かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

竹山保育園(2回目受審)

対象事業所名 竹山保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0005
緑区竹山3−1−15
tel:045-932-3032
設立年月日 1972(昭和47)年04月10日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
 横浜市竹山保育園は昭和47年4月に開園しました。JR横浜線鴨居駅よりバス12分の、自然に囲まれた竹山団地の中にあります。周辺に大小さまざまな公園があり、子どもが散歩や戸外活動に利用しています。竹山小学校が隣接しており、交流の機会が多くあります。
 園舎は鉄筋コンクリート2階だてで、692.1uの園庭があります。0〜5歳児定員72名で現在78名が在園しています。

・園の特徴
 園独自の保育方針を「家庭的な雰囲気を大切に」としています。園目標は「自分も人も大切にできる子ども」としています。また地域の子育て支援への積極的な取り組みや、地域住民と一緒に清掃活動を行ったり、会食や交流会に参加したりしています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもが主体的に活動できる環境設定の工夫
職員は、子どもの年齢・発達に応じて、伝えようとする思いや意向を汲み取るように努め、子どもが安心して思いを表現したり、自分の興味を持った遊びや活動を、一人で、あるいは友達と一緒にできるよう援助しています。子どもたちは製作など課題のある一斉活動以外、朝、夕の合同保育時間帯、食事前後や午睡までの時間帯は自由に園庭や室内で遊んでいます。じっくり絵を描いたり、絵本コーナーでゆっくり過ごしたり、友達と一緒に細かいブロックで作品を作ったり、編み物に熱中したりしています。幼児(3〜5歳児)クラスでは、自由遊びの時間帯は、どこの幼児クラスで過ごしても良いことになっており、自由に行き来しています。
室内には、子どもの手が届く棚におもちゃ、素材、教材、絵本などを用意したり、コーナーを設定し、好きな遊びができるようにしています。押し入れの下のスペースは子どものお気に入りの場所となっています。テラスも活用しています。
園庭では固定遊具のほかに、ボール、フラフープ、タイヤ、巧技台、三輪車、砂場道具など自由に選んで遊んでいます。砂場以外でも自分が好きな場所で泥遊びや、土を掘ったりして遊んでいます。異年齢で一緒に園庭で遊ぶ時も、他クラスの子どもと同じ遊びをしたり、声をかけ合ったり、低年齢児に自然に配慮するなどの姿も見られるようになっています。

2.子どもが工夫して遊べる遊具
 牛乳パックを利用した手作りの、折り畳み仕切りや囲いなどを数多くそろえています。自由に組み合わせたり広げたりして、長く線路のように伸ばしたり、場所を囲って中に入って乗り物にしたりしています。また囲いを作って、落ち着いた場所として使う場合もあります。子どもそれぞれが遊びを膨らませています。
 園庭に、タイヤや巧技台が置かれています。子どもがタイヤの場所や間隔を移動し、タイヤの上を飛んだり、巧技台の高さを変えたり組み合わせたりして、よじ登ったり、飛び降りたりして遊んでいます。職員は安全面に配慮しながら子どもの遊びを見守っています。

3.改善を進める努力
 全職員で、園の保育内容の向上を目指す努力をしています。非常勤、アルバイト職員も含め、目標設定・振り返りの面談を園長と行ったり、外部・内部研修の参加、業務改善に向けての話し合いをしています。だれでも自由に意見が書き込めるアイデアボード(「あったらいいなボード」「作業ボード」)を設置しています。
 とくに、内部研修意見をもとに、昨年度から「園庭改革プロジェクト」を立ち上げました。子どもの心と体の発達について学びなおし、「危険が伴うから制限」ではなく、「子どもがより一層豊かで、主体的に遊びこめるか」を視点に、園庭の環境を整備しています。子どもが三輪車を決まった場所から自由に出したり、おもちゃ、道具類も収納庫から出して遊べるようにしています。

4.保育の取り組みを保護者に分かりやすく提供するしくみ
園での取り組みを保護者に理解してもらうために、日常の保育の様子を写真にとりコメントをつけて、園内に掲示しています。活動の様子(例:園庭遊び)を写真にとり、異年齢との関わりや、保育者との関わり、子どもがどう工夫しているか、遊びと運動やバランス感覚についてなどの簡単なコメントもつけた資料を掲示しています。年2回の懇談会では、写真やビデオ映像を使って説明しています。保護者に配付する園だよりやクラスだよりではイラストや写真、子どものエピソードを豊富に載せています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.地域の文化・レクリエーション施設などの利用
 徒歩圏内に図書館やレクリエーション施設、文化施設などがなく、日常的な利用がされてません。年齢に応じた活動や子どもの興味・関心に沿って、地域資源を生かした園外の文化財と出会うことにより、子どもの視野を広げる体験の機会を増やす工夫が期待されます。 

2.3歳未満児の個別指導計画に個別の振り返りの記録ができる書式の定型化
 3歳未満児の個別指導計画はクラスの月間指導計画の中で作成しています。子どもの様子や職員の配慮を職員間で振り返り、話し合って次月の計画に繋げていますが、現在の横浜市の3歳未満児の個別月間指導計画には職員の評価・振り返り欄がありません。発達や成長の個人差が激しい3歳未満児の個別指導計画に対しての評価・振り返りが記載できるよう、横浜市の書式の改定について検討が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念、運営方針は、「子どもの権利条約」「児童憲章」「保育指針」「よこはまの保育」に基づき、子どもの人権、主体性、最善の利益が尊重される保育を行うとしています。職員は、横浜市と緑区の「人権啓発研修」「保育士としての人権研修」を受講し、子どもの人権を尊重し、威圧的な言葉遣いや無視を行わないよう再確認しています。

・プライバシーに配慮して、子どもや保護者と個別に話し合える場所として事務室があります。職員は、子どもの様子から友だちの前で話したくない時は、廊下の隅にダンボールの衝立で作った「にこにこるーむ」、階段、ホールや空いている保育室で、一対一で話し合っています。

・職員は、横浜市の個人情報取り扱いに関する研修を受講し、横浜市の職員としての守秘義務の意義や目的について学んでいます。保育室に掲示する子どもたちの作品には、個別のマークを付けて、個人名を表示しない工夫をしています。

・服や持ち物の色、柄、遊びや玩具の選び方は、性差に関係なく、子どもの好みを優先し、子どもの自由な発想や思いを大事に受け止めて対応しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・職員は、誰に対しても公平で、温かい態度や言葉遣いをすることや、子どもの気持ちに寄り添い、話を十分聞きとることなどを心がけ、子どもとの信頼関係の構築に努めています。

・衛生に関するマニュアルに沿って、園内外の清掃を行っています。各部屋に加湿器、空気清浄器があります。適宜窓、扉を開放し空気の入れ替えをしています。

・棚、敷物、衝立、押し入れの下などを利用してコーナーを作り、子どもが自分の好きな遊びに落ち着いて取り組めるようにしています。おもちゃ類の設置場所には、そのおもちゃの写真やイラストを貼ったり、ひらがな表記をして片づけしやすいようにしています。

・園の畑で、ナス、ピーマン、ゴーヤ、サツマイモ、トウモロコシ、インゲン、小松菜などを栽培し、収穫後、調理や製作に活用しています。蚕を飼育し、繭でコサージュを作ったこともあります。

・「異年齢活動年間計画」をたて、自由遊び時間に異年齢で遊ぶ、合同クラスで散歩に行く、他クラスの布団敷きの手伝いをする、3〜5歳児の縦割りグループでの活動など、日常的に異年齢の子ども同士の関わりを持てるようにしています。

・園庭では、鉄棒、滑り台、ジャングルジムの固定遊具のほかに、年齢発達に応じて、手押し車、スクーター、三輪車、各種ボール、フラフープ、タイヤや巧技台などを準備しています。低年齢児の保育室には、マットや低い斜面型遊具があります。ボールでリズム遊びをすることもあります。

・食器は磁器を使用し、食材は、近隣の商店から購入しています。その日の味付け担当をした調理担当職員が各クラスを回り、食事の様子を見たり、子どもと話をしたりして、子どもの喫食状況や、残食状況を把握しています。

・乳幼児突然死症候群対策として、0歳児クラスは5分ごと、1、2歳児クラスは10分ごとに、子どもの体に触れ、呼吸と顔色、姿勢などを確認し、「SIDSチェック表」に記録しています。

・トイレットトレーニングは、子どもの発達の状態を把握し、家庭と連携しながら進めています。

・横浜市保育所苦情解決要綱があり、保護者からの苦情や要望、意見については「苦情要望受付書」に記録し、全職員に周知して対策を講じています。

・保護者には、連絡帳、クラスノート、クラス内掲示板を活用するほか、口頭で子どもの日中のエピソードを伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画は、「地域の特性」「地域とのかかわり」の項目を設け、地域の実態や周囲の環境、家庭の状況を考慮し具体的な内容を記述したものとなっています。

・年齢ごとの指導計画を作成し、年間指導計画は4期に分けています。月間指導計画は毎月クラスやカリキュラム会議で話し合い、作成と見直しをしています。

・乳児保育(0歳児)では、子どもの表情をよく見て、子どもの伝えようとする思いや意向を汲み取るようにしています。喃語にも職員が言葉で応答したり、スキンシップをしたり、子どもとゆったりと関わっています。

・1歳児以上3歳未満児の保育では、一人一人のやりたい気持ちや思いを受け止め、無理にやめさせたり制限したりすることなく、子どもの気持ちになり一緒になって考えるようにしています。

・3歳児の保育では、自分の興味を持った遊びや活動ができるスペースを確保したり、コーナーを設定して落ちついて遊べるようにしています。

・4歳児の保育では、自信をもって行動できるようにし、友達とともに楽しめるよう声かけをしています。遊びや活動のルールを知らせ、守ることを伝えています。

・5歳児の保育では、友達と協力しあって一緒に製作物を作ったり、ルールのある遊びを楽しんだりしています。日常の中で、お互いに意見を言い合ったり、自分の思いを伝えられるように、また相手の気持ちも理解できるように援助しています。

・3歳未満児について、毎月個別指導計画を作成しています。3歳以上児でも、特別な課題や配慮が必要な場合に個別指導計画を作成しています。

・食物アレルギー、発達の遅れ、障がいなど特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。障がいの特性を考慮した個別指導計画を作成しています。療育センター、横浜市の臨床心理士の巡回相談での助言や、保育に生かせる点を、ケース会議、カリキュラム会議、週末会議で伝えています。

・虐待が明白になった場合は、緑区こども家庭支援課や児童相談所に通告・相談する体制となっています。疑わしい場合や見守りが必要な場合は、各会議や毎日の夕方ミーティングで全職員に周知し、子どもの身体状況、食事の様子、親子の様子を細かく観察することにしています。

・食物アレルギーについて、かかりつけ医の診断後「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」に基づき対応しています。

・外国籍の子どもについて生活習慣、考え方を尊重しています。入園時に配慮事項を確認し、日常保育に反映させています。

4 地域との交流・連携

・地域向けに、赤ちゃんの駅、育児講座を年1回、交流保育を年4回、離乳食ランチ交流を月に2、3回、園庭開放は、毎週月曜〜金曜、ホール開放を月に2、3回の他、身体測定や絵本の貸し出しを行っています。

・移動動物園、お正月会などの行事に地域の親子や近隣の保育園児を招待しています。5歳児は、公園愛護会の人達と一緒に公園の清掃活動を行い、お正月会やおやつの会食会にも招待して、交流しています。地域の高齢者の集まり「寿会」に5歳児が毎年招待され、踊りを披露し、一緒に体操をするなど交流しています。

・NPO法人が発行している「みどりっこひろば」に子育て支援情報を提供しています。園だよりを第三者委員、主任児童委員、竹山小学校に配付しています。

・近隣の小学校、幼稚園と定期的に交流を図っています。5歳児のドッジボール大会に4歳児の応援で参加しています。5歳児クラスの年度末の保護者懇談会に小学校教師を招いて、就学へ向けて情報交換しています。

・図書館司書による年齢に合わせた絵本のおはなし会が毎月あります。司書の人は,園や家庭で入手することが望ましい絵本を紹介しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・「保育理念」「保育目標」「保育方針」「保育姿勢」を、職員玄関、事務室、各クラスに掲示し、全職員に配付しています。組織・職員が守るべき法・倫理・規範はなどについては、職員には新採用者研修で周知しており、横浜市人材育成ビジョンに、「職員行動基準」「倫理・法令順守」が明記されています。

・ごみ担当の職員を決めて、牛乳パックなどを利用して遊具の製作、生ごみの水分の減量、裏紙の再利用などのゴミの減量化、リサイクルを行っています。

・重要な意思決定は横浜市や緑区の方針に基づき、園長が懇談会、保護者会や園だよりなどで説明し、保護者と継続的に意見交換をしています。

・主任及び主任クラス職員は、個々の職員の能力や経験にあわせた助言や指導を相互に行っています。

6 職員の資質向上の促進

・横浜市保育士分野人材育成ビジョン、保育士キャリアラダーに経験年数、階層別に役割・期待水準が明文化されています。目標共有シート、キャリア自己分析表、保育士キャリアラダーを用いて、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度などを評価する仕組みがあります。

・横浜市こども青年局、緑区こども家庭支援課で、横浜市人材育成ビジョンに沿った研修計画が策定され、園長は、職員の希望に沿った年間研修計画を策定し、職員が研修に参加しています。

・園長、主任、クラス担任、リーダー的職員が中心となって、非常勤職員と常勤職員のコミュニケーションが図れるよう、職員配置やローテンション勤務を工夫しています。職員会議時の書記は、非常勤職員向けの「フォロー会議」で職員会議の内容、研修報告を行い、資質向上に取り組んでいます。

・職員は子どもの成長や発達過程、クラスの特徴に合わせて指導計画を立て、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などを毎月のカリキュラム会議やケース会議で確認しながら指導を継続し、次月の計画に反映しています。

・園内研修の意見から、昨年度より「園庭改革」のプロジェクトを立ち上げ、子どもたちにとってより良い園庭にする取り組みを行っています。

・職員は、アイデアボード(「あったらいいなボード」「作業ボード」)により良い職場、保育につながるアイデアを提案し、職員会議やミーティングで話し合い、保育や運営の改善に反映しています。

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