かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

クオリスキッズ鴨居駅前保育園(2回目受審)

対象事業所名 クオリスキッズ鴨居駅前保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社クオリス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0053
都筑区池辺町4578-1
tel:045-932-5505
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
クオリスキッズ鴨居駅前保育園は、JR横浜線鴨居駅から4分ほど歩いた鶴見川沿いにあります。
園は、2012年(平成24年)4月に、株式会社クオリスによって設立されました。運営法人は、横浜市や東京都、大阪市で認可保育園を複数運営するほか、大阪府を中心に介護事業、人材サービスなどを幅広く運営しています。
平屋建ての園舎は、窓が大きくて日当たりがよく明るい印象です。広々としたホールがあり、行事だけでなくランチルームとしても用いています。園庭には砂場や遊具が設置されていて、プランターでは子どもたちが野菜や草花を育てています。園庭の前は鶴見川の土手となっていて、子どもたちはまるで第二の園庭であるかのように走り回ったり、土手登りを楽しんだりしています。
定員は60名(0歳児〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時半〜20時半、土曜日は7時半〜19時です。
保育理念は「保育サービスを通じて、地域社会に貢献する」、保育方針は「豊かな人間性をもった子どもを育成すること」です。それに基づき、具体的な保育目標として、「子どもが健康、安全で情緒の安定した生活ができる行き届いた環境を提供する」「人とのかかわりを大切にし、人に対する愛情と信頼感を育てる」「自然や社会への興味や関心を育て喜んで話したり、聞いたりする」の3つを掲げています。

◆高く評価できる点
1、恵まれた自然環境の中、子どもたちはのびのびと自分を表現し園生活を楽しんでいます
園は、0・1歳児は個別担当制を取り、食事や着脱、排泄などを個々の子どもの発達や生活リズムに合わせて対応することで、子どもとの愛着関係が構築できるようにしています。保育士との個別の関わりの中で、たくさん話しかけてもらい、言葉にならない気持ちまで受け止めてもらっていて、子どもたちは自分の気持ちを素直に表現し、落ち着いて過ごしています。
保育室には、仕切りやマットなどを用いてコーナーが設けられ、子どもの年齢や発達に合わせたおもちゃが子どもの手の届く所に並べられています。保育士は、子ども同士の関わりを大切に見守り、必要に応じて言葉を足して仲立ちしたり、遊び方のヒントを出したりしています。自由遊びの時間には、2・3歳児クラスではままごとや劇遊びなどのごっこ遊びを友達と仲よく遊び、4・5歳児クラスでは、トランプやカルタ、五目並べなどゲーム性のある遊びを友達と相談しながら楽しむ姿があり、子どもたちが友達と遊ぶ中で様々な学びを得ている様子を確認することができました。
4・5歳児は合同クラスとなっていて、異年齢の関わりの中、子どもたちが主体的に活動できるようにしています。「にじいろタイム」と呼ばれるコーナー保育では、段ボール遊びなど子どもの意見や関心を基にしたコーナー遊びを子どもが自由に選んで遊べるようにしています。
園は、鶴見川沿いにあり、園庭や園庭に隣接した土手、近くの河川敷と恵まれた外遊びの環境を生かし、子どもたちは雨でない限り毎日、午前、午後に外遊びを楽しんでいます。園庭でボール遊びをしたり、土手で段ボールを使って滑り降りたり、広い河川敷で鬼ごっこや追いかけっこ、斜面登りをしたりと、子どもたちは自分たちで好きな遊びを見つけ思いっきり身体を動かしています。また、季節によって変化する鶴見川の姿を楽しみ、草や花、鳥、虫、カエルなど季節ごとの自然と触れ合い、五感を養っています。

2、保育士は「一人一人の子どもを大切に」という思いを共有し、連携して保育しています
保育マニュアルに園の理念や方針、「保育倫理綱領宣言」などを記載し、全職員に配付しています。入職時に保育マニュアルの読み合わせをして説明するとともに、職員会議でも取り上げ確認しています。また、園内研修でも保育指針の勉強会や保育マニュアルの読み合わせなどを行い、常勤、非常勤職員ともに参加しています。
毎月のクラスごとのカリキュラム会議には、園長、主任、クラス担任全員が参加し、子ども一人一人の様子について話し合って指導計画を作成、評価、見直しをし、理念に基づいて子どもの年齢や発達に即した保育が実践されているかについて確認しています。カリキュラム会議以外にも、毎週のリーダー会議、全職員が参加する毎月の職員会議、行事会議、毎日の朝礼、パート会議など話し合いの機会を多く取り、職員との話し合いの中で理念に沿った保育の方向性を確認しています
このような取り組みを通して保育士は「一人一人の子どもを大切に」という思いを共有し、連携して保育にあたっています。

3、職員間および保護者とのコミュニケーションを密に取ることで、「大きな家」にいるかのような家庭的な雰囲気を作り出しています
園長、主任は、良好な人間関係を基にした風通しの良い職場環境が実現できるよう、職員とのコミュニケーションを大切にしています。定期的な面談だけでなく、日々の職員との会話の中でも職員の良い所を伝え、保育に関する不安や人間関係の悩みなどを把握するようにしています。
話し合いの機会を多く持つことで職員間のコミュニケーションがよく取られていて、日常会話の中でも職員同士で気づきを伝え合って全職員が全園児の様子を把握していて、子どもの状況にあわせて柔軟に対応できる体制ができています。風通しの良い家庭的な環境のもと、自由遊びの時間に子どもの興味や発達にあわせて他のクラスに遊びに行ったり、活動に参加したくない子どもが他のクラスと一緒に園庭遊びをしたりすることができ、子どもたちは「大きな家」にいるかのように、それぞれの思いを自由に表し、落ち着いて過ごしています。
また、家庭的な居心地の良さと風通しの良さは、保護者とのコミュニケーションの良さにもつながっていて、園長始め全職員が全保護者に気楽に声をかけ、会話を交わすなかで、保護者が話しやすい雰囲気を作り出しています。聞き取った保護者の意見や要望は職員間で共有し、対応しています。担任だけでなく、様々な職員から子どもの頑張ったことやその子らしいエピソードを伝えられることは、保護者の安心にもつながっていることが、今回の保護者アンケートでも読み取ることができます。

◆改善や工夫が望まれる点
1、個々の職員のキャリアパスを見据えた人材育成計画を作成していくことが期待されます
園は、保育理念に基づく求める人材像を保育マニュアルに記載し、その実現に向けて必要な内部研修を、非常勤職員を含む全職員を対象に計画的に実施しています。また、職員一人一人が記載した「自己評価シート」を基に、園長が達成度の評価と次年度の目標設定をし、それを個別の研修にも反映しています。
ただし、経験や能力、習熟度に応じて求められる期待水準や役割、研修などを明記した人材育成計画は策定されてなく、キャリアアップ研修へ積極的に参加しているもののキャリアパスを見据えた人材育成計画の作成も今後の課題となっています。
職員の定着率がよく保育に対するモチベーションが高いことから見て、素地はできていると思われます。園の今後を見据えた体系的な人材育成計画を文書化し、理念に沿った保育が継続して実践される仕組みを整えていくことが期待されます。

2、地域の育児支援をさらに深めることで、地域の福祉施設として根付いていくことが期待されます
園長が地域の親子広場に毎月参加し、地域の保護者へ子育てについての講演をしたり、育児相談を行っています。また、園として、園庭開放(毎月第2月曜)、親子あそび(毎月第3金曜日)、絵本の貸し出しを実施しています。
ただし、園庭開放、親子あそびを実施していますが、利用者が少なく園としては課題ととらえています。また、育児相談については園庭開放時などに応じているものの、定期的な実施にはつながっていません。園の子育て支援のチラシを親子広場に置くなど広報していますが、最寄り駅が異なることもあり、参加にまで結びつくことは少ないです。
地域の子育て支援ニーズを再度見直し、離乳食講座や遊びの提供など地域ニーズにあった育児支援の方法を工夫して地域に園の専門性を還元してくことが期待されます。また、地域に園の存在を知らせることは運営上の視点からも大切です。園のフェンスにポスターを掲示する、地域の掲示板を活用する、ホームページに掲載するなど、より効果的な広報の方法についても検討していくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育方針は「豊かな人間性をもった子どもを育成すること」、保育目標は「子どもが健康、安全で情緒の安定した生活ができる行き届いた環境を提供する」「人とのかかわりを大切にし、人に対する愛情と信頼感を育てる」「自然や社会への興味や関心を育て喜んで話したり、聞いたりする」で、子ども本人を尊重したものとなっています。
・虐待防止マニュアルがあり、園内研修で読み合わせをしています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合は、都筑区こども家庭支援課や横浜市北部児童相談所と連携する体制があります。
・職員・非常勤職員は入社時オリエンテーションにおいて守秘義務の意義や目的、個人情報適正管理規定を学んでいます。実習生については実習前オリエンテーション時に保育実習マニュアルの読み合わせをし、守秘義務の意義や目的を伝えています
・外部研修で人権について学んだ職員は、研修報告を行い全員で人権尊重について共有しています。子どもを叱るときには、頭ごなしに叱るのではなく、その時の子どもの行動に隠れている気持ちを考えながら、強い言葉や大きな声にならないよう気をつけています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育士は、子どもの表情や反応、仕草などから子どもの意思を汲み取り、言葉にして返し確かめています。言語化出来る子どもからは意見や要望を聞いています。幼児は、子どもたちで話し合い、行事の出し物などを決めています。
・時間にゆとりを持ち、子どもの意向を反映させた活動を行い、子どもが遊び込めるようにしています。子どもが遊びに集中している時は、保育士は必要以上に話しかけをしないようにしています。
・子どもたちの表現力を培うためリトミックやリズム遊びを取り入れています。0、1歳児は手遊び、2歳児からは鈴などの楽器を取り入れるなど年齢、発達に合わせて子どもたちが自由に表現できるよう配慮しています。
・4歳児5歳児は合同保育を行っています。状況に応じて3歳児も合同にすることもあります。また、1歳児高月齢の子どもが2歳児クラスに遊びに行ったり、2歳児が3歳児のクラスに遊びに行くこともあります。異年齢の子どもたちが交わることで年下の子どもたちが年上の子どもたちにあこがれを持ったり、年上の子どもたちが年下の子どもたちに思いやりを持ったりしています。
・子どもたちは、毎日のように朝、夕、散歩に出かけたり、園庭、河川敷、公園で遊んでいます。子どもの発達段階や体力に応じて遊ぶ場所を選んでいます。園庭に隣接する土手の斜面を滑り降りたり走り下りたり運動能力に応じた遊びをしています。また河川敷に続く階段を下りたり上ったり、河川敷を走り回ったりと子どもが全身を使って遊びまわれるようになっています。
・旬の食材をふんだんに使い季節感を出したり、行事食を提供し季節を感じることができるようにしています。行事食では子どもたちと一緒に巻きずし、ケーキを作ることもあります。桃の節句、菖蒲の節句などの五節句にまつわる行事を大切にし、子どもたちに和の季節の移ろいを伝えています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月案、週案を作成しています。0・1・2歳児および幼児においても特別な課題がある場合には個別指導計画を作成しています。
・マニュアル「苦情解決について」があり、保護者に周知しています。要望や苦情は、リーダー会議、職員会議で職員に周知し、対応について話し合っています。要望・苦情の記録があり、データとして活用されています。
・健康管理、感染防止対策、衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを整備しています。
・子どものケガについては、電話や送迎時口頭で状況説明をしています。状況については、事故、病気発生時記録用紙、経過記録に記載しています。記録されたケガについては、職員会議で話し合いを行っています。
・水害時避難については、隣接するマンションの協力を得てマンション3階に避難することになっています。
4 地域との交流・連携 ・毎月地域の親子広場に園長が参加し、地域の保護者への育児相談やの交流を通して、地域の子育て支援ニーズを把握しています。都筑区地域交流会や「都筑区・ほいくえん広場」に参加し、地域ニーズを把握しています。
・子育て支援サービスとして、園庭開放(毎月第2月曜)、親子あそび(毎月第3金曜日)、絵本の貸し出しを実施しています。地域の親子広場で園長が子育てに関する講演をしています。
・近隣住民を園の行事に招待しています。また、隣接するマンションに夏祭りのチラシを配付し、参加を呼びかけています。
・都筑区地域交流会には、地域の自治会、保育園や幼稚園、横浜市北部地域療育センターなどの関係機関、子育て支援団体などが参加し、交流しています。幼保小連携事業に参加し、交流しています。運動会で小学校の体育館を借りています。
・散歩時には、保育士と子どもたちは地域住民と挨拶や会話を交わしています。子どもたちは、近隣の商店に段ボール箱をもらいに行っています。子どもたちは、近隣住民に、ハロウィンのお菓子をもらったり、夏みかんや柿をもらいに行ったりし、交流しています。  
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・運営法人として「保育倫理綱領宣言」を定め、明文化しています。また職員全員に配付する「保育マニュアル」に日常の保育業務における職員の心得、「就業規則」には服務の基本や心得、信用保持等の服務順守事項が明記されています。それらは、入社時の研修で職員に周知するとともに、内部研修等でマニュアル読み合わせを実施するなど職員に周知しています。
・運営法人本部により当園含む系列園を巡回する内部監査が3か月に1回程度行われています。外部監査として税理士による監査を受け、助言や指導、指摘事項に基づいて運営法人として経営改善を実施しています。また定期的に第三者委員が園に訪問して運営状況についてアドバイスを受けたり、園運営の改善に役立てています。
・運営法人の保育事業全体における中長期的な方向性を定めた計画として、平成30〜34年度まで5か年計画が作成され、重点項目として「1.経営組織、2.事業管理、3.財務管理、4.人事管理」を掲げています。
6 職員の資質向上の促進 ・園の方針に共感し同じ思いで保育をしてくれる人材を求めており、園として職員に対して必要な研修を実施していますが人材育成の計画の策定に至っていません。運営法人として新入職員からベテランまで保育力を向上するための内外研修やOJTなど仕組みを持っていますが、園としてそれぞれ職員のキャリアパスを見据えた体系的な研修計画の作成に至っていません。キャリアパスの明示に加えて、それを見据えた体系的な研修計画の作成が期待されます。
・保育指針や保育マニュアルの読み合わせ、安全管理など毎月の園内研修など内部研修は定期的に開催しており、常勤職員・非常勤職員ともに研修参加に区別はしていません。外部研修等を受講した場合は、研修内容と感想、今後どのように保育に生かしていくか等を研修報告書としてまとめ、職員会議で報告しています。また研修資料を回覧したり、全職員で情報共有し知識を深めています。
・年1回、年度末に職員一人一人が「自己評価シート」を作成して、保育の振り返りを行い、自己評価を行う仕組みを持っています。また園内研修としてビデオカンファレンスを行っています。日常の保育の様子をビデオでとり、その時の職員の動きや保育の状況などを再確認し、良い点・悪い点含め、職員同士話し合っています。第三者的に自身の保育を見る機会を設けて、振り返る、見直す機会を設けています。
・自己評価シートにより職員の意見等を把握するとともに、日々のコミュニケーションを通じて個々の職員から提案できるような雰囲気作りに努めています。

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