かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

レインボー保育園(2回目受審)

対象事業所名 レインボー保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人レインボー保育園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0053
戸塚区上矢部町2030-4
tel:045-811-3328
設立年月日 1974(昭和49)年11月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
レインボー保育園は、JR「戸塚」駅からバスで15分、「第二工業団地中央」バス停で降りてすぐの横浜印刷工業団地の中にあります。工場や大規模マンションが並ぶ地域にありますが、近くには公園や神社、雑木林、畑などがあり、子どもたちは季節の自然に触れることができます。
レインボー保育園は、1971年(昭和46年)6月に横浜市印刷工業団地協同組合の福利厚生施設のため設立され、1974年(昭和49年)11月に社会福祉法人の認可を受けました。
2002年(平成14年)に新築された園舎は鉄筋コンクリート3階建てで、1階は調理室、事務室、多目的室(にじのへや)、2階は幼児保育室(3・4・5歳児)、3階は乳児保育室(0・1・2歳児)となっています。また、分室があり5歳児の絵画指導や地域交流の場所として使用されています。屋上と分室には園庭があります。
定員は60名(産休明け〜5歳児)、開園時間は平日(月曜日〜土曜日)が7時〜19時半、土曜日が7時〜18時半です。
保育理念として「知育・徳育・体育の三位一体の養育と保護者の就労保障と育児支援」、保育方針は「養護と教育が一体となり、豊かな人間性をもった子どもを育成する」、保育目標として(1)じょうぶなからだ、(2)おもいやりのあるやさしいこころ、(3)意欲のあるがんばる子を掲げています。

◆高く評価できる点
1、保育士の見守りのもと、子どもたちは様々な経験を積み、主体的に園生活を楽しんでいます
保育士は、子どもの気持ちを受け入れることを大切にし、子どもが自分の気持ちを表情や言葉で発した時には一つ一つに丁寧に応じています。子どもたちは、保育士の見守りのもと、素直に表情や態度、言葉で自分の思いを表現し、保育士に甘えています。5歳児になると、保育士の言葉をよく理解し自分の考えを説明したり、友達と相談して遊びの内容を決めたりしています。
乳児の排泄や着脱、食事などの生活面はそれぞれの成長や発達に合わせて行っていますが、保育士は、子どものやりたいという気持ちを大切にし、子どもを急かすことなく子どもが自分から行動できるように環境を整えたり、声掛けしたりして寄り添っています。日常的に異年齢で生活している中で、子どもたちの意欲が育っていて、1歳児でも衣服や靴の着脱に意欲的に挑戦しています。
自由遊びの時間には、ブロックで恐竜をつくって友達と遊んだり、自分たちで描いた絵でごっこ遊びをしたりと、それぞれが好きな遊びを選んで遊び込んでいます。幼児のゲーム遊びでは、5歳児がゲームの内容や順番、グループ作りなどを話し合って決め、リードしています。異年齢のチームでは、年上のこどもが年下の子どもに勝てるヒントを教えたり、手助けしたりし、年下の子どもは年上の子どもからルールを守ることや友達と競い合う楽しさを学んでいます。園は、音楽・リトミック、体育、絵画・造形を三本の柱とし、子どもが自分を表現できることを見つけ、自信を感じられるように取り組んでいます。絵を苦手としていた子どもが外部講師に褒めてもらったことで絵が好きになり、のびのびと絵を楽しめるようになったなどの事例があります。
晴れていれば毎日のように近隣の散歩に出かけています。工業団地の人々の働く姿を見たり、近隣の公園で鬼ごっこやかけっこなどをして思いっきり身体を動かして遊んだり、季節の花や畑の作物を見たりと、散歩を通して様々な学びを得ています。地域の高齢者施設や上矢部地域ケアプラザで高齢者と交流したり、5歳児の「だいくさんごっこ」では、地元の大工さんに椅子作りを教わったりと地域住民との交流も盛んです。
このような様々な経験を通して、子どもたちは人を思いやる気持ちや色々なことに挑戦する気持ちを育み、元気いっぱいに園生活を楽しんでいます。

2、職員は連携し、子どもの一人一人を大切にした保育を実践しています
正規職員のほとんどが10年以上の勤務年数となっていて、非常勤職員も長く勤めている職員が多くいます。長く働き続ける中で、職員集団は出産や子育てなどお互いの状況を理解し調整し合っていて、職員間のコミュニケーションはよく、連携・協力する関係ができています。職員は、クラスでの話し合いやフロア会議、職員会議などで子ども一人一人の様子について共有し、全職員で全園児を見ています。
園内研修や外部研修が盛んに行われていて、職員が研鑽を積めるようにしています。また、地域担当職員やリーダーなどは毎年交替し、地域に出たり、指導力を発揮する機会を作ることで、職員が意欲を持って職務にあたりモチベーションを感じられるようにしています。正規職員は、園の三本の柱である造形、体育、音楽と研修の4つの係に分かれ、主体的に活動しています。職員の特技や趣味を皆で学んで、保育に生かすこともしています。
このような取り組みを通して、職員はモチベーションをもって職務にあたっていて、子ども一人一人を大切にという思いを共有し、連携して保育にあたっています。

3、「常設子育てひろば」園として、地域の子育て支援に積極的に取り組んでいます
園は、横浜市の「常設子育てひろば」に指定されていて、地域担当保育士を配置し、様々な子育て支援の取り組みを展開しています。「のびのびひろば」では年間を通して園児との交流保育や「バルーンあそび」「給食をたべてみよう」「リトミック遊び」「離乳食講座」等の育児講座の企画を数多く実施しています。「わくわくひろば」は園庭開放の取り組みで、週3回(月・水・金)、別室の園庭(冬場は屋上園庭)を用いて実施していて、地域の親子が多く参加しています。また、2歳児以上を対象に、一時保育を週3回受け入れ、専任の職員が担当しています。
園外での子育て支援にも積極的に取り組み、上矢部地区センターや上矢部地域ケアプラザと共催で子育て支援事業を実施しています。また、地域の子育てサークルや赤ちゃん教室で保育士が遊びの提供をし、子育て相談にのっています。
地域に向けた情報発信も積極的に行っていて、園の掲示板やホームページできめ細かく情報提供しています。また、上矢部地区センターや町内の掲示板に案内を掲示するほか、戸塚区地域子育て支援拠点にチラシを置いたり、来園者に手渡したりしています。
このように積極的に地域子育て支援に取り組むことで、園は地域の福祉施設として根付いています。        

◆改善や工夫が望まれる点
1、中長期計画を作成し、園の目指す姿を明示し、職員間で共有していくことが期待されます
園は、特色ある保育が実践されていますが、長い歴史の中で保護者や保育園に求められるものも変化していて、園としても今回の保育所保育指針の改正を受けて3年間かけて全体的な計画の見直しを行うなど、次世代の保育園運営をにらんでの見直しを図っています。
今年度は、理念や方針の見直しをしました。また、若手職員を採用するなど、組織の活性化に向けての課題にも計画的に取り組んでいます。経営層は課題をよく認識し計画的に取り組んでいるものの、中長期的なビジョンを中長期的な計画にまとめることはしていません。組織をあげて課題に取り組むためにも、具体的な中長期計画を作成して、職員と方向性を共有し、園の良さを生かして課題の改善に取り組んでいくことが期待されます。

2、個別の人材育成計画を作成するなど、今後の世代交代に備えた仕組み作りを進めていくことが期待されます
 園は、経験や職務に応じた役割や期待水準などを明記した指標としての人材育成計画は作成していますが、職員自身が自分の具体的な目標や必要とする研修を確認できるような個々に応じた人材育成計画を作成するまでには至っていません。また、職員の良い点をのばす視点からがんばった点や良い点を園長が個別に評価していますが、客観的に評価する仕組みはないです。今後の世代交代に備え、キャリアパスについての園の方針を踏まえた個別の人材育成計画を作成していくとともに、客観的な評価制度の仕組み作りが期待されます。
 また、マニュアルについても、必要な要点は書かれているものの細かな手順については整備されていないものがあるので、今後を見据えて整備されていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は「知育・徳育・体育の三位一体の養育」「保護者の就労保障と育児支援」、保育方針は「養護と教育が一体となり、豊かな人間性をもった子どもを育成する」、保育目標は「じょうぶなからだ」「思いやりのあるやさしいこころ」「意欲のあるがんばる子」で、子ども本人を尊重したものとなっています。年度初めの職員会議で職員に理念・方針に基づく年度の目標について説明し、確認しています。保護者に対しては、入園説明会、懇談会で説明しています。
・虐待についての園内研修を実施し、虐待の定義や見分け方、対応について職員に周知しています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合には、戸塚区こども家庭支援課や横浜市南部児童相談所と連携しています。
・業務マニュアル内に「職員としての心がまえ」を明示しています。毎年度末に職員間で読み返し、言葉遣い・子どもへの接し方等の意識づけをしています。
・個人情報の取り扱いに関しては規程に定め、全職員に周知しています。子どもの個人情報に関する記録は事務室内で施錠管理しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育士は子どもの表情や仕草、反応から子どもの意思を汲み取り、言葉にして返し子どもの意向を確認しています。言語化できる子どもからは意見や要望を聞いています。室内でのゲーム内容や散歩の行き先を子どもが話し合って決めるなど、子どもが主体的に関われるようにしています。
・園は、音楽・リトミック、体育、絵画・造形を保育の三本の柱とし計画を作成し、子どもがどれかで自分を表現し、自分に自信を感じられるようにしています。
・自由遊び時間には、数人でブロック遊びやままごと遊び、2人でお絵かき、または1人で絵本を読む子ども等、それぞれに自分のしたい遊びを見つけています。一斉活動においては、みんなで一緒に同じ遊びをする楽しさや、競い合う緊張感を味わいながら、順番や遊びのルールを守ることを学んでいます。
・会社や工場、大型マンションが並ぶ地域ですが、大きな自然を残した公園が多くあり、子どもたちは季節を感じながら外遊びを楽しんでいます。地域の消防署に見学に行ったり、消防車に来てもらったりする交流もあります。近隣の農家には、畑を見せてもらったり、サツマイモやじゃが芋掘りをさせてもらっています。
・給食の献立は2人の栄養士が交代で作成し、手作りの給食を提供しています。節分・ひなまつり・こどもの日・七夕・クリスマス等の行事食や、毎月のお誕生日メニュー、卒園を控えた5歳児からのリクエストメニュー等を取り入れ、変化のある給食献立を心がけています。
・一人一人の排泄の間隔を捉え、おむつ替えやトイレへの声掛けを行っています。トイレットトレーニングについては、それぞれの子どもの発達状態を見極め、家庭と連携して進めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月案、週案、日案を作成しています。また、あそびの年間計画(音楽あそび、造形・絵画あそび、身体を使ったあそび)、食育計画を作成しています。・0・1・2歳児については、個別の月案を作成しています。幼児であっても特に配慮が必要な子どもには、個別指導計画を作成しています。
・苦情解決責任者は園長、苦情受付担当者は主任で、玄関に掲示するとともに、プリント「みんなの声の制度、苦情受付窓口の設置について」を保護者に配付し、周知しています。第三者委員2名を定め、保護者に周知しています。投書箱を玄関に置いています。懇談会、年度末及び行事後の保護者アンケートで保護者の意見や要望を聞いています。また、連絡帳や送迎時の保護者の会話から保護者の意見や要望を把握しています。
・健康管理、衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを策定し、保育室において誰でも確認できるようにし、年度初めの非常勤職員会議で、重要な部分の読み合わせをしています。
・子どものケガについては軽いものであっても必ず保護者に報告しています。事故やケガが発生した場合には「事故報告書」(医療機関を受診した場合)と「ヒヤリハットレポート」(受診までに至らない場合)に記録し、職員会議で事故報告と再発防止策に関する検討を、行っています。
4 地域との交流・連携 ・横浜市の「常設子育てひろば」に指定された園であり、地域子育て支援の様々な取り組みを展開しています。「のびのびひろば」は、年間を通して交流保育や育児講座の企画を数多く実施しています。「わくわくひろば」は定期的な園庭開放の取り組みです。こうした取り組みに参加する地域の親子との交流により子育て支援ニーズの把握をしています。また、子育て支援の中心的な立場で活発な活動を続けています。上矢部地区センターや上矢部地域ケアプラザとの共催企画の実施や近隣各所の催しへの保育士派遣(子育て相談、遊びの提供等)等、それぞれの関係機関との検討会に数多く参加しています。
・幼保小教育連携事業の一環として、5歳児の近隣小学校への学校訪問や近隣保育園の3園との交流をしています。中学生・高校生の職場体験受け入れをしています。
・工業団地内にある園であり、地元の会社との交流があります。毎年5歳児が椅子作りをする「だいくさんごっこ」では、地域の工務店の大工さんが来園して、子どもたちに大工仕事を教えてくれています。また、印刷会社は切り落としの色画用紙を大量に届けてくれています。
・地域の高齢者施設や障がい者施設と長年にわたり交流しています。子どもたちが訪問して高齢者に歌などを披露したり、障がい者が作ったパンを午後のおやつに用いるなどしています。  
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・地域に向けた園からのお知らせは、園の掲示板とホームページできめ細かく情報提供をしています。また、上矢部地区センターや町内の掲示板に案内を掲示しています。
・経営・運営状況をホームページに掲載し、公表しています。
・事務・経理・取引等に関するルールや職務分掌と権限・責任を明確化した経理規程があり、職員が誰でもみることができるように事務室に置いています。運営法人の監事による内部監査を受けています。また、監査法人による助言・指導を受けています。
・布おむつから紙おむつへの変更など、重要な意思決定にあたり、保護者に父母会で早めに伝達し意見交換しています。
・中長期的なビジョンはありますが、具体的な中長期計画を作成するまでには至っていません。また、年度ごとの事業計画はありますが、中長期的なビジョンを反映したもとにはなっていません。
・次代の幹部職員を計画的に育成しています。勤務年数が高い職員が多いことを受けて、職員の若返りを図っています。
6 職員の資質向上の促進 ・園長は、保育所運営に十分な人材構成であるかをチェックし、必要な人材の補充をしています。職員の定着率はよく、正規職員、非常勤職員ともに平均勤務年数が長いです。
・経験や職務に応じた期待水準などを記載した人材育成を作成しています。また、個々の職員の課題やキャリアパスを見据えた研修計画を作成しています。ただし職員自身が自分の具体的な目標や必要とする研修を確認できるような個々に応じた人材育成計画の作成は今後の課題となっています。
・研修係が職員の希望や園の課題などを検討し、救命救急法の定期的な研修、パソコン、手作りおもちゃなどの園内研修を計画しています。職員は、横浜市や戸塚区、横浜市戸塚地域療育センター、キャリアアップ研修などの外部研修に積極的に参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出するとともに、職員会議で発表しています。実技の披露もしています。
・担当や係、リーダーなどを定め、現場の職員に可能な限り権限を委譲しています。組織図で責任の所在を明確化しています。地域担当やリーダーは毎年交代し、職員が様々な経験をつめるようにしています。

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