かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

光の園第二保育園

対象事業所名 光の園第二保育園
経営主体(法人等) 株式会社アンティー
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0011
港北区菊名6-21-17 ラピスガーデン1階
tel:045-401-8020
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 NPO中小企業再生支援
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
株式会社アンティ-の光の園第二保育園は、定員48人の小規模園で、JR横浜線、東急東横線が交差している「菊名駅」より東急東横線に沿って大倉山方面に歩いて8分のマンションの一階に立地しています。「菊名駅」は横浜、新横浜のオフィス地区に隣接しており、また京浜工業地帯及び都心の渋谷も近く、保護者の仕事場への通勤には最適な場所にあります。
園の周辺には数多くの公園が点在しており、園では子どもたちの発達に合わせて、遠近の公園を選び、散歩に利用しています。
園舎は、5階建て鉄筋コンクリートマンションの一階部分で、南側には狭いながらも約63uの園庭を持ち、プランターなどを置いて、野菜、花などの栽培も行っています。
園より50m菊名駅寄りの高架線路沿いの地権者より提供を受けた土地に、2階建て、延べ建坪200坪、園庭50坪の大規模な光の園第2保育園分園を建設中で、2019年4月開園します。「森をつくる園舎」のコンセプトで樹木を多く植え、子どもを自然の中で遊ばせようという趣旨です。
・園の特徴
 園は、園目標「思いやりのある優しい子を育てる」「自己解決力のある強い心の子を育てる」「仲間を大切にし、社会性・協調性のある子を育てる」を打ち出し職員はこれを行動規範として保育にあたっています。また園では、0、1歳児には「手遊び歌」「ベビーマッサージ」「読み聞かせ」「リトミック」「体操」を、2歳児以上には「イングリッシュリトミック」「音楽リトミック」「キッズダンス」「体操教室(園内)」などのプログラムに加えて、4、5歳児では外部のYMCAの「体操教室」「水泳教室」などの多様なプログラムを取り入れています。

【特に優れていると思われる点】
1.30年度導入の保育所保育指針を先取りした保育の実践
 平成30年4月より保育所保育指針が施行されましたが、園では開設当初より10年後、20年後を見据え、保育理念に「“心・知恵・身体のバランスのとれた育ち”を大切にし、成長の過程で出会う目の前の問題や、壁を乗り越えられる精神の構築を促す保育」を掲げ、取り組んでいます。基本理念としての「子どもの心を大切に」から、あらゆる子どもの可能性を信じて、自主的・自発的・主体的に生きる力を育む保育を保育方針としており、今年度導入された新保育保育指針を先取りした保育といっても過言ではありません。また、年間保育目標を“愛される存在であることに気づき、輝いて生きましょう”とし、保育の主体は子どもであるとして毎月の「園だより」に記載しています。

2.保育士は「心を大切に」「人を傷つけない」「人をほめる」を率先垂範している
 理念「心を大切に」は毎朝の園児の散歩風景で、園長自ら門前で「行ってらっしゃい」と名前を呼んで声掛けしています。園児一人一人が「大切にされているんだ」と実感する瞬間です。また園は、虐待に関して毅然として親と向き合う姿勢を見せ、効果も上がっています。言葉より行動で示しています。
3.200坪の「森をつくる園舎」建設、2019年4月開園
 光の園、光の園第2、アンティ光の園の3園の運営法人に対して、菊名地域の発展に多大な貢献をしているとして地元の地権者が約300坪の用地を提供、そこへ分園を建設、2019年4月開園の予定です。本園と50mの距離にあり2階建て延べ建坪200坪、園庭が50坪という広さで園敷地内に樹木を多く植え、「森をつくる園舎」のイメージを掲げ、園庭開放、講習会、研修施設などできる多目的ホールとしても活用するなど保育活動を充実させる方針です。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者との話合いの機会について
 保護者からのアンケートによれば、本園に対する満足度は、95%の保護者が「満足」「どちらかといえば満足」と回答を寄せており、非常に高い水準にあります。しかしながら、個々の設問、「園と保護者との連携・交流について」の項目の中の「保護者懇談会や個別面談などによる話し合いの機会については」については、23%の保護者から「どちらかといえば不満」「不満」との意見が寄せられています。この点、園の更なる工夫・努力を期待いたします。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念に「お子様に対する丁寧な言葉遣い」や「子どもを大切に」という項目を掲げており、職員一人一人が言葉遣いに留意し、お手本を示すよう日々研鑽しています。「心を大切に」という基本理念は子どもの人権の尊重があって実現されるからです。園の根本理念である「心を大切に」は「人の心を傷つけない」ことの裏返しでもあるからです。

・個人情報のガイドラインとして「個人情報保護方針」があり、厳しく設定されています。子どもとその保護者の情報を第三者へ提供することを厳格に定めています。

・ごっこ遊びの役割なども性別など関係なく、子どもがやりたい役ができるようにしています。子どもや保護者に対して役割分業を植え付けるような話し方をしていないか、職員間で共有し、固定観念に基づく言葉が無意識に出た場合は、職員間で注意し合い、職員会議で意見交換し研鑽に努めています。

・虐待について本園では、子どもの最善の利益は「人権の尊重」であるとして全体的な計画に掲げ、人権尊重の対極にある虐待は、子どもへの最大の人権侵害である、との観点から厳しい対応をとっています。虐待に対して園では、“冷静に観察し、見守りを慎重に行い、毅然とした態度でしかるべき機関へ相談し、対応を継続して行く”という基本方針をもち、職員にも周知しています。

・アレルギー食についてはマニュアルと主治医作成の診断書「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」に基づき、自社調理で対応しています。園長、担任、調理、保護者と月1回の会議をもち、翌月の献立を検討し、除去食を確認しています。

・帰国子女の問題について実地経験を生かした保育をしています。子ども達へ多文化の理解を促すには食べ物と言葉から入って行くのが重要と考え、実践しているのです。帰国子女を受け入れており、他の子ども達には多文化にも互いに興味を持てるように働きかけ、子どもたちがお互いに理解出来るように配慮してきたという経験があります。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・本園では27年開設以来モンテッソーリ教育を導入しています。この教育方法は新指針と同じ理念であり「子どもの教育の主体は子どもであり、子どもの自発性、自立性を重視する」という教育法です。改めて全職員に新指針のパネル(資質・能力)を作成して「幼児期における10の姿」というビジョンを、具体的なカリキュラムにどうブレークダウンするか、職員への理解を深める段階にきているようです。

・玩具等はモンテッソーリが開発した教育法を参考に、子どもが「自由に教具を選べること」「やってみたい」と思える面白そうな教具があること、「一人ひとりの発達段階に応じた環境の整備」に努めています。数量や図形、標識や文字などへの関心、感覚を育んでいます。ひも通し、マシュマロを使って箸を使う練習、モンテッソーリが論じている「手先は第2の脳である」、物を作っていく喜び、文字を覚えていく喜び、上の子が下の子を教える、職員は子どもの自己形成を助け、日々実践しています。

・「入園のしおり」に「食べることは生きること」と明記し、視覚や味覚を大切にした安全で美味しい手作り給食を提供しています。「楽しくておいしい給食」を提供し、身体や心も育まれるようにという願いを込めて、同系列3園共通の管理栄養士がこだわりを持って献立作りをしています。食事は子どもにとつて楽しい時間のひとつであり、子どもたちが楽しく食事ができることを大前提とし、四季折々の行事食を大切にし、日本の文化でもある伝統食を献立に取り入れています。

・午睡は、眠くない子どもは布団に横になり、静かに体を休めるようにしています。“健康な心と体のもとは眠りにある”を念頭に、職員がリラックスして子どもと接するように努めています。5歳児は11月より午睡時アプローチカリキュラムが導入され、就学に向けた体制に移行するようにしています。

・排泄は、一人一人の排泄リズムを把握し、個別に対応しています。1、2歳児は活動の切れ目を目安にトイレ誘導しています。トイレットトレーニングを始める時には、6月を目安にしていますが、職員は子どもの発達状況を見極め、保護者の意向も考慮し少しづつ布パンツの着用ができるように排泄のトレーニングを進め、連携しながら行っています。

・保育時間の長い子どもには一人一人の状況や年齢に応じ、生活リズムに配慮しながら、おやつ、食事を提供しています。夕方の時間はビデオを見たり、本を読んだりするコーナーなど、リラックスして過ごす空間を確保しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・全体的な計画は「資質・能力」「幼児期のおわりまでに育ってほしい10の姿」「養護」を基本に据え、年齢ごとの指導計画が作成されています。副園長作成の新指針パネルは、必要に応じて職員の研修にも使われ理解が深まってきています。本園には同じ方向性と教育観をもった職員同士が、日々の保育を通じて理論と実践を結びつけながら指導計画に反映していることが垣間みえます。それは年間、月案、週案の指導計画表が全クラス、パソコン入力ではなく手書きであることからもうかがえます。手書きは数回繰り返すと脳裏に刻まれるからです。

・横浜市では食物アレルギー対応について、「正しい診断にもとづいた最小限の除去」を基本原則とし、本園もそれに準拠し、「光の園第二保育園アレルギー対応マニュアル」を策定し、それに則り除去食対応をとっています。主治医からもらう食事指示書「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」には食物アレルギーとアナフイラキシー病の病状と保育所での生活上の留意点が詳細に書かれています。その指示書に基づき園は対応を行っています。

・設置法人作成の「健康管理マニュアル」のなかに健康管理に関する留意事項が詳細に書かれています。登園時、日常の健康観察は欠かさず、着替えなどでも身体の気になることは保護者と共有し健康管理に努めています。

・嘱託医による健康診断は年2回、歯科健診と歯磨き指導は年1回、視聴覚検診年1回(4歳児)、尿検査年1回(3〜5歳児)実施しています。診断の結果は個々の健康台帳に記録し、鍵付きのロッカーに入れ、5年間保存しています。

・感染症が一人でも発生した場合は看護師が情報を速やかに掲示場で状況を伝え、保護者に情報提供と注意喚起を行っています。保育中に発症または疑われる場合は速やかに保護者に連絡し、迎えがあるまでは別室へ移動し、他の子どもへの感染予防に努めています。

・「衛生管理マニュアル」は全職員は入社前研修を受講し、既存の職員についても定期的に研修を実施しています。嘔吐下痢の感染症が流行する前に、汚物処理の方法を確認し、感染症が広がらないように気を付けています。マニュアルに基づき、清掃を行っています。「清掃・戸締りチェックシート」には1週間の曜日があり、毎日清掃する調理室、保育室、廊下など、清掃後、日付とチェックを入れ、清潔に努めています。ゴキブリなどの害虫駆除は年3回、毎年業者に委託し、布団クリーニングや大掃除も年4回業者に委託しています。

・毎月全園児が避難訓練をし、年1回は断水、停電を想定した大型訓練を.実施しています。保護者にも事前に連絡の上、一斉メールを流し、80%の参加のもと、引き取り訓練を実施しました。引き取りに来れない保護者には登録にある「代理お迎え者」により、無事引き取りされました。

・苦情解決の仕組みについて、第三者委員については園玄関に「苦情相談解決について」との文書が掲示されています。苦情受付責任者、苦情解決責任者とも園長であり、第三者委員として弁護士の名前が掲示されています。

4 地域との交流・連携

・園の恒例の行事「夏祭り」などで地域にチラシを配り、門前にポスターを貼りだしたりして地域の人々も誘っています。地元で根付いた保育園として、地域の人々との日々の交流を深めています。港北区の「わくわく広場」などでは、園は地域の機関と協力してイベントを盛り上げています。行政指導の食育活動などにも参加しています。

・育児相談は毎週 随時開いています。電話予約が必要です。毎年200名を超える見学者に対しては、園の案内で説明し、見学終了後、子育て相談を受けています。一般保護者に対する育児相談受付は園玄関に掲示しています。

・交流保育が活発で年長組による3園合同練習をYMCAで行い また三浦半島の三浦市で1泊どまりでの合同保育を11月に行われます。また近隣3園共同の「土曜合同保育」を行っています。園は港北区に協力して「わくわく子育て広場」に参加、地域の子育て家庭向けの各種相談にのっています。

・地元の地域ケアプラザやニチイの経営する老人施設には、子どもたちと出向き、老人と交流する計画もあります。園は、地域で根付いた保育園として、子どもたちと職員は積極的に地域の行事にも参加しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園のホームページに園の様子を掲載して、園情報を広く発信しています。港北区の子育て支援NPO「びーのびーの」が発行する「幼稚園・保育園ガイド」に、詳しく園情報を掲載しています。

・ごみの分別は厳密に行い、古紙は制作物や玩具などに使用するなど再利用に努めています。園内の電球はすべてLEDに交換し、また、室内照明などのこまめなオン−オフで節電に努めています。環境への考え方は、園内の貼り紙で“節電、エアコン設定温度”などを表明し、保護者へも周知しています。

・園の理念・保育方針はホームページに詳しく掲載し、職員との面接や研修時にも、DVDや写真、文章を持って丁寧に説明し、周知を図っています。さらに理念については、職員会議などで必要な際に園長から都度説明をし、一つ一つの課題についても関連づけながら話し合いを行っています。

・本年度初めに行った「光の園第二保育園」の「分園」設立計画においては、事前に保護者には十分に説明し意見交換をし、分園に活用方法について十分に説明を尽くし、保護者の納得を得ることができました。

6 職員の資質向上の促進

・園は、園顧問の社労士の助言を受け、社内規定の是正を行いながら、職員にとって保育がやりがいのある職場となるよう、保育、介護に携わる人材が長きにわたり、勤めることができる職場としての確立を目指しています。人材不足が出た場合には急場は園内部のシフト調整などで対応し、さらに本社を中心に系列園からの補充や新規採用などで速やかに対応する体制ができています。法人では有料の保育士求人サイトと契約をし、常に急場に備えています。

・園は次の8項目にわたるキャリアアップ研修システムを創設してキャリアパスに対応しています。内訳は@乳児保育、A幼児保育、B障がい児保育、C食育・アレルギー、D保健・衛生・安全対策、E保護者支援・子育て支援、F保育実践、Gマネジメントです。

・園長は毎年3回職員との個別面談を行い、また、園の行事ごとに職員同士の意見交換や反省会を行い、その話し合いの中から園保育内容と職員個々の資質向上目標を浮かび上がらせるようにしています。

・職員の指導的役割を担う主任クラスを計画的に育成するために、横浜市などの外部の主任育成研修に必要な職員を受講させています。主任は必要に応じてクラスの保育に入り、担当職員と共に働くことで振り返りや、気になる保育事例などを取り上げ、職員の保育の質アップに取り組んでいます。

・実習生については、受け入れ窓口は園長、主任が担当し、受け入れガイダンスや受け入れ後の感想文の提出、職員との意見交換をするなどの仕組みができています。実習生の在籍校と事前に詳しく打ち合わせを行い、担当する職員も決めた上で、実習生にはリラックスした雰囲気の中で多くを学び取ってもらうことができるように、園としては努めています

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