かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あおぞら第2保育園

対象事業所名 あおぞら第2保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人あおぞら
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0802
神奈川区六角橋2−34−8
tel:045-413-1114
設立年月日 2000(平成12)年12月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
あおぞら第2保育園は、横浜市営地下鉄ブルーラインの「岸根公園駅」あるいは東急東横線「白楽駅」又は「東白楽駅」から歩いて10分ほどの住宅地の中にあります。徒歩圏には、岸根公園を始めとして自然豊かな公園が複数あり子どもたちの散歩コースとなっています。
あおぞら第2保育園は、2000年(平成12年)12月に、社会福祉法人あおぞらによって開設されました。運営法人は、1955年(昭和30年)に「六角橋地域に保育所を」と9人の母親が集まって始めた共同保育所を原点としていて、他に同じ神奈川区に2園、金沢区に1園保育園を運営しています。
鉄筋コンクリート造3階建ての1・2階を園舎として用い、1階には、幼児保育室と事務室、給食室、2階には乳児保育室があります。1階には、病後児保育室さくらんぼもあります。遊具が設置された園庭のほか、園舎南東側には広々とした園庭(にっこにこひろば)があり、子どもたちがボール遊びなどで身体を動かしています。また、別棟で地域子育て支援センター(いちご畑)を実施しています。
定員は60人(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時〜18時半です。
「あおぞらの理念」として「地域の母親たちの要求から生まれた共同保育の精神を受け継ぎ『保育は幼児教育である』として子ども一人ひとりの全面発達を保障する」を掲げ、保育目標は「ともだちの中で全身を使って思いっきり遊べる子をめざす」「子育てという重大な仕事を父母 地域との連携をさらに深めながらおしすすめる」です。

1.高く評価できる点  

● 保育士に見守られ、子どもたちは自分の思いを素直に表し、のびのびと園生活を楽しんでいます               
園は、一人一人を大切に保育にあたっていて、保育士は、子どもの遊ぶ様子を見守り、一人一人の子どもの興味や関心、表情や仕草などから子どもの意向を汲み取っています。保育士は子どもに優しく語りかけて子どもの声を引き出し、言葉を添えて返す応答的なやりとりの中で子どもの意思を確認しています。このような個別の関わりの中、子どもたちは素直に自分の言葉で思いを表現していて、乳児でもたくさんおしゃべりすることができます。幼児になると友だちと話し合ってゲームの約束事を決めたり、栽培する野菜を考えたりしています。
園は外遊びを大切にしていて、子どもたちは、雨でなければ毎日のように、園庭や散歩で身体を動かしています。園庭で、友だちと一緒にままごとや三輪車、ドッジボールなどの好きな遊びを楽しみ、公園では思いっきり身体を動かし、季節の自然に触れています。友だちと一緒に遊ぶ中で、けんかやもめ事がありますが、保育士に見守られ、言葉を添えてもらうなど年齢や状況に応じた手助けをしてもらい、子どもたちは少しずつ自分たちで解決できるように育っています。また、「やりたいけど踏み出せない」「負けたくない」「負けて悔しい」など自分で整理しきれない気持ちも、保育士に受け止めてもらい整理してもらうことで、子どもたちは友だちと一緒に遊ぶ楽しさや相手を思いやる気持ちを学んでいます。
このように、子どもたちは保育士に見守られ、のびのびと園生活を楽しみ、成長しています。

● 保育士は、コミュニケーションを密に取り、連携して保育にあたっています 
園は、入職時に理念や方針を説明するとともに、運営法人の研修や園内研修などで確認し、目指す保育の実践に向けて取り組んでいます。クラスごとの保育検討会議では、子ども一人一人の様子について共有し、指導計画の作成、見直し、評価をしています。月ごと、学期ごと、年度末と反省・自己評価をしていて、クラスの中で様々な話し合いを重ねる中で目指す方向性を共有しています。また、リーダー会議、職員会議、行事会議などの会議や、グループを作ってのテーマ別の勉強会など、話し合いの機会を多く持つ中で、職員間のコミュニケーションが密に取られています。栄養士や看護師などの専門職も会議に出席し、それぞれの専門性が活かされています。
このようにコミュニケーションを多く取る中で、全職員が全園児のことを共有していて、風通しの良い家庭的な雰囲気が作られています。職員皆に声をかけてもらい、子どもたちは自分たちの家にいるかのように素直に保育士に甘え、園生活を過ごしています。

● 地域ニーズに合わせた子育て支援を積極的に展開しています
園は、地域の母親たちの要求から立ち上げた歴史があり、地域の子育て支援ニーズに積極的に応えています。横浜市病後児保育事業「あおぞら病後児保育室さくらんぼ」を運営し、専任の看護師を配置し、事前登録により6か月から小学生までの病後児を受け入れていて、保護者の安心につながっています。子育てひろば私立常設園として地域子育て支援センター「いちご畑」を設置し専任職員1名とパート職員1名を配置していて、地域の親子が利用しています。「いちご畑」の開放日には、利用者は、園庭や保育室で子どもを遊ばせながら母親同士が交流したり、職員に育児相談をしたりしています。豆まきなどの季節行事や、園児との交流、離乳食などの育児講座も実施しています。また、一時保育を実施し、クラス内で受け入れています。
保育園と地域を結ぶ「いちご畑・おひさまだより」「子育て新聞」も毎月発行し、園の掲示板やホームページ上に掲載するほか、神奈川区役所などに置き、地域に子育てについて情報提供しています。

2.独自に取り組んでいる点 
● 長期間に渡る地域住民との交流を通して、地域に根ざした保育園となっています 
開園からの長い歴史の中、園は、地域との関係作りに力を入れてきました。保育士と子どもたちは散歩時や地域の商店に買い物に行く時には、行き帰りに出会う地域住民やお店の人と挨拶を交わし、会話をしています。また、園の行事に地域住民を招待したり、地域の老人会の定例会に「いちご畑」を貸し出すなどしています。
このような取り組みの結果、地域住民も子どもたちを優しく受け入れてくれるようになり、庭のゆずやみかんをもらったり、蝶の幼虫を届けてもらったりなど、親しい交流ができています。月1回老人会のお年寄りと子どもたちが交流して昔遊びを教えてもらい、もちつき大会では地域住民がボランティアとして餅のつき方を伝授してくれています。
園に野菜を届けてくれる地域の農家との交流もあり、5歳児が農園でキャベツの収穫体験をしたり、3歳児がミニキャロットの栽培方法を農家の人に教えてもらったりしています。冬野菜のバイキングでは、農家の人も子どもたちと一緒に食事しています。農家との交流を通して、子どもたちの野菜への興味が育っていて、野菜嫌いの子どもたちも野菜を食べるようになったなどの効果も出ています。
このように、地域住民との交流を通して、子どもたちはたくさんの経験を積み、学びを得ています。

3.工夫・改善が望まれる点 

● 今後の発展に向けて、人材育成計画を文書にまとめ職員に周知することが期待されます 
園は、理念や方針を踏まえた保育の実践に向けて、運営法人の新人研修、主任研修、管理者研修を始めとして、園内研修やテーマ別のグループ学習など様々な取り組みをしています。ただし、研修計画は策定しているものの、階層や職種ごとに求められる経験や能力、役割、研修などを人材育成計画としてまとめることはしていません。また、職員に年度の自己評価と翌年の課題を記載してもらっているものの、それを基に目標設定と達成度の評価をする仕組みは作っていません。
職員がモチベーションを持って職務を実践していることからも素地はできていますので、職員の交替などがあっても今の保育を継続できるよう、人材育成計画として文書化し職員に提示していくことが期待されます。

● 保護者との連携を深めるためにも、さらなるコミュニケーションの工夫が期待されます 
園は、設立の経緯もあり、保護者と連携して子育てをしていくことを大切にしています。保護者が園の取り組みを理解できるように、懇談会や園便りやクラス通信、連絡帳などを用い、保護者が園の取り組みを理解できるように働きかけています。
このような園の取り組みにもかかわらず今回の保護者アンケートでは、保育内容についての保護者の満足度は高いものの、行事などについては保護者の意見が多数寄せられていて、必ずしも保護者の理解につながっていないことが読み取れます。保護者の状況にあわせたコミュニケーションの方法を工夫するとともに、核家族化や就労状況の変化、価値観の多様化など保護者を取り巻く環境の変化等を踏まえた協力のあり方が求められています。保護者と意見交換を重ね、園の良い所を活かす連携のあり方を検討していくことで、保育の基本姿勢でうたっている「子ども、父母、保育士みんながお互いの立場を尊重し合い率直にものを言い合い行動できる」関係をつくっていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・人権に関するセルフチェック表がありますが、活用は充分とは言えないので、子どもへの言葉かけなど職員間で見直しや振り返る機会を定期的に持つことが期待されます。また、保護者の子育ての悩みなどを聞いて、共に子どもの人格尊重を意識するよう心がけています。
・保育士は子どもにとって落ち着ける場所を場面ごとに設けられるように心がけていますが、施設的な制約や子どもを把握する上で死角を作らないようにすることを重視しがちになって、プライバシーが守られる空間が確保しにくい状況もあります。移動可能な仕切りを使うなど、意識的に空間を確保する工夫が期待されます。また、保育士は、一対一で子どもと話をする際、内容や状況によって場所や声の大きさにもより配慮していくことが望まれます。
・個人情報の取り扱いマニュアルがあり、守秘義務についても文書化されており、保護者には入園・進級のしおりで写真撮影などを含めて個人情報の取り扱いについて説明し、了解を得ています。保育室では個人情報に関する提出物や記録など日常的に使うものについては、不特定多数の人の目に留まらないように保管しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画は、基本方針に基づき、子どもや家庭の状況、地域の実態等を考慮して作成されていて、子どもの最善の利益を第一義にしています。今年度、職員会議で討議し、全面的な変更を行ないました。非常勤職員に対してはパート会議で共有しています。保護者に対しては、懇談会で目指す目標について具体的に分かりやすく説明しています。
・朝の会で、保育士はその日の活動の内容や目的について子どもの年齢や発達に合わせて説明しています。保育士は、子どもの表情や仕草、反応などから子どもの意思を汲み取り、言語化できる子どもからは、意見や要望を聞いています。
・衛生管理マニュアルに基づき清掃が行なわれていて、園内・外ともに清潔に保たれています。まめに窓を開けて換気をしています。温・湿度計を設置し、エアコン、床暖房、加湿器付空気清浄機を用いて温・湿度の管理をしています。
・限られたスペースを工夫して使いながら、ままごとや電車、ブロックや絵本など自由に取り出して遊んでいます。3・4・5歳児は時間帯によっては、合同の保育室でコーナー遊びをしています。おもちゃの種類を増やすよう、クラスで検討して教材なども増やしています。
・園庭の一角やプランターでサツマイモやミニキャロットなどを育てたり、園外に畑を借りてジャガイモを育てたりしています。また、給食や幼児クラスの合宿で使うキャベツを給食の野菜を納入している農家で5歳児が収穫させてもらったりしています。
・栄養士は栄養の話やペープサートで食品の三色わけの話をしたり、卒園児の保護者の協力でブリや鮭の解体ショーを子どもたちに見せたりして、食への関心を高めています。
・基本的に布オムツを使用し、一人ひとりのリズムに合わせて対応し、トイレットトレーニングも発達に応じて進めています。体調や発達に応じて、個別に紙おむつやトレーニングパンツでの対応もしており、体調不良(下痢)やオムツかぶれなど家庭との連携をしています。また、体調不良の場合は病後児保育のさくらんぼの利用なども提案しています。
・入園・進級のしおりやパンフレットなどに保育の基本方針を明記し、5月と3月の懇談会で保護者に説明しています。懇談会は年4回行い、折に触れて、園の方針や保育について保護者に伝えています。また、年1回系列4園で発行する「麦わらぼうし」で1年間の園の様子や子どもたちの成長の様子、職員、保護者の感想や保育園の理念や方針などを伝えています。
・父母の会があり、在園中に1回はクラス役員をするよう働きかけています。父母の会と園の共催で「盆踊り大会」「新年マラソンもちつき大会」「ふれあいまつり」の行事があり、実行委員会を協力して行っています。父母の会の総会や母親懇談会などには職員も可能な限り出席しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・新入園児が入ってきたことで、在園児が不安に感じることがないよう、声かけやスキンシップを多くするなど意識して関わるようにしています。
・保護者の同意を得て、横浜市東部地域療育センター、横浜市リハビリテーションセンター、神奈川県立こども医療センターなどの専門機関から助言を受けています。障害の特性を考慮した個別指導計画を作成しています。保育士が障害のある子どもの思いを仲立ちして伝えるなどし、障害がある子どもが他の子どもと同じ活動を楽しめるように支援しています。
・アレルギー除去食対応マニュアルを作成し、職員会議や園内研修で職員に周知しています。献立表を事前に保護者に確認してもらっています。除去食提供にあたっては、職員間で確認し、色の異なるトレイや食器を用い、保育士がそばについて誤食を防いでいます。現在、園ではアレルゲンとなる食材(小麦・卵)を除いた給食を全園児が食べています。
・第三者委員を定め、入園のしおりおよび掲示で保護者に周知しています。年4回の懇談会、年1回の父親懇談会、四者懇談会(理事、父母の会、園、職員組合)、保護者アンケート(行事後、年度末)で保護者の意見や要望を聞いています。また、連絡帳や日々の保護者との会話からも保護者の意見や要望を把握しています。
・健康管理マニュアルが整備されており、必要に応じて見直しがされています。すべてのクラスで連絡帳に日々の家庭での様子、食事、排泄、睡眠の記録をつけるようになっており、家庭と園での生活や健康状態などを毎日保護者とやり取りできるようにしています。0歳児の生活リズムができる頃から歯磨き指導に取り組み、一人ひとりに仕上げ磨きをしています。給食後の歯磨きを習慣にしています。
・衛生管理マニュアルの変更は、パート職員にも年1回変更内容を伝えていますが、ノロウィルスの対応などにもパート職員を含めた全職員対象の園内研修として取り組み、手順の定期的な見直しと振り返りの徹底を行い、衛生管理への意識を一層高めることが望まれます。
・毎年1回、パート職員を含めた全職員で日本赤十字社の研修を受けて、救急救命法を身につけています。AEDを玄関に設置し、機器の更新の機会に全職員で使用方法の訓練を行っています。また、定期的に発行される「ほけんだより」で事故防止や発生時の対応方法などについて、職員・保護者に伝えています。
4 地域との交流・連携 ・「いちご畑」ではベビーマッサージの体験講座や栄養士による幼児食や離乳食の育児講座、保育士による年齢ごとの「あそぼ!会」、おんがく広場などお楽しみの企画を行っています。また、育児の相談内容によっては、看護師、栄養士など専門職員が対応しています。また、会員制の「あそぼ!会」では地域の親子が一日保育参加や遠足などの園行事に参加し、集団を経験するなどして地域の子育ての孤立を防ぐようにしています。
・系列4園共通の「子育て新聞」、園独自の「いちご畑・おひさまだより」を毎月発行して、地域子育て支援センター「いちご畑」の活動内容や予定、子育て情報を発信しています。
・「盆踊り大会」「ふれあいまつり」について町内会の掲示板や回覧板で案内し、地域住民を招待しています。地域の老人会「七星会」の定例会の会場に保育園を開放しています。日常の保育でも子どもたちは「七星会」のメンバーに昔遊びを教えてもらったり、歌やダンスを披露したりしています。近隣の小学校に5歳児が学校体験に行ったり、六角橋中学校の生徒が職業体験に来たりして、小中学生と子どもたちが触れ合う機会があります。
・もちつき大会では地域住民が毎年ボランティアとして参加し、餅のつき方を伝授してもらっています。対応には主任、園長、行事の担当の職員が当たり、行事のお知らせやクラス通信などで保護者に知らせています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・クラスごとの学期や年度反省・自己評価、運動会後の反省・自己評価、保護者アンケート結果などを基に、職員会議等で話し合い、課題を明らかにしています。自己評価は保育の理念や方針に沿って行われています。自己評価の結果は掲示し保護者に公表しています。今後は、園誌「麦わらぼうし」にも掲載する予定です。
・園の隣地を借り上げて園庭として整備するなどの重要な意思決定にあたっては、理事、父母の会、園、職員組合が参加する四者懇談会で話し合いを重ね、途中経過なども報告して進めています。
・園長は、全国民間保育園経営懇話会、全国保育団体合同保育研究集会、全国病児保育研究大会、横浜市や神奈川区の私立園長会などの各種会議や研修に参加し、保育所運営に影響のある情報を収集・分析しています。重要な情報は、内容に応じて理事会や4園園長会、リーダー会議等で協議して重点改善課題として設定し、職員会議で職員に周知し、園全体で取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ・保育所の理念や方針をふまえた保育の実践に向けた研修計画はあり人材育成を行なっていますが、人材育成計画として文書化することはしていません。また、園長、主任は個々の職員の頑張ったことを認め次年度へ期待することを個別に伝えてはいますが、園として目標設定したり達成度の評価を行なう仕組みはありません。今後の取り組みが期待されます。
・指導計画や日誌には、振り返りの欄があり定型化されています。振り返りは計画のねらいに沿って行なわれています。保育士は子どもの行動やその結果だけでなく、子どもの育ちや意欲、取り組む過程を大切に保育にあたっていて、振り返りもその視点で行われています。振り返りの結果は計画作成に活かされています。
・職員一人一人の頑張りを大切にしていて、運営法人として職員を評価する仕組みはなく、昇進や資格等に関する人事基準も策定していません。研修発表、勤務年数などで職員の頑張りを総合的に評価し、職員にフィードバックしています。

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