かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市高石保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市高石保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0003
麻生区高石1−14−15
tel:044-954-5355
設立年月日 1976(昭和51)年05月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
<特に良いと思う点>
@経験豊かな職員の対応で、保護者と良好な関係が築かれています。
保護者との関りでは、迅速な対応を心がけています。対応が難しい内容についても丁寧な説明を心がけています。経験豊かな職員のきめ細かな対応により保護者からは、「子どもだけでなく、保護者の体調にも心を配ってくれている」「相談に親身に答えてくれる」など信頼の声が多く聞かれました。職員間の連携では経験に裏打ちされた多くの工夫が随所で見られました。リーダー会では、事前に職員たちが困っていることを把握し、楽しく気持ちよく頑張れるように話しあっています。職員の知恵と工夫で質の高い保育が進められています。
A子どもたちが、食への関心を持ち楽しく食事できるように取り組んでいます。
子どもたちが楽しく食事が出来るように様々な取り組みを行っています。食事環境では子どもにテーブルや椅子が合うように足台を用意するなどをしています。開始時に、当番の子がメニュー紹介や「いただきます」と大きな声で伝え楽しく食事している様子が見られました。行事食では季節感を感じられる献立や盛りつけで、子どもたちが楽しく食事できる工夫を行っています。月に2回同じ献立なので1回目の状況を把握し、次回に反映しています。園庭で栽培した野菜などの提供や調理保育で子どもたちが食への関心を持つ取り組みを進めています。
B計画の策定、実施、評価のなかに、振り返りをしっかり組み込んで取り組んでいます。
たとえばイベントを行う場合でも、楽しかった、さようなら、というのではなく、しっかり次につなげていくという意識を強く持って取り組んでいます。いわゆる見直し意識が非常に強いことが、多くの改善につながっています。こうした仕組みが全職員の参加や業務の見える化、問題点や課題、悩みの共有化や活発な議論によって、より有効に働くようになっています。
<更なる改善が望まれる点>
@安全や防犯の取り組み内容を保護者に再度伝え、不安を取り除くことが必要と感じます。
緊急時の対応や災害時の安全確保はマニュアルや実技研修で職員は理解しています。安全確保も防災訓練で子どもの安全確保と職員の役割を確認しています。子どもたちも防災教育や防犯教育でロールプレイ形式の疑似体験をおこない防犯意識の向上を図っています。危機管理計画に沿い職員は年4回防犯訓練を行い不審者侵入時の対応について確認しています。このような取り組みで安全対策等に取り組んでいますが、保護者からは、防犯について一部不安の声も寄せられています。園での取り組みや対応を再度保護者に伝えることも必要と思われます。
A特に地域支援等における業務負担増への対処の工夫が必要と感じています。
地域支援を強化することで外へ出ることが多くなってきています。かなりの部分において、精神的にも物理的にも改善に取り組んでいますし、具体的な成果も出てきていますが、たとえば事務ワークのできる方を一人増やすことはできないか、連携やチームワークをより強化することで業務負担の軽減に結び付けられないか等々、改善へ向けてのなお一層の取り組みが求められています。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 @一人ひとりの子どもが個性を十分に発揮し健やかに成長できる保育を進めています。子ども同士のやり取りでも円滑な意思疎通ができるように職員は寄り添いサポートする立場で保育を進めています。子ども同士のトラブルでも、両方の話を聞き理解しあえるよう取り組んでいます。人権マニュアルは、職員用と臨時職員用を作成し共通理解を持ち保育に取り組んでいます。保護者には、クラス懇談会で子どもの人権について考える場をもっています。子どもたちには、人権集会で人はそれぞれ違うこと、周りの人を大切にすることを伝えています。
A虐待の防止については園全体で早期発見・防止に取り組んでいます。虐待防止への対応は、経験豊かな職員による登園時の視診のほか着替え時、毎月の身体測定時に体にあざや傷がないか確認しています。喫食状況(朝食の有無等)体臭などでも確認しています。また、生活状況も把握し、虐待の防止や早期発見に努めています。虐待が疑われる場合には、市の児童虐待防止マニュアルにもとづいた対応のほか、児童相談所や保健福祉センターとの連携で進めています。保護者には重要事項説明書で責任者の設置や体制の整備等を伝えています。
B個人情報については、入園時に個人情報の取扱いや使用範囲について説明し署名押印を得ています。重要事項説明書では、受付担当や解決責任者、第三者委員について伝えています。配慮の必要な子ども等の発達相談を進める時は、必ず保護者と相談を行い、同意を得たうえで申請しています。必要に応じ保護者の意向に寄り添い時間をかけた対応も心がけています。園にいる2名のコーディネーターを中心にケース検討を行っています。行事等の写真掲示や外部に情報を出す場合は、その都度事前に保護者の同意を得てから行っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @保護者の意見や意向等は個人面談・クラス別懇談会・保育説明会等で把握しています。行事ごとのアンケートでも保護者の意向を把握しています。事務室前に意見箱「あなたの声 みんなの声」を設置し、意見や要望を伝えやすいよう取り組んでいます。日頃から経験豊富な職員が保護者と話しやすい雰囲気・関係づくりを心がけています。保護者と会える時間が限られ待つこともあり、口頭で伝えることを大切にし一緒に喜びあったり、悩みを共有することなどで保護者に寄り添った保育をおこなっています。
A園では自由遊び、グループ活動、当番活動、異年齢グループでの活動や遊びや行事などで子ども同士が様々な関りを持てる機会を作り、子どもたちの自主性を大切にした保育を進めています。夏まつりでは、ポスター掲示のお願いや、おみこしや山車の練り歩きで地域や町内会との関わりを経験しています。支援が必要な子どもの保護者には子育ての大変さなどの気持ちに寄り添い保育を進めています。個別支援を行う時間の「ぱんだルーム」で子どもの発達に合わせた支援を進めています。園では「共育て」の考えで保護者にともに保育を進めています。
B職員は、乳児期より受容的、応答的、共感的な関りで子どもとの信頼関係を築き、どの子も自己表現ができ主体的に生活できるように保育に取り組んでいます。子どもたちが年齢に応じ、一人ひとりの意見を発言したり話し合いを行う活動で子どもたちの自立を支援しています。食事の場面では、子どもたちが食事の挨拶や献立紹介を元気よく行ったり、園庭遊びでも自由に遊具を選び遊んでおり園の保育目標が実践されていることが見られました。
3 サービスマネジメントシステムの確立 @入園説明会や入園時面談で、園の保育目標や園で大切にしていること、園の保育の特色を伝えています。保育開始時には、保育や健康管理、食事について保育士が面談し子ども一人ひとりの生活のリズムや体調に合わせた対応や慣れ保育などについて説明しています。保育説明会では、プレゼンツールを使った説明や動画での職員紹介を行い園の楽しい雰囲気を伝える工夫を行っています。利用開始後は「お子さんが保育園に慣れるまで」のステップに沿って慣れ保育を行っています。保護者への丁寧な取り組みで保護者の不安の軽減に取り組んでいます。
A園では、全体職員会議、乳児・幼児職員会議、朝のミーティング等で情報共有や振り返りを行っています。保護者の要望や意向は、面談や夏まつり、運動会、キラキラ発表会等の行事後の感想等により把握しています。保護者からの要望や意見は、職員会議で検討しその後の保育や行事の見直しや改善に結びつけています。日々の保育については、ミィーティングノートや保健日誌、事故報告書、ヒヤリハット等に記載しています。対応等については、乳児・幼児職員会議や朝のミーティングで職員に伝え、情報の共有と意思統一を行っています。
B毎月の防災訓練で子どもの安全確保と災害時の職員の役割を確認しています。日頃から子どもたちの安全能力を育てるため、防災教育や防犯教育に取り組んでいます。防犯教育ではロールプレイ方式で実際の対応を経験し身につく取り組みを行っています。職員は緊急時の対応について、緊急マニュアル、危機管理マニュアル、事故発生時対応マニュアル等で理解しています。マニュアルは毎年見直しを行い、保育の質を高めています。またアクションカードを活用した実技研修で迅速な対応と漏れの無い対応について全職員が学んでいます。
C基本的生活習慣が身につくよう、個々の発達に合わせながら食事、排泄、着替え、歯みがき等について、家庭との連携を大切にしながら進めています。登降園時の会話や乳児の連絡票で家庭での姿を把握し必要に応じ生活リズムの大切さを知らせ保護者と共通理解で情緒の安定を保ち意欲的に過ごせるよう支援を進めています。子どもたちの園での様子は、保護者には、懇談会のほか健康だより、給食だより、クラスだより等で子どもたちが楽しく園で生活していることを伝えています。保護者の意向は、個別面談や懇談会、保育参観等で確認しています。
D園では、異年齢交流計画にそって異年齢保育を進めています。異年齢保育では、4つの異年齢のグループ集団をつくり、その中に異年齢3人の小集団をつくっています。活動を通し、「大きい子にあこがれを持つこと」「小さい子に対して思いやりの気持ちをもつこと」を大切に取り組みを進めています。毎月の異年齢活動である「なかよしデー」や、異年齢で食事や午睡、一つの遊びをする機会など多くの交流の場を設け子どもたちの成長を促しています。「なかよしデー」では、カラオケごっこやおしゃれごっこなどで楽しんでいます。
E子どもたちが楽しく安心して食事が出来るように取り組んでいます。子どもたちが元気に楽しく食事している様子が訪問時に見られました。子どもたちの体にテーブルや椅子が合うように、足台を用意するなどの工夫をしています。食事のメニューは1か月に2度同じ献立になるため、1回目の子どもたちの食べ具合や反応を把握し次回の調理に反映しています。ひな祭りなどの行事食では季節が感じられるような献立や盛りつけを行うほか、行事の由来なども学んでいます。異年齢で食事する機会などでも食事の楽しさを伝えています。
4 地域との交流・連携 @「新たな公立保育所」の麻生区のブランチ園として地域の子育て支援や民間保育園との連携や支援をさまざまな形で行っています。連携施設の一環として、近隣の小規模保育室の入園前健診、毎月の健康診断、歯科健診の合同健診なども実施しています。また保護者協議会主催の移動動物園やクリスマスコンサート等では近所の保育園や子育て家庭を受け入れています。
A子育て中の親子の来園者には、積極的に声をかけ、温かく丁寧な応対を行い、関係づくりに努めています。また、「地域子育て支援KOKOROE(心得)ガイド」を活用し、職員一人一人が地域支援についての意識や行動の振り返りを行っています。
B以前と比べると会議などで議論が多くなっています。つまり、連携に心掛け、チームワークで動き、職員間で全体を知っている状況が作れてきています。そういう意味で業務の見える化の効果は大きく、精神的にも安心して協力し合えるようになっています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 @保育目標を「た・か・い・し」の頭文字を使って表し、保育説明会の資料では分かりやすいイラストを用いて説明をしてなど、伝えることを、わかりやすく伝える工夫に取り組んでいます。理念・基本方針は、事務室、玄関、各部屋に掲示して、保護者や地域の来園者等に伝えています。職員には、年度初めの職員会議で保育理念、保育目標、保育方針を確認しています。
A保育園の課題に関する5つのプロジェクト「環境(外)」「環境(中)」「危機管理」「地域子育て支援」「民間連携人材育成」に全職員が分かれて担当し、計画を立て自主的に課題解決に取組んでいます。プロジェクトの見直しも常に行われ、たとえば環境を「環境(外)」と「環境(中)」に分けて、重点的に取り組むなどの見直しを行っています。各クラスで困っていることがあれば聞いて、どうしたらよいかの会議を月1回行っています。プロジェクト会議があることで、頑張ろうというモチベーションが生まれてきています。
B保育所保育指針の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に照らし合わせた事例の振返りや川崎市「保育の質ガイドブック」を活用した公開保育の実施等を行い、保育の質の向上に努めています。職員は、市の運営管理課が主催する研修や麻生区保育総合支援担当主催の研修や会議に出席し、質の向上のため研鑽につとめています。そのなかで重視しているのは、前年度の取り組みを踏襲せず、業務の見直しや効率化に取り組むことです。そのために毎月の業務予定を各職員が出し、働き方の見直しを進め事務作業時間の確保に取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 @各自の業務量の見える化のため業務予定表の記入や計画的な休暇取得に向け希望を調整する取り組みを行っています。同時に、業務が多くなってきているので、効率的にできる方法はないかなど検討しています。見える化を行うことで、業務の負荷状況が把握でき、かつ共有化できるので、時間調整がしやすくなり、お互いに助け合う状況が生まれてきています。
A定期的な個別の教育・研修計画の評価・見直しを行っています。また研修成果を保育の現場に活かす活動を積極的に行っています。たとえば、研修に参加後は、救急法の実技研修やインクルーシブ保育の公開保育を行い、学びを広く共有できるようにしています。
B職員の育成については、教育・研修計画に基づき進めています。具体的な取り組みについては、各職種のキャリアシートがあり、自身の現状を確認し目標を明確にすることで、キャリア形成に取組んでいます。個々の職員に対しては、現状での達成度の把握と課題を確認し、育成担当者との面談を実施しています。また、研修には個々の職員の希望を確認し参加できるようにしています。研修参加後は、研修報告書を提出し会議での報告を行うことになっています。受講者の研修アンケートは、次年度の研修計画の立案に役立てています。

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