かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市みどり保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市みどり保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0007
都筑区荏田南1−9−1
tel:045-941-3748
設立年月日 1974(昭和49)年10月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
横浜市みどり保育園は昭和49年10月に開園した45年目の保育園で、定員は126名で0歳児から5歳児まで138名の園児が通園しています。園は横浜市営地下鉄グリーンライン都筑ふれあいの丘駅から徒歩約5分のところに立地しています。周辺は、地下鉄の開発に伴い発展した新興住宅地で、転居してきた家族と地元住民が一体となった地域であり、自然を生かした公園が多く、伸び伸びと子育てができる街です。
・園の特徴
 近隣の豊かな資源を活用し、地域住民の協力も得て、地域に根差した開かれた運営に取り組んでいます。地域の育児支援センター園として、また、保育資源ネットワーク事務局園として、近隣保育・教育施設との連携、地域の親子支援に力を入れています。産休明け保育、延長保育、一時保育、障がい児保育も実施しています。

【特に優れていると思われる点】
1. 子どもが活動しやすい環境構成の整備
子どもが主体的に活動できるよう、園内プロジェクトチーム「環境構成グループ」を立ち上げ、各クラスから1名の職員を選出してチームを構成し、子どもの年齢や発達に応じた環境構成となるよう検討しています。保育室内は棚などで部屋を仕切ったりコーナーを作り、子どもたちが落ち着いて遊べるようにしています。子どもたちは、おもちゃ棚から自由におもちゃを取り出して遊んでいます。棚には、おもちゃの写真を貼り、おもちゃの出し入れがしやすいよう工夫しています。職員は、子どもたちが好きなことをして遊べるよう、子どもの活動を中断することがないよう配慮しながら、子どもの見守りや声かけをしています。

2..地域育児支援センター園、ネットワーク事務局園としての地域子育て支援
園は地域育児センター園として毎日、おひさま広場(園庭開放、育児相談、絵本の貸し出し)を実施しています。育児支援担当保育士や園庭開放ボランティアが、来園した地域の親子と一緒に遊びながら、育児相談にものっています。また、育児講座(年4回)、交流保育(月1回)、ランチ交流(月1回)などには、年間約3000人の地域の親子が参加するなど、地域に根差した多様な子育て支援を行っています。
ネットワーク事務局園として、民間保育所などと連携し、保育の質の向上や子育て支援に取り組んでいます。主にネットワーク専任保育士が、地域の子育て世帯に園での遊びや子育て情報を提供する「ほいくえん広場」、保育施設の質の向上のための研修の企画・実施、小規模保育園への出張保育、他園の年長児たちとの積み木遊びやドッジボールによる交流保育、保育のセーフティネットとしての養育支援など、さまざまな役割を担っています。

3.職員間の情報共有
園ではクラス担当職員以外に、ネットワーク専任保育士や育児支援担当保育士、他職種の職員も含め70名を超える職員がいます。そのため、職員間の情報共有やコミュニケーションには注意を払っています。午睡時を利用したクラスミーティングやカリキュラム会議には非常勤職員も参加するほか、乳児(0〜2歳児)会議、幼児(3〜5歳児)会議、全体会議、ミーティングノートによる会議録の共有など、情報の伝達漏れがないよう体制を整えています。育児支援については、年度初めに職員全体で話し合い、クラス担当保育士も共通認識をもって、交流保育やランチ交流などに携わっています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.3歳未満児の月間個別指導計画に個別の振り返りができる書式の工夫
3歳未満児の月間指導計画には、クラスの自己評価欄はありますが、個別の指導計画には振り返り欄が設けられていません。発達や成長が著しい3歳未満児については、個別の振り返りが明示できるよう、横浜市の書式の工夫が期待されます。

2.保護者へ子どもの様子が届くような情報発信
各クラスにデジタルフォトフレームを設置して、クラスの子どもの様子を動画やスライドで流し、子どもの日常活動が分かるようにしていましたが、セキュリティの関係で現在は使えない状態になっています。利用家族アンケート結果では、「送り迎えの際のお子さんの様子に関する情報交換について」の項目で、22%の保護者が不満足(どちらかといえば不満15%、不満7%)と回答していて、園での子どもの様子が保護者に十分伝わっていないことがうかがえます。送迎時には、職員が保護者と直接話をする機会を設けていますが、伝達方法を工夫するなど、保護者に園での子どもの様子が十分届くような対策が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念・保育方針は、利用者本人を尊重した「よこはまの保育」の理念を基に作成し、園目標や保育姿勢を決めています。年度初めの職員会議で職員に周知し、クラス担任からアルバイト職員、嘱託職員に伝えています。

・呼び捨てにしない、男女や障がいの有無で差別しない、無視しない、感情任せに叱らないなどを、職員間で話し合っています。

・3〜5歳児のトイレにはドアがあり、トイレ内にあるシャワーにはカーテンを取り付け、他からの視線が遮れるようになっています。

・個人情報については、重要事項説明書に園としての対応を記載し、入園説明会で保護者に説明し、同意を得ています。写真は保護者の了解を得て使用する、クラス連絡網は作成しない、個人情報を含む書類は鍵のかかる保管庫で保管するなどを説明しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・0〜2歳児には、「現在の子どもの様子」「内容・配慮」を記した個別指導計画を作成しています。3歳児以上で特に配慮を要する子どもについて、4期ごとに「ねらい」と「環境構成」面から個別指導計画を作成しています。

・自由におもちゃを取り出して遊べるよう、おもちゃ棚を設置しています。遊びが、子どもの成長や季節ごとに変化をこらした設定となるように工夫しています。また、落ち着いて遊べるよう、保育室内では棚で部屋を区切り、遊びのコーナーを作っています。

・子どもが主体的に活動できるよう、園内プロジェクトチーム「環境構成グループ」を立ち上げ、各クラスから1名の職員を選出してチームを構成し、子どもの年齢や発達に応じた環境構成となるよう検討しています。

・給食については、最初は定められた規定量を各自に配膳しますが、メニューや子どもの体調や個人差などを考慮して、盛り付けの量を子ども一人一人について食べきれるように加減し、園での食事が楽しくなるように配慮しています。

・調理員は毎日、給食中に各クラスを回り、子どもたちの食べ具合や好みなどを把握し、コミュニケーションをとっています。

・乳幼児突然死症候群(SIDS)予防の対策として、保育室にSIDSチェック表を用意し、午睡時には0歳児は5分おき、1、2歳児は10分おきに呼吸を確認して記録し、3〜5歳児は目視で呼吸の確認をしています。

・トイレットトレーニングは子ども個別の発達状況に応じて進めています。子どもの様子や気持ちを確かめて、家庭と連携をとり、まず家庭で試してもらいその様子をふまえて園でも始めるようにしています。

・デジタルフォトフレーム、園だより、クラスだより、日常保育の写真を通じて園での日常生活を伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・職員間のミーティングとして、午睡時を利用したクラスミーティング、乳児(0〜2歳児)会議、幼児(3〜5歳児)会議、全体会議などがあり、情報の漏れが無いよう努めています。

・保育上、特に配慮を要する子どもについては、毎月のカリキュラム会議、クラスミーティングなどで情報共有し、適切な対応ができるようにしています。緊急の場合はその都度ミーティングを行っており、個別のケースについての話し合いの結果はケース会議録に記録しています。

・入園後の子どもの成長発達は、期ごとに成長やエピソードを記録した経過記録や、身体測定、健康診断、予防接種などを記録した健康台帳により確認することができます。保育所児童保育要録は5歳児担当職員が作成して、園長が確認し、小学校に郵送しています。

・虐待の定義、虐待の類型、早期発見のポイントについて、また、虐待防止などに関わる法律や対応について、アルバイト職員を含む全職員で読み合わせを行ない、確認しています。着替えの度に全身の観察をさりげなく行い、できるだけ複数の職員で子どもの様子を見るようにして、虐待の早期発見に努めています。

・食物アレルギー疾患のある子どもの保護者から、かかりつけ医の生活管理指導表の提出を受け、その内容に沿った対応をしています。生活管理指導表は1年毎に見直しをしています。

・入園時に保護者に「健康台帳」を記載してもらい、既往症などを把握し、入園後は予防接種の記録も追記してもらうようにしています。

・0〜2歳児については、連絡帳である「個人ノート」のやり取りで、食事、睡眠、排泄、健康を把握し、登園・降園時に保護者と直接話し、日々の健康状態を確認しています。

・災害訓練は,年1回都筑区こども家庭支援課に連絡する訓練、年2回消防署への通報訓練、大規模災害想定として近隣小学校への避難誘導訓練、消防署立ち合いの防災訓練を実施しています。また、月1回防犯訓練を実施しています。

・小さなケガでも看護師や職員が複数で目視して確認し、保護者に伝えています。保育中に子どもの様子が変化した場合も、必ず保護者に伝えるようにしています。

・苦情受付担当者、苦情解決担当者は園長とし、苦情解決体制と第三者委員の氏名や連絡先は「入園のしおり(重要事項説明書)」に記載し、入園説明会で保護者に説明し、玄関に掲示しています。第三者委員を運動会などの行事に招待して、保護者に紹介しています。

4 地域との交流・連携

・地域育児支援センター園として、園庭開放、育児相談、育児講座、交流保育、絵本貸し出し、ランチ交流、一時保育などのサービスを提供しています。園庭開放・交流保育・ランチ交流などに参加している地域の保護者からの会話の中からでた要望などを把握し、職員間で共有し対応するようにしています。

・平日はおひさま広場として随時育児相談を受け付けています。保護者からの相談は育児支援担当職員が担当しています。

・近隣の保育園や横浜市北部地域療育センターの年長児と定期的な交流があり、近隣の小学校とは定期的に交流し、就学へのスムーズな移行につなげています。さらに、保育資源ネットワーク事務局園として、保育施設間交流を図っています。

・平成30年度はテレビ局の番組の取材を受け、保育士の仕事についての情報提供、撮影や職員へのインタビューに協力しました。平成29年度は保育専門雑誌の対談に園の職員が出席し、「保育指針の変更について、乳児の向き合い方」について意見交換するなど、園の持つ専門性を社会に提供しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・見学者や入園希望者からの電話での問い合わせ対応は事務職員が行い、見学可能であることを伝えています。見学者や入園希望者には、園のパンフレットを配付し園目標や保育姿勢、園での一日の流れ、行事、利用条件など園の概要を紹介しています。

・「保育士倫理綱領」や「横浜市行動基準」があり、職員として守るべき事項を明文化し、園内掲示しています。常勤職員は年1回都筑区主催のコンプライアンス研修に出席することを義務づけられています。嘱託職員、アルバイト職員には園長が園内研修を行っています。

・園長は、職員会議やミーティングで、職員が業務に当たって大切にすべきことを話しています。保育理念・保育方針を明示した「全体的な計画」を職員に配付するほか事務室・保育室・休憩室に掲示し、常に職員が意識できるようにしています。

・毎月のカリキュラム会議で、各クラスが前月の振り返り、自己評価を報告して全員で共有し、問題点を出し合い改善に向けています。職員の振り返りから、園全体で取り組まなければ課題が見つかったときは、プロジェクトチームを編成し、年間を通して解決に取り組んでいます。

・年度末に保護者アンケートを実施し、集計から園としての課題を抽出しています。

・「保育所の自己評価の結果について」として今年度の課題、取組状況、保護者アンケー結果から、次年度の課題と改善点を明記して保護者に知らせています。

・ボランティア受け入れ時にはオリエンテーションを実施し、園の方針や子どもへの配慮や人権、服装、言葉遣い、持ち物など説明し、個人情報保護の誓約書を得ています。ボランティアの感想や意見は職員に回覧し、園運営に反映しています。

6 職員の資質向上の促進

・人材構成は、横浜市こども青少年局が大枠を決め、必要な人材の補充は、園長、副園長の意見を基に都筑区役所が職員の採用・異動などを行っています。アルバイト職員の採用は園に権限が与えられています。

・横浜市の人材育成計画に則り、職員の人材計画を定め、経験や能力に応じた役割を明確化しています。人事考課を実施し、職員に周知しています。職員面接をキャリア自己分析表、キャリアラダーに基づいて行い、進捗度の評価を行っています。

・「横浜市保育士職人材育成ビジョン」が制定され、保育所の理念・方針を踏まえた保育が実施されるよう、それぞれの職位に求められる技術・能力が明記されています。

・アルバイト職員、嘱託職員用のマニュアルを作成し、配付しています。服務・コンプライアンス、子どもへの関わり方、子どもの発達と関わり方と年齢に伴う危険、障がい児・個別支援児の保育などを記しています。嘱託・アルバイト職員も正規職員と同様に都筑区の職員研修を受けることができ、レベルアップを図っています。

・ミーティング・職員会議・カリキュラム会議で、日々の保育や保護者対応の工夫、運営方針を確認したり、他園の状況や保育誌から良い事例を持ち寄って、問題解決に向けて意見交換をしています。

・年間指導計画、月間指導計画、保育日誌の自己評価は、計画で意図したねらいと関連づけて行われるように、自己評価記入欄が設けてあり、保育に生かしています。

・クラス運営については、クラス担任に権限を委譲し、責任を持って運営に当たれるようにしています。権限を委譲された職員には、園長への報告の義務があることを伝えています。

・重要な情報は、園長、副園長、主任、クラスリーダーなどで共有し、必要に応じて対策会議などを設けています。運営面での重要な改善課題は、職員に周知し、保育所全体で改善に取り組むようにしています。

・実習生受け入れマニュアルを作成し、事前オリエンテーションで実習内容と注意事項を確認し、実習生の希望も確認して実習クラスを決定しています。クラス担任がプログラムを工夫し、毎日実習日誌で振り返り、担任がアドバイスするようにしています。実習最終日の反省会では実習生と職員との意見交換を行っています。

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