かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

藤沢市立鵠沼保育園(2回目受審)

対象事業所名 藤沢市立鵠沼保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 藤沢市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 251 - 0028
藤沢市本鵠沼3−16−25
tel:0466-36-4594
設立年月日 1964年06月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 推進機構評価項目ガイドライン準拠版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
施設概要:
鵠沼保育園は小田急線本鵠沼駅下車、江ノ島駅線路沿いに徒歩5分の住宅街に位置している。広い園庭には桜の木があり、家庭的なくつろぎのある落ち着いた雰囲気の保育園である。
園目標は「健やかな身体と豊かな心」、家庭的な雰囲気の中で、子どもたちが遊びに集中し、自らの力を発揮し、自己肯定感を持ちながら、安定した園生活を送ることを保育の目標としている。また、保護者や地域の方々から理解を得ながら、信頼される保育園を目指している。
優れている点:
「気づきカード」を設けて職員個々の気づきの共有化に取り組んでいる 
「8月のGOOD JOB」「あんなこと、こんなことへの気づきカード」というチャートの掲示が、職員室外側の壁面に掲示されている。2か月に1回、日々の保育の中で気づいたことを記名式のカードにメモ化しており、職員が分類整理して掲示している。気づきカードメモを書くことにより、職員一人ひとりの「気づきの力」を養うことに繋げており、職員同士で日々の気づきを共有し、保育の実践にいかせるように取り組んでいる。
藤沢市の保育指針に立ち返り、人権を尊重した園運営に力を入れている
最も古い園舎は前回の東京オリンピックの1964年に建てられ、その後増改築を進め現在に至っている。人権に配慮した園内の環境の整備を進めており、男女別に身体測定を実施するなどの取り組みを始めている。おむつ交換などについても、配慮を考えた環境設定に変更した。また、人権に関するカレンダーからは、職員による現場での配慮や注意を書きだし、ツリー図で掲示して意識の向上を図っている。
   
独自に工夫している点:
園舎が分かれているので、掲示物をそれぞれ2箇所に掲示して、保護者への情報提供を工夫している
園舎が2棟に分かれており、各クラスの出入り口が異なる。1か所の掲示板で保護者などへ情報を円滑に伝えるのは難しい環境になっている。よって、「重要なお知らせ」については、保護者が確認しやすいように各クラスに掲示し、掲示用のボードを職員が手作りして確実に伝えられるように工夫している。また、全クラス園目標とクラス目標を手書きでクラスに掲示し、園の目標を保護者にもアピールするなど工夫に努めている。
人権に関する取り組みに力をいれている
職員棟の2階職員トイレに人権カレンダーを貼り、人権に関する啓発を促している。さらに、2か月毎にカレンダーのテーマに合わせた人権目標を、職員がポスターとして作成し掲示している。職員が更衣室を利用する際に、必ず目に触れるようにポスターを掲示して、人権に関する意識の高揚を図ることに力を入れている。
改善すべき事項:
経験豊富な職員の地域やノウハウを若手職員に還元する取り組みを検討されたい
園では総勢35名の職員で保育をはじめ各種の園運営に取り組んでいる。職員会議をはじめとする各種の会議体、園内外で開催されている各種の研修への参加、さらに目標管理や個人面談などを通じて業務の標準化や資質の向上に取り組んでいる。さらに、経験豊富な職員も在籍していることを踏まえ、それらの職員の経験や知識を明文化し、誰もが同じ視座から対応できるようにすることを検討されたい。
外部から人材を受け入れる際には個人情報保護に関する理解を促す仕組みを整理されたい
職場体験や体験保育などを受け入れており、透明性の高い園運営に取り組んでいる。受け入れ時にはマニュアルに沿ってオリエンテーションを行い、円滑に活動できるように支援している。個人情報の取り扱いについては個別の資料を設けて説明しているとのことであるが、重要な案件であることを踏まえマニュアルに明記することが望まれる。さらに市と連携して、説明を受けたとする確認書なども用意することを検討されたい。 
  
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 @ 市のルールに従い「人権施策推進責任者(園長)・人権施策推進担当者(職員:上級主査)」をはじめ、「FUJISAWAにこやかクレド制度(にこやかクレド年間目標と月の目標)」を担当する「にこやか推進員」を選出して年間計画を設定し外部研修へ参加して、円滑に達成できるようにしている。
A 鵠沼保育園人権目標(園目標と子どもへの目標)を具体的にそれぞれ4項目示している。人権目標は園としての目標であり、子どもへの目標は子どもに培っていきたい目標としている。園の人権目標は、年度当初に人権施策推進担当者が中心となって策定している。新年度会議で担当を決め、1月の会議で前年度の反省を踏まえ、新年度版を数名の職員で策定している。3月には担当者が策定し、園長主任が最終確認をして次年度担当が運用する。10月には人権に関する園内研修を行っている。
B 「虐待の禁止」を保育園規則に明示しており、虐待防止に関する責任者は園長、体制については人権施策推進担当者が中心となって推進するとしている。さらに体制を詳しく記載して円滑な推進を促すことも望まれる。研修としては、会議や園内研修で内容を読み合わせ、グループ討議から発表を行い意識の高揚を図っている。子どもに変わった様子が見受けられた際の声かけや通報などについて、職員への周知に努めている。さらに、入園面接に於いて、保育園規則の配付と保護者への説明により理解を促している。職員には身体的苦痛や人格を辱める行為10項目について、それぞれの意味、意図するものを話し合って本質的な理解と動機付けにつなげている。
C 人権に関するカレンダーを職員用トイレに貼って注意喚起を促し、2か月毎にカレンダーのテーマに合わせた人権目標のポスターを職員が作成して周知に努めている。
D 登園状況や会話、日々の顔色や活発さなどの様子に加え、着替え時、保護者の            
様子、持ち物の不備などを状況に応じてチェックし、主任・園長へ連絡することにしている。また関係機関との連携を図ることとしている。
E 保育に関する自己チェック表(子どもや保護者への基本的な関わりについて自己点検してみましょう!という30項目程度のチェックリスト)を使って振り返りに取り組んでいる。
F 個人情報に関しては「藤沢市個人情報の保護に関する条例」に加え「業務記述書兼リスク管理表」を作成し、個人情報の事務的取り扱いを決めている。また「eラ−ニング」研修では全職員が時間を決めて、順番にスケジュールを調整して実施している。保育園のしおりの「個人情報の取り扱い」について保護者に説明をし、必要に応じて「ほけんだより」やホームページの掲載については承諾書をもらっている。
G 入所時面談では「個人情報の取り扱い」、実習生などには「保育体験活動に参加される皆さんへ」の中に「個人情報は守りましょう」の資料を使って守秘義務の説明をしている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @ 建物が分かれているため、玄関とテラス正面の2箇所にクラスボードは掲示して、どのクラスの保護者も見られるようにしている。テラスの掲示板は地色を緑にして目立つようにするなど、確実に見てもらえるように職員間で話し合い改善している。保護者との日々のやり取りは、登降園時の伝言やおたより帳(幼児)、家庭連絡票(乳児)で行っている。保護者との懇談会を年2回開催しており、春は調理員出席のもと0歳向けには離乳食の説明、1月〜2月には2歳児クラスに調理員も出席して幼児食について説明を行っている。さらに、個人面談は最低年1回行っており、保護者の希望に応じて時間帯、回数など臨機応変に応じている。
A 入園時の説明会、懇談会、個人面談、また行事(運動会・公開保育・試食会など)後のアンケートを実施して、意見、課題を把握している。即時に対応できる点は改善し、また次年度の運営の参考としている。藤沢市の市立15保育園で同時期に保育に関するアンケートを実施しており、その結果は掲示して公表している。職員は15園の結果を把握することができ、結果から課題を共有している。
B 日々の子どもの個別状況は動向表に記載して、関係する職員は必ずチェックすることにしている。園長不在時は園長への連絡ノートを用いて情報提供し、さらに園長は必ず園に連絡を入れその日の様子を確認できるようにしている。
C 園目標の「健やかな身体づくり」では子ども一人ひとりの発達状況を把握し、記録に残して共有している。担任は子どもの状況を把握して個人票に落とし込み、該当児童について共有ができるようにしている。また、職員間のインフォーマルな会話を通して一人ひとりの把握と計画を相談して個別配慮につなげている。各年齢に応じた体づくりについても月齢差だけでなく、個々の育ちに応じて保育を進められるよう職員間で共有して進めている。
D 「豊かな心」についても、子ども同士や保育士との関わりの中で愛情と信頼を基本にし、毎日を生き生きと過ごせるような支援に努めている。基本的な情緒の発達については、経験を通して無理に合わせるのでなく、その子どもの状況に合わせて保育を進めることにしている。気持ちの安定を一番に考え、杓子定規な枠にはめずに、一人ひとりの子どもにとって最も良い育ちができるように取り組んでいる。乳児保育では人間形成の基礎を培い、幼児保育では経験や活動を通じ、子ども同士、大人との関係を築き人と関わる力を養うように努めている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 @ 保育計画は藤沢市保育課程をもとに前年度の全職員からの反省を鑑み、前年踏襲と内容により部分的修正をして年間計画を作成している。月単位の計画策定はクラス担任と主任での話し合い、子どもの発達状況を確認し、月毎、期毎の振り返りをすることで見直しに取り組んでいる。
A 保育の実践・保育環境の整備・緊急時対応等には、藤沢市策定のマニュアルに基づいて実践し、またマニュアルを自園に適合させるための見直しについても随時行っている。今後、マニュアルの定期見直しの時期を決めて、推進担当をマニュアルごとに決めて実践的なマニュアル活用を進めることが望まれる。
B 「安全衛生点検」「薬品持ち出し管理表」「記録媒体一覧表」「午睡時記録チェック表」等々の管理表を用いルールに従って運用している。
C 防災訓練は、年間計画に従って年間12回実施している。個々に目標を設定し、災害の想定も変えて訓練を実施して、子どもの安全確保に取り組んでいる。防犯訓練についても年間計画に従って年間6回実施している。クラス内、園庭、散歩先、時間帯など様々な設定をもとに訓練を行い、子どもの安全確保に取り組んでいる。また、不審者対策では合言葉を子どもたちに周知している。災害時には保護者に登録を依頼している「災害メール」に状況を配信することにしている。
D 保護者の意見・要望に対しての対応は「ご意見・ご要望の解決のためのしくみについて」「保育会保育園利用相談室」「福祉サービス運営適正化委員会」などを「保育園規則」の中に明示し、懇談会では口頭で説明・掲示して保護者に伝えている。意見箱は全体掲示板の下に配置し、保護者からの意見や要望を受け入れる姿勢を示している。
E クッキング保育・野菜の栽培・様々な資料作りなどの食育に関する取り組みは、保育士と調理員で計画を立案し、用務員の助言も加味している。また、保護者や地域の方々にも協力を求め、協働できるようにしている。
F 環境教育では、日々の行動や生活を通して、環境に配慮した生活態度や物を大切にする心を育むことを目指し、乳児、3歳児、4歳児、5歳児ごとに4期に分け年間計画を策定している。子どもへの環境配慮の意識付けを行い、年度末に振り返りを行っている。環境担当を決めて節水・エコへの取り組みをポスターや、注意書きにより啓蒙を推進している。
G 感染症対策は藤沢市感染症マニュアルに沿った早期対応に努めている。感染症対策として保健所、保育課の保健師から提供される神奈川県感染症発生情報を掲示して、注意喚起を促し、感染症情報システムに入力し保育課にも報告している。毎日、発症状況や疾病の症状の説明文を掲示し、それ以外については園として対応は明文化していないが園長主任の経験のもと、嘱託医への相談や保健所や市のケーススタディを集めて対応できるようにしている。
4 地域との交流・連携 @ 園の専門性を地域に還元する取り組みは、園で計画を立案し告知メールを配信して申し込みまで受け付けている。またその内容は地域交流の情報提供として、「すこやかメール」を基幹園版、南部版などとして作成し、各保育園や公民館、市のハローベビー訪問事業、市民センター、支援センターなどの公共施設、保育イベントで配布している。また、「いこーよ」(旧「こそだてネットふじさわ」)でも情報発信している。
A 公民館まつりに子どもの制作物を展示して成長する様子を伝え、地域の保育園所在地も明示し、さらに「廃材を生かした手作り玩具」や「手遊び」などのパンフレットを展示してアピールに努めている。おやつレシピ、子育て相談、保育園の1日の流れなどの子どもの育ちや、保育園の様子がわかるものを展示して情報提供に取り組んでいる。地域の子育てサークルとの交流にもつながっている。
B 藤沢市では地域の中での子育てや、民間保育園との連携を図るため、地域の保育園との交流(起震車体験、消火器体験、環境教室の誘い)を行っている。また、こどもの家の事業では、毎月保育士が出向いて相談を受け付け、離乳食やトイレトレーニングなど子育てアドバイザーとして活動している。
C 世代間交流として、民生委員から紹介された地域の高齢者と子どもたちが一緒に活動や食事(お昼)を摂り、運動会や卒園式の練習を参観する機会も設けている。3歳児クラスから5歳児クラスまでの3年間同じクラスで交流している高齢者もいて、子どもの成長を喜んでくれる機会にもなっている。
D 近隣の10数件の家庭には毎月の藤沢市作成の「ほいくえんだより」を配付して園情報を提供し、園行事のお知らせや協力依頼をするなど、新年度の挨拶などで園運営に関する理解を深めてもらえるようにするなど、近隣との好意的な関係作りに努めている。
E にこにこデーを年間9回 10:00〜10:45予約制で実施している。活動内容により3組から10組を受け付け、保育園体験を実施している。園庭遊び、室内遊び、人形劇、離乳食相談会、親子の体験保育なども計画され実施している。
5 運営上の透明性の確保と継続性 @ 藤沢市ホームページで鵠沼保育園の「園の概要」「保育目標」「入所状況確」「年間行事」「園の保育の様子」などを掲載している。「園のあそび・行事」(定期的に更新)については本年度5月、8月、11月、2月、4月の当初計画の5回から8回に増やして園の独自性、食育、あそびについてその意図も合わせて市民に伝えられるようにしている。
A 入園を機能する保護者には、保育の状況を考慮したうえで、いつでも対応している。電話で見学予約を受け付け、パンフレットをもとに保育内容や保育制度を説明し、案内を実施している。また、育児相談を受けることもある。園見学は昨年度年間95組、今年度80組(11月)となっている。受付票にある「知りたい情報がありましたら」については、見学終了後に個別に対応することにしている。
B 入所時の面談では「保育園のしおり」「保育園規則」に沿って説明し、理解を深めてもらえるようにしている。
C 園の子育て支援や世代間交流事業のパンフレットを公民館等に常置し、園舎外の掲示板に掲示したり、園見学者や一時預かり保育の申し込み者に配付したりしている。
D 保護者に向けては、保育目標と保育計画も各クラスに張り出し、保育目標の共有を目指している。園内でのトラブルなどについては原因と対応のお知らせを掲示して周知に努めている。また、感染症発生の際には、各クラスの感染症情報を保護者に掲示して注意喚起を促している。園舎の修繕工事などについてもその都度お知らせを行っている。日々の清掃チェックリストもクラス内にファイルに入れ掲示し、保護者がいつでも目にすることができるようにしている。
6 職員の資質向上の促進 @ 市の保育計画の中に職員の資質向上について明示されており、市において年次別に職員研修が実施されている。地域子育て支援センターでの支援方法などを学ぶ研修にも、今年度は2名の職員が参加しており、入職3年以上の職員は全員参加している。研修後は報告書を園長に提出して成果を振り返っている。
A 人事評価制度として職員一人ひとりが「目標管理シート」を作成して個人目標を立て、主任、園長と面談によって目標を共有し、中間で達成を確認して、アドバイスを受け達成につなげている。また、全職員の目標管理シートから抜粋したものを掲示して閲覧可能とし、テーマの共有や協力体制につなげ職員の資質向上につなげている。
B 職場(園内)研修の年間計画を作成し、グループワークや職員が講師になっての研修を行っている。アレルギーによる誤飲を想定したシミュレーションなど実践的なものや、保育の質を高めるため公務員倫理(コンプライアンス)、接遇、業務課題など保育所保育指針の理解につなげるテーマなどを設けている。職員が持ち回りで講師となるほか、外部講師を招聘して年間5回程度実施している。AED講習は2年に1回の実施になっているため、他園に赴いて講習を受けることもある。また、職員会、幼児・乳児・クラスの話し合い等での意見交換、ケース検討、情報交換なども職員の育成機会としている。
C 外部の研修や講習会に出席した際には資料の回覧や会議で報告し、他職員への還元に取り組んでいる。外部研修は必要とする職員に紹介し、推奨して年間2回前後参加できるようにしている。基本的な研修については新人を中心に参加を進め、臨時職員研修も年1回用意されている。
D 市の職員研修、階層別研修、派遣研修、全職員を対象とした様々な分野のeラ−ニング研修を受講できるようにしている。

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