かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

こどもっと保育園

対象事業所名 こどもっと保育園
経営主体(法人等) NPO法人港南台こどもっと
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0054
港南区港南台5-5-11
tel:045-831-5450
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
こどもっと保育園はJR根岸線港南台駅から歩いて4分ほどの住宅地の中にある乳児認可保育園です。向かい側には港南台第二小学校、徒歩圏には緑豊かな公園が複数あります。
こどもっと保育園は、2001年(平成13年)7月に港南区日野南に開園し、2003年(平成15年)4月に現在の隣地に移転して横浜保育室となり、2016年(平成28年)4月の園舎落成に伴い、乳児認可保育園として開園しました。運営法人はNPO法人港南台こどもっとです。
鉄骨造2階建ての1階部分を園舎として用い、園内は無垢の木を多く用いていて木のぬくもりが感じられます。ウッドデッキと園庭があり、一角では子どもたちがプランターで野菜を育てています。
定員は30名(0・1・2歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜19時半、土曜日は7時〜18時半です。
保育理念は、「こどもの育ちを支えます」「保護者の子育てを支えます」「こどもと子育てにやさしい社会をつくります」、園目標は「生き生きと遊ぶこども」「心も体も健康なこども」、保育方針は「こどもの発達について理解し、一人ひとりを大切にする保育をします」「日々の生活の場として、子どもたちの心身が安らぐような清潔で安心できる環境を保ちます」「こどもと保護者が安定した関係が保てるように配慮しながら、保護者の養育力が高まるよう支援します」です。

1.高く評価できる点  

● 保育士との個別の関わりを通し、子どもたちは素直に自分の気持ちを表現し甘えています
園は、0・1・2歳の乳児期の保育を丁寧に行うことで、子どもが愛情のこもった養護と安心して遊ぶ体験を積み重ねられるようにしています。
食事や排泄、衣服の着脱などの生活場面は、個別担当制を取り、保育士との一対一の丁寧な関わりの中で、子どもが安心して生活習慣を身につけ、自立できるようにしています。保育士は、子どもに優しく語りかけ、子どもの意向を丁寧に確認しています。同じ子どもに継続的に関わっていくことで、子どもの何気ない言葉や態度、表情、変化などから子どもの発信を受け止めることができます。このような個別の関わりの中で愛着関係が構築されていて、子どもたちは素直に自分の気持ちを言葉や表情、態度で表し、保育士に甘えています。
保育室は、2・3人ずつでの活動が主となる保育を展開できるよう子どもの動線を考慮し、子どもが自分で選んで遊び込めるようなおもちゃの配置やコーナー作りをしています。活動は子ども一人一人の成長や発達、気持ちに沿って小グループでの活動が主となっていますが、子どもの成長・発達にあわせて少しずつ集団を大きくしていき、友だちとの関わりの中で社会性を養えるようにしています。このように整えられた環境の中、子どもたちは人形遊びや積み木、パズルなどの好きな遊びを選び集中して遊んでいて、中には友だちとごっこ遊びをしたり、おしゃべりしながら粘土遊びに取り組む子どももいます。また、散歩を積極的に取り入れていて、子どもの発達や状況にあわせて行き先を決めています。公園での子どもたちは、思いっきり走り回ったり、探索したりしています。木の根をカメに見立てて葉っぱや小石でエサやりをしたり、ごつごつした木の肌を恐竜に見立てて遊んだりする姿も見られ、子どもたちが自由に自分の発想を広げて遊んでいます。 

● 保育理念を全職員で共有し、子ども一人ひとりを大切にした保育を実践しています

玄関に保育理念、保育目標を掲示するとともに、全職員に配付しています。全職員が参加する年度初めの職員会議では、理念や方針、年度の方向性、子どもの人権などについて職員に説明しています。また、カリキュラム会議やカリキュラム検討会議で、保育の内容が理念や方針に沿っているかを常に確認しています。職員は、具体的な事例やチェックリストを用いて意見交換し、方向性を確認しています。
人材育成にも力を入れていて、人材育成計画やキャリア別研修計画には、理念・方針の実現に向けた職員育成の道筋が明文化されています。毎年、全職員を対象に新保育所保育指針などの「理念」とわらべうたなどの「実践」をテーマにした園内研修を行うほか、積極的に外部研修に職員を派遣することで、保育の向上を目指しています。
また、業務マニュアル「手順書」、「保育手順書」を作成して全職員に配付し、業務の流れを全職員が理解することでいつでも誰でもがフォローに入ることができ、一人一人の子どもの状況に臨機応変に対応できる体制を築き、個別担当制の保育が実践できるようにしています。「安全管理マニュアル」「保健衛生マニュアル」などのマニュアルにも園の保育の考え方、理念に沿った支援の方法が明記されていて、保育士がいつでも立ち戻ることができるようになっています。
このような取り組みを通して、全職員で方向性が共有されていて、職員は連携して目指す子ども一人一人を大切にした保育を実践しています。

● 地域のニーズに合わせ0歳児の一時保育を毎日受け入れています
園は、保育理念に「子どもと子育てにやさしい社会をつくります」を掲げ、地域の子育て支援に意識を持って取り組んでいます。
子育て支援としては、一時保育、年3回のジャガイモ掘りやクリスマス会等の交流保育、ベビーマッサージ等の育児講座、週1回の園庭開放を実施しています。園庭開放では、身長測定や絵本の貸し出しを実施しています。特に一時保育は、地域の他園では実施していない0歳児のみを対象に毎日1人を受けていて、多くの利用者がいます。
このように園は、乳児認可保育園という園の特性を活かし、地域のニーズに応えて園の専門性を地域の育児支援に還元しています。

2.さらなる取り組みが期待される点

● 保護者が園への理解を深められるよう、今後も園の保育の考え方を保護者に伝えていくことが期待されます
園は、保護者との連携を大切にし、毎日連絡帳で子どもの様子について情報交換するとともに、個人面談や日々の保護者との会話で保護者と密にコミュニケーションを取っています。日常会話の中から保護者の子育てに関する悩みを聞き、相談にのるなどし、保護者との信頼関係を築いています。
園の理念や方針については、年度初めの保護者懇談会で説明するとともに、園便りなどで具体的に伝えています。ただし、昨年度から取り入れた個別担当制については、年度途中の変更であったため、保護者に対しての詳しい説明は今年度初めに行っています。園の理念や方針については、保護者の理解があるものの、個別担当制についての浸透は今後の課題となっていて、今回の保護者アンケートでも読み取ることができます。
乳児のみなので個別担当制が子どもの発達にどのように関わってくるかを保護者が確認する機会がないこともあり、保護者に対しては丁寧な説明が必要かと思われます。今年度、保育参加を取り入れ保護者に好評でした。今後も、保護者が園の保育を理解できるよう、日々の保育の様子を伝える機会を工夫していくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・全国保育士会倫理綱領に基づき、子どもの最善の利益の尊重を第一義としています。さらに「保育の中で大切にしたいこと」を具体的な項目で構成したチェックリストを用いて、保育士が自身で定期的に意識の振り返りをおこなう仕組みがあります。
・保育室内では高さを考慮した衝立を活用して、子どもが一人で集中して遊ぶことの出来る場所を作っています。玄関と廊下の奥の2ヶ所にはベンチコーナーがあり、絵本棚を備えたスペースを設けています。カーテンで仕切り、保護者との面談等にも利用しますが、子どもが落ち着いて過ごす場所としても機能しています。
・園の就業規則には、個人情報の取り扱い及び守秘義務に関する定めがあり、全職員が周知しています。また子どもの個人情報に関する書類については事務室内の書庫で施錠管理しています。
・順番やグループ分けは性別にしていません。父親・母親の役割を固定的に捉えることはなく、万一気になる言動が見られた場合には、カリキュラム会議で話し合う仕組みがあります。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画は、保育の基本方針に基づき「健康を守る保育」「人権を大切にする保育」「食育を推進する保育」「保護者と共に進める保育」「地域との関わりを大切にする保育」を重点的に取り組むこととして作成されていて、子どもの最善の利益を第一義にしています。指導計画作成時には全体的な計画と現在の子どもの様子とを照らし合わせ、確認しています。保護者に対しては、入園説明会や5月の懇談会で説明しています。
・子どもや保護者の状況、生育歴などは入園時に保護者に児童票に記載してもらっています。入園説明会後に保護者と個別に面接し、子どもの家庭での状況や保護者の意向を聞き取っています。入園時には子どもも連れてきてもらい観察しています。アレルギーなどの課題がある場合には、短縮保育中に保護者、担任、栄養士がアレルギー面談を実施しています。
・個別担当の保育を進めるにあたり、保育室内のレイアウト及び絵本やおもちゃ等の環境構成については、細やかな配慮がなされています。室内のレイアウトは、基本的に2・3人ずつの活動が主となる保育を展開できるようにした子どもの動線の確保やコーナー作りを考慮しています。おもちゃについては、良質のおもちゃに関する勉強会に参加したり、さらに講師を招致して知識を深めるなど園全体での取り組みをしています。
・散歩を積極的に取り入れています。地域には自然豊かな公園が多くあり、子どもたちは、日々季節を感じながら外遊びを楽しんでいます。園庭のプランターでは、インゲン豆やラディッシュを植え、水やりから収穫、食べるまでの体験をしています。近隣の畑でジャガイモ掘りの体験もしています。
・0歳児クラスの入園後の数か月については環境に慣れることを優先し、室内遊びを主にしていますが、その後は園庭遊びや散歩を積極的におこなっています。夕方の散歩も取り入れており、子どもたちは屋外の遊びを充分に楽しんでいます。
・栄養士と保育士で年間食育計画を作成しています。乳児が楽しめることを検討し、トウモロコシの皮むきやシメジを裂くことなどを通して食材に触れたり、園庭で小さな野菜を栽培・収穫するなどの体験をしています。季節感のある献立を心がけ、行事食も取り入れています。
・毎月の献立表はあらかじめ保護者に配付しています。その日の給食はサンプルを展示し、お迎えの保護者に見てもらっています。また、保育参加の際には子どもと一緒に給食を食べてもらい、園の味付けや量、食べさせ方なども見てもらえるように配慮しています。
・食事・排泄・着脱等については個別担当制をとっており、子どもと1対1の対応から始めています。排泄は一人一人の排泄間隔を把握して、おむつ替えやトイレへの声掛けなどをおこなっています。トイレットトレーニングについても、保護者と話し合い、子どもが便器に座ることに興味をもったタイミング等を捉えて、それぞれの子どもの状況に即した対応をしています。
・保護者からの相談には、事務室や面談コーナーを準備し落ち着いて相談が出来るように配慮しています。相談の内容により、クラス担任には主任や園長が助言する仕組みがあり、適切に対応しています。
・園だよりは毎月、クラスだよりは年4回発行しています。保育室内や廊下の掲示スペースには折々の子どもたちの様子を撮影した写真を掲示して、保護者に見てもらっています。
・地域交流の一環として、近隣の公園への散歩を積極的に取り入れ、地域の人々との交流を深めています。近隣の数か所の保育所とは、卒園児の受け入れ先としての連携があり、園庭遊びなどの定期的な交流を続けています。また港南台子育て連絡会で主催する七夕まつりや焼き芋会には園児も参加しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園前面接で、保護者に説明し、短縮保育を実施しています。期間は5日間を目安に、子どもの様子や保護者の就労状況などを考慮し、保護者と相談しながら決めています。園は個別担当制を取っていて、子どもの担当保育士が食事や排泄、着脱、睡眠などの育児行為を行っています。
・子どもや家庭の状況、要望は児童票、新入園児問診票などに記載しています。入園後の子どもの成長発達の様子は、毎月、養護と教育の各項目ごとに経過記録に記録しています。
・保護者の同意を得て、よこはま港南地域療育センターの巡回指導を受けています。障害の特性を考慮した個別支援計画を作成しています。園内研修で手話講座を実施し全職員で学習しています。
・医師の記載した「アレルギー疾患生活管理指導表」を保護者に提出してもらい、それに基づき除去食で対応しています。職員会議等で子どものアレルギーについての情報を共有しています。毎月、保護者、クラス担任、栄養士で話し合って確認し、除去食を提供しています。提供時には、保育士間で声にだして確認し、別トレイ、別コップ、名札を用いて誤食を防いでいます。
・要望苦情解決対応マニュアルがあり、要望や苦情が寄せられた場合には、第三者委員を交えて対応する仕組みができています。要望や苦情は、「意見・要望・苦情・不満等受付と解決の記録」に記載し、カリキュラム会議で職員間で共有し、話し合っています。
・子どもの健康管理に関するマニュアルとして「保健衛生マニュアル」を作成しています。このマニュアルに基づき日々子どもの健康管理をおこなっています。子どもの「健康台帳」は毎年度末に保護者に追記の上再提出してもらい、子どもの既往症等の経緯についても関係する職員間で共有しています。
・衛生管理に関するマニュアルがあり、毎年度末に全職員でマニュアルの見直しと確認をおこなっています。また、ノロウイルス等の流行時期前には、職員が外部の研修に参加し、その後、受講した職員を中心に嘔吐処理の園内研修をおこなっています。
・地震や火災を想定した避難訓練を毎月実施し、職員は救急救命法の講習を受けています。災害等、緊急時の保護者への連絡は、NTTの災害用伝言ダイヤルを利用する事とし、毎年の防災の日には保護者に体験してもらっています。さらに次年度から一斉メール配信システムの導入を決定しています。

4 地域との交流・連携 ・地域に向けた子育て支援サービスとして、0歳児対象の一時保育を受け入れています。また交流保育(ジャガイモ掘りやクリスマス会等、年3回)、育児講座(ベビーマッサージ等、年3回)、毎週月曜日の園庭開放をおこなっています。園庭開放日には、参加児童の身長測定や絵本の貸し出しなども実施しています。交流保育と一時保育については利用が安定しているものの、園庭開放は参加者数にばらつきのある現状を園は課題と捉え、活性化に向けた検討をおこなっています。
・地域の人々からの相談に必要と思われる、近隣他園、港南台子育て連絡会、港南区子育て連絡会、よこはま港南地域療育センター、横浜市南部児童相談所等の関係機関とは、日常的な交流を通して、連携が出来る体制があります。
・自治会への入会、近隣の団地へのプロジェクター貸し出し、地域の親子連れへの絵本貸し出し、園行事(芋ほり・なつまつり・クリスマス会)への地域の子どもの招待等、保育所の理解促進のための取り組みを、様々にしています。近隣住民とも友好的な交流があり、庭の柿の実や七夕の笹をもらったりするなど、子どもたちを温かく見守ってもらっています。しかし、小中高等学校との交流及び連携には至っていません。
・ボランティアの受け入れに対応する「保育ボランティア・職場体験マニュアル」及びボランティア向けの「ボランティア活動をするにあたって」とする、活動で配慮すべき事柄を示した文書を作成しています。障害者雇用のサポート団体から、障害者の職場体験を受け入れた経験があります。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ・指導計画、日誌には振り返りの欄があり、計画のねらいと関連づけて振り返られるようになっています。毎月、カリキュラム検討会議を実施し、振り返りのチェックをし、指導計画が理念・方針に沿っているかを確認しています。
・「服務規程」に職員が守るべき法、規範、倫理等を明記しています。カリキュラム会議で「全国保育士会倫理綱領」の読み合わせをするとともに、「保育の中で大切にしたいことのチェックリスト」を用いて自己点検しています。
・重要な意思決定に関しては、保護者に対しては保護者懇談会で、職員に対してはカリキュラム会議等で説明し、意見を聞いています。今まで大きな事案がないため、異なる職員間で検討会議を作るなどの事例はありません。
・園長は、港南区合同園長会、港南区私立保育園園長会、横浜市園長会総会、港南台子育て連絡会等の各種会議に出席し、保育所運営に影響のある情報を収集・分析しています。情報は、クラスリーダー会議で共有して重要検討課題とし、カリキュラム会議や職員会議で検討し、園全体で取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進 ・園長は、目指す保育形態を維持するのに十分な人員であるかを確認し、必要な人材を補充しています。他の保育園を経験した職員が多く、幅広い年齢層のバランスの良い人材構成となっています。「保育士職人材育成計画」「キャリアパス」に基づき「キャリア別研修計画」を作成し、人材育成を計画的に行っています。職員は、「保育士の自己評価」を用いて年度初めに目標設定し、年度末に自己評価をし、年2回の園長面談で達成度の評価を受けています。
・毎月、園長、主任、クラスリーダーで行うリーダー会議で事例検討をしています。職員は、研修等で得た良い事例をカリキュラム会議で報告し、改善に活かしています。園内研修の外部講師やよこはま港南地域療育センターなどからアドバイスや指導を受けています。
・「保育士職人材育成計画」に保育士職に求められる役割、能力、知識を明記し、職員に配付しています。職務に関する成果や、仕事に対する意欲や目標等を記載した「職務等に関する振り返りと意見書」を基に、園長が面談して確認し、次年度のクラス配置や役割等に反映しています。結果は職員に説明しています。

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