かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

都筑ひよこ保育園(3回目受審)

対象事業所名 都筑ひよこ保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 あおば
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0055
都筑区加賀原1-22-30
tel:045-942-9557
設立年月日 2003(平成15)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
都筑ひよこ保育園は、港北ニュータウンの南端に位置し、東急田園都市線「市が尾」・JR横浜線「中山」・市営地下鉄「センター南」駅からバスで、「加賀原」バス停下車、徒歩約3分のところにあります。隣に加賀原地域ケアプラザがあり、周辺には企業の研修所、旧家と集合住宅、戸建て住宅が混在する地域で、公園や生産緑地が多数あり、緑に囲まれた環境にあります。 
1983年(昭和58年)、緑区(現・青葉区)新石川に、「たまプラーザひよこ保育室」を開設したのが園の始まりで、地域保育室認定・横浜保育室認定を経て、2003年(平成15年)4月、現在地に移転し、社会福祉法人あおばとして、「都筑ひよこ保育園」を開設しました。定員は120名で、現在0〜5歳児129名が在園しています。
・園の特徴
園舎は、鉄骨造2階建てで、内装は木をふんだんに使い、随所に観葉植物のある温かみのある雰囲気です。1階には中庭のデッキテラスを囲んで保育室やランチルームがあり、2階には、保育室と広いウッドデッキがあります。330平方メートルの園庭には、築山、ジャングルジム、木製の大型遊具、登り棒、廃材のタイヤなどが配置され、子どもが泥んこ遊びや鬼ごっこなどをして、全身を使って自由に遊べる環境を作っています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの主体性と想像力を育む職員の働きかけ
保育室には、年齢に合った、絵本やおもちゃが豊富に用意され、園庭の環境も整え、給食も自分が食べたくなったときに遊びを切り上げるなど、子どもたちは好きな遊びを、納得のいくまで遊び込める環境になっています。絵本の読み聞かせから、子どもたちが公園でその世界を想像して遊べるように保育士がしかけをしたり、絵本の登場人物の人形を用意したり、遊びを発展させるために手作りで小道具を用意したりしています。また、興味を持ったことは図鑑で調べられるようにコーナーを用意するなど、保育士は子どもをよく見て遊びのヒントを与え、子どもの想像力を高める工夫をしています。

2.保護者と協働して子どもを育む園運営
  園の保育理念に「保護者と話し合いながら一人一人かけがえのない子どもとして見守る」として、保護者と連携して保育を行うことをあげています。
テント設営、ターフ(日よけ)張り、運動会時トラック運転、大掃除、カーテン洗濯、雑草とり、落ち葉掃き、ガーデニング指導など、保護者に協力していただきたいことの例を重要事項説明書に記載して保護者の協力を得ています。年に2回、保護者と一緒に大掃除をし、11月には窓拭きや高いところ、照明器具の清掃などを行っています。また、年に1回、親子防災訓練の日を設け、保護者と職員が共に、消防署員による講話とAED訓練を受講して、職員だけではなく保護者の防災意識も高めるよう工夫しています。このことは、行事のお手伝いなどを通して保護者同士が知り合える効果もあり、保護者と協力して創り上げていくことで、子どもたちを安心させ、家庭のように心を許せる保育園になっていくことを目指しています。
 
3.職員間の情報共有と資質向上のための全体職員会議の取り組み 
一人一人の子どもの姿を、複数の目で見て捉えることを大切にしています。子どもの日常の状態を把握するため、クラスリーダーが常勤・非常勤の区別なく情報を伝達し、控室のミーティングノートやクラスノート、事務室の「報・連・相ボード」にクラスごとに、子どもの病気や保護者からの依頼・連絡事項、特記事項などを記載して、職員間で情報を共有しています。また、年2回、全体職員会議として、常勤・非常勤ともに全員が出席できるように日程を工夫し、日曜日1日をかけて保育の振り返りや研修を行っています。そのなかで内部研修として、外部研修報告をしたり、AED(自動体外式除細動器)やエピペン(アナフィラキシー補助治療剤)の使用方法、救急救命法、臨床心理士による指導、絵本についてなど、計画的に行われています。

4.子どもの人権を尊重し、気持ちを大切にする姿勢
保育室の押入れの下の空間を、子どもが遊びや一人になりたいときなどに使えるようにしています。2階の廊下に「お休み部屋」を用意して、子ども自らがクールダウンや気分転換、一人になりたいときに使えるようにしています。また、保育室のなかに、大きな低反発クッションを用意して、子どもがゆったりとくつろげるようにしています。また、「一瞬一瞬の子どもの思いに寄り添うことが大切と考えると、叱ることはそんなにないのではないか」と職員会議で話し合っています。子どもに勝手に呼び名をつけてはいけないこと、子どもの前で親を悪く言わないこと、「赤ちゃんのクラスになるよ」などと子ども一人一人の自尊心を傷つけてはいけないことなど、具体的に話をして認識を深めています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.自己評価基準の見直しと個別研修計画の作成による人事評価制度の確立  
職員は年に一度自己評価を行って、園長・副園長と面談していますが、評価のためというよりも次年度の勤務の意向を確認するものとなっています。また、その自己評価は、目標と達成度がはかりにくいものになっており、各自の目標達成のための研修計画もありません。個人のキャリアアップを見据えた、経過と成果がはかりやすい自己評価の基準を見直し、個別研修計画を作成して、職員の経験や能力を評価する人事評価制度を確立し、更なる意欲向上につなげることが期待されます。

2.会議録や記録の残し方の工夫で職員の事務作業の効率化を
保育の質の向上のために丁寧に話し合うことを大切にして、年に2回、1日かけて行われる全体職員会議の内容を録音し、テープ起こしの形で記録するなど、話し合いの内容が詳細に記録されていますが、文章として記録する際も、振り返りの際に読み解くのにも時間がかかっています。また、月期間指導計画の振り返り欄の活用がされておらず、期ごとの会議の前に、職員が改めて振り返りの報告を作成しています。職員の負担を軽減するためにも、会議録や記録の残し方を工夫し、職員の事務作業の効率化を図られることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・全体的な計画は、保育所保育指針の内容を踏まえ、園の保育理念、保育の基本方針に則って、日本国憲法、児童福祉法、児童憲章、子どもの権利条約などを参考にしながら、子どもの最善の利益を第一義にして作成しています。

・子どもに、虐待の予兆がないか観察し、虐待を疑われる場合には、子どもに対して、登園してきたことを喜び、温かく受け入れて、皆に受け入れられているという安心感と自己肯定感が育まれるように配慮しています。

・職員は、子どものペースを尊重し、子どもの意見を聞くようにして、自分から発言できない子どもには、声かけするなど配慮しています。また、言葉だけでなく、声の大きさやトーン、表情や態度などについても注意しています。

・守秘義務については採用時に職員に周知し、毎年全体職員会議でその重要性を確認し理解するようにしています。個人情報の取り扱いについては、保護者が撮る写真の扱いについても重要事項説明書に明記し、保護者に説明しています。

・遊びや行事の役割、グループ分けは子どもの意思を最優先にし、性差の固定観念で保育をしていないか、職員間で話し合っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・職員は、子どもの表情や様子から気持ちや意思を汲み取ったり、丁寧に話を聞くなどして、子どもの意見や思いを大切にした保育を心掛けています。

・入園前面接は、子どもと一緒に来園してもらい、子どもの様子をみて、ならし保育を勧め、入園当初の保育時間などを提案しています。ならし保育は、保護者の状況が許せば、0歳児は母子通園を勧め、ミルクの飲み方、入眠のしかたなど、保護者と共有しながら個別にすすめています。

・0、1歳児保育室に沐浴槽があり、各保育室(4歳児室は除く)のトイレと、園庭、中庭には温水シャワーの設備があり、清潔に管理されています。

・保育室の空間を低い家具で仕切り、食べる・寝る、のスペースを分けています。2、3歳児は、食事はランチルームでとって、保育室で午睡をしています。

・おもちゃや教材は、子どもが取り出せるような高さの棚や箱に置き、子どもが自由に遊べるようになっています。また、粘土、折り紙、お絵かきの材料や、菓子の空き箱などの廃材を利用して、子どもがいつでも自由に遊べるようにしています。

・亀、金魚、ザリガニなどを飼育しています。プランターで夏野菜を栽培し、成長を観察するとともに、給食で食べ、食育につなげています。

・3〜5歳児は、縦割りの3グループに分け、週に1度「なかよしにこにこでー」として異年齢での活動の時間があります。

・普段から近隣の公園に散歩に出かけ、ドングリや落ち葉を拾ったり、昆虫探しをして、子どもが自然に触れる機会を積極的に設けています。

・紫外線対策として、夏季には園庭やデッキにターフ(日よけ)を張っています。子どもの既往歴や健康状態に合わせ、室内での遊びを工夫しています。

・給食は、週に3回は魚料理にし、和食の伝統的な献立を多く取り入れ、昆布や鰹節のおだしを子どもに味わわせるようにしています。また、子どもの献立の希望を取り入れるなどして、子どもの食べる意欲を引き出し、食に興味を持たせるよう工夫しています。食材を近隣の商店や生協で調達し、原則として国産品と無添加調味料にして、季節のもの、旬のものの献立の取り入れに努めています。

・調理前の筍、ふき、栗、枝豆などを子どもたちに見せて、食材に興味を持たせています。0〜3歳児は野菜に触れたり、トウモロコシや玉ねぎの皮むきをして調理員の手伝いをしています。4、5歳児は味噌、ラッキョウ、梅干し、梅ジュースを作っています。

・外部講師により、3〜5歳児クラスは隔週にリトミックや歌唱指導、月1回美術の指導を受けています。また、5歳児は、他に月1回習字をしています。美術では、スポンジや竹ひごを材料にした工作や、クリスマスカードを作成するなど、様々な素材に触れています。習字は墨汁を使用し、墨をする体験もしながら、半紙に毛筆で書き、12月には年賀状を書いています。

・保育参加は随時受け付け、その際の給食やおやつは、前日か場合によっては当日に申し出ることで、子どもと保護者が同席で試食できるようにしています。

・園だより、給食だよりなどを毎月発行しています。園長のエッセイ、子どもの園でのエピソード、保育士のコメントなどを掲載して、保護者が保育方針の理解を深められるようにしています。また、クラスごとの掲示や玄関ホールのテレビモニターで、保育の様子が分かるように努めています。

・子どもの状況については、担任から延長保育担当者に引き継ぎを行っています。延長保育時間帯の担当者は3名が固定しており、子どもの様子をよく把握し、子どもに同じ先生がいると安心感を持たせるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・子どもをよく観察し、発達過程を捉えて、年間指導計画のほか、0、1歳児は年間を7期、2歳児は5期に分けた月期間指導計画と個別指導計画、3〜5歳児は年間を5期に分けた月期間指導計画を作成し、その他週案、デイリープログラムを作成しています。指導計画は、複数の職員の目で見て評価し、必要があれば見直しをしています。

・指導計画には柔軟性を持たせ、子どもから出た意見や思いを大切にし、それを発展させていくような保育や、職員のはたらきかけを大切にしています。自由遊びの時間をたっぷりとって、食後もゆったりと好きなことをして過ごし、場や活動の転換も一斉に声をかけるのではなく、慌ただしくならないようにしています。

・日々の保護者との連携を大切にし、0〜2歳児まで全員複写式の連絡帳を持ち、3歳児以上も希望によりノートを使って園とやりとりしています。送迎時の会話や連絡ノートを通して意向を確認したり、必要に応じて面談をしながら、指導計画に反映しています。

・特に配慮の必要な子どもには、臨床心理士や、保健師、横浜市北部地域療育センターの指導を受けられる体制があります。食物アレルギーのある子どもへの食事は、専用トレイと食器を用い、声を出して確認しています。

・玄関に意見箱を設置し、連絡帳や口頭で苦情・要望があった場合には、園長に報告をして直接回答し、その日のうちに解決できるように努めています。苦情につながる案件は、掲示などで迅速に保護者に説明し、苦情解決の経過はホームページに公開して再発防止に努めています。

・子どもの健康管理に関するマニュアルがあります。既往症については、入園前に保護者が園児調査票に記入しています。そのほかに、園で行っている健康診断や保護者からの聞き取りで情報を得て対応しています。

・感染症に関するマニュアルがあり、登園停止基準などについて保護者に説明しています。感染症が発生した場合は、玄関に掲示し、保護者に知らせています。

・緊急連絡体制を整備しています。月に1回、火災や地震などを想定して避難訓練を行い、年に1回、不審者対策訓練を実施しています。子どものケガについては、保護者に状況を報告し、職員会議で話し合って再発防止に努めています。

4 地域との交流・連携

・園庭開放を行うなど、地域の保護者や子どもとの交流の場を設け、地域の保護者から保育所に対する要望を把握するよう努めています。

・運動会やひよこまつりに卒園生を招待し、自治会にも参加を呼びかけています。5歳児の小学校訪問、中学校からの職業体験の受け入れなど、学校教育との連携を図っています。また、都筑区社会福祉協議会の「はーとdeボランティア」事業の地域の中学生を受け入れています。

・近隣のお祭りに備品を貸し出し、お菓子を提供するなどして近隣との友好関係を深めています。近隣の高齢者と交流したり、他園と交流保育を行っています。

・利用希望者には、見学を受け付け、見学の曜日や時間は、見学希望者の都合に合わせ、見学は園長・副園長が対応しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園の自己評価は、年度末に1年間の総括として保育目標、保育、行事、研究・研修、情報、施設・設備などについて評価し、改善策を明記して玄関に掲示しています。

・マニュアルに「職員心がまえ」として、職員の守るべき規範・倫理を明示し、入職時に全職員に配付しています。

・福祉医療機構WAMNETに現況報告書、収支報告書を開示しています。経理規程に経理、取引に関するルールがあり、法人監事による監査を受けています。

・中長期にわたって実現を目指すビジョンを明記した中長期計画があり、その実現を目指す、単年度の事業計画を策定しています。

6 職員の資質向上の促進

・実習生の受け入れについてのマニュアルがあり、受け入れに当たって、リーダー会議で話し合い、将来的に保育士となる人材を育成するよう努めています。

・経験年数ごとの期待される職員像と必要な教育を一覧にし、研修受講につなげています。経験年数ごとに必要なスキルが明記されており、また、階層別に研修の目的、職場研修を明記した研修体系を作成しています。

・園長は、職員から、会議の場や日常的に業務上の意見や要望を聞き、積極的に取り入れるようにしています。薬投与の必要な子どもに投薬漏れが無いようにするための工夫、アレルギー食の提供のしかた、乳児の保育室の消毒のしかたなどを話し合い、改善している事例があります。

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