かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミー しんかわさき保育園(2回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミー しんかわさき保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0058
幸区鹿島田1−1−3 新川崎スクエア3F
tel:044-542-3561
設立年月日 2013(平成25)年05月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
<施設の概要・特徴>
1.立地条件
・横須賀線新川崎駅、南武線鹿島田駅に直結している新川崎スクエア内に位置しており、双方の駅から徒歩3分の距離に位置している交通アクセスに恵まれた環境に位置している。
2.民営保育園
・平成25年5月1日に、川崎市認可保育園として開園し、定員90名の認可保育園であり、開所7時から閉所20時までの時間帯で運営している。平成30年4月に園長交代。現在に至っている。
・株式会社小学館集英社プロダクションが首都圏で展開する「小学館アカデミー保育園」として、一貫した保育理念により運営されている。特に、「楽習保育」をテーマとする斬新な構成により、子ども一人ひとりの得意を育てることに力を入れている。
<全体の評価講評>
特によいと思う点
家庭と保育所の連携を大切にした保育を行っている
・登降園時はクラス担任をはじめ園長も保護者と会話するように努めており、子どもの自宅での様子を直接保護者から聞き取るようにしている。保育の様子は、連絡帳、個人面談などによってコミュニケーションを図り、意向や要望、 意見などを把握して園運営の参考にすることに努めている。また、指導計画の作成や見直しにあたっては、保護者との面談で把握した子どもの発達や生活面での個人差に配慮することにしている。
経営層はリーダーシップを発揮し組織の運営にあたっている
・本年度より新たな園長を迎えており、年度初めに自らの方針を掲げ、職員の理解のもとベクトルを合わせ園運営に取り組んでいる。職員の育成にも注力し個人別の育成計画をもとにした指導や、園内研修にも力を入れ職員一人ひとりの育成に取り組んでいる。また、保護者との信頼関係の構築を重要課題としており、目的を持った具体的な行動を職員に期待し、スキルアップに繋げたいとしている。園長は毎日の保育室の巡回など、園の質向上に向けてリーダーシップを発揮しており、職員自己評価の自由意見欄にも、期待する声が複数聞かれている。
保育に関する基本的な考え方が周知され、保護者からも評価の声が聞かれている
・子ども一人ひとりの得意を育てる「楽習保育」によって、生活に必要な習慣、自主性、社会性を身につけることに努めている。今回行った保護者アンケートの「子どもの気持ちを大切にしてくれるか」、「プライバシーに配慮されているか」、「保護者の考えを聞いてくれるか」などの「子どもや保護者の人権への配慮」に関する設問に対しては高い満足度が得られており、園の取り組みが評価されていることがうかがえる。職員自己評価においても「できている」とする回答が寄せられており、園の取り組みが職員に浸透していることがうかがえる。
<さらなる改善が望まれる点>
子どもが主体的に活動し表現する場をさらに充実させることを目指している
・室内の遊具は取りやすい場所に設置し、子どもが自由に遊具を選び、主体的に活動できるよう年齢に応じた玩具や絵本の提供を心がけている。また、延長保育は保育室で過ごす時間が長くなることを踏まえ、玩具やコーナー遊びなど工夫をして、楽しく落ち着いて過ごせるように努めている。園庭は同ビルの4階に設置されており、様々な制約があることもうかがえるが、プール遊びなどが出来るスペースも確保されている。 さらに子どもが使用できる遊具の設置やプランターを活用した栽培などを充実させることを目指している。
職員育成に力を入れ、資質の向上を目指している
・法人共通の「個人能力向上シート」をもとに年3回実施している自己評価の分析をもとに、個人別の育成計画と研修計画を策定している。職員の技術水準、知識、専門資格の習得などの視点や本人が学びたいことを踏まえ客観的な計画を策定している。また、各種の研修に参加しやすい環境を整え、研修報告書によって成果を確認できるようにしている。さらに、それらの機会の充実を図ることや、会議などを通じて職員間のコミュニケーションを充実させることによって、資質の向上を目指している。
地域社会と子ども交流の場をさらに充実させることを目指している
・年3回開催している運営委員会には民生委員にも参加してもらい、地域の主任会議、看護師会議、年長担当者会議、幼保小会議などにはそれぞれの担当者が出席し、地域の子育てニーズを把握して園運営に反映させることに取り組んでいる。また、定期的に地域の高齢者と交流する機会を図り、ボランティアや職場体験の学生の受け入れなど、子どもが地域の幅広い世代の方と交流する機会も設けている。さらに、本年度はハロウィンの行事として、同一ビル内の店舗を回るなど、地域社会との交流をさらに充実させることを目指している。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・児童憲章、保育所保育指針、川崎市子どもの権利に関する条例などの理解を深めることを目的に、人権の尊重をテーマとした研修を設けている。採用や転勤などで園に赴任する際には、園においても研修機会を設け周知に努めている。また、人権チェックリストを活用し、子どもの人権について考え、自らの保育を見直す機会を設けている。保育においては、個人製作の色や素材の選択に幅を持たせ、子どもの表現の自由を大切にし、個人の意思の尊重を大切にしている。 
・虐待の防止・早期発見については、施設運営の手引きに沿って更衣などの機会を通じて丁寧に観察を行い、日常保育の中で変化に気付くよう努めている。また、些細な変化などが見受けられた際には、職員間で情報共有を図りながら園長(主任)に報告する体制を整えている。必要に応じて関係機関(幸区の担当看護師、児童相談所、川崎市南部地域療育センター、民生委員等)と連携して適切な対応ができるよう体制を整えている。  
・子どもや保護者のプライバシー保護に関しては、施設運営業務マニュアルに明記されており、職員への周知に取り組んでいる。入園時には法人として定めた「個人情報等の取扱い等の同意書」を交わしており、肖像権についてもその中に盛り込み、説明・同意を得た上で掲示、掲載をするようにしている。また、子どもの自己肯定感が育つ言葉がけや環境設定の大切さを理解することに力を入れており、保護者アンケートの自由意見欄にも園の取り組みを評価する声が複数聞かれている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保護者の意向、要望、意見などは登降園時の会話、連絡帳、行事後に実施しているアンケートなどをはじめ、園の入口に配置したご意見箱などによって収集し、園運営(保育)に反映するよう取り組んでいる。収集した情報は昼の打合せや職員会議などの場を通じて共有し、具体的な改善計画などの策定につなげている。直近の事例としては、抽選で数名しか置けなかったベビーカーの設置場所の確保に努め、全員が置けるように改善した。  
・保育理念にも掲げている「子どもの主体性を育む」取り組みとして、子ども一人ひとりの気持ちに寄り添い、個人の意思を尊重するよう努めている。子どもの行動や気持ちを受けとめ、耳を傾けるよう配慮している。保護者の保育感を聞き取り、保護者とベクトルを合わせた保育に努めている。特別の配慮が必要な子どもの保育については、担当保育士を設定して援助に取り組んでいる。また、巡回の専門医から定期的に助言をもらいながら、他の子どもたちとの生活がスムーズに過ごせるように園全体で取り組んでいる。  
・園は商業施設などを併設する複合ビルの3階に設置されていることを踏まえ、外の空気や自然と触れ合うように積極的に散歩に出かけるようにしている。また、園庭は同ビルの4階に設置されており、様々な制約があることもうかがえるが、プール遊びなどが出来るスペースも確保されている。さらに子どもが使用できる遊具の設置やプランターを活用した栽培などを充実させることを検討されたい。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・法人のホームページや園のウェブサイトで保育理念・楽習保育・一日の流れ・年間行事や日常の保育の様子を分かりやすい文章や言葉で伝えている。また、入園前には園長の個人面談を実施しており、保育歴・食事・アレルギーの有無や保護者からの要望等、保育に必要となる子どもの情報を細かく聴き取ることで、入園後にスムーズに保育ができるように努めている。  
・年間避難訓練計画に沿って様々なケースを想定した避難訓練および消火訓練を毎月実施しており、訓練時に改善すべき気付きを見つけ、より効率よく対応するよう努めている。さらに、抜き打ちでの避難訓練を実施し、子どもや職員の訓練の成果の確認など、災害に備えている。危機意識向上の「30秒の誓い」は朝の着替え時に各自が声を出して読み上げて周知に努めている。  
・年間指導計画をはじめ月間・週間などの期間を定めた指導計画を策定して、適切な保育が提供できるようにしている。また、定期会議や昼打ち合わせで情報共有に努め、配慮が必要な事項があれば適宜話し合いを行っている。指導計画の評価・見直しは、今年の4月に園長が異動となったため、見直しについての時期や内容について検討しており、現在実施を図っている。
4 地域との交流・連携 ・見学者にはパンフレットを配付して説明を行い、ホームページにおいても園情報を提供している。お話し会などを通じて、地域の子育て家庭の支援にも積極的に取り組んでいる。ただし、複合ビル内に位置していることから、地域の子育て家庭が気軽に訪ねて来るなどの環境ではないことを園では認識している。そのような環境を踏まえ、地域の魚屋を招聘して「鮭の解体」を園児に披露してもらったり、ハロウィンの催しとして複合施設内の店舗回りを計画したりして、地域との連携に取り組んでいる。  
・マニュアルに沿ってボランティアの受け入れ体制を整えている。実習生や職場体験なども受け入れており、子どもが職員以外の地域の人々と触れ合う機会とするなど、地域に開かれた園運営の取り組みとしている。また、運営委員会を通じて連携を図っている民生委員の紹介で、「ごっこ遊び」などを手伝ってもらうボランティアに参加してもらい、園の理解と共に園の情報を地域に伝える役割を担ってもらっている。さらに、複合ビル内の各店舗とは日頃から連携を図っている。
・地域で開催される各種の連絡会などに参画しており、協働する体制を整えている。定期的に年1回開催される地域の5歳児対象の行事にも参加を継続して行ない、地域の高齢者施設を訪問して、遊戯や歌を披露する機会を設けたり、地域の商店を招聘したりする機会も設けている。園見学は随時、個別に受け入れており、入園を希望する家庭のニーズに沿った対応を心がけている。園では、さらに地域との連携を図り、社会的資源を園児に還元することを目指している。 
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・法人理念・基本方針・保育目標などは、ホームページやパンフレットへの掲載、園内掲示などによって保護者・来園者に明示するとともに職員が日常的に意識できるようにしている。また、職員には年度初めの職員会議において園長講話の中で触れ、理解を深められるようにしたり、年間指導計画に明記したりすることで保育の中に常に反映出来るようにしている。さらに、子ども一人ひとりの発達状況を把握し、実態に即した指導計画の作成に取り組んでいる。  
・平成28年〜平成30年度の3年間を期間とした中期計画を策定している。「人材育成」「資質向上」「安全運営」の3テーマを重点項目として掲げ、各年度の具体的な取り組みに落とし込んでいる。計画の策定にあたっては、アンケート、個人面談、保護者会を通じて、保護者の意向、地域の子育てニーズや事業環境などを踏まえて職員会議で話し合い、現場の意向を反映できるようにしている。また、行事などの短期の活動についても、担当者を決め、計画の策定・実行・反省を行なっている。 
・法人共通の「職務分担及び日程表」によって、経営層(園長や主任)の役割や責務は明示されており、年初の職員会議で説明することによって周知に努めている。また、経営層の役割分担としては、園長は園運営全般を担当し、主任は保育実務に関わる業務を中心として、連携を図りながら園運営をリードしている。人事配置などについては現場の意見を聞き取り、対外的な案件については必要に応じて法人本部と相談しながら対処する仕組みが整っている。 
6 職員の資質向上の促進 ・必要とする人材や人員体制については、小学館アカデミー保育園の「職員に求められる職員像」や「職員に持って欲しい使命感」に沿って実施している。法人本部において採用年間計画を立案しており、人材の採用や人員配置については一括で行い、各園の状況を把握して適材適所な人員配置に取り組んでいる。また、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつなげる考え方を定めている。パートで勤務している職員から正規職員への登用も斡旋している。  
・法人本部において全園共通の研修計画を策定しており、職員は入社年次に応じて研修に参加出来るようにしている。研修を受講する際の心得は施設運営業務マニュアルに明示されており、希望する研修にも参加できるようにしている。研修受講後は、研修レポートを作成し、園及び法人本部へ提出し、職員会議で報告を行ない、全職員で研修の情報を共有し、個々の質の向上に繋げている。園長は、職員と個別面談を実施し、職員一人ひとりに課題を設定してその課題に基づき、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいる。  
・園長は、職員の就業状況や意向を把握し、休暇、福利厚生の確保に努めている。また、有給休暇を定期的に確認し、法人本部とともに人員体制に関する検証にも取り組んでいる。定期的に園長との個別面談の機会を設け、年1回、法人本部担当職員とも面談できる機会を作り、職員の要望等を聞き、心身の健康状態にも配慮している。毎年職員健康診断を実施しており、職員はいつでも結果内容などについて相談できるシステムが整えられている。  

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