かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

くろかわのぞみ保育園(2回目受審)

対象事業所名 くろかわのぞみ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 春献美会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0036
麻生区はるひ野4丁目7番1号
tel:044-819-7481
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園の運営主体は社会福祉法人春献美会です。同法人の系列保育園が川崎市内に当園のほか2園、横浜市に2園あります。開園は平成24年4月で、今年で7年目です。小田急電鉄多摩線のはるひ野駅から徒歩3分の所にあり、周囲は住宅地として開発され集合住宅が多く、大きな商業施設などはないものの公園や緑地が点在し豊富な自然環境が提供されています。また、小中学校に隣接するほか、同法人の保育園が徒歩10分の場所にあります。定員は120名、平成31年1月現在、弾力化により121名が在籍で、延長保育や一時保育、障がい児保育を実施しています。園舎は3階建てで、1、2階に保育室、3階にはプラネタリウムやプールのある屋上があります。また、園庭には大型遊具のほか砂場やそり遊びができる斜面があり、子どもたちが大きく体を動かすことのできる場所となっています。
 保育理念は、家庭や地域社会と連携を図って多様な価値観を尊重し合う「親育ち」、主体性を育てるための物的・人的環境のもとでの「子ども育ち」、地域の中で子育てができる「育ち合いの場づくり」を基本に挙げ、地域に根差した保育園を目ざし運営しています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもたちが楽しむことを通して、協力し合い、自分らしさを表現できる行事の企画に取り組んでいます
 春と秋の運動会、七夕などの季節の行事、遠足やお泊まり会、保護者参加の「くろかわキッズ(発表会)」など、年間を通してさまざまな行事があります。協力し合うことで自分らしさの表現とともに互いを認め合う気持ちをはぐくむもの、自分たちの能力を生かしアイデアを出し合ってテーマを選択し成し遂げることで主体性をはぐくむものなど、子どもたちが行事を夢中になって楽しむことが成長につながるよう企画しています。また、よりいっそう子どもたちが楽しめる行事にするため園長は職員自身が楽しんで企画することも大切にしています。

○職員一人一人の職務や役割を明確化し、園運営がより円滑に進んでいます
 職員業務分担表を作成し、各職員の役割を示しています。さらに、今年度よりリーダー層の職員を中心に「代表会議」を発足させ、役割や業務内容をより明確にしています。それぞれがリーダーシップを発揮することで、組織全体の活性化につながっています。また、この「代表会議」を中心に、年度途中での事業計画の振り返りを実施し、子どもたちや環境に応じた計画遂行に取り組んでいます。事業計画や全体的な計画を基に、保護者との信頼関係構築や地域交流への取り組み、保育環境作りにも重点を置き保育の質の向上を図っています。

○働きやすい職場作りに取り組んでいます
 職員が健康で意欲的に仕事を続けられることがサ−ビス向上にもつながり重要であると考えています。有給休暇は平均7日取得ができ、育児休暇・時間短縮制度も整えています。月2回の整体は、腰痛予防を含め職員の健康維持に役立っています。宿舎借り上げ制度や、資格取得のための支援制度も設けています。川崎市の勤労者福祉共済制度に加入し買い物や観劇などを利用しています。忘年会での職員間のコミュニケーションや「職場の改善と見直したいことの提案」アンケートなどで、職員の声を生かし働きやすい職場を目ざしています。

《事業者が課題としている点》
 設備や遊具の修繕および乳児向けの固定遊具の設置を課題としています。また、絵本コーナーを設置して絵本を充実させたり、人材確保のために積極的に実習生やボランティアの受け入れを行うことも課題としています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  業務マニュアルの「子どもの人権を守るために」「人権に配慮した保育」の項目で、一人一人を大切に個人を尊重するための配慮と子どもを尊重した保育を行ううえでの大切なことを記載しています。例えば、登園から降園までの日常の保育において注意するべきことを、場面ごとに具体的に記載しています。これら業務マニュアルの記載事項は、新入職時の法人研修のほか、年度当初の職員会議などでも職員に周知を図っています。
 虐待の防止・早期発見のため、「虐待防止マニュアル」や業務マニュアルの「虐待について」を読み合わせ、確認しています。早期発見のための確認ポイント、虐待の疑いを感じた場合にはまず記録を取ること、必要に応じての連絡先や連携方法などが記載されています。また、麻生区の研修にも参加し、受講後は園内で共有しています。研修「発見から支援の流れ」では、生活実態の把握とともに迅速な情報提供と共有が大切であると学び、全職員で共有しました。
 「個人情報保護マニュアル」や業務マニュアルの「プライバシーの尊重と保護」をもとに、入職時の法人研修および職員会議での読み合わせを行い、子どもや保護者のプライバシー保護を徹底しています。就学先の小学校や転園先のほか、緊急時における病院その他の関係機関への情報提供については、個人情報使用同意書で保護者の同意を得ています。子どもの写真や作品のホームページなどでの使用については、個人情報提供に関する同意書で同意を得ています。
 子どもの気持ちに寄り添った支援について、職員会議などで話し合っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 0〜2歳児は年2回、3〜5歳児は年1回の個人面談を実施しています。懇談会は4月の保護者説明会と年度の結果報告も含めて2月に実施しています。そのほか連絡帳や送迎時の口頭でのやりとりなどを通じて、保護者とコミュニケーションをとる機会を多く作るよう努め、保護者の意見や意向の把握に努めています。また保護者の声を募るため玄関には意見箱を設置しています。さらに行事後にはアンケートを実施しています。これら把握した意見や要望は、職員間で検討し、対応についても保護者の納得が得られるようていねいに説明しています。
 園のパンフレットやしおりに、保育理念として「多様な価値観を尊重し合っての『親育ち』」、保育方針として「家庭との連携を密にして信頼関係を作り、子育ての楽しさを共感し合う」を記載し、子育てについての相談や要望に応え、保護者を支援することを明記しています。苦情解決の仕組みは、入園のしおりの記載や玄関での掲示のほか、年度当初の保育説明会で「苦情解決システム」という書類を配付して口頭でもていねいに説明しています。実際に相談などがあった場合には速やかに園内で共有し、記録に残しています。
 保育方針の一つに「ひとりひとりの良さを伸ばせるように育ちを援助していく」を掲げ、30年度の事業計画には「子ども一人ひとりの成長・発達を温かく見守り伸ばせるような環境作りに努める」を最初に記載しています。子どもが夢中になって楽しめるさまざまな行事を年間を通して企画しています。年度の後半には、0〜2歳児もできる範囲で行事に参加し楽しんでいます。行事を通して、子ども同士が共同的な体験ができる機会を作っています。特別な配慮を必要とする子どもについては、子どもに合った配慮や援助を全職員が共有しています。


3 サービスマネジメントシステムの確立  園のホームページやパンフレットには、保育理念・方針・目標、保育園で大切にしたいことのほか、園や施設の概要、職員構成など園の基本情報を掲載しています。入園決定者には「ご入園のしおり」を配付し、入園説明会と入園前健診を実施しています。その後あらためて、園長、担任との個別面談を行って、入園後の保育時間を決めるなど、安心して園生活を始められるようにしています。また、重要事項説明書を用いて、園の基本事項について同意を得ています。入園直後は慣れ保育を行って、子どもの不安を軽減しています。
 保育理念、方針、目標のもと、全体的な計画と保育カリキュラム(年齢ごとの生活、遊び、運動、製作などを一覧表にまとめたもの)を策定しています。それらを基に、年齢ごとの年間指導計画、月案、週・日案を作成しています。0〜2歳児と配慮を必要とする子どもについては、個別の月間指導計画も作成しています。保育月案と週案に基づいた日々の活動の様子は、週案を併記した「週案・日誌」に各クラス担当が記録し、園長と主任で確認しています。さらに、週単位の振り返りも記入しています。
 理念・方針・目標をはじめとして、新入児受入れ、個人情報保護についてなど、園がサービスを提供するうえで必要なさまざまな業務手順を明文化してとじたファイル「業務マニュアル」があります。業務マニュアルは職員一人一人が所持しています。緊急時の対応については、「安全管理マニュアル」「事故発生時マニュアル」「防災・危機管理マニュアル」に基づいて、園長や看護師の判断のもと、職員が迅速に対応できる体制を作っています。安全点検係がチェックリストを基に、月1回の園内点検を実施しています。
4 地域との交流・連携

 法人のホームページに事業報告、事業計画、財務諸表、「保育所における自己点検・自己評価」の結果、苦情対応報告、第三者評価受審結果(前回分)を掲載して、園の情報を開示しています。園のホームページでは保育理念や1日の過ごし方、年間行事、園だより、保育の様子、子育て支援事業の案内を掲載しています。毎日の園庭開放、週1回の地域交流室開放、月1回の育児相談、会議室の提供のほか一時預かり事業も行っています。
 掲示板や近隣スーパーマーケット、地域子育て支援センターに行事のポスターを掲示し地域へ参加を呼びかけています。夏祭りに500人弱の地域の方も参加し賑わいました。移動動物園や、力士と一緒の餅つきにも参加があります。移動動物園は2歳児までの保育園からも来園し、3歳からの当園利用に向けてなじむ機会にもなっています。夏のプールでは近隣の保育園から5歳児が来て一緒に楽しむこともあります。麻生区のボランティア登録から運動会の衣装作りなどに協力を得、中学生の職場体験、月1回の絵本読み聞かせを受け入れています。
 麻生区主催の「あさお子育てフェスタ」では区民に保育園や幼稚園を知ってもらうため、作品展やパネルシアターを麻生区役所で開催し、保育園の地域紹介、子育て支援情報提供も行っています。スタッフとして、また持ち回りで取りまとめ役も担っています。情報をキャッチできず親子で閉じこもって息詰まってしまうケースをどう掘り起こすか考え、健診時に保健師から声をかけてもらうなど連携を図っています。園庭開放や地域交流室の開放、育児相談をさらに利用してもらえるよう、より広く周知する工夫をしたいと考えています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

 ホームページやパンフレット、入園のしおりなどに、保育理念として「乳幼児の最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に推進する」「親育ち、子ども育ち、育ち合いの場づくり」を載せ、これを基本に、家庭との連携や、地域・家庭・保育園が支え合って子育ての輪を広げていく姿勢を示しています。自然とのかかわりを大切にし、地域の中での当たり前な親育ち、子育ち、職員育ちと、「輪と和と輪と環の手つなぎ保育」を楽しむことを表明しています。
 法人として中長期計画を示し、職員に配付し各自業務ファイルにとじています。平成25年4月1日策定の計画で、保育・介護サービスの連携や人材育成、地域に根差す施設運営を目ざしています。地域ニーズを把握して必要な保育サービスを提供し、人材の確保や育成で選ばれる施設になるために、職員像と育成への手段を示しています。園ではこの計画に基づき、法人内の各施設と足並みをそろえて実現に向け取り組んでいます。
 職員業務分担表を作成し、各職員の役割を示しています。今年度よりリーダー層の職員を中心に「代表会議」を発足させ、役割や業務内容をより明確にしています。それぞれが役割意識が明確になり、リーダーシップを発揮することで、園長は園全体の流れがスムーズになってきていると感じています。全体的な計画で保育場面での単年度事業計画を示し、地域に根差した保育園のあり方も示しています。昨年度の保護者との信頼関係構築や地域交流への取り組みを踏まえ、今年度は保育環境作りにも重点を置き保育の質の向上を図っています。


6 職員の資質向上の促進  中長期計画に「求められる職員像」を示し、「倫理的、人権感覚の豊かな職員」「市場原理、市民(利用者)感覚に優れた職員」「専門性を活かし地域社会の担い手となれる職員」を期待しています。今年度のキャリアパス研修計画にも社会情勢の変化、養護および教育の一体性、保護者連携や地域の「子どもの育ち」に視点を置いて、各階層職員の目標や役割を示しています。職員の自己評価表でも職員の意識向上を図り、園長との面談などで理解を深めています。全国保育士会倫理綱領を読み合わせるなどして規範や倫理などの理解を深めています。
 保育所保育指針の改定、キャリアパス制度の導入で職員の研修に力を入れています。受けるべき研修も一覧表で職員に示しています。キャリアパス研修では「目指す姿」を共有し、各職階の役割や具体的な目標を明示しています。それぞれの役割が明確化し、園運営がより円滑に進んでいます。園内研修では、保育所保育指針を読み込み全員で「全体的な計画」を作成することや、第三者評価の受審にあたって各項目の持つ意味を考え業務を見直す過程から多くの学びを得ています。
 職員が健康で意欲的に仕事を続けられることがサ−ビス向上にもつながり重要であると考えています。職員の希望によるシフト調整など働きやすい環境作りに努めています。有給休暇は平均7日取得ができ、育児休暇・時間短縮制度も整えています。休憩時間を利用しての月2回の整体は、腰痛予防を含め職員の健康維持に役立っています。宿舎借り上げ制度は職員の30%近くが活用しています。資格取得のための支援制度も設けています。「職場の改善と見直したいことの提案」アンケートを実施し、状況を把握して改善に向け検討しています。

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