かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市菅保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市菅保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0001
多摩区菅1-5-24
tel:044-945-5109
設立年月日 1968年06月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
<施設の概要・特徴>
菅保育園は、JR南武線稲田堤駅から徒歩3分の住宅地にあります。園の周辺では近年子どもたちの数も増えており保育需要への対応が求められています。当園の開設は昭和43年6月1日で長い歴史があり、地域住民とのつながりも深く良好な関係が築かれています。地域支援事業や園庭開放などを行い、地域との関わりを大切に保育を進めています。保育理念「健全な環境と豊かな愛情のもとで、ひとりひとりを尊重し、子どもの最善の利益を守り、未来を作り出す基礎を培う」や保育目標の「からだもこころも元気な子・いきいきと遊び感性豊かな子ども・友だちと仲良く遊ぶ子ども」を実現するために、経験豊かな職員が子どもや保護者の意向を把握しきめ細かな対応を行っています。保護者からは、子どもへの対応や保護者との信頼関係で高い評価が寄せられています。
<特に良いと思う点>
@保護者や子どもたちとの関りを、大切に保育を進めています。                
開園中は、事務室の入り口の戸や窓を開けておき、いつでも保護者や子どもたちが話せる環境をつくるほか、登降園時には、笑顔を絶やさず話しかけるなど保護者が話しやすい雰囲気づくりを行いコミュニケ―ションを大切にしています。利用者アンケートでは、子どもへの対応について多くの保護者から信頼できるとの声が寄せられました。保護者の要望や意向は、個人面談やクラス懇談会、保護者役員会のほか、保護者参加の行事後のアンケートで把握し個々に丁寧に細やかな対応を行っています。職員は市の研修や自主研修で保護者対応について学んでいます。
A子どもの人権を尊重した考えは、人権研修やグループワークで職員に伝えています。
人権については、保育の質ガイドブックに沿った対応を進めています。「自我を受け止め、一人ひとりに寄り添う」を基本に、園では子どもたちの想い受け止めながら日々の保育を進めています。室内の遊びでは、コーナー設定や子どもたちが自由に遊具を取り出し遊べるようにするなど、子どもたちの自主性を大切に取り組んでいます。子どもミーティングでは子どもたちが丸くなって座り自由に話し合い色々な考えのあることを理解し大切にすることを学んでいます。訪問時にも子どもたちが丸くなって座り活発に話し合っている様子が見られました。
Bひとりでやるのではなく、みんなで考えることが習慣化されつつあります。
組織マネジメントについては、“開かれている”“業務を見える化する”“気づいてわかる、ほめて伸ばす”“希望を出し合い、全体で決める”“定期的に振り返る”“日々の取り組みを通して行う”“元気の出るカンファレンスを行う”といった考え方が、園の経営や業務の遂行において実現していくかを考えながら活動しています。その前向きで明るさに好感を持ちました。
<さらなる改善が望まれる点>
@日々の保育で、子どもに配慮した取り組みを進めていますが、シャワーの目隠しについて更なる配慮が求められています
子どもたちとの関りは、経験豊かな職員が子どもに寄り添い理解を深めながら進めていることが見られました。子どもたちには、嫌な時は嫌と言うことの大切さも伝え、子どもたちが伸び伸びと活動を行えるよう丁寧な対応を心がけていました。日々の保育では、おむつ交換やトイレ・シャワーなどでは、目隠しをして子どもに配慮した対応が進め、一人ひとりの子どもに合わせた個別対応を進めていましが、職員からは夏のシャワー使用時の方法について、より子どもに配慮した対応も必要との声が聞かれ、夏に向け検討することが必要と思われます。
A地域ニーズの把握や地域支援についての業務内容の工夫が求められています
地域支援業務については、活動の参加率や近隣の施設の動きを見ながら、例えば「親子プール」のように回数を削減するなど、効率化に取り組んでいます。ただ、業務量が多いと職員が感じているということは職員の声として聞かれるところです。地域支援におけて大切なのは、園が有する人材であることは疑う余地のないところですが、教材・遊具の貸し出しが多くなっていることにも着目する必要があるでしょう。地域支援の在り方について、その必要性が高まることがあっても少なくなることはないという状況を考えると、より広い視野からの検討が求められるでしょう。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 @経験豊かな職員の知見を活かしながら「自我を受けとめ、一人ひとりに寄り添う」を基本に、子どもたちの想いを受けとめ、丁寧な対応で日々の保育を進めています。保護者には、月一回の「ハート通信」等で園の取り組み内容を伝えています。職員は「保育の質ガイドブック」を活用し毎月振り返りを進めています。日々の保育ではコーナー設定や自分で取り出しやすい遊具設定、子どもを呼び捨てにしない等に取り組んでいます。子どもたちには、子どもミーティングの場でいろいろな考えがあることやその考えを大切にすることを伝えています。
A「虐待の防止マニュアル」に沿って虐待防止に取り組んでいます。日々の保育では、登園時の視診や保護者との会話のほか、日常の保育の場で子どもの身体的・精神的な変化をしっかり確認するなどで早期発見を心がけています。虐待への対応は、職員会議での情報共有や対応の検討などを行い、一人ひとりに丁寧な対応を心がけています。保護者には、入園時に重要事項説明書で責任者の設置や体制の整備、相談窓口などを伝えています。虐待が疑われる場合には、要保護児童対策地域協議会や児童相談所等と連携し、迅速な対応を心がけています。
Bプライバシー保護に関する園の考えは、入園時に入園説明会や個人面談で必要最小限の範囲での使用について伝え、個人情報使用同意書を提出してもらっています。行事などで、子どもの写真や情報が必要な場合は、個別に保護者の同意を得てから使用しています。職員は、一人ひとりの子どもに寄り添い、嫌な時は嫌ということの大切さなどを伝え、子どもたちが伸び伸びと活動できる環境を整えています。日々の保育では、おむつ交換やトイレ、シャワーで目隠しなどの配慮を行っています。より良い保育を目指し更なる改善が必要と考えています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @職員と保護者の良好な関係が築かれています。利用者アンケートから、子どもへの対応について多くの保護者から信頼できるとの声が寄せられました。保護者の要望や意向は、個人面談や年2回のクラス懇談会、毎月の保護者役員会のほか、カッパフェスやにこにこリサイクル等の保護者参加の行事後のアンケートで把握しています。アンケートの集計結果は、保護者役員会等でフィードバックしています。日々の保護者への連絡は連絡帳や連絡ノートで進めています。職員は、園内で行っている職員自主研修で保護者対応について学んでいます。
A子どもたちや保護者が、職員と気楽に話せる環境を整えることが大切と考えています。開園中は、事務室の入り口の戸や窓を開けておき、いつでも話せる環境をつくるほか、登降園時には、笑顔を絶やさず話しかけるなど保護者が話しやすい雰囲気づくりを行い保護者とのコミュニケ―ションを大切にしています。子どもたちも気楽に事務室にきて話をしている状況が見られました。このような取り組みで、子どもが楽しく生活している、子どもを温かく見守っている等の声が寄せられ、子どもの主体性を大事にした取り組みが見られました。
B子どもの、発達・興味・関心に合わせた保育指導計画を作成し、一人ひとりと向き合いながら保育を進めています。異年齢保育や子どもたちの想像力を育成する創作活動ではクラスの枠を超えての活動に取り組んでいます。室内遊びでは、複数の遊具を用意するなど子どもたちの関心内容に合わせて選択できるようにしています。インクルーシブ保育の考えを大事、子どもたちに、人の多様性について伝え運動会や発表会では、障がいのある子が参加できるプログラム内容を取り入れるなど障がいをもってる子どもたちも一緒に楽しめる工夫を行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 @入園を希望している保護者には、入園説明会や園の見学時に、保育方針や依頼ごとを伝えています。説明会では、職員が入園にあたって伝えておきたいことを、プレゼンツールを使いわかりやすく説明しています。年度初めには、一人ひとりを大事にした保育を進めていることを伝え、園での生活に不安を持たないよう丁寧な対応に取り組んでいます。就学時にも保護者へは、クラス懇談会での丁寧な説明や個人面談、就学説明会等で不安への対応を行っています。子どもたちは、小学校で授業を受けたり遊びに行ったりなどで学校生活を体験しています。
A園の保育についての基本的な姿勢は、保育目標で「からだもこころも元気なこども」「いきいきと遊び感性豊かなこども」「友だちと仲良く遊ぶ子ども」と伝えています。日々の保育では、全体職員会議や乳幼別職員会議の話し合いで作成される、年間指導計画や月・週日の指導計画、個別指導計画をもとに園の考えに沿った保育が実践されています。園の長い歴史のなかで培われた、フレンドリーで話しやすい風土の中で、子どもたちに寄り添った保育がおこなわれています。保護者からも「子どもが毎日楽しく登園している」等の声が聞かれました。
B防災や安全の対応は年間避難訓練計画等を作成し取り組んでいます。保護者には「重要事項説明書」「入園のしおり」で災害時の対応や不審者対応について説明しています。職員は園舎の消火器がどこにあるかをスタンプラリー的なゲームの要素を取り入れ工夫し取り組んでいます。職員は防災マニュアルや震災マニュアル、健康管理マニュアル等や手順書で周知しています。またアクションカード研修や応急手当研修などで緊急時に漏れがなく迅速な対応に結びつく取り組みで対応を理解し子どもの安全対策を進めています。
C登園時には保護者との会話から家庭での様子を把握しています。家庭での様子は必要に応じ朝のミーティング等で状況を共有しています。クラス別のデイリープログラムでは、家庭の状況をふまえ休息の時間帯などに配慮し一人ひとりの生活のリズムを大切にしています。降園時には保護者にその日の出来事を良いエピソードを交えて伝え、帰宅後家族で話し合えるようにしています。保育時間の長い子どもには、職員体制や室内環境について落ち着いて遊べる工夫をおこなっています。クラス交流、交流散歩、仲良しランチで異年齢保育を進めています。
D給食では、日替わりで子どもたちが配膳やメニューを紹介しています。食事の献立表も子どもが理解しやすいようにひらがなで作成しています。子どもの発達等に合わせ、テーブルの配置や高さを調整するなどの配慮で、子どもたちが元気に明るく食事を楽しんでいました。給食は、出汁から手づくりするほか国産の食材や園での栽培物など、こだわりの食材も取り入れ、子どもの安全に配慮しています。七夕やひな祭り、節分、クリスマスなどの行事食では、子どもたちが見て楽しい盛り付けなどの工夫で食に関心を持ってもらうことを心がけています。
E健康集会では、子どもたちに体の仕組みや風邪の予防のための手洗いの大切さなど、パネルを使い分かりやすく伝えています。安全対策については、固定遊具の点検や遊具の遊び方を伝えるほか、日々の声がけや靴や衣類のサイズ等の確認を行い子どもが安心して生活できるよう配慮しています。園で10年ぐらい前から取り入れている裸足保育は保護者に園見学時に説明し理解を得ています。園の健康管理の取り組みは、健康だよりで伝えています。子どもの健康状況は保育日誌で、病欠状況、視診状況、応急処置について職員間で共有しています。
4 地域との交流・連携 @地域との関係確保という視点から、ア.人材提供(講師など)、イ.場の提供(園庭開放など)、ウ.教材・遊具の貸し出し、ェ.知識の提供(専門職)などの提供を積極的に行っています。なかでも人材の提供、活用が一番大切と考えており、その活用を重視しています。地域のつながりを大切にし、積極的に役割を果たしていくという意味で、公開保育やコーディネーターとしての役割に特に力をいれています。
A保育教材の貸し出しが多くなってきています。そうした要望に対応すべく、教材の作り替えを行い、よりニーズにマッチした教材づくりに取り組んでいます。「パネルシアター」はそのひとつの例です。わかりやすく、関心をもってもらえる教材ニーズに対応する取り組みを行っています。
Bボランティアの受け入れ体制の確立は、ボランティアを単に数多く受け入れるということではなく、中学生の職場体験、高校生のインターシップ、保育士養成校の保育実習、さらには学校の先生などにも参加してもらっており、育成に力点をおいた受け入れになっています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 @理念・基本方針についての利用者や職員の理解について、見てもらう、読んでもらう工夫も大事ですが、それは日々の取り組みを通して達成されるとの考え方、また利用者から掲示しているにもかかわらず知らなかったといわれるケースもあり、そのためにリマインドをいかに行うかが大切であるとの考え方に基づいての活動をしています。事務室の開放に象徴される開かれた雰囲気作づくりも、リマインドに貢献しているといえるでしょう。職員においても定期的な振り返りを大切にしています。
A職員のタイムスケジュールを出してもらって改善・見直しが行われています。いわゆる1日の業務の見える化を行うことで、何が負担になり、何を効率化する必要があるかなど、自らが気づきや発見ができるだけでなく、他の人がほかの人の業務について理解し、サポートしやすい環境が醸成されてきています。担任ひとりでやるのではなく、みんなで保育を考えるようになり、チームワークが生まれてきています。
B会議に要する時間の短縮、多くなっている業務量の効率化による削減、業務の見える化による休暇取得率の向上(周りからの理解も得やすくなった)など経営や業務の効率化や改善に向けた成果が出始めています。特に業務が増えている地域支援については、効率化を目標に業務を行なわねばならないという意識が高くなっています。
6 職員の資質向上の促進 @作成には大きな苦労はあったようですがタイムスケジュールを出してもらったことは大きな効果があったようです。業務の見える化ができたことで、この業務にこんなに時間がとられているかがわかり、いろんな気づきがあったようです。見える化の効果は自分だけがわかるのではなく、リーダーはじめ周りの人にも、〇〇さんはどの業務が負担になっているのかがわかり、サポートに入りやすくなり、協力体制がうまれています。その結果、休暇の取得なども、取得しやすくなっています。非常に大きなプラスの循環ができています。
A個人の能力を育てることに配慮がなされています。当園には20代、30代の若い人も多いため、押し付けるのではなく自らの反省ということ大事にし、人事評価などにおいては個人の課題出しにおいて良いところを伸ばすことに重点をおいて育成しています。気づいてわかる、ほめて伸ばす、の考え方で行われています。
B業務の効果について、職員が実感できることがやる気を生み、改善につながっています。地域支援において効率化を目標に掲げて取り組んだことで、職員の意識は高くなったといいます。言いたいことが言える環境があることが、みんなで取り組む意識を高め、担任一人でやるのではなく皆で考えるという土壌が作られています。今何が重要かをわかっているから、一所懸命に取り組む姿勢につながっています。保護者支援の重要性を理解しているから保護者と時間を過ごす「ホットルーム」に取り組み、当園の理念である一人一人を大切にした保育には、普段の保育プラスアルファが必要で、それは丁寧な対応をすることであると理解しているから、それができています。

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