かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

たんぽぽ保育室

対象事業所名 たんぽぽ保育室
経営主体(法人等) 個人
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0004
宮前区鷺沼1-3-15ソフィーナ鷺沼208
tel:044-750-9561
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要・立地環境・特徴】
●たんぽぽ保育室は、山本、中尾保育士による共同経営の保育室です。「保育ママさん」の実現を目指していた両者が志を持って、新しい小規模保育事業の制度を活用し、定員6名の「たんぽぽ保育室」を設立しました。園舎は、マンション1階(2LDK)の1区画を利用し、保育室2部屋とキッチン、食事スペース、トイレ、浴室(沐浴室)を有し、ベランダは幅が広く、夏はビニールプールを設置してプール遊びが楽しめる環境です。鷺沼地域は公園が多く点在し、恵まれた自然の中で子どもたちはのびのびと成長しています。
●たんぽぽ保育室は、田園都市線鷺沼駅から徒歩3〜4分のマンション等が建立する住宅地に位置しています。鷺沼駅に近く、商業施設にも恵まれ、渋谷経由で都心とのアクセスも良い等、若い世代も多く、子育て支援のニーズも高い地域です。周辺には、大規模保育園や、駅近に小規模保育園も多くありますが、家庭的保育の需要も高く、親身に保育してくれる家庭的な環境を望む保護者も多くいます。たんぽぽ保育室の利用者は、兄弟で上の子どもが利用した経緯から下の子どもも利用したいというリピートが多く、新園児でも保護者は変わらないケースが多く、園と保護者の信頼関係の強さが垣間見られます。
〈特に良いと思う点〉
1.【家庭的保育の実施】
●たんぽぽ保育室は、「保育ママさん」の志を同じくする共同経営者が、親身に子どもとかかわれる保育を目指したいとした「想い」が根底にゆるぎなくあります。毎日、必ず共同経営者(2名)どちらかが勤務する体制を取り、保護者は送迎時には必ず責任者に会え、子どもの様子を聞ける体制は、一般の保育園では担任から直接話が聞けない満足度に欠ける面を、たんぽぽ保育室では保障しています。利用者アンケートからも総合満足度100%を得られています。家庭的な保育が「たんぽぽ保育室」のセールスポイトです。
2.【職員体制の有効性】
●現在、正規職員は2名ですが、職員体制は共同経営者であるという安定性が信頼につながります。その為、非常勤職員、パートの職員は許容範囲での勤務体制を望め、保育経験の豊富さ、制約される勤務時間の融通性についても有利であることから、優秀な人材を採用することができています。また、日中の人員体制や、緊急時の代替体制共に余裕ある職員配置で運用できています。基本、共同経営者の1名は常に園にいる体制であり、もう1名も緊急時等に配置できる体制は大きな利点です。
3.【保護者が話しやすい、相談しやすい保育室の実現】
●保育の基本は子どもの人権尊重にあり、「大人との信頼関係を大事にし一人ひとりを大切にする保育」に置き、保護者に対して、子育てについて何でも話しやすい、相談しやすい預け先であることを大切に考えています。評価調査では、保護者の方の様子を観察していると、実家に子どもを預けに来ているような温かい雰囲気と、信頼関係を感じました。たんぽぽ保育室では保護者からの苦情は無く、それ以前に相談する、できる雰囲気があり、この環境が兄弟で継続した依頼につながっていることが確信できます。利用者アンケートでも「職員の聞く姿勢」、「要望・不満等の対応」について100%の満足度でした。
<さらなる期待がされる点>
1.【3歳児の「進路」の課題について】
●3歳児の「進路」についての点で、2点が挙げられます。1つは3歳の時点での「進路」の課題であり、もう1つは、小規模の保育室で大切にされてきた子どもと、中・大規模園で様々な子どもたちと切磋琢磨をして育ってきた子どもたちとの「差」の課題が挙げられます。進路については、連携保育所を備えていますが、物理的な要件等も視野に入れなくてはなりません。また、保育園での縦割り保育では子ども自身の学びも多くあると思いますが、子どもの生きる力の無限大を信頼しながらも不安な点は残ります。例えば、保育の中で連携保育所との交流保育、イベントへの参加等をより多く取り入れ、大人数の体制に慣れていくことも視野に入れ、取り組みに期待いたしております。

2.【遊び中心の保育への付加】
●たんぽぽ保育室では、現状の遊び中心の保育において偏りを懸念し、取り組んで行きたい保育内容にリトミックや、英語の導入の意向を示し、検討しています。例えば、リトミックは是非、連携保育所と交流保育等を通して協力を受けながら参加型で実施していく検討や、他では、モンテッソーリ教育理論の「粗大運動の活動」、「微細運動の活動」等の項目を職員共々勉強していきながら保育に取り入れていくことも良いと思われます。

3.【職員の教育について】
職員の教育は一朝一夕にできるものではありません。保育理論から接遇、心のやさしさ、豊かさ等、求める人物像にはきりがありませんが、教育は研修を受講することに限られません。また、研修出席の頻度、レベルアップの為にと機会均等により研修に参加するという本質に偏りも見られます。たんぽぽ保育室には共同経営者が職員と共に勤務して保育にあたっている環境があり、その蓄積したノウハウを是非、本物の教育として職員に伝えてほしいと思います。物理的な勤務状況を考慮し、例えば、「1日ワンフレーズ」の教育を行い、日々の積み重ねにより職員の育成、ベクトルの方向性の一致につながるものと思います。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●たんぽぽ保育室は、3歳未満児の定員6名で少人数保育を実施しており、子ども一人ひとりに目が行き届くことが最大の特長であり、丁寧な保育が成されています。日常の保育にあたっては、一人ひとりのよさを認め、自信につなげていき、同年齢・異年齢の友だちと遊ぶ楽しさを味わい、思いやりや協調の気持ちの育成に取り組んでいます。また、子どもの意思を尊重し、気持ちを受け止め、発達状況に合わせて一人ひとりに言葉がけを十分に行い、子どもの気持ちに寄り添って接しています。また、個人別マニュアル、デイリープログラムを作成してきめ細やかな保育を実践しています。
●虐待の防止・早期発見については、虐待に関するパンフレットを玄関に掲示し、川崎市・宮前区の相談窓口や児童相談所の電話番号を周知し、相談できることを保護者へ伝え、職員にも相談できる体制を整えています。日頃から保護者との会話や登降園時の親子関係、着替え時の身体チェック、子どもの心身の状態を把握し、職員間で伝達し合い、早期発見に努めています。
●個人情報保護については、職員に守秘義務を周知しています。保護者には重要事項説明書に記載し、説明の上、個人情報使用同意書に署名捺印にて提出してもらっています。子どもや保護者の情報を外部に提出する必要が生じた場合には、必ず保護者に伝えて同意を得るようにしています。子どもの気持ちに配慮した支援では、子どもの羞恥心に十分配慮し、必要に応じてシャワーを利用して気持ちよく過ごせるようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●保護者からの意向や意見の把握に向けては、連絡ノートで密に情報交換を行い、個人面談や、送迎時に口頭で意見や気になること等を聞くようにしています。保護者からの質問等に関しては宮前区や川崎市に確認してから確実な返答ができるようにしています。また、子どもの将来を踏まえ、連携保育所との活動や近隣の保育園と連携を図りながら、大人数の子どもとの触れ合いを持つよう心がけています。
●意見、苦情、相談等については、たんぽぽ保育室の特長の1つとして保護者が相談や意見を述べやすい環境であることが挙げられ、日頃からコミュニケーションを密に図り、声かけを行い、双方で話しやすい関係を築いています。相談等については個人面談の機会を設け、意見等については日誌の備考欄や個人記録等に記録し、保育の見直しと改善に努めています。
●保育の基本として、一人ひとりの気持ちを尊重し、個々の発達の過程や状況に合わせた対応に努め、子どもが安心して過ごせるようにしています。また、家庭環境や生活リズムによる一人ひとりの違いを把握し、個別に対応するよう援助しています。職員は、穏やかな声で話しかけ、子どもの話に同じ目線で丁寧に聞き、気持ちを受け止めるように接しています。配慮が必要な子ども等の対応については、3歳未満児での明確性を考慮しつつ職員間で理解し、生活の質を高められるよう支援に努めています。宮前区福祉センターの保健師や川崎市西部地域療育センターと連携し、相談・助言を得られる体制を整えています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●たんぽぽ保育室の必要な情報は、川崎市のインターネット、パンフレット、入室のしおりで提供しています。見学者には「たんぽぽ保育室 入室のしおり」で説明し、丁寧に対応しています。3歳未満児専門の保育室として、サービスの利用開始にあたり、慣らし保育を重要視して実施し、子どもの不安やストレスの軽減に配慮しています。保護者とは密に連携を図り、個別に子どもの様子を伝え、情報を共有しています。保育では、保育士との愛着関係を大切にして特定の保育士がかかわり、スキンシップを多く持つようにしています。
●保育室の全体的な計画を策定し、計画を基に年齢別、個人別の月案を作成し、全職員に周知し、保育を実践しています。指導計画は、年齢別年間指導計画および個人別指導計画、月別指導計画を作成し、全体の記録と併せて児童票等に個人別に記録し、保管しています。配慮の要する子どもについては、関係機関と連携を図り、相談・助言を受けられる体制を整えています。
●提供するサービスの実施方法については、指導計画を基に個人別デイリープログラムを作成し、全体で共通認識を図り、実践につなげています。保護者に対しては、入室のしおりに記載し、配付して説明しています。年齢別年間指導計画及び個人別、月別指導計画、個人別デイリープログラムについては、実施計画・結果を個人記録と併せて保管し、必要に応じて随時、見直しを行っています。
4 地域との交流・連携 ●たんぽぽ保育室の情報提供は、川崎市ホームページ、宮前区ホームページ、宮前区保育施設等マップ、「子育て支えあいネットワーク満」、みやまえ子育てガイドとことこ(Web版)等に情報を開示しています。近隣の散歩時には地域の行き交う方に声をかけてもらい、挨拶を交わし、ハロウィンの行事の際は、馴染のお店でお菓子をもらう等、地域と交流を深めています。
●川崎市社会福祉協議会主催の「川崎市保育まつり」に参加し、子どもたちの作品を掲示したり、宮前区民祭では区役所にたんぽぽ保育室のパンフレットを設置して紹介しています。ボランティアの受け入れについては、オリエンテーションを事前に行い、近隣の中学生の体験学習を受け入れています。
●地域の関係機関との交流、団体との連携では、宮前区の連絡会議や、川崎市子ども・子育て会議に参加し、連携を図り、市の取り組み、地域の情報を把握しています。また、宮前区主催の活動に参加し、地域の福祉ニーズを把握しています。マンションの管理組合にも加入しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●たんぽぽ保育室の理念・基本方針は職員全体で話し合い、作成しています。理念・基本方針は重要事項説明書や入室のしおりに掲載し、保育室内にも掲示していつでも確認できるようにしています。また、職員会議で都度、理念、方針について説明し、職員間で理解を深めています。中長期計画については、事業計画の中に中長期的要素を盛り込んだ事計・中計の形式で策定しています。
●管理者の役割、責任等については、業務規定の中で職務権限を明示し、職員にも表明しています。管理者は質の向上に意欲を持ち、自ら研修に参加して研鑽を図り、職員に研修の受講を促し、保育の知識・技術等の向上に取り組んでいます。職場は話しやすい環境作りを行い、職員の意見、意向を把握し、働きやすい職場環境作りに努め、改善に向けた運営に取り組んでいます。また、設置要綱に基づいた職員数等を確保し、適切に配置し、業務の効率化と改善に向けた取り組みを積極的に推進しています。社会労務士、税理士等からも業務の効率化と改善の指導を受け、より良い保育室作りに尽力しています。
●サービス内容の評価については、今年度、小規模保育の運営と体質改善に向けて第三者評価を受審し、見直しを図り、結果を検討し、サービス内容の質の向上につなげていきます。さらに、年間指導計画のあり方等についても検討を図っていく予定でいます。
6 職員の資質向上の促進 ●人材の採用については、設置要綱に基づいた職員数等を確保し、子どもの活動や、子どもの人数に応じた人員体制を確保しています。非常勤職員やパート職員の採用については、希望時間を配慮して働きやすい環境作りに努めています。遵守すべき法令・規範・倫理等については就業規則に記載し、職員にも説明し、理解を促しています。
●職員の教育・研修については、正規職員は外部研修に参加し、非常勤職員については、職員会議の中で研修の場を設けて実施しています。避難訓練時に消防署の協力の下、救急救命法の研修を受講し、全職員が取得しています。宮前区の制度を活用して講師の派遣を受け、室内研修を実施し、知識等の研鑽を図っています。また、研修を受講した正規職員から会議等で伝達研修を行い、保育者の資質向上、職員相互の研鑽を図っています。川崎市、宮前区主催の講習等には積極的に出席するようにしています。
●管理者は、職員の日々の様子、就業状況や意向を把握し、体調、家庭の事情を考慮し、シフトの調整に配慮しています。また、有休休暇の消化も推進しています。福利厚生では、月1回、検便を実施し、年1回、健康診断の受診を行い、職員の健康維持に取り組んでいます。正規職員は個人事業保健に加入しています。

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