かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

障がい者支援施設みずさわ

対象事業所名 障がい者支援施設みずさわ
経営主体(法人等) 社会福祉法人三篠会
対象サービス 障害分野 施設入所支援他
事業所住所等 〒 216 - 0012
宮前区水沢3丁目6−50
tel:044-978-3238
設立年月日 2007(平成19)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の概要・特徴
1.立地条件
小田急線生田駅から川崎市バス「稗原小学校前」下車徒歩2分、JR南武線武蔵溝ノ口駅・東急田園都市線溝の口駅から市営バス「稗原小学校前」下車徒歩2分の距離に位置している。
2.施設
社会福祉法人三篠会が運営する障害者支援施設。平成19年4月に開園。定員は80名。現在の利用者は80名である。
全体講評
<特によいと思う点>
日常的な支援が適切に実施できるような支援計画書作りに力を入れている
・利用開始前の面談では利用者と家族の希望を具体的に聞き取り記録することで個別に配慮したサービスの提供に努めている。個別支援計画書の作成は家族構成などの生活基盤のほか、健康・日常生活動作・コミュニケーション・社会参加・作業などに関して細かく記載することで、日々の支援に反映するよう努めている。個別支援計画は毎月の個別支援計画会議で検討し、定期的に見直しを行っている。
利用者の持っている力を最大限に引き出す取り組みを行っている
・生産活動は個々の状態に合わせて複数の活動を設定し軽作業の機会を提供している。生産活動時は活動始めと終了時にタイムカードに打刻してもらい、働いているという意識付けを持てるような取り組みを行っている。生活空間では障害特性に合わせて机やイスを配置し、必要に応じて仕切りを利用して落ち着ける空間を設定し、また日中活動は個々の特性に合わせて活動グループ分けを行うなど個々の特性に合わせた支援に努めている。
日常生活圏での買い物、散歩など、行きたい場所への外出支援を行っている
・利用者の行動範囲の拡大を支援の基本方針としており、それぞれの利用者の希望する行先へ1年に1回は行けるように外出支援に取り組んでいる。行先は多岐に及び、1〜4人の少人数で行っている。また、社会力を身につけ、地域での生活を目指すために、日常生活圏への外出を重視している。毎週土日にコンビニへ買い物に行くほか、外食も実施し「仕事の後に仲間と飯を食いに行く」を実現している。日中活動としても、グループによって防犯活動を兼ねた公園清掃、散歩などで外出している。
<さらなる改善が望まれる点>
利用者や家族の意向や要望を日々の支援に具体的に反映させることを目指している
保護者からは毎月実施している保護者面談や行事を通して意見や希望を聞き取り、満足度などの把握に努めている。また1年間の実践の総括として実践発表会を開催し、家族や関係機関の理解を深める取り組みを行っている。栄養士は利用者を対象に嗜好調査を実施し、利用者が満足感を得られるような献立や環境づくりを目指している。さらに、利用者を対象にしたアンケート結果を日々の支援にどのように反映させるかを検討している。
強度行動障害に対しての支援の向上を目指している
噛みつき、器物の破壊など他の利用者に危害を及ぼす行動障害や洗剤、おりものシートなど何でも食べてしまう行動障害のある利用者がおり、現在個室に施錠するなどの身体拘束を余儀なくしている。時間を決めて監視下でユニットの共同生活室に出る訓練をしており、出る時間を徐々に長くしているが、夜間は施錠せざるを得ないのが現状である。複数の職員が強度行動障害支援者養成研修を受講し、相談員と部署リーダーをメンバーとする個別支援計画・強度行動障害支援委員会を設置して取り組んでおり、さらに専門性の高い支援を目指している。
事業報告書と計画書が適切にリンクしているかを検証することが望まれる
事業の進捗状況については、現場レベルではユニット内のミーティング、事業所全体としてはユニットリーダー会議や主任者会議において毎月検証する仕組みが整っている。また、法人内では、法人連絡会議・エリア会議においても検証され、必要に応じて修正する流れも定着している。事業計画書と同様に、単年度の事業報告書を作成しているが、当初計画の達成状況を確認できる内容の記載には至っていない。計画書の作り込みについても、個別事業の分かりやすい目標を掲載することが望まれる。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・「言葉は意識を作る」との外部のスーパーバイザーのアドバイスを受け、不適切な行動をとる前に、まず言葉が「親しみ」「馴れ合い」「呼び捨て」「暴言」と崩れていき、虐待に繋がる恐れがあると指導・助言を受けている。支援の最初のアクションである利用者の呼称を「○○さん」に統一する取り組みを、平成28年度から行っている。一定の距離感をもち尊厳を守り、言葉を整えることでそれを発する者の意識や行動を整える意識改革に取り組んでいる。浸透してきても後戻りしがちな取り組みであり、本年度も引き続き徹底を目指している。  
・噛みつき、器物の破壊など他の利用者に危害を及ぼす行動障害や洗剤、おりものシートなど何でも食べてしまう行動障害のある利用者がおり、現在個室に施錠するなどの身体拘束を余儀なくしている。時間を決めて監視下でユニットの共同生活室に出る訓練をしており、出る時間を徐々に長くしているが、夜間は施錠せざるを得ないのが現状である。複数の職員が強度行動障害支援者養成研修を受講し、相談員と部署リーダーをメンバーとする個別支援計画・強度行動障害支援委員会を設置して取り組んでおり、さらに専門性の高い支援を目指している。 
・ユニットによっては支援員ステーション側のガラスに目隠しを貼っていた。共同生活室で裸になる、用を足すなどの行動障害が見られる利用者のプライバシーを保護するためであったが、他の職員の目の届かない空間で困難な支援を行う場合のリスクを考慮して、目隠しをはずす結論に至っている。
・利用者の訴えに耳を傾け、表情や行動から気持ちを読み取り、できる限り意に沿えるよう努力している。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・「本人らしさ」を尊重した生活支援を目指し、利用者の声や行動に目を配るよう努めている。保護者とは毎月実施している保護者面談や行事を通して意見や希望を伺い、満足度などの把握に努めている。また1年間の実践の総括として実践発表会を開催し、家族や関係機関の理解を深める取り組みを行っている。 
・苦情窓口担当者、第三者委員を設置し、苦情解決の体制を整備している。施設の相談先や川崎市役所障害課の相談窓口を重要事項説明書に記載し、契約時に説明を行っている。また、施設の1階に相談窓口の連絡先や「サービスに対する苦情・相談について、苦情解決に向けて」の解決までの手順を書いた書類を掲示している。
・生産活動はクレヨンの紙巻き・チラシ折り・掃除と個々の状態に合わせて設定を行い軽作業の機会を提供している。生産活動時は活動始めと終了時にタイムカードに打刻してもらい、働いているという意識付けを持てるような取り組みを行っている。個々の特性に合わせた支援を行うため、生活空間では障害特性に合わせて机やイスを配置し、必要に応じて仕切りを利用して落ち着ける空間を作るなどの配慮をしている。日中活動は個々の特性に合わせて活動グループ分けを行っている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・事業所の情報はホームページや川崎市の障害冊子、区役所の広報誌に記載し情報提供している。見学時はパンフレットやショートステイのしおりを使用して施設を案内し、その後、事業所の方針やサービス内容など1時間ほどかけて説明を行っている。利用開始前はショートステイの利用や、以前に利用していた施設の職員と一緒に過ごす時間を作るなど、不安やストレスの軽減に取り組んでいる。また、職員は利用者の様子を詳しく観察し、コミュニケーションに努めている。 
・個別支援計画は「個別支援計画 作成マニュアル」に則って作成し、一人ひとりの心身の状況に応じて目標を設定しており、配慮点などを記載することで個別支援を目指している。作成した計画は利用者と家族に説明し同意を得ている。利用者の様子は各担当者がタブレットを使用して「記録一覧(日常)」に入力し、食事・行動面・介助・入浴・特記事項の記録を行っている。記録内容は各階の職員室や事務所のパソコンで職員が情報共有できる仕組みになっている。入力情報は毎月紙ベースに印刷して個人ファイルで保管している。  
・標準的な実施を行うためのマニュアルを作成している。マニュアルは職員全員が各自で保有し、いつでも確認できるよう周知に努めている。避難訓練は年2回行っており夜間を想定した訓練も実施している。避難訓練は利用者全員が参加し、地元の自治会や小学校には事前に連絡を入れ協力・参加の声かけを行っている。災害時に備え非常食・水等の緊急時に必要な備品は指定の場所に保管しており、栄養士が賞味期限等の管理書面を作成して定期的に在庫の管理を行っている。
4 地域との交流・連携 ・事業所内の多目的ホールを貸し出しており、地域の放課後デイサービスや地域住民のコーラスなどの練習で使用するほか、駐車場を地域のサッカークラブや小学校に貸し出している。さらに多目的ホールや駐車場の貸し出しを広報誌でも案内することも検討されたい。そのほか、本年度は開業10周年を迎えたことを踏まえ、利用者、家族、関係者、地域住民などを招待した記念式典を開催した。式典では、「発達障害 強度行動障害の支援及び地域移行について」と題して講演を行い、地域社会に対しての啓発活動にも取り組んだ。  
・地域のコンビニへ行くことを通して、利用者と地域の人々が共に安全に買い物ができる環境作りに取り組んだり、地域の夏祭りに参加したりしている。また、それぞれの実績については、事業報告書において総括している。ボランティアの受け入れも積極的に行っており、地域の小学生との交流(月1回約10名)、傾聴ボランティア(月1回1名)、日中活動支援(月1回1名)などが活動している。なお、ボランティアに関する規定や、プライバシーの尊重、守秘義務などをまとめた手引書を整備し、誓約書などを取り交わすことも望まれる。
・行政が主催する事業所連絡会にはサービス管理責任者などが参画しており、各種施策に関する通達や新たな利用者に関する情報などを把握している。業界団体などの各種団体へは案内があった際には積極的に参加して、福祉ニーズの把握に取り組んでいる。そのほか、福祉新聞や法人の会議などで行政や福祉事業に関する情報を収集している。サービス管理責任者は、行政や社協などから地域情報を収集している。なお、地域のネットワークなどの参加や構築も視野に、更に地域との交流を深めることを期待したい。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・法人理念については法人会会議などにおいて幹部職員に対して周知に努め、施設では主任者会議などを通じて職員への理解を深めることに取り組んでいる。また、施設の運営方針が明文化されパンフレットや事業計画に明記して関係者にも伝えている。年度初めには法人の理念に沿った事業目標を明示しており、それを基本に部署目標や個人目標を定めている。個人目標は半年ごとリーダー職が個別面談で進捗状況などを話し合っており、その場で施設や部署の方針を改めて確認することに取り組んでいる。  
・単年度事業計画は主任者会議で振り返り、次年度事業計画を策定する流れとしている。それを基に各部署の目標や個人目標が展開されている。また、職員主体の6会議・6委員会を設置しており、事業計画策定にあたっては各会議や委員会で前年度の事業を振り返り、成果や課題を明確にし、課題を当年の事業計画に反映させることが望まれる。また、中長期計画として「改善のための3プロジェクト」を立ち上げており、それぞれ定例会において検証し達成を目指している。 
・施設長は毎月の主任者会議などの場で、施設の方針や自らの考えを表明している。安全衛生委員会や身体拘束廃止委員会にも出席して職員とコミュニケーションを取りながら施設の方向性を示唆している。また、職員とは個別の面談を実施し就業状況を把握するとともに、個人目標の達成に向けて支援している。施設の案件は施設長、サービス管理責任者、各部門長など各部署の代表が参加する主任者会議で検討され決定される。決定した内容は参加メンバーより各部署の職員に周知される。
6 職員の資質向上の促進 ・目標管理制度を導入し、半期ごと職員ひとり一人が定めた目標について、チャレンジシート(目標管理シート)をもとに上長が個別面談を行い、達成に向けて支援をしている。法人として一次評価者であるリーダー職員の研修も実施し標準化を図っている。また、内部研修はテーマを決めて開催し、外部研修については職員の希望を尊重している。受講後は報告書や振り返りシートで成果を確認している。この目標管理の取り組みを、組織全体の質の向上に結びつけることを目指している。
・法人全体のサービスの向上を図ることを目標として、各事業所単位で1年間の取り組みを発表・表彰する研修企画「ベストサービスアワード」を設けて、職員のやる気を支援している。各事業所から提出された取り組みを選考して、上位の提案については法人本部が所在する広島県において発表会を開催し、表彰する仕組みとしている。事業所一丸となって取り組むことから、職員のモラールやモチベーションの向上につながっていることがうかがえる。  
・法人としての充実した資格取得奨励制度のもと職員のキャリアパスを支援しており、毎年、介護福祉士、社会福祉士などの有資格者の育成に力を入れている。資格取得の支援によって専門性を高め、円滑な採用につなげることを目指している。また、職員の就業状況を把握し上長が相談に乗るとともに、心の健康などは外部の相談窓口を紹介している。福利厚生の一環として法人として福利厚生センターに加入している。また、施設長は日頃より職員に分け隔てなく声かけし、懇親を図る機会も設け職員との交流を図っている。

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