かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

杉田幼児園

対象事業所名 杉田幼児園
経営主体(法人等) 個人
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 235 - 0033
磯子区杉田4−6−31
tel:045-771-5176
設立年月日 1947年05月28日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 杉田幼児園は、杉田八幡宮に隣接し、戦後間もない昭和22年5月「鎮守の社を保育の庭に」を合言葉に設立された歴史ある認可保育園です。JR根岸線新杉田駅や京浜急行杉田駅から徒歩8分程の閑静な住宅街にあります。園庭として使用している境内では、子どもたちが遊具で楽しく遊び、運動会も開催されます。定員は1歳児から5歳児まで、127名です。開所時間は平日は7時30分から18時45分まで、土曜日は15時30分までです。保育目標として「心身ともに健やかな子ども、優しく思いやりのある子ども、たくましく意欲のある子ども、感性豊かで創造力のある子ども、そのような子どもの育つ力を支える保育を図ります」を掲げています。日本が古来から大切にしてきた和の心を基盤に、子ども同士が自然なかかわり合いをもち、きょうだいのように協力しながら個々の成長を促していくことを目ざしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○地域の子育て支援に関するニーズを収集し、子育て支援活動を行っています
 地域の子育て支援に関する情報を、磯子区幼保小交流事業や幼保小連携推進地区連絡会、近隣の保育所との交流を通じて収集しています。また、磯子区幼保小教育連携研究会や園長会、社会福祉協議会分科会などに参加し、地域の子育て支援活動に関する意見交換をしています。地域の子育て支援ニーズへの対応については、職員会議やクラス会議において話し合っています。地域での子育てを支援するためのサービスとして、園庭や神社境内の開放、近隣の保育所や幼稚園との交流保育を行っています。今後も、保育の専門性を生かした子育て拠点としての活動を行うことを、重点課題として取り組むことにしています。

○子どもたちは日本の伝統行事を通じ、豊かな感性をはぐくんでいます
 園は歴史ある神社に隣接しているので、境内で日々遊び、子どもたちが成長していく環境としては最適な立地にあります。さまざまな日本の伝統行事に取り組み、行事を通して友達とのかかわりを深め、感動や感謝の心、達成感を育てています。プール開きではプール遊びの安全を祈念するお祓いを行い、七五三では神社にお参りし健やかな成長を祈っています。七草粥や節分、お月見などの季節ごとの行事では、自然の恵みや日本の伝統的な行事、風習に対する興味を深め、子どもたちの豊かな感性が磨かれています。

○わかりやすくまとめられたマニュアルによって保育の標準化が図られています
 園では、保育の理念や基本方針をはじめ、保育の心得、新学期保育士へ、実習生受け入れ、感染症、安全管理、保健衛生、記録、連絡帳の書き方など、幅広い内容についてまとめられたマニュアルを作成しています。「なぜ必要なのか」というところから要点を簡単にまとめたわかりやすい内容です。職員会議などで研修を行うことでその内容を周知しています。保育業務の手順や内容をだれでも行えるように標準化すること、業務の質を一定水準に保つことで、効率化につなげています。また、トラブルやクレームへの対応についても、事例を生かしマニュアル化することでトラブル回避につなげられています。マニュアルは年に1度見直しがされています。随時の更新も行われ保育の質の確保につながっています。

《事業者が課題としている点》
 園では、防犯対策や、保護者向けに保育方針などを発信すること、地域交流などを課題としてとらえています。保育方針や目標を大切に保育をしていくために、保護者にも方針や目標を理解してもらう機会を積極的に作ることを課題としています。現在は保護者懇談会がないので、今後の開催に向けて職員全体で検討しています。また高齢者施設との交流や育児相談、子育てのヒントを記載した「すくすくだより」を地域の掲示板に掲示してもらうことも検討しています。園は神社に隣接し、防犯対策は難しい面もありますが、工事業者と話し合い、実効性のある対策を模索しています。園として各課題に対しての取り組みについて話し合っています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 園では保育目標として「心身ともに健やかな子ども、優しく思いやりのある子ども、たくましく意欲のある子ども、感性豊かで創造力のある子ども、そのような子どもの育つ力を支える保育を図ります」を掲げています。この保育目標は子ども本人を尊重したものとなっています。この保育目標に基づき、日々子どもたちは伸び伸びと生活しています。保育の全体的な計画や指導計画に関しては、全職員が保育理念や保育方針を意識して作成しています。保育方針は、4月の職員会議で読み合わせをして周知を図っています。保護者には「入園・進級のしおり」に記載し周知しています。
 職員は子どもに伝わる穏やかでわかりやすい言葉づかいを心がけ、否定的な言葉で対応しないなど子どもの思いを尊重しています。子どもへの言葉かけや声の大きさについて、威圧的にならないよう職員間で配慮しています。言葉が不十分な子どもには、抱っこや膝の上で手遊びをするなどスキンシップを図り、表情やしぐさから子どもの気持ちを受け止め、信頼関係を築くよう努めています。園が発行している「すくすくだより」には言葉についてわかりやすく説明しています。職員は、配付されている「保育の心得」にある「人権を配慮した保育」の中で、コンプライアンスについて勉強しています。
 保育室の中で、子どもがホッとする場所を作っています。子どもが話したい時や職員と1対1になりたい時は、その子どもの性格に合わせて廊下や園長室、保育室の中の小さいスペースを使用しています。園庭の一角には、ほかの子どもたちの視線を気にせず過ごせる小さな場所があり、子どもたちに人気があります。室内は、必要に応じてパーティションを使ったりすることもあり、落ち着いて話ができるようにしています。なお、子どもがおねしょをした場合には、ほかの子どもに気づかれないよう、別室で着替えられるようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画の作成にあたっては、子どもの家庭環境や園を取り巻く環境、地域の実態について、職員会議で話し合い、情報共有を図っています。また、職員全員が意見を出し合い、全体的な計画の原案を持ち寄り、それを主任、副主任、クラスリーダーが取りまとめて作成しています。園の周辺には公園が多いため、散歩や運動遊びなど自然との触れ合いを取り入れるよう考慮して作成しています。また、園の近くのショッピングセンターに5歳児が買い物に行く活動なども取り入れています。全体的な計画は保育室に掲示し、保護者へは入園・進級のしおりに記載し説明しています。
 全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画を立てています。各年齢の担任が保護者の要望も取り入れ作成した指導計画を、主任や園長が確認し、必要であれば改善を促し、作成しています。保護者には個人面談で、各年齢の子どもの成長と、それに伴いどのように保育を進めていくか、計画の内容について具体的に説明しています。保育士は日ごろから子どもの意思をくみ取る努力を重ね、1、2歳児については、表情やしぐさから子どもの意思をくみ取っています。3〜5歳児については、子ども同士のやり取りを注意深く聞いて気持ちをくみ取っています。子ども同士で話し合う機会も設け、互いが納得できるよう、子どもの気持ちを大切にしながら進めています。
 2月下旬に子ども同伴で入園面接を行い3月上旬に入園説明会を実施しています。その際に、子どもの様子も観察しています。個人面接では、家庭状況や健康などについてていねいに聞き取っています。面接は、園長と主任保育士が主に対応していますが、必要に応じて栄養士も同席しています。1歳児の場合は担任と面接しています。面接を通して把握した保護者と子どもの状況については、入園時面接記録票にていねいに記載し、全職員で確認しています。アレルギーの有無や既往歴など注意が必要な項目については、職員会議で議題にし、確認しています。1歳児では、入園時面接記録票をもとに、授乳の時間や方法、睡眠、好きなおもちゃなどの情報を得て、保育に生かしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

 入園直後には子どもの不安な気持ちに配慮して、短縮保育を実施しています。保護者に入園時面接で短縮保育の必要性を説明して、保護者の就労状況や子どもの様子を見ながら実施しています。入園時は、子どもと保護者が新しい環境にスムーズになじめるように、園長以下、保育士総出で対応しています。特に、新入園児の短縮保育中は、在園児が寂しくならないように、迎えに来た保護者には目立たないように子どもを引き取ってもらっています。1歳児の新入園児の受け入れ担当者はほぼ決まっています。園生活に慣れるまでは、子どものお気に入りのタオルやぬいぐるみなどの持ち込みができます。食事や睡眠、排泄など園での子どもの様子は、連絡ノートに詳細に記録して保護者に伝え、家庭での子どもの様子も記録してもらい、連携を密に取っています。1歳児のクラスでは、担任のうち一人は持ち上がるようにしています。
 年間指導計画や月案は、正職員のクラス担任がそれぞれ作成しています。そして、それを基に担任同士が話し合い、子どもの発達状況に合わせた計画を主担任がまとめています。その際、園長と主任が読み、修正が必要であれば指摘し指導しています。なお、年間指導計画や月案は前月の自己評価後の子どもの発達状況に合わせて作成し、個人面談や連絡ノート、送迎時の会話などから把握した家庭からの要望や、子どもの育ちに必要な配慮事項についても考慮しています。特に、トイレットトレーニングや離乳食、睡眠時間などについては、保護者の意向をていねいにくみ取り、月案に反映させています。
 子ども一人一人の成長記録については、発達曲線グラフなどに表し、個別の児童票にファイルしています。1、2歳児は毎月、3〜5歳児は一年を四期に分けた期ごとに、児童票の成長発達経過記録に記録しています。重要な申し送りも記載しています。児童票は事務室の施錠できるキャビネットに保管し、全職員が必要時に閲覧することができます。進級の際には前担任から次年度担任に文書で引き継いでいます。保育所児童保育要録は5歳児クラスの担任が作成し園長が確認しています。そして、進学先の小学校に送付しています。


4 地域との交流・連携

地域の子育て支援ニーズについては、職員会議やクラス会議において、日常の保育にかかわる事項について職員間で話し合っています。地域での子育てを支援するためのサービスとしては、園庭や神社の境内を開放しています。また、近隣の保育所や幼稚園との交流会を実施し、ドッジボールやゲームなどを通じた交流保育を行っています。今後は、主任や副主任を中心とした子育て支援サービスに関するチームを編成し、保育の専門性を生かした子育て支援拠点としての活動を行うことを、重点課題として取り組むことにしています。特に、園で発行している「すくすくだより」の配付や育児講習会の実施などを検討しています。
 地域の幼保小連携や療育の取り組みに参加し、近隣の保育所や小学校、関係機関との交流を深めています。関係機関との連携にあたっては、園長および主任を中心に活動内容に応じてクラス担当職員を選任し、関係機関の担当者と協力して活動しています。特に、地区の幼保小連携推進連絡会や、磯子区福祉保健センターの相談窓口、児童相談所との連携体制を整えています。また、療育に関する相談に対しては、横浜市南部地域療育センターと連携して対応しています。専門分野の知識が必要な活動については、嘱託医や栄養士、調理員などと連携して的確な対応を図っています。今後は、関係機関との連携体制や活動情報を職員に周知し、共有化することを期待します。
 利用希望者の見学については、見学希望者の都合に合わせて柔軟に受け入れています。見学者には、入園案内を配付し、保育の理念や基本方針、利用条件、サービス内容について説明しています。園内の見学は、園長および主任、事務担当職員が見学ルートに沿って案内しています。特に、園の成り立ちや設立の趣旨をわかりやすく説明するとともに、園の自然環境を中心に見学してもらっています。見学や保育内容に関する問い合わせに対しては、常時受け付けるとともに複数の職員が連携して対応する体制を整えています。園全体で確認する必要のある問い合わせについては、園長および主任と連携して迅速に対応しています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

 園全体の自己評価は、各クラスの自己評価を基に、「保育所の自己評価表」に基づいて取りまとめています。各クラスの自己評価は、クラス会議や勉強会において保育状況を確認するとともに、月案や週案の振り返りを基に行っています。園全体の自己評価については、園長および主任が、保育の理念や、子どもの発達援助、保護者に対する支援、保育を支える組織的基盤などの項目別に評価しています。特に、クラス会議において抽出した課題や園全体の改善事項について協議し、自己評価表を作成しています。また、年度末には、保育目標や保育方針、方向性を確認し、全体的な計画や年間カリキュラムの振り返りを行っています。
 ゴミの減量化やリサイクルについては、各部屋に分別用のゴミ箱を設置するとともに「ゴミの捨て方」を掲示しています。子どもたちにも、分別の大切さを説明し、ゴミの分別管理に協力することを実践しています。また、おもちゃ作りや工作用の材料として、ペットボトルや牛乳パック、段ボールなどの廃材を使用しています。印刷物の裏紙はメモ用紙に使用し、廃棄書類などの減量化を促進しています。省エネルギーに向けた取り組みとしては、保育室やトイレを使用していない時は、不要な電気を消すことを徹底し節電を促進しています。また、ゴーヤを栽培して木陰を作ったり、屋上に日よけシートを設置するなどの取り組みを行っています。
 園の保育理念や目標、保育方針を、入園案内や入園・進級のしおり、全体的な計画に明示し、全職員に配付しています。職員に対しては、年度初めの職員会議や園内研修などの場で保育目標や方針を確認し、日常の保育活動において実践することを周知しています。園長は、毎年「新年度にあたり」を作成し、園の方針および方向性を明示するとともに、園の保育理念や目標の趣旨を全職員に伝えています。日常の保育においては、クラス会議やミーティングなどの場で、職員間の意見交換を通じて理解を深めています。また、年間指導計画や月案、行事計画などの作成にあたっては、保育目標や方針を確認しながら職員が主導して作成しています。


6 職員の資質向上の促進

 各職員のスキル向上にあたっては、各職員が積極性や協調性、責任性、知識・技術、理解力・表現力などのチェック項目ごとに自己評価をする「自己評価シート」を基に、個別面談を通して職員の就業意識や意向を確認しています。特に、自己評価シートの作成時に各職員が課題や目標を明確にすることを促進するとともに、主任および副主任は、各職員の経験年数やスキルの段階に合わせた指導をしています。また、クラス会議において、保育内容や保育環境に関する意見交換を行っています。園全体の保育業務については、横浜市の保育監査や第三者評価を定期的に受け、園の運営や各クラスの保育内容をチェックし、保育の質向上につなげています。
 各職員が日々の保育を振り返ることの重要性を伝え、クラス会議などにおいて振り返りを行うことを促進しています。また、定期的に保育の質向上に向けた勉強会を行い、各職員が保育活動を振り返る時間を設けています。保育に関する振り返りは、クラス単位で作成された年間指導計画や月案などを基に行っています。振り返りにあたっては、園の保育方針である「家庭的で温かい雰囲気のクラス作りを心がける」ことに沿った取り組みになっているかを、日常的に振り返り、子どもが取り組む過程を重視しています。園では特に、各職員が主体的に行動することを促進しています。
 各職員の就業状況は勤務表を基に把握し、担当業務の範囲や業務量の適正化を図っています。特に、勤務状況を把握し業務範囲の適正化や事務作業の効率化を図り、通常業務が就労時間内で終了することを促進しています。職員の勤務体制については、有給休暇を交替で早めに取得できるように柔軟なシフト体制を整えています。主任および副主任は、各クラスにおける職員の保育状況を把握するとともに、面談を通じて各職員の抱えている問題や要望を集約しています。また、クラス会議や職員会議などにおいては、各職員が参画意識を持って発言や提言ができ、気軽に話し合える働きがいのある職場作りを推進しています。


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