かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市大曽根保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市大曽根保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0003
港北区大曽根2-5-1
tel:045-531-0034
設立年月日 1956年04月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴> 高石保育園は、小田急線「百合ヶ丘」徒歩5分の住宅地に昭和51年5月1日開設されています。園舎は、鉄筋コンクリート2階建てで、建てられてから年数を経ていますが、職員たちが毎日の点検等で確認を行い、子どもたちが安全・安心に過ごせるように取り組んでいます。園の保育目標である「た 楽しくあそぶ子ども、か 考える子ども、 い 意欲のある子ども、し 自分を好きになれる子ども」の実現を目標に、子どもたちが保育園を楽しいと思ってもらえるように取り組んでいます。当園の職員は、豊かな経験と保護者に信頼される対応で保育の基本である、子どもとの関りと保護者との関係づくりで高い評価を得ています。園庭の芝山には湧き水が流れ、サワガニなども生息するなど環境にも恵まれています。地域との関わりも大切にしています。保育相談や保育体験、園庭開放等で地域との交流を深めています。
【施設の特色】
・立地および施設の概要
横浜市大曽根保育園は、東急東横線の大倉山駅から徒歩10分程の、閑静な住宅地にあります。昭和31年4月1日に開園し、定員は76名で、1歳児から5歳児までの現在78名が在籍しています。園舎は平屋(軽量鉄骨・木造)造りで、約600平方メートルの園庭があります。近隣には大倉山記念館と梅林で有名な大倉山公園を始め、自然に恵まれたさまざまな公園があり、子どもの年齢や活動に応じて散歩コースを選んでいます。

・園の特徴
開園から62年の歴史のある園で、開園当初から地域の人々に温かく見守られています。職員は「大きな家族の大曾根保育園」を合言葉に、家庭的な雰囲気の中、3〜5歳児クラスを、うみとそらの2グループに分けて過ごしたり、リズム遊びでは縦割りのなかよしグループ(3名)で活動したり、異年齢での育ちを大切にしています。

【特に優れていると思われる点】
1.地域とのつながりを通しての子どもの育ち
地域の中の保育園として、地域との関わりを通し、子どもの体験が広がるようにしています。食育の一環の地産地消の取り組みでJAに行き、地域の農産物を知ったり、買い物をしたりしています。近隣の高齢者との定期的な「にこにこ交流会」、中学生の職業体験学習やボランティア、高校生のインターンシップの受け入れなど、世代間交流の機会があります。また、自治会のお祭りに毎年参加して、5歳児がキッズソーランを披露したり、大倉山記念館で行われる作品展に、年2回出展するなどしています。また、保護者とも連携を図り、保護者組織「父母会」との共催の、外部講師を招いての「種を探そう」というワークショップを行って、くっつく種や飛んでいく種など「種」を探しながら山を散策して自然観察をしています。子どもたちは、地域との関わりの中、体験豊かに育まれています。

2.積極的な園内研修による職員の資質向上
今年度、園内研修として新たに3つのことに取り組みました。
1つは、外部講師を迎えた「絵画製作」で、子どもの年齢ごとの成長発達を製作面から捉えていこうとする取り組みです。講師に製作物を見てもらい、評価、指導を受けています。
2つ目は、大学の、子どもの体作りのための研究に協力しながら取り組んだ「体力と体づくり」です。4、5歳児が体力測定をし、園の子どもたちに合ったオリジナルの体力アッププログラムを提案してもらい、指導を受けた職員が子どもたちと3か月間毎日取り組み、その結果の効果測定を予定しています。
3つ目は、今年度受審の第三者評価の自己評価も含め、保育の質の向上や改善、必要な保育の提供を目指した取り組みです。年6、7回、アルバイト職員を対象とした会議を開催し、研修とセットにして資質向上を図っています。「防犯について」「子どもの対応についての意見交換」「第三者評価の受審について」「保育の振り返り」などをテーマに学んでいます。

3.地域ニーズに応えられる子育て支援事業の取り組み
地域の子育て世代の人々への、園の専門性を活かした具体的なサービスとして、一時保育(一日4名)、園庭開放・育児相談日(毎週水曜日10時〜12時30分)、交流保育(年6回)、赤ちゃんサロン(年6回)を提供しています。年3回開催している育児講座の1回は港北区地域子育て支援拠点「どろっぷ」と協力して出張育児講座を開催しました。園は育児支援センター園ではありませんが、「どろっぷ」や地域の育児支援者と連携を図り、港北区の子育てにおける地域特性を把握しながら、ニーズに応えられるサービスの提供に努めています。子育て家庭からは参加希望のキャンセル待ちが出るほど望まれた取り組みになっています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.3歳未満児の個別指導計画に個別の振り返りの記録ができる書式の定型化
3歳未満児の個別の指導計画はクラスの月間指導計画内で作成をしています。「現在の子どもの様子」から「保育士の配慮」「家庭との連携」を検討し、職員間での振り返り、話し合いを経て次月の計画につなげています。現在の書式であるクラスの「取り組み状況と保育士の振り返り」欄「自己評価」欄のほか、発達や成長の個人差が著しい3歳未満児の個別指導計画に対しての評価、振り返り欄の設定について、今後の検討が期待されます。

2.送迎時の保護者の動線を考慮した情報提供場所の検討
事務室の前に、給食展示をしたり、レシピをウォールポケットに入れて保護者が持ち帰ることができようにして、保護者へ給食に関する情報提供をしています。しかし、保護者は送迎時、園庭から直接保育室に出入りするため、事務室に出向かなければ見ることができません。今後は保護者の動線を考慮して、さらに分かりやすい提供場所の検討が望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育所保育指針や「よこはまの保育」に基づいて作った保育理念、「大きな家族の大曽根保育園」を主旨とした保育方針と保育姿勢に加え、園目標は「元気に遊ぶ子」「やる気のある子」「やさしい子」を掲げています。それらはすべて子ども本人を尊重したものとなっています。

・子ども一人一人の尊厳を守り、温かで肯定的な言葉がけを心がけています。職員は子どもを呼び捨てにはしていません。

・職員は採用時、ボランティアと実習生にはオリエンテーション時に個人情報の取り扱いや守秘義務について説明し、誓約書を提出してもらっています。

・遊びや役割、服装など個人を尊重し、性別による区別はしていません。職員は男の子、女の子として分けて捉えず、一人一人の人間として尊重するようにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・入園前の保護者面接や提出書類からの情報、入園直後の子どもの様子、送迎時の親子の雰囲気などを観察し、保育に生かしています。

・3歳未満児は、発達の個人差を踏まえた上で個別指導計画を作成しています。
・子どもの成長や季節に合わせたおもちゃ(手作りおもちゃ多数)、絵本などを低い棚に置き、子どもが自分で取り出したり、片付けができるようにしています。

・雨が降っていなければ園庭遊びのほか、散歩や公園などに出かけています。午後のおやつの後も日が暮れるまで園庭で遊んでいます。

・食育指導計画や子どもの育ちの目標に基づき、子どもたちが食への興味関心を育てるよう援助しています。5歳児クラスは食事の成分表に食材カードを貼っていくことを、朝の当番活動に入れています。

・トイレットトレーニングは保護者と相談しながら、子どもの発達状況に合わせて個別に対応しています。

・父母会と園の共催の人形劇、芋ほり、ワークショップ(種をみつけよう)、科学教室など行っています。

・散歩のときには、子どもや職員は近隣住民に積極的に挨拶をしています。また、JA(農業協同組合)と連携して、年長児が地元農家から直接野菜を受け取り、給食に使用しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園直後の短縮保育期間は、1歳児は1週間を目安としていますが、保護者の考えや状況を考慮し、期間短縮、延長は柔軟に対応しています。

・子どもの発達や状況に応じて各学年で年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。カリキュラム会議で、発達の状況を把握し、見直しをしています。

・入園時に把握した生育歴(児童票、健康台帳など)や半年ごとに記録する子どもの成長発達記録(経過記録)はクラスごとにファイルしています。

・障がいのある子ども、アレルギーのある子ども、外国籍の子どもなど、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。配慮を要する子どもについては、カリキュラム会議の中でケース検討を行い、配慮や関わり方が適切かどうか話し合っています。

・食物アレルギーのある子どもには、主治医による生活管理指導表に従い、誤食のないよう手順に沿って除去食を提供しています。

・虐待を疑われる子どもの早期発見と適切な対応のため、職員間で朝の子どもの表情や着替え時に良く見ることを確認しています。子どもの何気ないつぶやきも聞き逃さず、必要に応じて全職員で見守る体制を作っています。

・苦情受付・解決責任者は園長であり、第三者委員の氏名・連絡先、横浜市福祉調整委員会とかながわ福祉サービス運営適正化委員会と共に保育園のしおりに明記しています。

・園内で感染症が発生した場合は、速やかに保育室に、発症日、感染症名、潜伏期間、症状、登園の目安などを掲示し、感染拡大を防ぐよう呼びかけています。

・毎月火災・地震などを想定した避難訓練と、年2回消防署との合同訓練で通報訓練、毎月防犯訓練を想定内容や想定時間を変えて実施しています。
・子どものケガは、軽傷であっても保育日誌、クラス引き継ぎノートに記録して職員に周知し、保護者に報告しています。

・事故やケガの報告だけでなく、ヒヤリハットについてもクラスごとに保育日誌の表紙裏に記載し、ミーティングや会議で再発防止策を検討し改善に努めています。

4 地域との交流・連携

・育児支援事業として、一時保育は一日4人まで受け入れ、園庭開放を毎週水曜日に行い、同時に絵本の貸し出しも行っています。交流保育は年6回行い、季節に即した保育を提供しています。「赤ちゃんサロン」を年6回開催しています。

・横浜市や港北区のホームページに園の情報を、港北区の子育て支援情報ツール「ココアプリ」に子育て支援事業の年間予定を掲載しています。また港北区の保健師が各家庭を訪問する際、子育て支援事業の年間予定表を配布してもらっています。

・育児相談は毎週水曜日(10時〜12時30分)に実施しています。園庭開放や育児講座、交流保育など参加者の育児相談にも応じています。

・園児は、地域在住の高齢者とさつまいもの挿し穂の植え付けから収穫まで一緒にしたり、あや取りや、紐通しで遊んだり、計画的に交流しています。また、近隣の保育園の子どもたちと園庭や相手の保育園、公園などで交流し、また、年長児は近隣の小学校1年生と交流しています。

・毎月、年齢に合ったお話をしてくれるボランティアグループと、夏休みボランティア体験で中・高校生を受け入れています。活動終了後には、感想文を書いてもらい、保育園運営に生かしています。

・利用希望者から問い合わせがあれば、園のパンフレットに基づいて基本方針や利用条件、保育内容、特色などについて、園長が説明するとともに、見学できることを案内しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員の守るべき規範については、服務規程、横浜市職員行動基準に明文化されており、職員に周知されています。

・保育理念・保育方針、園目標を明記した全体的な計画を全職員に配付するとともに、各クラス、事務室などに掲示しています。年度末の全体的な計画の見直し時に、理念、方針、目標について振り返りを行い、理解を深める機会としています。

・園長・主任は、年間指導計画、月間指導計画、行事計画などに、保育所の理念や基本方針が反映されているか、その都度確認しています。

・主任は、毎日各クラスの様子を見たり、職員が休みのときは、代わりに保育に入ったりすることで現場を知り、状況に応じた職員配置と適切な助言を行っています。また、職員の心身の状況把握や園全体の雰囲気作りにも努め、時には園長と職員の橋渡し的な役割も努めています。

・園長が入手した重要な情報は、必要に応じてミーティングや職員会議などで報告し、園全体での課題として取り組むようにしています。

6 職員の資質向上の促進

・実習生の実習経験、学校の実習要綱をふまえながら、本人と相談の上、実習内容のプログラムを作成しています。日々の実習後に担任との話し合いの機会を設け、また、実習最終日に反省会を行い、意見交換をしています。

・横浜市の「保育士分野人材育成ビジョン」と、階層別に保育士として身につけたい能力を示した「保育士キャリアラダー」に基づき人材育成が行われています。

・職員はキャリア自己分析表により、年度末に自己のキャリアについて振り返るとともに、年度初めに業務目標と能力開発・能力活用などに関する目標からなる「目標共有シート」を作成し、年3回(シート作成時、年度中間の振り返り時、年度末の振り返り時)園長が職員と面談して、立案内容、実施状況を確認しています。

・職員・非常勤職員は横浜市こども青年局および港北区の研修を受けることができます。研修受講後は報告書を作成し、会議やミーティング後に研修内容を報告し職員間で共有して保育に生かしています。

・保育日誌の記入による日々の考察・自己評価、年間指導計画、月間指導計画の期ごと、月ごとの自己評価、横浜市の目標共有シートの中間振り返り(年1回)により、職員が自己評価を行う仕組みがあります。保育所は毎年1回、横浜市の様式により、保育所としての自己評価を実施しています。

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