かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

光の園保育園

対象事業所名 光の園保育園
経営主体(法人等) 株式会社アンティー
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0021
港北区篠原北2−4−9
tel:045-716-8326
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 NPO中小企業再生支援
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 株式会社アンティーの光の園保育園は、定員48人の小規模園で、JR横浜線、東急東横線「菊名駅」より徒歩3分の、JR「菊名駅」ホームから園舎を一望できる真ん前に立地しています。「菊名駅」は横浜、新横浜のオフィス地区に隣接しており、また京浜工業地帯及び都心の渋谷も近く、保護者の通勤には最適な場所にあります。
園の周辺には数多くの公園が点在しており、園では子どもたちの発達に合わせて、遠近の公園を選び、散歩に利用しています。
園舎は、3、4、5歳児の本園は、鉄筋コンクリート造3階建て(地上2階、地下1階構造ビルの地下1階部分(園庭に面していて通常の地上1階))と、0、1、2歳児の分園は隣の木造2階建ての1階部分にあります。本園の前庭の園庭は75uで広くはありませんが、人工芝が敷き詰められていて子どもたちは、保育プログラムの合間には外に出て走り回っています。
・園の特徴
 園は、園目標「愛される存在に、輝いて生きましよう」を打ち出し、職員はこれを行動規範として保育にあたっています。また園では、0、1歳児には「手遊び歌」「ベビーマッサージ」「リトミック」「体操」を、2歳児以上には「イングリッシュリトミック」「音楽リトミック」「キッズダンス」「体操教室(園内)」などのプログラムに加えて、4、5歳児では外部のYMCAの「体操教室」「水泳教室」などの多様なプログラムを取り入れています。

【特に優れていると思われる点】
1.職員が「10の姿」を描きだす新保育所保育指針の検討と実践
 新保育所保育指針の理念である「幼児期のおわりまでに育みたい10の姿」を本園のクラス担当5名が、乳児幼児研究会で年齢別に具体的な保育の仕方を園長、主任のもとで討議し、実施しています。
遊び・食事・着替え・睡眠・保護者との関係などの点について、3、4、5歳までの年齢別に分けて保育士はどう向き合うかをまとめた記録です。自らがまとめ上げたものだけに実践しやすいものとなっています。
2.丁寧な言葉使い、愛情あふれる美しい所作(しょさ)、子どもへの無形の影響
 本園の最大の特色は職員の丁寧な言葉使い、美しい所作です。子どもたちへ人間としての姿勢を身をもって園長をはじめ保育士が示しています。この美しい礼儀作法はこの園で知らず知らずのうちに培われ子どもたちが大きくなったとき、「ここにきてよかった」と初めて実感するに違いないと保護者アンケートは信頼をよせています。

3.農園での野菜作り
 近場に大きな農園があり、地主よりその一角を借りて、3、4、5歳児が野菜作りを体験しています。鍬の持ち方、土の耕し方、種を蒔き、苗を植えること、何もかもはじめての経験です。じゃがいも、なす、きゅうり、大根、とまと、スイカの苗を植え育て収穫するに至りました。雑草取りには年少クラスも加わり、スイカの収穫時には皆が参加し給食時にジュースにして喜びを共有しました。
子どもたちに野菜ができるまでの過程と、実りに感謝する心を育み、「食べることは生きること」に気付き実感させています。この農園はマナーが厳しく、他園も借りていましたが、現在では本園のみが使用させてもらっています。言葉遣いや話を聞く態度などが評価され、職員が日々丁寧な言葉遣い等に留意している成果が出た結果です。
4.全身運動、週3回「体操リトミック」の実施
 3歳、4歳、5歳児には「体操リトミック」という全身を使う運動カリキュラムを週3回、1回30分間全力で取り組んでいます。走ったり、跳んだり、這ったり、つま立ち、かかと立ち、などピアノ伴奏つきでリズムに合わせ体を動かす遊びです。この遊びの最中には子どもは生き生きと、楽しく、声を上げて友達と遊んでいます。その集大成が園長振り付けの「オリンピア」で4分間、キレキレのアップダンスです。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者のお迎え遅れに対する園の対応について
 保護者からのアンケート調査によれば、標記に関して、開所時間内であっても園の対応について、「どちらかといえば不満」「不満」の回答が19%ありました。職員の保護者が迎えに来るまでの人数や食事の準備に時間を要するなど、難しい点が多数あると思いますが、この延長保育への対応は、働き方改革なども含め保護者に理解を求めるよう何らかの保護者対応の工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は、園長が尊敬する故若井邦夫北海道大学教授〈乳幼児発達心理学〉が提唱する「心知体の柔軟な育ち大切にし、成長の過程で出会う目の前の問題や壁を乗り越えられる精神の構築を促す保育」という考えを基にして、「子どもの心を大切に」を基本方針としています。一人一人が輝くために生まれ、そのかけがえのない命を大切に育てたい、との思いから、この「光の園」という名前がつけられました。

・「子どもの心を大切に」の理念に基づき、個々の精神発達に配慮しながら言葉遣い、対応について日々の保育のなかで相互に確認し、職員会議やミーティングで話し合っています。子どもに注意をするときは人格を尊重し、周りに留意し、場所を変えるなど気配りしています。法人アンティーの「保育園マニュアル」に“保育従事者の心得”の手引きを記載し職員に手渡しています。

・職員は園で虐待ケースの経験研修を受講して、虐待は「身体をみればわかる、しかし言葉の暴力は体ではわからない」ということを体験しました。経験した事例を交えながらその解決の難しさを職員に教えており、新人には児童虐待のQ&Aで具体例を教え、その予兆の有無を注意深く観察するようにしています。

・個人情報の保護に関するガイドラインとして「個人情報保護方針」があり、子どもと保護者の情報を第三者への提供の規約が厳格に示されています。個人情報に関わる書類はすべて事務室の施錠できる書庫に5年間保管しています。

・性差に関しては園で使用する持ち物は男女共通で、遊びや役割なども性別による区別はせず、子どもがやりたい役ができるようにしています。外出時の整列、順番、グループ分け等については生年月日順としています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・0〜2歳児は「連絡帳」に、家庭での子どもの様子、夕朝食事、睡眠、検温、排便などを記入してもらっています。3、4、5歳児も連絡帳があり、何か伝えたい時には家庭、園それぞれの欄に記入することになっています。

・保護者からの面談はプライバシーに配慮し、落ち着いて話ができるように事務室を使用しています。保護者から相談を受けた職員は、相談内容により主任や園長が行い、職員は助言を仰ぐ体制になっています。職員は日頃より保護者に声をかけ、気軽に話し合える関係ができるようにしています。

・どのクラスも絵本は低い本棚に並べ、子どもが自分で好きな本を取れるようになっています。3歳以上は自前の道具箱があり、クレパス、粘土、粘土板、のり、ハサミなどが入っており、使いたい時にはいつでも取り出せるようになっています。大きい玩具や教材、廃材などは、職員が必要に応じ、その都度出しています。日常よく使うおもちゃ類は手の届くところに置き、いつでも取出して遊べるようになっています。

・人形遊びからそれぞれが使いたい素材を持ち寄り、家やお店を作り、お店屋さんごっこへと発展しました。また、子どもたちの発想から回転ずしをつくろうということになり、折紙を使っていろいろなお寿司ををイメージした握りずしを作り、みんなで回転ずしのパーティを楽しみました。回転ずしのパーティやお店屋さんごっこをみんなで楽しみました。

・幼児クラスは提携農園で野菜を育てており、畑の手入れにも取り組んでいます。低年齢児も園庭の水やりや野菜の世話を通して「命が元気になる」ことを学んでいます。園庭にジュンベリーの木があり、収穫をしてジャム作りをし、みんなで食しました。

・トイレットトレーニングを始める時には、保護者に子どもの現時点の状況、一人ひとりの発達状況に個人差があることを説明しています。職員は子どもの発達状況を見極め、保護者の意向も考慮し、連携しながら行っています。1、2歳児は活動の切れ目を目安にしており、ばらつきはありますが、夏には2歳児全員が取れています。きっかけは夏のプールです。オムツ使用児は入れないので、“水着で入る“を目標に子どもたちは頑張っています。

・歯磨きは、0、1歳児は食後お茶でのすすぎとし、2歳児より実施しています。職員が仕上げ磨きを行います。年2回の歯科健診の際に、嘱託医より虫歯予防の話しや正しい歯磨きの仕方を指導してもらっています。年長児は赤染めをし、磨き残しのチェックをしています。歯ブラシの交換は、週末に子どもがコップと共に持ち帰り、保護者にチェックをお願いしています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

・本園では「全体的な計画」を社会的責任、人権の尊重、説明責任、情報保護、苦情処理解決の5分野に分けて詳細な保育運営ルールを決めています。全体的な計画は、「資質・能力」「幼児期のおわりまでに育ってほしい10の姿」「養護」を基本に据え、幼児期を「0歳児」「1歳以上3歳未満」「3歳以上」の発達過程に分類し、さらに各年齢ごとの指導計画を作成し、年齢に応じた保育を実践しています。

・主治医作成の診断書「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表(食物アレルギー・アナフイラキシー)」に基づきアレルギー食対応の給食を行っています。
・本園の給食は自社調理であり、アレルギー食の対応のために「アレルギー除去食の伝達簿(給食室から保育士へ)」という小ノートが毎食ごとに記入されています。当日の通常メニューのなかでアレルゲンを拾い出し、それをマーカーで識別し、それを除去している旨を表示したものです。アレルギー食の担当はクラス担任が行い、スカイブルーのプレートに食器を置き、真っ先に配膳します。非常勤職員には担当させない決まりです。テーブルはほかの子どもと同じテーブルを使用しています。

・嘱託医による健康診断は年2回、歯科健診と歯磨き指導は年1回、視聴覚検診年1回(4歳児)、尿検査年1回(3〜5歳児)実施しています。診断の結果は個々の健康台帳に記録し、鍵付きのロッカーに入れ、5年間保存しています。

・小さな怪我であっても保護者に状況を説明し、「事故報告書」に発生場所、状況、園児の全身状態、処置内容、携わった職員、など詳細に記録するようになっています。転んだ時の擦り傷など、小さな怪我は看護師が手当てをしています。

・毎月全園児が避難訓練をし、年1回は断水、停電を想定した大型訓練を実施しています。保護者にも事前に連絡の上、一斉メールを流し、80%の参加のもと、引き取り訓練が実施できました。引き取りに来れない保護者には登録にある「代理お迎え者」により、無事引き取りされました。非常災害時の対策は重要事項説明書に地域防災拠点、広域避難場所を記載し、年度初めに保護者に説明しています。

・保護者の中から毎年2名の運営役員を選出し、年3回保育園の運営状況や苦情などについての話し合いをしています。運営委員は保護者の意見、苦情についての伝達窓口も兼ねていますので双方の意見のやり取りが活発にあり、その様子が議事録からうかがえます。

4 地域との交流・連携

・毎年のスポーツフェスタの開催場所を運動場ではなく公会堂を利用する企画を今年度は港北区公会堂で実施し、高齢者から好評を得ています。椅子席での観覧が楽との理由です。園が毎月行っているアンケートからヒントを得たものです。地域住民を招待した行事などでは終了後必ずアンケートをとり、保護者における子育てニーズを把握しています。

・港北区の「育児支援実施園」として本園は南部ブロックで参加しています。園は港北区に協力して、年一回の子育て支援イベントである“わくわく子育て広場”では、地域の子育て家庭向けに“育児相談コーナー”を実行しています。

・交流保育では近隣三園が横浜市の要請で「土曜日共同保育」を実施し、本園が他の二園の子どもを預かる事業を行っています。しかし保育士の勤務時間、休日などの制約から課題が多いようです。

・園長は港北区の園長会議や「わくわく広場」「幼保小会議」などの公的な会議の委員を務めているために人脈が広がり、園運営に必要な情報収集等に役立っています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が遵守しなければならない倫理規定は就業規則に明示されており、入社時の研修にて職員に周知しています。法人のホームページにて財務諸表・会社の運営上状況などを公表しています。地域での園長会議などで保育園運営に関する不正、不適切なケースなどの情報が得られると職員会議で取り上げ、議題として話し合っています。

・法人では「顧問弁護士」「顧問税理士」「顧問社労士」などを置いて、事務・経理・取引業務を明文化して運営にあたっています。法人の運営管理課長による定期的な「内部監査」や「外部機関による監査」の指摘事項を受けて、改善を進めています。園には行政による監査とは別に、外部監査を受ける仕組みがあり、法人運営の公正・透明性を確保しています。

・園の方針・理念については、全職員には採用時に実地研修、マニュアル研修を行い、周知徹底を図っています。さらに理念については、職員会議などで必要な際に園長から都度説明をし、一つ一つの課題についても関連づけながら話し合いを行っています。また年間園内研修により、理念・方針の勉強会を開き、受講後には各職員より受講報告書の提出を義務付けています。

・入園前の説明会や入園式で説明し、「入園のしおり」「重要事項説明書」の中にも「保育の理念・方針」について園の保育基本方針について詳しく説明しています。5月の保護者会の際にも説明しています。玄関入口に保育方針を掲示し、「光の子だより」では“年間保育目標”、「愛される存在であることに気付き、かがやいて生きましょう」と記載しています。

・系列園を含めた中期計画は本部にて作成し、行政にも報告しています。本部では社会動向に合わせた経営を志し、地域の待機児童状況への対応など、可能性に関して絶えず模索、検討を行っています。

6 職員の資質向上の促進

・園では法人の所掌で、有料のインターネットサイトに依る「保育士人材の募集」を掛けており、人材に不足が生じた場合に活用しています。また急場は園内部のシフト調整などで対応し、さらに本社を中心に系列園からの補充などで速やかに対応する体制ができています。

・園長は毎年3回程度職員との個別面談を行い、また、園の行事ごとに職員同士の意見交換や反省会を行い、その話し合いの中から園保育内容と職員個々の資質向上目標を浮かび上がらせるようにしています。

・乳児・幼児に関する園内研修には、保育担当職員を除いては、全員参加することができます。園外部の研修も希望者は受講し、成果は研修報告の中にまとめられ回覧し、時には受講発表会を持ち、職員全員で共有し、保育に活かしています。

・「実習生受け入れマニュアル」があり、受け入れに当たっては職員にはミーティングでその意義を説明し、保護者には園だより、ホームページなどで受け入れの意義を説明しています。受け入れ、教育担当は園長、主任がこれに当たり、学校より提出の実習目的に即した、学年や経験により@部分研修や、A一日全体研修など実習プログラムを立て実施しています。終了後は職員との反省会と感想文の提出を求め、意見は保育に生かすことにしています。

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