かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ベネッセ矢向保育園

対象事業所名 ベネッセ矢向保育園
経営主体(法人等) 株式会社ベネッセスタイルケア
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0001
鶴見区矢向4-30-17
tel:045-570-1070
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
ベネッセ矢向保育園は、JR南武線矢向駅より歩いて7分、あるいは同じくJR南武線の尻手駅より歩いて8分の所にあります。近くには自然豊かな公園が複数あり、子どもたちの散歩コースとなっています。
ベネッセ矢向保育園は、2014年(平成26年)4月に株式会社ベネッセスタイルケアによって設立されました。運営法人は、首都圏を中心として保育園事業を数多く展開しています。
木造2階建ての園舎は、日当たりがよく、自然色を用いた室内にはたくさんの緑が飾られています。砂場と鉄棒が設置された園庭には季節の草花や野菜が植えられていて、夏場には子どもたちがプール遊びを楽しんでいます。
定員は、60名(0歳児〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時30分〜18時30分です。
保育理念として「『よりよく生きる力=Benesse』の基礎を育てる」、保育目標として「自分で考え、すすんで行動する子ども」「友だちと楽しく遊ぶ子ども」「感性豊かな子ども」、保育方針として「子どもの『個性と人格を尊重』し、主体性を育てます」「自然な生活の営みの中で子どもが『安定感・安心感・落ち着きを持てる室内環境』をつくります」「深い信頼関係に根ざした『豊かな人とのかかわり』を重視します」「身の回りの『社会・自然を通しての学び』を大切にします」を掲げています。

◆高く評価できる点
1、一人一人の思いを受け止めてもらい、子どもたちは家庭にいるかのように安心して過ごしています
園は、子どもが安心し主体的に園生活を過ごせるよう、4つの環境(時間、空間、人・仲間、遊び・生活)を整えることを大切にしています。各保育室には、子どもの目線におもちゃや素材が並べられ、子どもが何をするかがよく分かるようにコーナー設定されています。
乳児は、担当制を取り保育士との個別の関わりの中で愛着関係を築き、子どもが安心できるようにしています。排泄、食事、着脱などの生活場面では、一人一人の育ちに合わせた声かけや関わりをし、子どもがそれぞれのペースで基本的生活習慣を身につけられるようにしています。保育士にたくさん話しかけてもらい、声にできない小さな気持ちまで受け止めてもらっていて、子どもたちは素直に自分の思いを言葉や表情で表現し、保育士に甘えています。
幼児になると、毎日のサークルタイム(朝の会、夕の会)などで子どもたちが自分の意見を発言する場を設けるとともに、子ども向けの新聞記事を掲示したり、子どもが散歩などで興味を示した事象に関する本や図鑑を置くなどし、子どもが主体的に興味があることに関わり、活動を広げられるように働きかけています。宇宙の記事に子どもが興味を持ったことを受けて遠足の行き先をプラネタリウムにしたことから、夏祭りのテーマを皆で話し合って宇宙と決めて、それぞれが好きな星座を調べて発表したなどの事例があります。
また、幼児は異年齢クラスとなっていて、子どもたちは毎日の関わりの中で、年下の子どもへの思いやりや気遣い、年上の子どもへのあこがれなどを身につけています。自由遊びの時間には、年上の子どもがゆったりとソファーでくつろいで年下の子どもに絵本を読んで聞かせたり、遊びの方法を考えリードする姿があります。また、散歩や食事などの場面でも、年下の子どもにさりげなく教えたり、手助けしたりしていて、子どもたちは、園のコンセプトである「大きなお家」にいるかのように安心して過ごしています。

2、保育士は、理念に基づく方向性を共有し、目指す保育を実践しています
保育理念や保育の基本姿勢、子どもの人権についての考え方などを「ベネッセの保育の考え方」に明記して職員に配付し、新人職員研修で周知するとともに、年度初めの全体ミーティングで読み合わせをし、確認しています。クラスや全体ミーティングでは、子どもの様子について確認し、日々の関わりが理念に沿っているかを話し合っています。また、日々の保育の中で気になる事例があった時には、その都度職員同士で声をかけ合い、方向性を統一しています。職員が年2回実施する自己評価の項目にも基本理念に基づく基本姿勢を問う項目があり、職員が振り返り、理念に立ち返れるようになっています。
このような取り組みを通して職員は方向性を共有し、子どもの声に耳を傾け、子どもの気持ちを汲み取る姿勢で保育にあたっていて、目指す保育を実践しています。

3、様々な組み合わせの会議をすることで、職員のモチベーションを高めています
園は、職員のキャリアパスを見据えた個別の育成計画を策定し、人材育成をしています。毎月の園内研修のほか、運営法人の研修を始めとして横浜市や鶴見区などの外部研修にも積極的に参加し、効果を保育に反映しています。
今年度、会議全体の見直しをし、運営に関わっているという自覚を得るためのマネージメントミーティング(園長、主任、リーダー)を始めとし、フレッシュミーティング(入社1・2年目の新人職員)、たてわりミーティング(クラスや経験を超えた2グループ)など様々な組み合わせで会議を実施し、風通しの良い職場作りと中間層の育成を図っています。このような取り組みの結果、職員間のコミュニケーションが円滑になり、それぞれのやりたい保育を実践できるようになり、職員のモチベーションも高くなっています。また、中間層に自覚が生まれ、若手職員が困っている時に声をかけたり、助言したりする姿勢が育っています。その結果は、職員の定着率の高さにもつながっています。
今回の訪問調査時の職員ヒヤリングでも職員が自己の目指す保育について熱心に語っていて、職員のモチベーションの高さを伺うことができました。

◆さらなる取り組みが期待される点
1、実習生を受け入れ、園の培ってきたノウハウを次世代育成に生かすことが期待されます
園は、実習生受け入れの為のマニュアルや実習生に向けたしおりの作成もして準備を整え、受け入れの姿勢を強く持っていますが、現在までの所、実現には至っていません。モチベーションの高い年齢の近い先輩に接することは、実習生にとって良い刺激となり励みとなるとともに、若手職員のさらなる自信につながります。
今後も実習生受け入れのための働きかけを続け、園の培ってきたノウハウを次世代育成に生かすことが期待されます。

2、子どもが社会性を育むために、散歩の機会を増やしていくことが期待されます
子どもたちは、晴れていれば毎日園庭で遊んでいて、身体を動かしています。ただし、散歩の機会は少なく、週に1回ほどの頻度となっています。子どもたちは、散歩を通して運動面だけでなく、地域の人々の営みに触れて社会性を養い、交通ルールなどの社会で生活する上でのルールを学び、季節の自然に触れて五感を養うことができます。散歩の機会を増やしていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育方針は「子どもの『個性と人格を尊重し』、主体性を育てます」「自然な生活の営みの中で子どもが『安定感・安心感・落ち着きを持てる室内環境』をつくります」「深い信頼関係に根ざした『豊かな人とのかかわり』を重視します」「身の回りの『社会・自然を通しての学び』を大切にします」で、子ども本人を尊重したものとなっています。保育理念や理念を実現するための保育の考え方が記載された「ベネッセ保育の考え方」を職員に配付するとともに、年度初めの全体ミーティングで確認しています。保護者に対しては、入園のしおりに記載し、入園説明会や懇談会で保護者に説明しています。
・職員は常に子どもの声に耳を傾け、子どもの気持ちを汲み取る姿勢で保育にあたっています。
・他の子どもと違う行動をとっていてもせかしたりせず、しばらく様子を見ます。場合によってはおだやかな言葉で話しかけて理由を聞きます。子どもが今どうしたいのか、一人一人の意思を尊重しています。
・年1回、全職員が個人情報管理の研修を受け、研修後はテストを実施し、結果をファイルに保管しています。個人情報の取扱いについては入園時に「個人情報の取扱いについて」という書面を渡し、保護者からの同意を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育士は、子どもの興味や関心、意見を指導計画に反映し、子どもと相談しながら行事などを実施しています。
・保育室内のおもちゃや絵本は子どもの目線に合わせた棚にわかりやすく収納され、子どもが自由に自分で取り出して遊んでいます。保育室には数か所のコーナーを設け、制作や絵本読み、ごっこ遊びなど、それぞれの子どもがお互いに邪魔をすることなく自分たちの遊びに集中できるような環境となっています。
・自由遊びの時間には、数人で遊ぶコマ回しやブロック遊び・積み木、友だちと本を見ながら折り紙をする2人、1人で絵を描いたり、熱帯魚を眺める子どもたち等々、自由に好きな遊びを見つけています。一斉活動においては、みんなで作り上げたり競い合ったりする楽しさと共に、ルール作りや約束を守ることの大切さをも学んでいます。
・3〜5歳児は異年齢の合同クラスです。また、園行事は全園児参加で実施しています。日常の保育においても、園庭では年下の子どもを助けたり、年上の子どもの出来ることを見つめたりしながら、異年齢の子どもたちがみんなで一緒に遊ぶ姿が見られます。
・献立は、各園代表の栄養士で構成する運営法人全体の会議で作成した全体献立が基本となっています。これを元に各園で子どもの喫食状況などを加味した調理を行っています。季節を感じる行事食の取り組みについては各園の裁量であり、七草・鏡開き・節分・桃の節句・端午の節句・七夕・お月見・クリスマス等には工夫のある行事食を提供しています。
・子どもの送迎時には、保護者との会話を持ち、家庭と園の様子を伝え合う配慮をしています。さらに「成長の記録」(連絡帳)を用いた保護者との情報交換を行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・「全体的な計画」および子どもの発達過程を分かりやすくまとめた「発達段階チャート」を基に、年間指導計画、月案、週案を作成しています。また、0・1・2歳児および特別な課題がある場合には、個別指導計画を作成しています。指導計画は、クラスミーティングで子どもの様子について話し合い、計画の作成、評価、見直しをしています。
・入園時に、児童票に家庭の状況や生育歴、既往症、要望などを記載してもらっています。入園後の子どもの成長発達の様子は、「保育の記録」に0歳児は毎月、1歳児以上は4期に分けて記載しています。子どもの記録は個人別にファイルし、事務室の施錠できる書庫に保管されていて、必要な職員がいつでも確認することができます。
・玄関に「ご意見・ご要望の仕組み」を掲示し、保護者に周知しています。要望や苦情は記録し、全体会議で職員に周知し、対応について話し合っています。要望や苦情の記録はファイルし、データとして活用しています。マニュアルは年に1回は読み合わせを行い、見直しを図っています。
4 地域との交流・連携 ・地域支援サービスとして交流保育を年間6回実施しています。「七夕・夕涼み会」「クリスマス会」「おもちゃの広場」等を企画し、好評を得ています。園庭開放は月2回実施しています。育児講座として、リトミックや親子遊びを年3回実施しています。園庭開放時には育児相談を受付けています。
・鶴見区役所主催の「矢向地区子育て支援イベント あつまれ!えがお」は、矢向地区の保育園や矢向地域ケアプラザ、わっくんひろば(鶴見区地域子育て支援拠点)等が共催で開催しています。毎年のイベントを通した連絡会を年3回の頻度で行い交流を深めています。
・町内会に入会し、近隣との友好関係を築くために日々の積極的な挨拶を心がけています。隣の会社とは、災害時に子どもたちの避難場所になってもらえる約束もできています。
・ボランティア受け入れのためのマニュアルがあり、ボランティアには事前のオリエンテーションで園の方針や利用者への配慮すべきことなどを説明しています。中学校の家庭科授業として保育体験の中学生を受け入れています。また、職員の友人グループのミニコンサートや、音楽工房の人形劇などを受け入れています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・「ベネッセスタイルケア宣言」に行動宣言、行動基準を明記し、年1回の倫理研修で読み合わせをしています。報道などで得た他施設での不正、不適切な事案は職員休憩室のホワイトボードに掲示し職員に周知しています。また、全体ミーティングで取り上げてそれらの行為を行わないよう啓発しています。
・事業報告、事業計画を廊下の情報提供コーナーに置き保護者がいつでも確認できるようにしていますが、決算報告書等については公表していません。
・3カ年の中期運営計画を作成し、それに基づき、年度ごとの運営計画を作成しています。
・運営法人の毎月のエリア園長会議、年4回の全社園長会議では、次代の保育所運営に備え、運営やサービスプロセスの新たな仕組みを常に検討しています。
6 職員の資質向上の促進 ・実習生受け入れの為のマニュアルや実習生に向けたしおりの作成もして準備を整え、園は受け入れの姿勢を強く持っていますが実現に至っていません。今後の取り組みに期待します。
・理念・方針を踏まえた保育実践に向けた運営法人の人材育成計画があります。それに基づき、職員のキャリアパスを見据えた個別の育成計画が策定し、園の運営計画の中に綴っています。職員は、年度初めに園運営計画、クラス指導計画、各自の課題のそれぞれについて目標設定し、中期と年度末に自己評価し、園長面談で達成度の評価をしています。
・毎月、園内研修を実施していて、非常勤職員を含む全職員が参加しています。職員は、横浜市や鶴見区などの外部研修や運営法人の研修に積極的に参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出するとともに、全体ミーティングで報告し、職員間で共有しています。
・保育士の自己評価、利用者満足度(CS)アンケートと職員者満足度(ES)アンケートの結果を基に、全体ミーティングで話し合い、結果を「保育運営自己評価」としてまとめています。
・運営に関わっているという自覚を得るためのマネージメントミーティング(園長、主任、リーダー)を始めとし、フレッシュミーティング(入社1・2年目の新人職員)、たてわりミーティング(クラスや経験を超えた2グループ)など様々な組み合わせで会議を行い、職員間のコミュニケーションの円滑化と中間層の育成を図っています。職員間での風通しがよくなり、先輩としての自覚が生まれ、職員のモチベーションが高くなる効果が出ています。

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