かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

港南台保育園(2回目受審)

対象事業所名 港南台保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 明真会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0054
港南区港南台3-7-5
tel:045-833-0763
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 港南台保育園は平成29年4月に横浜市立保育園から民間移管され、社会福祉法人明真会により開園し、2年目になります。0〜5歳児までの定員118名、平成31年1月現在130名が在籍し、産休明け保育、延長保育、障がい児保育を実施しています。
 園はJR港南台駅から徒歩3分の場所にあり、周囲には商業地域でマンションが立ち並んでいますが、近隣には多くの公園や緑地があります。駅に近い園ですが、広い園庭があり、園庭の畑などでとうもろこしやなす、じゃが芋、大根などを育て食育に活用しています。夏みかんや梅、やまももなどの木も実を付けています。こうした環境の中、子どもたちは園庭で遊び、公園に散歩に行き、四季を感じ、伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○園の職員全員が協力して、地域支援をはじめ園の民間移管を順調に推し進めています
 園は民間移管後2年目ですが、かつての横浜市立保育園(昭和52年開設)からの地域子育て支援事業の流れを引き継ぎ、地域の「港南台子育て連絡会」に参加しています。連絡会は地域の保育所、地域ケアプラザ、が加盟して、さまざまな地域支援行事を主催しています。また、園でも年間の子育て支援事業計画を作成し、園庭開放や夏季のプール開放、園児と一緒に遊ぶ交流保育(園庭でのどろんこ遊び、七夕集会、ひな祭りなど)、育児相談、育児講座、絵本貸し出しなどを行っています。一方、法人の系列園で実施中の専任講師による理科実験教室やリトミック、アート教室の保育取り入れなど、保育内容の充実に努めています。園は全職員が協力し、保護者や地域の協力を得て、市立保育園の伝統を受け継ぎ、民間移管を順調に推し進めています。

○市立園の良さを残し、ルールと内容を一部変更することで保育の質、サービス内容の向上を図っています
 民営化以前は、送迎時に保護者が保育室に自由に入れることで、片付けや着替えなどある程度の年齢であれば子どもができることも、子ども自ら行う機会が奪われてしまうことがありました。さらに感染症蔓延の引き金になることもありました。そこで、保育室を親の入れるスペースと子どもの活動スペースを分けました。送迎時に保育室で子どもの遊んでいる様子を見ることができるのは以前と同じですが、園が大切にしている子どもの自立と主体性を大切にした「子どものできる事を奪わない」方針が生かされ、子どもは、自分で今何をしたら良いか、どのようにしたら良いかと自ら考え行動するようになりました。さらに、スペースを分けたことで衛生管理の面についても改善が見られ、保育の質、サービス内容の向上につながっています。
○管理層の指導のもとで職員が主体的に保育に取り組んでいます
 経験豊かで指導力に優れた園長のもとで、職員たちが自分の力を発揮し、園の理念「これからの社会を担う子どもの健やかな育ちを求め、一人ひとりの子どもの心と伸びようとする力を大切にした保育を目指します」の実現に向けて努力しています。園長は一人一人の職員を保育のプロフェッショナルとして尊重し、大切な人材であると考え、職員が保育の仕事以外でストレスをためないようにしています。職員は子どもの利益を最優先に考え、日々の保育に取り組むことができています。園長と職員は毎日定刻にミーティングを行って、全職員が即日に情報共有するとともに、迷いや悩みを一人で抱え込まずに報告、連絡、相談します。園長は折に触れて職員のスキルに合わせた指導を行い、職員間のチームワークを大切にすることを教えています。

《事業者が課題としている点》
 民間移管後に引き継がれた課題も、解決のための良い方向へ進められていると考えていますが、保護者の一部からは「前はこうであった?」などの意見が行事の都度寄せられています。行事開催での会場、設備条件の変更など難しいこともありますが、子どもたちの成長している姿、過程の成果は保護者、保育士間で共有を積み上げられるよう工夫が必要と考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園の保育理念は「これからの社会を担う子どもの健やかな育ちを求め、一人ひとりの子どもの心と伸びようとする力を大切にした保育を目指します」となっています。基本方針は系列園とともに共通化されており、園長が年度末に基本方針について説明し、年度の振り返りを全員で行っています。保育の理念や基本方針は明文化され、園の玄関と各クラスに掲示しています。園のパンフレットには保育目標を記載しています。保護者には入園説明会の際に、理念と基本方針を説明しますが、入園の際に渡す「重要事項説明書兼入園のしおり」(以後は重要事項説明書と表記)にも記載しています。各クラスの職員は理念や基本方針を基に年間の保育指導計画を作成し、日々の保育を行っています。
 職員が子どもの名前を呼ぶときは、保護者面談の際に子どもの呼び名を確認したうえで「さん」「ちゃん」を付けて呼んでいます。日常の保育では危険な場面以外は否定口調を使わないようにして、話し方やテンポにも配慮しています。園長は子ども一人一人に人格があり、母親のような思いで子どもの気持ちを受け止め、年齢や発達に応じた対応ができるように職員を指導しています。子ども同士のトラブルに対しては双方の思いを受け止め、相手の気持ちになって考えてみようと話しています。「保育士の心得」の中で、子どもに取るべき態度や言葉遣い、禁止事項を規定しています。日頃から園長と職員は子どもの人権や保育の姿勢について話し合っています。
 系列園共通の「個人情報管理規定」で個人情報の取り扱いや守秘義務について職員に周知しています。ボランティアや実習生を受け入れる際にはオリエンテーションを行って個人情報の取り扱いについて説明を行い誓約書に署名を受けています。その際に渡すマニュアルにも記載しています。保護者には入園説明会の際に、守秘義務や個人情報の取り扱いについて説明し、同意書に署名を受けています。個人情報に関する記録は鍵のかかるキャビネットに保管し、持ち出しを禁止しています。園を最終退出する職員は施錠したうえで退出記録を残します。会議などの資料をコピーしたものや、法人で規定した文書管理規定期間が過ぎた書類は情報共有した後、原本以外はシュレッダー処理しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 年間、月間指導計画、週案、デイリープログラムがあり、子どもの様子、ねらい、内容、保育士の配慮、家庭との連携を記載しています。年間指導計画は年度末に、月間指導計画は月ごとに振り返りと個人配慮を記載しています。言葉による説明だけでなく、保育室内のおもちゃ置き場には絵や写真を貼って、子どもたち自身が整理整頓できるようにしたり、絵を使って一日の活動の流れを書いたりして、子どもが理解できるようにしています。担当職員は、子どもの動きや表情を見て、子どもがどんなことを望んでいるかくみ取るようにしています。指導計画を見直す際は前月の子どもの様子について話し合い、子どもの意見や要望が柔軟に生かせるようにしています。
 0歳児クラスは壁面に引っ張る、貼り付けるなどの指先遊びができるコーナーがあり、遊具は子どもたちが選びやすい低い棚に用意されています。どのクラスも、ごっこ遊び、見立て遊びなど年齢に応じて子どもの感性を豊かにする遊具があります。そして、どこにしまえば良いのか写真、イラストなどでわかるようにして、片付けも自分でできるように工夫されています。ブロック、積み木、ルールのある遊びなど、子どもの発達や年齢に合わせて用意し、いろいろなコーナーを作って遊んでいます。一斉保育以外の朝夕の時間は自由時間となっており、子どもたちが思い思いのコーナーで自由に遊んでいます。
 園庭で見つけた青虫のことを図鑑で調べたり動きを観察したりするだけではなく、運動会の競技種目につなげました。また、散歩のときに公園で見つけたどんぐりなどを季節の製作物に取り入れています。だんごむしが冬に冬眠することに気付いた子どもたちは、元いた場所に返して命の大切さも学んでいます。園庭内にある畑やプランターでは1歳児から野菜などの栽培を行い、収穫をしています。そのほか、公園愛護会の方と一緒に園でひまわりの種をまき開花後に一緒に写真を撮ったり、5歳児は他園と定期的に地域ケアプラザで交流をしたりしています。5歳児は公共の交通機関を使用して市電博物館に出かけるなど公共でのマナーも学んでいます。散歩では、子どもたちは地域の方と元気に挨拶を交わしています。


3 サービスマネジメントシステムの確立  短縮保育については入園説明会で説明するほか、「短縮保育のめやす」パンフレットを渡して個別対応しています。入園面接では保護者と短縮保育の期間について話し合い、「新入園児聞き取り票」に記録します。子どもを少人数のグループとし、子どもと職員の相性やスキルに合わせて緩やかな担当制をしいています。縫いぐるみやタオルなど、子どもが心理的なよりどころとする物の持ち込みを許可しています。子どもの生活が家庭と園で無理なく引き継がれるように、園での様子が時系列でわかる連絡ノートがあり、職員が毎日記載して保護者と連携しています。進級時には可能な限り旧担任を残し、在園児が落ち着いて生活し、遊べるようにしています。
「重要事項説明書兼入園のしおり」の中で苦情解決について記載しています。苦情受付窓口は園長、苦情解決責任者は理事長とし、第三者委員、外部の権利擁護機関についても明記しています。第三者委員の連絡先は園の玄関や保育室に掲示しています。第三者委員には園だよりを送付し、行事へ来賓としての参加をお願いするほか定期的な意見交換会を行うなど、連携しています。園内には「ひまわりポスト(意見箱)」を設置しています。保護者には懇談会で意見を聞くほか、行事ごとにアンケートを実施し、要望や苦情を聞いています。園長は送迎時の保護者の表情や様子に注意し、子どもの園での生活状態については担任の報告と意見を聞いています。
 安全管理に関するマニュアルは、事故防止と対応、災害時の対応について作成されており職員に周知しています。プール活動、水遊びの手順、注意事項は衛生管理マニュアルに記載され、保育と監視役の担当を分けています。棚や扉を固定し、地震時の安全対策を講じています。毎週安全点検を行い、チェック表に記入しています。子どもの午睡時には呼吸チェックを行っています。保護者の緊急連絡先は複数の箇所を聞き取り、9月の訓練時に一斉メールの確認をしています。毎月、地震と火災を想定して避難訓練を実施しています。救急法については、毎年消防署から研修を受けています。
4 地域との交流・連携  園の保育方針の中に「地域に向けて積極的に子育て情報(育児講座、相談、交流保育等)を発信し、連携を深め子どもの成長を共に支援していきます」とあるように、園は地域と連携し、子どもの成長をともに支援していくとしています。園庭開放や交流保育、育児相談などの参加者などから園への要望把握に努めています。園は民営化で発足して2年目ですが、横浜市立保育園時代からの地域子育て支援の流れを引き継ぎ、地域の「港南台子育て連絡会」に参加しています。連絡会は地域の保育所、地域ケアプラザ、民生委員児童委員協議会、港南区役所こども家庭支援課などが加盟して、さまざまな地域支援行事を主催しています。園長はこの連絡会や港南区の園長会の研修会に出席して地域の子育て支援ニーズについて話し合っています。
 園の子育て支援事業担当者の主任は年度末の職員会議などで1年間の支援事業の報告をして、次年度に向け改善点などを話し合っています。この結果を受け、新年度に入って年度の子育て支援事業計画を作成し、職員会議などで説明した後、港南区こども家庭支援課に提出しています。園庭開放は平日10〜12時(8月、年末、年始休みあり)に行い、夏季は保護者監視でプール開放もあります。園児と一緒に遊ぶ交流保育には園庭でのどろんこ遊び、七夕集会、お正月あそび、節分集会、ひなまつり集会などがあり、平日随時の育児相談、平日の絵本貸し出しも行っています。また、地域の親子に向けて、年1、2回の育児講座を実施しています。
 将来の利用者のために、園のパンフレットや法人・園のホームページなどで園の情報を提供しています。パンフレットや園の行事案内を港南区こども家庭支援課の常設スペースに置かせてもらっています。パンフレットには保育目標や定員、開園時間、敷地・建物面積、保育時間、保育の一日、年間行事、園の外観写真、案内図を記載し、園庭開放や交流保育の来園者、園の見学者などに配付しています。また園のホームページには前記の内容や保育理念、保育方針、園の特色、園の環境、平面図などを保育の様子の写真とともに紹介しています。園の情報は、港南区こども家庭支援課や横浜市こども青少年局のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」などに進んで提供しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 職員はクラスごとの自己評価の結果をカリキュラム会議や職員会議で報告し、話し合っています。話し合いの中から園としての課題が明らかとなり、改善策を検討して、園の自己評価に結び付けています。1、2歳児の給食は従来、職員の配置は一定ではありませんでしたが、子ども3人に対して職員1人の体制をとることで統一しました。職員からは「一人一人の好みが把握しやすくなり、苦手な食物もある日から食べられるようになった」 保護者からは、「ていねいに見てもらえて嬉しい」などの評価がありました。園の自己評価は園の理念や方針、全体的な計画に基づいて作成しています。園長はこれを職員会議などで職員に確認した後、各クラスの保育室や園の玄関で公表しています。
 園の保育理念や保育方針、保育目標は、玄関や各保育室、事務室などに掲示し、保護者や職員の目に常にふれるようにしています。またこれを記載した重要事項説明書や主要マニュアル集、「全体的な計画」を全職員に配付して、園長や主任から入職時に説明を受け、また年度初めの職員会議などで確認し、周知を図っています。指導計画は「全体的な計画」に基づいて作成しており、園長は指導計画の見直しのつど、「全体的な計画」の理念や方針、目標などに立ち返るよう指導しています。園長は「自己評価・人事考課」表による年2回の評価面談のときなどに、職員が理念や方針、目標を理解して職務にあたってきたか確認しています。
 園長は港南区や横浜市の園長会、法人の園長会、「港南台子育て連絡会」などに出席して、保育に関する法制度の新設、改定や待機児童の動向、小規模を含めた新設園の動向など、園の運営に影響のある情報を収集、分析しています。保育所保育指針の改定や処遇改善にともなうキャリアアップ制度の新設など、重要な情報は職員会議などで説明し、重点課題として事前研修などで学び、理解を深めています。現在の園の最重要課題は、民営化後2年目、市立保育園の良き伝統を引き継ぎ、保護者と地域の支持を得る園の運営です。地域の子育て支援で、数か所の小規模保育室に平日の園庭を開放し園児と交流するなど、良き伝統を引き継ぎ、保護者や地域の支援を得ながら、園の一層の発展を目ざして全職員が園全体で取り組んでいます。


6 職員の資質向上の促進  園長は園の運営に必要な職員が確保されているか常に把握しています。園は市立保育園の民営化後、開園2年目ですが、市立保育園からの継続勤務職員もおり、常勤職員比率は高く、基準人員は維持できています。園の理念、方針を踏まえた人材育成計画を作成しています。この計画は職員を職員全体、新任者、中堅、主任・ベテラン、管理職層に分け、各々に必要な資質を目標として示して、その資質を実現するための取り組みを明らかにしています。また、職員のキャリアパスを見据えて、キャリアアップ制度導入後の職制階層の一覧を作成しています。園長と主任は年2回各職員が記入した「自己評価・人事考課」表に基づき個人面談を行い、面談の中で課題を話し合い、評価し、フォローしています。
 主任と園長は横浜市や港南区、大学、教育機関などが主催する研修リストから、職員のキャリアアップを考慮した研修や職員の希望する研修、業務での必要性を考慮して研修を選び、外部研修計画を作成しています。外部研修参加者は報告書を作成し、全職員に回覧し、研修内容の共有に努めています。園内研修は年度初めの消防署員のAED実施研修やキャリアアップ研修受講者の報告、日々の保育からの課題研修などを実施し、職員は全員が参加できるよう、子どもの午睡時間中などに同じ内容を複数回に分けて実施しています。非常勤職員も必要な研修に参加しています。港南区主催の療育セミナー研修では地域療育センターで実施見学をしています。今年度は法人本部主催で、「絵本について」というテーマで研修を実施しました。園長と主任は外部研修の実施状況から研修を評価して次に生かしています。
 人材育成計画では職員を、初任者、中堅、主任・ベテラン、管理職層に分け、その階層に必要な能力と経験などを期待水準として明文化しています。園長は園の最終責任者ですが、日常の業務は現場の職員の自主的判断に任せています。しかし、けがや病気、保護者の苦情などの際は必ず速やかに主任や園長、副園長に報告、連絡、相談するように徹底しています。また、園の各行事や防災、地域支援など園の職務を職員に分担し、任せることで、職員の意欲と責任感を引き出しています。園長は職員と面談する際に来年度の配属希望や意見を記入してもらい、職務の満足度や要望、悩みを聞き、相談にも応じています。

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