かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

藤沢市立善行乳児保育園(2回目受審)

対象事業所名 藤沢市立善行乳児保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 藤沢市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 251 - 0871
藤沢市善行2-18-5
tel:0466-82-0521
設立年月日 1974(昭和49)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 推進機構評価項目ガイドライン準拠版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設概要:
小田急江ノ島線善行駅西口より徒歩五分、隣に善行郵便局のある住宅地に位置している。0歳児から2歳児までを対象とした乳児保育園である。隣には善行保育園があり、交流を通して幼児転園もスムーズに行われている。園目標は「心も身体も元気な子」〜よく食べてよく眠り生き生きと遊べる子としている。時期は未定であるが、善行市民センター・公民館近接地へ園舎の移転を予定している。
優れている点:
年間30回を超える地域子育て支援事業を計画、実施し参加状況を生かして次年度につなげている
月〜金曜日の保育園の園庭を開放や、年間30回以上(交流15回、保健師同席の身体測定9回、誕生会参加8回)の行事を行い、地域の0〜2歳児の保育園に通っていない子どもの子育てと保護者の支援している。行事の内容はホームページ(地域交流〜「保育園に遊びにきませんか」)でも告知している。「水遊び」には2倍以上の申し込みがあったことから、来年度は回数を増やす計画もしている。また、予約しなくても参加できる行事の模索や、行事の参加状況から子育てに関する地域のニーズを把握して計画につなげることにも取り組んでいる。
第三者評価の自己評価を職員の資質向上の場と捉えて活用している
今回の第三者評価の自己評価は全職員が受け持ち、日々の保育の振り返りと課題の整理に取り組んでいる。特に「年間指導計画の作成のプロセス」「月案や週案への落とし込み方法」「期間を定めて取り組んでいる反省後の改善」などは、訪問調査時のプレゼンテーションおいても適切になされていることが確認できている。職員会議において検証を重ねて詳しく総括したり、発表方法の向上にもつなげたりしている。第三者評価の自己評価を職員研修の一環として捉え、相互の学びにつながっていることがうかがえる。

独自に工夫している点:
駐車場の交通整理を善行保育園と連携して進め、保護者への便宜図ると共に、近隣配慮や、安全確保につなげている
駅近の立地園であり、利用者は広範囲に渡るため子どもの送迎にクルマの利用者が多い。園の契約している駐車場が園から離れた場所にあり、台数限られているため、「朝の支度の変更 保護者の負担軽減と駐車場の速やかな利用のため」というルールを定めて、保護者の便宜を図っている。駐車場は隣の善行保育園と連携し、トランシーバーを使って交通整理をしている。近隣への配慮のため清掃も行い、安全管理に努めている。朝の支度の軽減を進めることも速やかな駐車場利用に必要であることを鑑み、また利用者による公平性を考慮して全保護者に朝の支度について軽減を行なっている。
善行保育園と行事を通して連携し、幼児クラスへのスムーズな移行に力を入れている
隣接の善行保育園と合同での防災訓練や運動会、なかよし会などを開催し連携を図っている。日程の調整や内容の確認など多岐にわたる調整を通して実現している。乳児から幼児となって善行保育園へ移行することがスムーズに進められるように配慮されており、実施年度は不確定だが今後両園が合同になることも踏まえて進められている。
様々な体験を通して子どもが順調に発育・発達を促すことができるように取り組んでいる
年齢ごとの機能にあったものを選択し、子どもたちの興味に合わせた内容を取り入れ楽しみながら体力づくりができるようにしている。体操、リズム遊び、巧技台遊びなどの運動あそびや、粘土や砂、泥んこ遊び、水遊びなど季節ならではの遊びも取り入れながら、子どもたちが五感を使って感覚を楽しみ、様々な体験を通して順調に発育・発達を促すことができるように取り組んでいる。

改善すべき事項:
子どもの呼称などは園として統一したルールを明文化していくことが望まれる
人権チェックシートなどを利用し規律を維持しているが、「子どもの呼称」などについてはルールなどを明文化することも必要とされる。また、行事開催に関わる様々な事項(準備・開催・撤収・反省など)についても、毎年同様の行事が開催されていることを踏まえ、共通認識を図るための基本的なルールつくりが望まれる。全職員が共通に認識を持つことができるように統一したルールを定め明文化していくことが望まれる。
アンケート結果を踏まえた改善計画を開示し、園の透明性や信頼性を高めることが望まれる
アンケート結果について保護者に掲示し伝えることは出来ているが、具体的な対応等について保護者に伝えるまでには至っていない。また、現在建て替えが決定しているが具体的な計画は定められていないため、憶測による不安を払拭するためにも今、園として提供できる情報を保護者に共有し、園の透明性を高めることに期待したい。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 @ 「子ども一人ひとりの育ちや背景にある家庭や地域を理解するとともに、子どもの人権を守り最善の利益が得られるように、全職員が一丸となって保育をすすめる」とする共通理念(出典:H30今年の保育より)を掲げている。藤沢市保育計画、保育園のしおり、保育園規則、藤沢市人権推進指針、藤沢市児童育成計画などに、園児、保護者、職員への人権配慮を明示し、職場研修などを通じて定期的に振り返りや確認の機会を設けている。また、「一人ひとりの個性を大切にしながら心も身体も健やかに成長するように援助する」ことを保育園の基本的な役割としており、園のしおりに記載して保護者に周知している。
A 人権担当職員を配置しており、職員室に毎年人権目標を定めて掲示している。各クラスや個別配慮が必要な子どもなどの月単位の保育計画を発表して、共有・検討している。個別支援の必要な子どもを中心に全職員で検討会を持ち、職員が一人で抱え込まないように全職員で関わりを持って保育を進められるようにしている。
B 「人権についての振りかえりチェックリスト(20項目)」を、パートを含めた全職員に8月、11月、3月に実施している。回収したシートをもとにパート職員は園長面談、職員は会議の中で振り返りをして行動を律している。また、人権に関するe−ラーニングを使うことで、より具体的に自らの保育、言葉遣い、関わりについて見直すことができるようにしている。コンプライアンスに関する様々な内容についても掲示してあり、限られた時間で行なえるよう主任がスケジュールと職員の状況を見て推進している。
C 日常においても子どもに対する関わり方、名前の呼び方など、職員同士で気づきのあった時には声をかけあい、事態を放置することがないようにしている。正規職員は研修で学んだことを実践するようにしているが、子どもの呼称ルールは明文化して示されていないため都度話し合って統一している。呼び捨てはしない、省略形も使用しないといった不文律となっている。
D 職員に向けて 個人情報の保護に関しては、藤沢市個人情報の保護に関する条例に記載してあり、市の研修、e−ラーニング研修などを通じて学べるようにしている。
E 個人情報に関する書類は鍵付きのキャビネットでの保管とし、利用の際は確認、声の掛け合いをしあうなど、主任が返却について確認するなど徹底して管理している。また、不要になった資料(家庭連絡票、緊急連絡票など)に関しても、使用後はシュレッターをかけての廃棄として情報の管理を徹底している。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @ 保育園のしおりでは、保育園の役割として一人ひとりの個性を大切にしながら、心も身体も健やかに成長するように援助することを基本的な役割としていることを記載している。園目標を定め、利用者の意思・可能性を育む保育を進められるよう計画し、実際の保育につなげている。
A 年間保育実施計画、月間保育実施計画、週(日)保育実施計画において一人ひとりの子どもを尊重した計画が示されている。計画に従った保育を進め、クラスの保育については2人の主任が目を配り、現場で声かけや支援をしながら子ども意思を尊重できるように保育を進めている。家庭連絡表や、お便り帳などを通して、保護者とも個別のやり取りを行い保育を家庭とともに進めている。
B 年間行事(運動会、なかよし会、保育参観、懇談会)については、年間の行事予定表に明記し、保護者が予定を組みやすいよう、早めに年間の行事予定を年初の懇談会で知らせて、保護者の便宜につなげている。
C 年2回実施の懇談会、担任、担当との年1回の個人面談が、家庭の希望や意向を把握する場となっている。懇談会においては園の方針、クラスの目標を伝えるとともに、家庭からの要望や質問等に応じ、信頼関係を築いている。保護者から要望があった時にはいつでも園長または担任に個人面談の場を持っている。内容はケース記録の特記事項として細かく記録して、保育へつなげる資料として活かされている。
D 保護者が子どもの発達の差などの理解を深められるよう、子どもの成長を細かに捉え、一人ひとりの違いの中で成長の喜びを共有しあうことに努めている。年初の保護者会では年齢における発達の理解に加え、保護者へのアドバイスなど、一人ひとりの日々の成長の気づきを保護者と共有できるようにしている。
E 生活全般を通して、少人数の担当制保育を実施し、基本的に同じクラスの担任、保育士のチームで保育することで、一人ひとりの甘えや要求を受け止め、情緒の安定を図っている。落ち着いた環境の中で、個々の発達、成長、興味に合わせた遊びの展開ができ、一人ひとりの成長の変化の気づきも細やかに対応できることが保護者との信頼関係を築くことにもつながっている。
F 食事についてはそれぞれのクラスでも月齢だけでなく、一人ひとりの発達状況に合わせ、また、担当職員による日々の変化を察知して食への興味関心に合わせて、無理強いすることなく食べることが楽しいと感じられるように関わることを進めている。乳児の離乳食の時期においては、子どもの発達と離乳食の段階に差が開いていることが多々見られるため、調理員と連携しながらの働きかけをしている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 @ 「意見要望等へ解決の仕組みについて」を玄関に掲示し園における苦情・要望の解決責任者、受付担当者を決めている。また、その旨を入園のしおりなどを用いて入園面接時保護者に説明し、意見箱についても周知に努めている。年初の懇談会にて保護者に向けて「藤沢市立保育園における意見・要望等解決実施要領」にて園での解決が困難な場合には保護者に第三者委員がいる藤沢市市民オンブズマン制度や神奈川県保育会保育園利用者相談会会員であることを説明し、会員証を掲示した(調査時点では職員室内)。
A 意見や要望の受付から解決までの記録は、意見要望等受付報告書に記載し、保護者へ回答するルールになっており、多くの場合は園長との話し合いで解決し、意見要望等受付報告書への記載となっている。要望のあった保護者にはその後も声かけをするなど、改善への納得を確認している。
B 保育室の温度湿度は日々測定し日誌に記入し、適切でかつ衛生的な環境が保てるよう努めている。感染症発生時は玩具、床、壁面などの消毒を行い、ノロウィルス対策として、食器の消毒等も行い、感染拡大を防いでいる。感染症については、
C 「意見要望等へ解決の仕組みについて」を玄関に掲示し園における苦情・要望の解決責任者、受付担当者を決めている。また、その旨を入園のしおりなどを用いて入園面接時保護者に説明し、意見箱についても周知に努めている。年初の懇談会にて保護者に向けて「藤沢市立保育園における意見・要望等解決実施要領」にて園での解決が困難な場合には保護者に第三者委員がいる藤沢市市民オンブズマン制度や神奈川県保育会保育園利用者相談会会員であることを説明し、会員証を掲示した(調査時点では職員室内)。
D 意見や要望の受付から解決までの記録は、意見要望等受付報告書に記載し、保護者へ回答するルールになっており、多くの場合は園長との話し合いで解決し、意見要望等受付報告書への記載となっている。要望のあった保護者にはその後も声かけをするなど、改善への納得を確認している。
E 保育室の温度湿度は日々測定し日誌に記入し、適切でかつ衛生的な環境が保てるよう努めている。感染症発生時は玩具、床、壁面などの消毒を行い、ノロウィルス対策として、食器の消毒等も行い、感染拡大を防いでいる。感染症については、県の感染症情報で情報提供を行い、周知をしている。クラスには衛生点検表(清掃/おもちゃ)に、実行者名を記入してチェックしたものが、ケースに入れて掲示してあり、保護者も見ることができるようになっている。
4 地域との交流・連携 @  地域向けのイベントとして、毎月の誕生会をはじめ、水遊び、人形劇、年齢別のクラスの子どもと過ごす体験保育、身体測定などを計画し、「すこやかメール」の配布、メール配信を行っている。来年度は予約なしでも来られるような行事を計画し、より多くの人が気軽に参加できるようにしていくことを目指している。
園庭開放のリピーターもおり、安心して遊べる場として園庭の利用をされている。園見学に来園される方も多く、その際には、離乳食について、断乳についてなどの相談に応じている。また、子育てふれあいコーナー「あいあい」では育児の悩みの相談に応じている。保育士の専門性を活かし、地域に根差した保育園を目指して取り組んでいる。
A 乳児保育園ならではの取り組みとして、ホームページやすこやかメール地域交流〜「保育園に遊びにきませんか」の中には地域の方々に保育園の園庭開放(毎週月〜金)以外に、体験保育(親子)、身体測定、誕生会など、年間30以上の行事案内を掲載して、地域の0〜2歳児の保育園に通っていない子どもの子育てと保護者の支援をしている。
B  保育園の概要、生活の様子などはホームページ担当を決め、年間計画に従って年間4回ホームページの更新をして公開し、入園希望者や就職希望者に向けて情報提供している。
C  地域の方々との交流、子育て支援の場として公民館まつり、善行子育てメッセに参加し、地域の保育園の紹介、保育園の生活、子育ての相談なども実施している。具体的には公民館祭り(10月)善行地域のサークルの発表の中で、自園だけでなく、善行地区の保育園についての紹介や、子どもが遊べるコーナーも用意しているほか、園から担当者が参加して子育て相談等にも応じている。ふれあい子育てひろば(9月)では、公民館からの依頼で、乳児の遊びの紹介や体操、パネルシアターなどを通して、育児相談なども受けながら地域の子育て支援を行なっている。子育て支援委員を園で決め、地域交流を推進運営することを、子育てメールふじさわの発信をしている。善行発!子育てメッセ(2月)では子育てに特化したサークルが集まる中でブースを設けて子育て相談、子育ての各グループとの交流を図るなど様々な地域支援を行っている。
5 運営上の透明性の確保と継続性 @ 保育園の運営に関する市や当園から保護者等へのお知らせは、玄関ホールの掲示板に、また、園目標、クラス目標についても各クラスに掲示されており、各種の情報の共有化が図られている。
A 保護者からの意見、要望などの解決の仕組みや、意見・要望などの受付担当者や解決責任者を明示するとともに、保護者の求めに応じて直接相談や助言を求めることができる「第三者委員会」への連絡方法などを掲示している。
B 藤沢市ホームページに園の概要、保育目標、年間行事、園の生活の紹介などの園に関する情報が掲載されている。子育てガイド、保育園に遊びに来ませんかなどのパンフレットを市民センターや地域子どもの家などに設置し情報の提供を図っている。
C 藤沢市の保育園についてのアンケート結果は各家庭に配布し、行事のアンケートについてはおたより(たんぽぽ)の中で意見を紹介している。結果の公表をし、透明性を高め、サービスの更なる向上を図っている。結果をもとに園としての捉え方、対応をどう考えてくかを示し、保護者の意向や要望に対応できるようにすることを課題としている。
6 職員の資質向上の促進 @ 今回の第三者評価の自己評価を全職員が受け持ち、日々の保育の振り返りと、課題の抽出にと努めた。また、職員会議において検証を重ねて詳しく総括したり、発表方法の向上にもつなげたりしている。第三者評価の自己評価を職員研修の一環として捉え、相互の学びにつながっていることがうかがえる。
A 市職員としての段階別の研修や、保育に関わる研修、年間を通しての職場研修を計画して実施し職員の資質向上に努めている。研修受講者は園内で報告会を行い研修内容の共有をしている。平均すると1職員2回/年程度研修に参加できるようシフトを工夫している。市の研修では公務員倫理規程、コンプライアンスなどの研修も実施されている。研修参加後は研修報告を作成し、内容によっては研修報告会などに参加して発表を行なっている。パート職員には嘔吐処理など実践的な研修を行っている。
B 個々の職員が業務の「目標管理シート」を作成し業務に関する取り組みをしている。人事評価制度により職員個々が個人目標を立て、主任、園長と面談して目標の確認をしている。中間での達成を確認とアドバイスの後、自己評価をしたうえで、コメントをして職員の能力向上に結びつけている。全職員の目標管理シートから抜粋した目標業務一覧を作成して市に提出しており、作成時には全職員に回覧して共有している。
C 職員会議、各クラス、学年の話し合い等で意見交換、具体的なケース検討を主任がリードしケースを共有する中で、一方的にならないよう様々な視点からの情報を出し合い、職員の資質向上を図っている。トップダウンにならないように、職員一人ひとりが自分なりの考えを伝えられる組織づくりを進めている。
D 善行保育園との合同研修として、保護者との信頼関係を築くためのコミュニケーションの取り方や、職員同士の交流を目的として年間8回実施されている。藤沢市15園の保護者アンケート結果を踏まえた検討も行なっている。各回に善行乳児保育園からは2〜5名の職員が参加している。終了後は両園の主任による反省および来年度の検討を行う計画になっている。将来、両園が合同になることのみならず、現状でのスムーズな移行につながるように進めている。

詳細評価(PDF1,273KB)へリンク