かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

鎌倉市立腰越保育園(2回目受審)

対象事業所名 鎌倉市立腰越保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 鎌倉市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 248 - 0033
鎌倉市腰越5-11-17
tel:0467-31-1808
設立年月日 1968年08月01日
公表年月 2019(平成31)年04月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<概要>
鎌倉市立腰越保育園は、江ノ島電鉄腰越駅から徒歩5分程のところにあり、腰越漁港や目白山に近い閑静な住宅地の自然環境に恵まれた中にあります。
開設50年、築50年の鉄筋コンクリート造り2階建の園舎と、約330uの広い園庭があります。現在、0〜5歳児定員90名に対して109名を受け入れており、障がい児保育も、積極的に行っています。
保育理念として「乳幼児の最善の利益を基本として、保育と子育て支援を行う」を掲げ、保育方針を「子どもを理解し十分受け入れて心の安定を図り、大人との信頼関係を築く」、「子どもが安心できる環境の中で、生活の基本を身に付け心身の成長を保護者と連携して図る」、「子どもの生活及びあそびを通して保護者と子育ての楽しさを共有し支援する」としています。
保育目標は「心身ともに健康な子ども」「自分の持っている力をのびのびと発揮できる子ども」を掲げて、日々の保育に取り組んでいます。

<優れている点>

1. 充実した地域子育て支援を行っています

 地域の子育て中の親子が、園の子どもたちや職員と一緒に遊んだりする「おしゃべり広場」を開催しています。夏祭り、焼き芋、新年会、餅つき会、ボランティアによる獅子舞などの伝統行事にも、地域の親子が一緒に参加して楽しんでいます。
おしゃべり広場では、0〜5歳児クラスの子どもたちと地域の親子が一緒に遊んだり、給食の試食や栄養士・保健師による食育や健康相談なども出来ます。保育実習生8名、高校生のインターンシップ2名や、中学生の職場体験3名を、毎年受け入れています。


2. 様々な食育活動により、子どもの育ちを支えています

「年間調理保育計画」により、野菜栽培の準備から収穫、調理して味わう経験を通して、食への関心を高める取り組みを行っています。子どもたちは、野菜の皮むきなど調理の過程で身支度や衛生面の大切さも学んでいます。季節ごとに自分たちで育てた野菜を使用して、おやつ作りなど調理保育を実践し、食材への関心を高め、食べることや休息の大切さを学んでいます。
保育参観日に、給食の試食を実施し、保護者に給食の味付けや食事内容、子どもたちの食事の様子を見てもらい、保育園の生活や食事に親子で共感しあい、家庭での食事が豊かになるよう工夫しています。また、食材の放射性物質の測定や食材の産地を掲示することで安全な給食を提供できるようにしています。


3.  地域の養護施設と交流して障がい児保育に取り組んでいます
鎌倉市子ども相談課、発達支援室の支援を受けて、障がい児の受入れを積極的に行っています。5歳児は、近隣の養護学校鎌倉分教室の生徒と、さつま芋の苗植や収穫で交流しています。市内の児童発達支援センターを訪問したり、招待して子どもたちが一緒に遊んでいます。近隣の小規模保育室とは、2歳児を中心に職員も関わりながら連携して、交流しています。


<改善すべき事項>

1. 新しい保育所保育指針に対応した取り組み

平成30年度の保育指針改定に合わせて、保育課程の内容を鎌倉市立保育園の各園長が見直しを行っています。
来年度は、「全体的な計画」を作成し、これを基に各指導計画を作成して「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確にすることが期待されます。


2. 年間指導計画に評価反省書式の整理

クラス別に四半期単位の「年間指導計画」を作成しています。職員は、「年間指導計画」に対応した「年間指導計画反省」のフォーマットに四半期単位で、養護・教育・食育・保護者支援の各項目に沿って、保育の評価・反省を行い記載しています。
計画と評価・反省の用紙が分かれているため、計画と評価の比較検討が分かりづらくなっています。書式を見直し、計画と評価を比較検討できるようにすることが期待されます。


3. 不審者侵入対策など安全確保方法の再確認

避難消火訓練計画で、不審者訓練、園児連れ去り訓練を行っています。登降園時利用する門の高さ、隣接する墓地への木戸、隣の住宅の生垣の間など、園内に簡単に侵入することが可能な部分があり、不安を感じている保護者意見があります。防犯カメラの設置、木戸や生け垣部分の安全対策を見直すことが期待されます。
職員が持っている「保育園における安全管理方針」に園舎外園庭の安全点検回数が、1回と2回の物が混在しています。どの書類が正しいのか明確にし、安全管理を徹底することが期待されます。(その後に改善されています)
 災害発生時に施設機能に応じた地域支援体制が整っていません。園単独では、解決できないことが多いので、鎌倉市保育課と連携して対応することが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 @ 保育理念や保育目標をもとに、「子どもを理解し、十分受け入れて心の安定を図り、大人との信頼関係を築く」、「子どもが安心できる環境の中で、生活の基本を身に付け心身の成長を保護者と連携して図る」、「子どもの生活及びあそびを通して保護者と子育ての楽しさを共有し支援する」を掲げ、職員は日々の保育、保護者との関わり方に活用しています。
A 鎌倉市の保育園に関する「運営の手引き」「鎌倉市職員接遇マニュアル」に従って、子どもの発達、体型、性差、国籍、出身国や文化の違いを認め合い、子どもたちがお互いにありのままの姿を受け入れられるよう支援しています。
B 「鎌倉市こども虐待対応マニュアル」に従って、子どもの日々の様子や家庭状況を把握し、虐待防止に努めています。必要に応じて、保育課ケースワーカー、子ども相談課、発達支援室や鎌倉三浦地域児童相談所と連携する仕組みがあります。
C 「鎌倉市公立保育園個人情報取り扱いマニュアル」に個人情報保護に関する基準が定められています。職員は、個人情報の取扱、守秘義務について入職時の研修で学び、職員会議や朝の打合せで再確認しています。園見学者へは、保育園のしおりを用いて、園長が保育内容や園の方針と個人情報保護方針について説明しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 @ 鎌倉市公立保育園の運営マニュアルの「保護者との関わり」をもとにして、保育方針の一つに「子どもが安心できる環境の中で、生活の基本を身に付け心身の成長を保護者と連携して図る」を掲げています。職員は、送迎時に保護者と日々の子どもの様子やクラスの出来事、連絡事項を、個人連絡帳で情報交換しています。園だより、クラスだより給食だより、保健だより、個人面談、クラス懇談会などで情報共有し、信頼関係構築を図っています。
A 年3回のクラス懇談会、保護者会役員会、個人面談や日々の連絡帳で、保護者や保護者会からの意見・要望を把握しています。保護者や保護者会からの提案、要望については、職員会議で評価分析し、各質問に対し対応策と今後の課題として整理し、書面で保護者に回答・配付しています。
B 職員は、子ども一人一人の気持ちや欲求を理解し充分受け入れて心の安定を図り、信頼関係を育むように取組んでいます。職員は、登降園時や日常保育の中で子どもと触れ合った時は、目線を合わせて挨拶や声掛けを行い、一人一人が認められ自分が大切にされていると実感できるようにしています。
C 朝、夕の時間帯や縦割りのグループ活動などで異年齢児と関わることで自然といたわりや思いやりの気持ちが育まれています。グループで行う「手つなぎ鬼」遊びは、年長児が走り方や速さを年少児に合わせ転ばないように気を付けています。
D 自然に囲まれた環境を活かした複数の散歩コースを設定し、春の花、秋の紅葉や落ち葉、冬の霜柱など、季節を感じられるよう工夫しています。散歩では、松ぼっくりやドングリの実を拾い、持ち帰って製作活動に利用しています。ザリガニやカブト虫を飼育、園の畑やプランターで野菜などの栽培や収穫、調理し味わうことで、季節の変化を五感で感じることができるよう支援しています。
E 生活に必要な基本的生活習慣や身の回りのことを、子ども自身で行おうとする意欲を大切にしています。職員は、子どもの自主性を尊重し、「見守りながら待つ」ことを基本に、子どもの成長、発達に合わせて、最初にお手本を見せて、次に一緒にやってみるなどさりげなく支援を行い、自分で出来た時は大いに褒め、喜びを共感しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 @ 苦情解決の仕組みについては、「鎌倉市立保育園における苦情等の取扱に関する要綱」に記載され、入園時や年度初めのクラス懇談会で説明し、玄関に掲示しています。苦情等担当者として副園長及び保育課担当係長、苦情等対応責任者として園長、苦情等統括責任者として保育課長、第三者委員などの窓口と解決の方法を、玄関に掲示しています。園長と副園長は、「保育園利用者相談室研修」に参加し、相談・苦情についての対応方法を学んでいます。
A 「鎌倉市立保育園 保健計画」に沿って、保護者と連携して健康管理を行っています。安全管理方針に沿って、毎日保育室内の温湿度を午前中と午睡中の2回測定・記録しています。保育室内の玩具は、その種類別に洗浄・除菌・消毒を実施・記録、園庭遊具は、早番職員が安全点検を行い、チェック表に記録しています。衛生管理、病気・怪我の対応などの健康管理、感染症対応、与薬管理、事故防止・対応などのマニュアルを整備しています。職員は、日々の子どもたちの健康観察で、体調不良児対応、保育日誌、健康管理状況ファイル、病気・怪我観察シートの記録などから、保護者と連携して健康管理を行っています。
B 「避難消火訓練計画」を策定し、地震、火災、津波、不審者対応、消防署や警察への通報など様々な場面を想定した訓練を毎月行っています。消火訓練は、毎月実施しています。地震や津波を想定して、保護者への引き渡し訓練を行っています。津波避難時を想定して、3〜5歳児対象に屋上で非常食を食べる訓練も行っています。磯遊びを行う時は、職員配置、子どもの服装や連絡手段などの安全確保を、職員に周知徹底しています。鎌倉市立保育園の災害時緊急連絡方法として、個人情報が保護されたメール配信会社のシステムを利用して、保育園から保護者への緊急情報の配信を行っています。災害発生時の保育機能に応じた地域支援体制の整備は今後の課題となっています。
4 地域との交流・連携 @ 「地域子育て支援年間計画」を作成し、地域の子育て中の親子が園の子どもたちや職員と一緒に遊んだりする「おしゃべり広場」を開催しています。夏祭り、焼き芋、新年会、餅つき会、ボランティアによる獅子舞などの伝統行事にも、地域の親子が一緒に参加して楽しんでいます。おしゃべり広場では、0〜5歳児クラスで子どもたちと一緒に地域の親子が給食を試食する機会、栄養士や保健師による食育や健康相談などを行っています。交流事業の一環として、高校生のインターンシップ(今年度2名)や、中学生の職場体験(今年度3名)を、毎年受け入れています。
A 園庭やホールは、子どもたちが使用していない時に、申請した地域のグループに開放しています。電話での育児相談は、随時受け付けています。おしゃべり広場で来園した時には、育児相談ができます。
B 5歳児は、近隣の養護学校鎌倉分教室の生徒と、さつま芋の苗植や収穫を行いで交流しています。市内の児童発達支援センターを訪問したり招待して子どもたちが一緒に遊んでいます。近隣の小学校を訪問して、1年生と一緒に教室のイスの座り心地を体験したり、校内探検して交流しています。近隣の小規模保育室とは、2歳児を中心に職員も係わりながら連携して、交流しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 @ 年度末に、保育の計画・内容・行事、組織運営、安全衛生・設備点検、研修、個人情報管理、地域の子育て支援について園の自己評価を、実施しています。職員の自己評価をもとに、園運営反省会を実施して全職員の反省・意見・提案を話し合い、議事録を作成し、次年度の園の運営に反映しています。
A 職員は、保育士として、社会人としての行動や言動についての振り返りを年3回行っています。年度末には、次年度に向けた反省点や活動目標を設定して、保育士としての能力・技術向上を目指しています。
B 鎌倉市で行う「保育の日」、園の行事や「おしゃべり広場」のポスターを玄関と掲示板に掲示すると共に、鎌倉市のホームページと鎌倉市のSNSに掲載し、市役所、福祉センター、子ども会館や近隣の商店に掲示しています。園の行事開催前には、近隣の住民に行事案内を手渡しや投函で知らせ、理解を得る努力をしています。
C 年度初めの懇談会で、「年間指導計画(行事予定など含む)」を配付し、個人面談、クラス懇談会、保育参観、乳幼児健康相談、地域子育て支援活動などの予定を説明しています。0〜2歳児は窓の隙間からの保育参観、3〜5歳児はクラス別にドッジボールやドロケイ、大縄跳びなどで子どもたちと一緒に活動する保育参加も行っています。
6 職員の資質向上の促進 @ 保育理念、保育方針、保育目標は、保育課程に明記し、年間指導計画、月間指導計画に反映しています。保育理念、基本方針、保育目標は、事務室や玄関にも掲示し、保護者や見学者にもわかり易くなっています。職員は、年度始めの職員会議で保育理念、保育方針、保育目標の再確認し、周知しています。年間指導計画、月間指導計画は、各期末に担任が、評価・反省を行い、保育の振り返りを行っています。
A 平成30年度の保育指針改定に合わせて保育課程の内容を鎌倉市立保育園の各園長が見直しを行っています。来年度は、「全体的な計画」を作成し、これを基に各指導計画を作成して「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確にすることを期待します。
B 職員は、鎌倉市立保育園職員として、保育内容、保育実技に関する研修と市職員としての研修に計画的に参加し、能力向上に努めています。外部研修結果は、研修報告書(復命書)を作成し、職員会議で報告し、資料を回覧しています。非常勤職員に向けて、朝の話し合いの時に、口頭で説明しています。
C 「実習生オリエンテーションマニュアル」があり、毎年実習生を受け入れています。実習生受け入れ窓口は副園長、実習指導者は副園長と園長、実習担当は担任が行っています。副園長は、実習前に実習生オリエンテーションマニュアルに従って、園の概要や、注意事項、実習上の注意点・心構え、個人情報保護について説明しています。実習プログラムは、学校側の要請に合わせています。実習中は毎日日誌を書き、担任と実習内容などの確認を行っています。実習終了後、園長、実習担当、実習指導者と反省会を行い、実習に関する感想、質問意見交換を行い、保育士等になる意欲が増すよう励ましています。今年度も保育実習生8名の受入れを予定しています。

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