かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

育美保育園(2回目受審)

対象事業所名 育美保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 有限会社育成会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0054
港南区港南台7-42-30サンライズ港南台2F
tel:045-834-2373
設立年月日 1994(平成6)年11月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は平成6年に無認可保育園として発足して今年度で25年目、平成9年に0〜5歳児の横浜保育室となり、平成16年に認可保育園となりました。定員は0〜5歳児の99名で、平成31年度より定員90名となる予定です。産休明け保育と延長保育、障がい児保育、一時保育を実施しています。園はJR根岸線洋光台駅または港南台駅からバスで7分、臼杵バス停留所から徒歩2分ほどの広い道路沿いの住居ビルの2階にあります。周囲は道路に面した商業ビルもありますが、戸建てやマンションの住宅が広がり、自然豊かな公園がいくつもあります。園は近くに園庭があり、園庭の畑でさつま芋や野菜を育て食育に生かし、花を咲かせています。子どもたちは毎日のように公園や園庭で遊び、自然に触れ、伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもたちは多くの散歩コースを使って戸外活動をし、室内でもサーキット運動やリトミックで元気に体を動かしています
 園の周囲には園庭とともに多くの公園があり、またハイキングコースのある円海山も近くにあります。子どもたちはその日の目的によってコースを選び、ほぼ毎日戸外活動に出かけています。夏には公園のプール、秋にはドングリ拾いや落ち葉で遊ぶなど季節に合った遊びをし、ドッジボールやリレー、追いかけっこなど集団での遊びも楽しんでいます。こうした活動で体力を培い、5歳児はお別れ遠足として円海山を越えて1時間半を歩くコースで金沢自然公園まで行っています。また室内でもサーキット運動やリトミックなど体を動かす活動を取り入れています。サーキット運動では、跳び箱や平均台、フラフープ、縄跳びなどを使い、さまざまな運動をしています。子どもたちは体を動かす機会を多く持ち、元気にまた楽しそうに活動しています。

○園の保育への保護者の信頼度が高く、保護者会主催で行事を行うなど、園と保護者との良好な協力関係を築いています
 園では積極的に、周辺の多くの公園に散歩に出かけ、自然の中で自主性をはぐくみ、足腰を丈夫にし、園庭の畑でさつま芋やきゅうり、トマトなどを育て、食育を豊かにし、チューリップやひまわりなど季節の草花を楽しんでいます。子どもの一日の様子を、連絡帳への記入やお迎え時に口頭で伝えるよう努め、保護者の悩みや相談に快く応じて、今般の利用者調査でも高い信頼を得ています。また、保護者会主催で、園庭での移動動物園や、親子でスポンジ人形作り、ピアニストなどによる音楽会を、地域の親子も招いて催しています。運動会の後には保護者会で保護者アンケートを実施し、感想や要望を園に渡し、園も回答を保護者に発信しています。このように、園の保育への信頼のもと、保護者との良好な協力関係が築かれています。

○園の子どもたちだけでなく、地域との連携や子育て親子を大切にした地域支援活動を行っています
 園は日常の保育だけでなく、地域の子育て支援にも積極的に取り組んでいます。園の地域子育て支援サービスとして、園庭開放や交流保育、育児相談などを提供しています。また、園の運動会やじゃが芋掘りや、保護者会主催の移動動物園や音楽会などにも、地域の方々を招待して好評を得ています。招待する案内ポスターやチラシは港南区こども家庭支援課に置かせてもらったり、懇意のスーパーや介護施設に貼らせてもらっています。また、園は、地域の保育園や民生委員、ケアプラザ、港南区こども家庭支援課などが加入する「港南台子育て連絡会」に加入し、七夕祭りに5歳児が参加するなどして地域の子育て支援活動に協力しています。

《事業者が課題としている点》
 園の課題として、研修に参加した職員が報告書を作成して、毎回会議の中で研修報告を行い、職員全体で共有できるように工夫したいと考えています。また、園の自己評価に取り組み、PDCAサイクルの活用を進めることや、施設の老朽化に伴う移転についても課題としています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 職員が子どもを呼ぶときは「ちゃん」「くん」をつけて呼んでいます。子どもが危険な状態になっているとき以外は否定の言葉は使わず、命令口調にならないようにしています。マニュアル「職員の心得」では、子どもの人格を尊重し、発言や気持ちを受け止め、受け入れるように指導しています。園長は子どもたちに、自分がされたくないことは相手もされたくないことを教えています。子どものトラブルなどには、年齢や発達に合わせて対応し、双方の話を聞いて落ち着かせたうえで、相手を思いやれるように話をしています。職員会議では、子どもたちの人格を尊重し、子どももおとなも同じように尊重されなければならないと話し合っています。
 職務規程の中に個人情報に関するガイドラインがあり、「プライバシーポリシー」として全職員に周知しています。実習生やボランティアを受け入れるときは主任がオリエンテーションを行います。守秘義務の意義や目的を説明し、実習生からは誓約書に署名してもらっています。保護者には入園時に記入してもらう「個人情報確認表」に、情報の取り扱いについて記載し、周知するとともに了解を得ています。個人情報の記載された書面は事務室の鍵のかかるキャビネットに入れたうえで、園長が鍵を保管しています。保管期間が過ぎた個人情報はシュレッダーで処理するか、専門の業者に処分を依頼して廃棄しています。
 子どもの出席簿や下駄箱はあいうえお順で男女混合としています。帽子の色はクラスごとに決めています。製作物は男女の区別なく子どもが好きな色を使って作っています。体操やダンスなども男女混合のグループで行います。日常生活の中で不必要に男の子と女の子を分けるようなことはありません。父の日や母の日を祝い、製作もしますが、だれに渡すかは子どもと話し合って決めています。姉のいる男の子が自分も髪を結いたいと言えば、結うようにしています。園長は保護者と話すときに、保護者の発言に気をつけていますが、性差を強調するような発言はないと感じています。職員は性差ではなく、子ども一人一人の個性と向き合いながら保育をするようにしています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 全体的な計画に基づいた年齢ごとの指導計画を作成しています。指導計画では子どもの年齢や育ちに合わせ、発達過程、ねらい、保育士とのかかわり、地域との連携などを書き、期ごとに振り返りを行っています。園長は朝は職員とともに1歳児のクラスで過ごし、子どものしぐさや表情を含めた表現から、子どもの要望をくみ取っています。保育の中での生活の順番を示し、次の行動を促すときに絵や写真を使っています。職員が日々の活動を写真に撮り、行った活動について話し合うこともあります。計画を作る際には、子どもの年齢ごとに主体性や自主性に配慮し、子どもの心身の状況に合わせて変更できるようにしています。
 子どもの自由な発想を受け、表現したいという気持ちを生活発表会のオペレッタなどに生かしています。また公園へ出かける前に何をして遊びたいかを聞き、それに合わせた準備をして出かけています。子どもたちは自由にごっこ遊びを楽しみ、布を体に巻いたり人形を背負わせてもらって遊び、ブロックで車や家など好きなものを作り、飛行機を作った子どもは飛ばして遊んでいます。一斉活動は2歳ごろからしっぽ取りなどを始め、公園に行ってドッジボールやリレーをするなど、年齢に合わせてルールを守りながらみんなで遊ぶ楽しさを感じられるようにしています。自由遊びでは子どもたちが楽しく遊べるように保育士は声かけや提案をし、また遊んで見せています。
 子ども同士のけんかは年齢に合わせて、言葉をうまく話せない子どもにはけんかになる前に保育士が間に入り、双方の気持ちに共感し、それぞれの気持ちを代弁しながら、互いに理解し合えるようにしています。年齢が進むに従って、自分の気持ちを言葉で表現するよう支援するとともに、危険がないよう確認しながら自分たちで解決できるように見守っています。異年齢の子どもとの交流は、朝夕の自由時間のほか、4、5歳児は保育室を共有し、0、1歳児は給食を一緒に食べています。公園や園庭で異年齢で一緒に遊んだり、リトミックやサーキット運動を一緒にする機会もあり、小さい子どもは大きい子どもの様子を見ながら過ごしています。保育士の言葉がけや態度は公平で温かく、信頼関係を築くとともに、共感し励ましながら保育をしています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

 「健康に関するマニュアル」と「アレルギーファイル」があり、横浜市の様式を使って、かかりつけ医の指示のもと、生活管理指導表を基に子どものアレルギー対応を行っています。主任は入園の際の面談で、保護者とアレルギーに関する打ち合わせを行い、保護者と連携します。その後の連絡や保護者からの相談も主任が受けています。園長や栄養士、調理員はアレルギー疾患やアナフィラキシーショックに関する研修を受け、得た情報は研修記録にまとめて全職員で共有しています。除去食を提供する際は専用トレーと専用食器を使用し、ラップで覆って除去食材を記入したうえで、配膳の際には調理員とクラス担当職員の双方で確認しています。
 苦情受付担当者は主任、苦情解決責任者は園長です。保護者には、重要事項説明書の中に、苦情受付窓口と第三者委員の連絡先を記載して周知しています。第三者委員とは、行事や卒園式へ参加してもらう際に、コミュニケーションを取っています。園の玄関には「保護者会ポスト」と呼んでいる意見箱を設置しています。毎年開催する運動会の後、保護者会がアンケートを行って要望や苦情を書いてもらいます。保護者会はアンケートを集計し、園からの回答を保護者に向けて発信しています。自分で意見を言えない子どもや保護者の要望を聞くために、園長はできるだけ保護者に声かけし、職員と親子との会話や様子にも配慮しています。
 危機管理マニュアルがあり、保育園内や園外での事故、呼吸確認、プール遊び、誤飲事故、災害などに関するマニュアルがあります。また保育室や園庭についてのチェック表を用い、毎日安全確認をしています。職員は睡眠中、プール遊び中、食事中に必要な確認事項を把握し、子どもの様子を見ながら事故予防に努めています。地震を想定して棚を固定し、また棚の上には重いものは置かないようにしています。各マニュアルを保育室に置くほか、避難経路や消火器、非常灯、非常ベルの位置を示した図を各クラスに掲示して、職員に周知しています。職員は園外へ行くときは必ず携帯電話を所持して連絡を取れるようにし、園内では必要時には非常ベルで警備会社と連携が取れる体制になっています。毎月避難訓練を行い、5歳児は地域避難場所である小学校へ行き合同で避難訓練を行っています。職員は3年に一度心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使用方法の研修を行っています。


4 地域との交流・連携  地域の子育て支援ニーズについて、年間指導計画の4半期ごとの振り返りの時や、翌年度の全体的な計画作成のための職員会議などで話し合い、新年度の地域子育て支援の年間計画を決めています。地域の子育て支援サービスとして、園庭開放や交流保育、育児相談などを提供しています。また、運動会などの行事や保護者会主催の移動動物園や音楽会に地域の親子の参加を募っています。育児講座では、親子一緒に行う体操やわらべうた、手遊びなどを行っています。
 園では地域の子育て家庭に情報提供するため、港南区こども家庭支援課に園のパンフレットや園行事の案内チラシを置かせてもらっています。外部の人も通る2階通路の園扉に設けた掲示BOXに、地域の親子を招待する催しのチラシを入れ、自由に持ち帰ってもらっています。また、懇意にしている近隣のスーパーマーケットや高齢者福祉施設に、地域の方々に向けて園の行事のポスターを貼らせてもらい、情報提供に努めています。育児相談は相談者の都合に配慮して特定日とはせず、平日の9時30分から16時まで、随時受け付けとしています。園庭開放や育児相談、育児講座などの情報は、港南区が3か月ごとに発行する「保育園に遊びに来ませんか」の情報誌にも記載され、配付されています。
 利用希望者からの問い合わせには、園のパンフレットや重要事項説明書などに基づいて、主に園長や主任が常に対応できるようにして、園の理念や保育目標、保育姿勢、定員、サービス内容、費用、園の特色などを説明しています。利用希望者には園見学の希望を聞き、子どもが外に遊びに出ていて、施設を案内しやすい午前10時ごろの見学を勧めますが、希望者の都合がつかない場合には、保育に支障を来たさない範囲で希望に応じています。見学者には見学者ノートに記名してもらい、園のパンフレットやチラシを渡し、園長か主任が園の理念や保育目標、利用条件、サービス内容、特色などを説明して園内を案内し、質問にもていねいに対応しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 園は平成6年に無認可保育園として開設され、平成9年に横浜保育室に認定されました。平成16年には認可保育園となり、現在に至っています。園の理念は前理事長の掲げた「子供に『希望とひかり』保護者に『信頼と安心』を提供できる施設運営を目指しています」となっています。平成30年度に保育所保育指針が改定された際、全体的な計画を見直すにあたって、経営層が話し合いを行いました。そして今後は「現在および未来における子どもの最善の利益を目指す」ことを文頭に掲げることにし、現在は文言の改定を検討中で、平成31年度中には明文化する予定です。現在の保育の理念や基本方針は明文化され、重要事項説明書に記載しています。職員は基本方針に沿った保育を行っています。
 環境への取り組みについては、ごみの分別管理などでごみを減らしたり、牛乳パックやペットボトル、新聞紙、段ボールなどを工作や遊びの材料にしたり、照明のLED化やエアコンの適正な温湿度管理などで省エネルギーに努めたりしています。園庭にはハナミズキがあり、姫りんごやひまわり、チューリップなどを植え、さつま芋やトマト、きゅうり、なす、オクラなどを育て、食育に役立てるとともに、緑化を推進しています。園内の手を洗う場所には「おみずをたいせつに」、電気スイッチには「でんきをけしましょう」などのシールを貼り、環境への配慮を示しています。
 園には保護者会があり、園の運営委員として保護者代表1名を決めてもらい、この保護者代表と法人より1名、園長、主任、副主任2名の計6名で、園の運営委員会を組織しています。園長は重要な意思決定や年度計画の実施に際し、運営委員会や保護者会などで報告し、話し合い、了承を得ています。以前、運動会の実施場所を公園から近くの小学校に変えたときや、3歳児以上の給食費や教材費などの受け入れを現金から郵便局の口座引き落としに変えたときなどには、保護者会の総会などで説明し、園だよりなどにも記載し、理解を得て実施しました。七夕祭りや運動会、生活発表会など園の大きな行事では、担当職員を中心に全職員が役割を分担し、保護者会の協力も得て、園全体で取り組んでいます。


6 職員の資質向上の促進

 主任と園長は外部研修として、横浜市や港南区、学校、教育機関の研修案内から、職員が希望する研修や、キャリアアップを見据えた研修、業務の必要から園が指名して受けてもらう研修を選択し、研修計画を作成しています。外部研修参加者は研修報告を作成し、月1回の職員会議での内部研修の時に、研修報告を行い、職員に周知し、共有を図っています。その際には、外部研修で学んだわらべうたを歌ったり、絵本をほかの職員に読み聞かせたりすることもあります。会議に参加できなかった非常勤職員などには、午睡時間中のクラスミーティングなどでクラス担任から、必ず伝えています。主任と園長は、研修内容の保育への活用状況などから、研修を評価して次の研修選択に生かしています。
 保育の振り返りは、園の理念や保育目標を記載した全体的な計画に基づいた、定型書式の年間指導計画や月間指導計画、週日案、日誌などに、その期間ごとにクラス単位で実施し記入しています。振り返りは、各計画で意図した保育のねらいと関連付けて行っています。保育の振り返りは、例えば5歳児では、「発表会で披露するオペレッタの練習では、自信を持てるよう促し、声の大きさに差がありつつも、一人一人が頑張って自分の役割に取り組んでいた」のように、その結果だけでなく、子どもの取り組む意欲や過程を重視して行っています。職員は保育の振り返りを通して、自己の実践の改善や次の計画作成に役立てています。
 職員の階層を職員全体、初任者、中堅、主任・ベテラン、指導職員・管理階層に分けて、各階層に応じた期待水準としての経験や能力、習熟度を示し、それを習得するのに必要となる研修を明文化しています。園長は日常の業務については、現場の職員の自主的判断に任せています。しかし、子どものけがや事故、対外的な事柄、苦情などが発生した時は速やかに園長や主任に報告、連絡、相談するようにしています。職員間のコミュニケーションは良く、何かあれば職員から園長や主任に話してくる状況です。現在、園長と職員の面談は行われていませんが、職員個々の目標や処遇、さまざまな希望、意見、悩みなどを、しっかり個別に話し合う機会を持たれることを希望します。


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