かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーさぎぬま保育園(4回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーさぎぬま保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0004
宮前区鷺沼1-23-7 ルファール1階
tel:044-862-8721
設立年月日 2011(平成23)年07月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 ケアシステムズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
1.立地条件
・東急田園都市線の鷺沼駅から徒歩7分の距離に位置している。
2.民営保育園
・平成23年7月、川崎市認可保育所小学館アカデミーさぎぬま保育園として開園。保育対象は、1歳児から就学前の子ども。延長保育を20時まで行っている。

<全体の評価講評>
特によいと思う点
感染症対策として子どもの日々の習慣への取り組みを行っている
・感染症が発生した際には、園内に掲示をして注意喚起を促しているが感染症が蔓延したことはないとのことである。当園は、ワンルームを保育活動により移動可能な壁で仕切る保育室を1〜5歳児クラスが使用しているが、感染症への職員の意識が高く、毎日の登園時の子どもの手洗いが習慣になっている。また、手すりや蛇口など多くの人が手にする場所は、1日に3回消毒液で清掃し記録も残している。部屋には空気清浄機や次亜塩素酸水のスチームなども併用しているが、職員の感染予防の意識の高さとその取り組みによるものとして評価したい。
家庭と連携して食育活動を展開している
・食育として「調理保育」「野菜の皮むき」や「さんまの解体」などを行っており、それらの活動を園便り、園内の掲示で保護者に伝えることで、家での食育へつながるように努めている。園での喫食時には食事マナーについての声掛けを行い、3色食品群(赤・黄・緑)などを知る掲示や、3色の食品群ごとに今日の食材を掲示するなどの食への関心を多方面から扱っている。さらに調理室では、子どもが食べやすい大きさ、温度、栄養のバランス、色、旬な食材などに配慮して調理することで、子どもの食欲につながるように努めている。
子どもの気持ちに寄り添いながら大切に保育することを心がけている
・一人ひとりの子どもの思いを受け止め、尊重する保育を行うことが一番大切であるという共通認識のもとで保育を行っている。子どもの気持ちに寄り添いながら、それぞれの家庭環境や生活習慣に対する配慮を行い、子どもの人格を大切に考え尊重している。今回行った保護者アンケートの中も、「職員は子どもの気持ちを大切にしながら対応しているか」の設問において大変高い満足度が得られており、職員一人ひとりが大切にしている取り組みは、保護者からも理解が得られていることが確認できている。

<さらなる改善が望まれる点>
法人として推奨している巡回指導を取り入れることを検討されたい
法人では特別な配慮が必要とされる子どもに対して、年2回臨床心理士の専門医が園に巡回し、配慮が必要な子どもや要支援児への継続的な支援を行える環境を整えている。専門医の巡回を受けることで、子どもの成長を見守る中で、子どもの育ちへの関わり方子どもへの接し方などについて、職員が情報を得ることができる優れた子どもや職員への支援と思われる。日々子どもと接する職員が、子どもへの対応のアドバイスを受けるためにも、巡回指導を受けることを推奨したい。
事業計画は期中において定期的に進捗状況を確認することが望まれる
園としての中長期計画をもとに単年度の事業計画を策定しており、保育の質向上や人材育成、保護者支援、地域支援などを盛り込んでいる。また、職員の役割分担も明示され、それぞれの計画を円滑に推進できるようにしている。年度末には成果と課題等を整理して次年度計画に反映させることにしている。なお、事業計画は定期的な会議などの場で取り組み状況を確認し、評価しながら推進することが望まれる。とくに、期中の振り返りでは事業ごとの成果と課題を明確にし、取り組むことを期待したい。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・法人として定めている基本方針は昨年まで7項目であったが、今年から8項目増加している。内容としては「主体性を大切にします」の項目であり、「保育課程」が「全体的な計画」に変更になったことで、子どもの人権や意志の尊重についての取り組みを、重視する姿勢を打ち出している。職員への周知・理解を進め、子どもの主体性を尊重した保育につなげることを目指している。  
・「あったかい心を持つ子どもを育てる」という保育理念のもとに、集団生活においても子ども一人ひとりの個性を大切にして、ルールやマナーなどを踏まえ許容範囲内での思いは受け入れるようにしている。行事などは内容を話し合って決めたり、衣装作りにも子どもの意見を取り入れたりして、子どもも一緒に作成している。訪問時の昼食時にも、子どものアイデアを聞き取っている職員の様子がうかがえた。
・子どもや保護者に関する情報を外部とのやり取りする必要が生じた場合を踏まえ、入園時に書面を用い説明し、必ず保護者の同意を得て、承諾の署名、捺印を貰うようにしている。そのような場面に直面した際には、必ず保護者に看護師から連絡し、対応を進めることをルール化している。保護者からは優先順位が明示された緊急連絡先を入園時に提出してもらっており、園で把握している。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・行事後には保護者にアンケートを実施して意見や感想、要望の把握に努めている。個人面談も実施しており、子どもの様子を保護者と共に情報共有し、保護者の意向を聴き取っている。年3回運営委員会を開催しており、クラス代表の保護者・地域の町会役員・園長の参加の下、課題や要望の表出を図っている。要望などは職員間で協議し保護者にフィードバックしている。ただし、要望には個人的な事柄も含まれており集団生活の中では対応が難しいものもある。そのような要望への対応について、更なる検討が必要となっていることを認識している。  
・自由遊びの際にコーナー遊びなどを設け、子どもが自分で好きな遊びを選べる環境になるようにしている。職員は自主的に研修に参加し、情報を得ると共に質の向上を図り得意なジャンルで各職員が活躍できるように努め、子どもの活動がより豊かになることを目指している。積極的に活動に入れない子や集中して遊べない子には個別に言葉がけすることで、遊びが発展できるように配慮している。
・特別な配慮が必要な子どもは、個別のカリキュラムを作成し記録も残している。また、職員間で情報を共有することで統一した対応ができるようにしている。ただし、法人には臨床心理士の専門医が巡回する体制が整っているが、現在は利用していないとのことである。就学前のこの時期の子どもの日々は、1日1日が成長する力を持った大切な日々である。日々子どもと接する職員が、子どもの成長を促すために必要な対応のアドバイスを受けるためにも、巡回指導を受けることを願いたい。  
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園時には、子どもが保育園を楽しいところだと感じることができるように、気分転換として他のクラス、事務所、廊下などの場所も利用して本人が落ち着ける環境を提供している。登園時の受け入れも子どもの視診だけに限らず親子の様子や表情などにも注力し、保護者と必ず口頭で言葉を交わすことで、保護者の不安も解消できるように努めている。乳児クラスの場合は、給食で出る食材はまず家で食べることを勧めており、アレルギー対応にも配慮している。  
・保育の記録は、年間指導計画に沿って話し合い立案して記録している。職員は記録の仕方などをマニュアルで確認し、園として統一した記録になるようにしている。個人情報と情報公開については法人主催の研修があり、職員は全員遵守を目指している。また、児童票や子どもに関する大切な書類は鍵の掛かる棚に保管されており、開示を求められた際にすぐに対応できるよう整理整頓されている。
・安全管理点検表を園独自で作成し、それに従い園長と職員は月1回園内の点検チェックを行い、園内への危機管理への意識の向上を図っている。ケガが起きた際には、緊急で事故防止委員会を開き改善すべき点などを周知するなどの取り組みも行っている。職員個人が危険な環境に気づき、それを全員で周知する概念を育てることで、影にひそむ危険を回避できることを鑑み、気づきの育ちを願いたい。
4 地域との交流・連携 ・法人のホームページには園の基本情報とともに保育方針及び保育目標、運営内容などを掲載して情報提供に取り組んでいる。地域交流事業を月1回開催しており、1〜2歳児を対象にリトミック、大型絵本の読み聞かせ、夏祭り、6月歌のおにいさんのイベント、川崎吹奏楽団の一部の演者によるコンサートなどの情報を市の情報誌やホームページに掲載している。各種のイベントは園に直接申し込み、地域の未就学児童を中心に参加できるようにしている。  
・宮前区の主導で卒園児のいる小学校の授業参観にいくことができる。園長や元の担任は近隣小学校の授業参観に赴き、小学校入学直後に必要とされる事柄を学び、地域での進学に関する情報を得て、保育に活かし保護者に伝えるなど就学への取り組みを行っている。同様に進学した兄弟を持つ保護者から学校での指導について聞き取り、保育に反映させることに努めている。  
・公私立の保育園幼稚園園長会、小学校校長先生との会議に(民生委員含む)参加している。宮前区の園長会により、民生委員や地域の農家の好意で芋掘りをさせてもらっており、そこからネットワークを広げ、地域への子どもの関わりにつなげている。商店街にはハロウィンの協力をしてもらい交流の機会を持つなど、運動会の際に一緒に敬老の会を進めるなど、地域の高齢者との交流も進めている。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・理念や基本方針が明示され園内に掲示されている。園の目指していることは新年度の職員会議で確認し、保育で迷ったときなどは立ち返るようにしている。保護者に対しては新入園児説明会や年度初めの保護者懇談会や運営委員会で伝えている。都度理念の文言を伝えるのでなく、保育の実践の中から理念を具現化して伝え、保護者会などで説明をして周知と理解を深めてもらえるようにしている。
・園長は定例の職員会議や保護者懇談会のほか、個別の打ち合わせなどにも参加している。職員との個別面談も実施しており、人事考課のほか悩みや相談にも乗るように努めている。また、日常的に職員に声をかけ自分の思いをさまざまな場で職員に伝えるとともに、保育の楽しみを感じてもらい、園児も楽しく輝けるように、その結果保護者にも保育の楽しさが伝わるようにリーダーシップを発揮している。
・保護者参加の行事後には、感想や意見などを把握することを目的にアンケートを実施し、評価を分析し次年度の改善計画の基礎としている。さまざまな要望や意見に対し、できることは対応し改善につなげており、結果は園便りにも載せて周知に努めている。また第三者評価の結果を分析して文書化し、運営委員会で報告している。必要に応じて本部の施設担当者と計画の見直し、対策を検討するなどして質の向上に取り組んでいる。
6 職員の資質向上の促進 ・法人として「職員に求めている人材像や役割」や「職員に持って欲しい使命感」を掲げ、育成基準とするとともに、研修を通じて更に意識が高まるように取り組んでいる。園長は、「子どもの安全については徹底する」「子どもが輝いて見えるように」「保育の仕事はまずは自分が好きと思ってやっていくこと」を念頭に指導に取り組んでいる。また、成長した職員を賞賛してモチベーションの向上につなげている。  
・人事考課制度があり、職員の自己評価をもとに園長が面談し法人本部にも報告している。人事考課制度の一環として目標管理の仕組みがあり、職員自ら目標を設定し、定期的な園長面談で取り組み状況を確認している。入社3年以上の法人研修には、自分自身のキャリアアップのため研修内容を選んで受講することができるようにしている。地域の研修にも職員を派遣し、受講後は報告書をもとに研修の成果を見極めている。  
・建物の構造上保育室がつながっておりワンルームであるため、保育の形態に自由度があり、担任と他の職員とのコミュニケーションも図りやすく、職員同士が協力して保育に当たることができる環境が整っている。タイトな人員体制ではあるが、チームワークで職員間の連携を図ることで、保育の質の向上に取り組んでいる。

詳細評価(PDF539KB)へリンク