園の駐車場を開放しています。園が毎月発行している「どろんこだより」などのお知らせを、自治会館に届けて地域に配布してもらい、園の行事への参加を呼びかけています。
幼児クラスは、毎月「商店街ツアー」で地元の商店と交流を図っており、「銭湯の日」には近隣の銭湯で入浴を楽しんでいます。ハロウィンでは地域の家庭や商店に協力を依頼して、子ども達にお菓子を渡してもらいました。給食体験や育児講座、公園のログハウスでの青空保育などを行い、地域の子育て支援を行っています。近隣の小学校や保育園、幼稚園との交流も行っています。
すれ違ったすべての人と挨拶を交わすことを園の約束としており、職員は率先して挨拶しています。その姿を見て、子ども達も積極的に挨拶をしています。地域との交流を大切にして、園の活動を理解してもらうための取組みを行っています。


4.職員の資質向上への意欲的な取組みが進んでいます

 設置法人が求める人材像が「保育品質マニュアル」に明文化されており、資質の向上に向けて人材育成を進めています。職員は設置法人の研修参加、外部研修では、横浜市主催、鶴見区主催、大学主催の講座、他保育園実地研修などに参加しています。園内の内部研修は毎月行い、全職員が参加する体制となっています。
職員一人一人の資質向上のために、全職員が「スキルアップシート」を使用して、年2回自己評価をし、施設長との面談で、達成状況の確認や次期に向けての目標設定をする機会としています。また月に一度、子どもを理解できているかを「コンピテンシー」を使い職員が自己チェックしたり、年2回「人権に関するチェックリスト」で、自己点検しています。
各会議や、昼礼で情報を共有し、意見交換を重ねて、保育理念に沿った保育が行われるよう、質の向上に努めています。また園内に衛生管理係、安全対策係、畑係、生き物係、どろんこ祭り係、自治会担当係、子育て支援係などを設置し、保育内容を充実すべく職員が責任を持ち、積極的な活動をしています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.地域の支援ニーズを把握して地域との連携 

 開設当初より、地域に開かれた園を目指し、熱心に取り組んでいます。地域の行事に参加して、地域向けに園独自の子育て支援事業として、クッキング・給食体験・四季に応じた遊びの提供・育児に関する講座開催・園庭開放・公園での出張講座、講演会を定期的に開催しています。
しかし、子育て支援に関する地域のニーズ把握が十分ではない状態です。講座などの参加者や近隣住民との交流、自治会や近隣との繋がりを通じて地域の状況把握に努めています。開設から3年目お迎え、地域の子育て支援ニーズをさらに多角的に把握して、地域に根ざした園としての展開が期待されます。


2.保護者との協働による相互理解の工夫 

家族などの保護者に園の理念や基本方針が伝わっており、子どもが遊びや給食などの保育園生活を楽しんでいると認識しています。しかし、園庭やセキュリティ対策については不安を感じ、不満につながっている様子も伺えます。
園の方針である「人間力を育てるため」に、子ども達が楽しく遊べる環境造りに取り組んでいます。園から行政にも働きかけ、園の環境造りに取り組んで改善しつつあります。この園の努力が十分に保護者に伝わり、この取組みが保護者の安心につながるような工夫が期待されます。保護者の関心も高く、多くの意見も寄せられています。保護者と園との協働による改善の中で、相互に理解して改善につながることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 設置法人統一の保育理念を「にんげん力。育てます。」としています。保育理念に基づいた保育方針、保育目標、園目標を設定しています。園目標を「元気に挨拶する」「暑さ寒さに負けず、戸外で元気いっぱい遊び、たくましい体を作る」「安心できる環境の中で自分のこと、みんなのことを大切にする」「体験を通して、挑戦する心、好奇心を持つ」としています。いずれも、利用者本人を尊重したものとなっています。

A 「児童・保護者の人権のためのガイドライン」が策定されており、子ども・保護者の人権を尊重することの大切さについて、職員間で話し合っています。「人権チェックリスト」による自己チェックを年に2回行って、自分の課題を確認しています。

B 保育品質マニュアルの「個人情報の取扱いについて」の中で、個人情報の種類、取扱い、管理などが規定されています。入園時に「個人情報の取扱いについての承諾書」の内容を説明し、署名捺印をしてもらっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 保育理念、運営理念、保育方針に沿って保育を実践するために、年齢ごとの保育目標を設定しています。全体的な計画は、設置法人統一の計画をもとに、園の特色、地域性、保護者の状況を考慮し作成しています。保健計画、食育計画、年齢ごとの年間指導計画・月間指導計画・週日案を作成しています。一人一人の個性、成長・発達、生活リズム、活動の様子を観察しながら、指導計画を柔軟に見直しています。

A 子ども一人一人を大切にし、自主性を尊重しながら、保育方針に沿ったサービスを提供しています。3歳未満児は個別指導計画を作成しています。低年齢児クラスでは、保育室の使い方や生活の流れを工夫し、ゆったり生活できるようにしています。幼児クラスでは、異年齢合同で過ごし、子どもの主体性を尊重する保育をしています。食事、排泄、睡眠について一人一人の発達状況、生活パターン、健康状態を把握しながら対応しています。保護者と密に連携をとり、家庭との連続性を心がけています。

B 遊びは、一斉活動以外は、自由遊びの時間としています。おもちゃや、教材・素材などを自由に取り出し、自由に発想したごっこ遊び、集団遊びに繋がるよう、安全面に配慮しながら、コーナーを設定するなど、環境を整えています。園庭でも自由に過ごしています。日常的に異年齢での交流があり、生活の中でのルールを守り、お互いに協力し合い、気持ちを理解できるように職員が援助しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 入園時に把握した家庭の状況や、子どもの生育歴、健康診断の記録などは、「児童票」として、パソコンの保育アプリケーションソフトに記録管理し、必要時に職員が確認しています。ならし保育は、入園前の面談時の話し合いで、保護者の希望があれば1週間〜10日位を目安に行っています。

A 全職員が「保育品質マニュアル」を所持して保育にあたっています。年に2回「人権チェック表」を利用し、人権や虐待防止についての確認をしています。疑わしい場合、見守りが必要な場合は、設置法人担当部署に連絡し、鶴見区こども家庭支援課、横浜中央児童相談所と連携を取る体制となっています。

B 玄関に意見箱を設置し、個別連絡帳、個人面談、利用者アンケートなどでも保護者からの意見や要望を聞く機会を作っています。「入園のしおり」に苦情受付けの体制について記載し、入園説明会・年度初め懇談会で説明しています。また全保護者へ保育のアプリケーションソフトで、苦情解決についての流れや体制を配信して周知しています。

4 地域との交流・連携

@ 地域向け園独自の子育て支援事業として、クッキング・給食体験・四季に応じた遊びの提供・育児に関する講座開催・園庭開放・公園での出張講座や、講演会などを定期的に開催しています。

A 自治会の盆踊り大会や敬老会などに参加して交流を図っています。お祭りの日には、園の駐車場をお神輿の中継所として開放しています。高齢者施設の利用者との交流も図っています。園が発行する「どろんこだより」などのお知らせを、自治会館に届けて地域に配布してもらい、園の行事への参加を呼びかけています。

B 地域の公園への散歩や遠足、鶴見川流域センターの見学などで地域施設を利用しています。幼児クラスは、毎月、商店街ツアーを行い、地元の商店の人たちと触れ合っています。銭湯の日には職員と一緒に銭湯での入浴を楽しんでいます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 組織・職員が守るべき法・倫理・規範などについては、就業規則に明記しています。設置法人が求める人材像・理念・基本方針が全職員へ配付の「保育品質マニュアル」に明文化されています。「人事評価シート」に、職位に応じた目標や期待水準を明記しています。

A 保育所の自己評価は年度末に2回実施の全職員による「策定会議」で、保育方針、運営基本方針、全体的な計画に沿って行っています。とりまとめた結果を年度末に園内に掲示しています。設置法人のホームページで、決算報告、決算付随報告、現況報告書、事業報告、事業計画、定款、監事監査報告書などの情報を公表しています。

B 運営に影響のある情報の収集と分析は設置法人が行っています。園では、関係機関や行政、設置法人の施設長会議・施設長勉強会、保育の専門雑誌、新聞・ニュース報道などから、保育に関する情報を収集しています。収集した情報は、全体会議(職員会議)やリーダー会議などで周知し、改善事項や新たな取り組みについて話し合っています。園内に設置された各係で改善に向け取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

@ 理念、保育方針に基づく人材育成の指針を踏まえ、内部研修・外部研修の年間研修計画を作成しています。研修受講後は会議等で報告し、保育の中で実践しています。研修内容を今後どう保育場面に生かし、園や自分の課題にどうつなげていくかが大切であると考えています。

A 年間、月間、週案、保育日誌などが定型化された書式となっており、振り返りや反省欄を設け、保育内容の評価を行っています。振り返りは子どもの様子を丁寧に観察し、職員との関わりや子どもが物事に取り組む過程、意欲を記録することを心がけています。また職員は「スキルアップシート」を使用して、年2回自己評価をし、施設長との面談で、達成状況の確認や次期に向けての目標設定をする機会としています。

B 全職員に「保育品質マニュアル」「コンピテンシー」を配付し、いつでも各自が確認できるようにしています。非常勤職員は勤務体制や勤務時間の長短はあっても、「全職員で全園児を保育する」という園の方針のもと、常勤職員と同等の意識をもって、業務にあたっています。

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