かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市 藤崎保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市 藤崎保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0804
川崎区藤崎1−7−1
tel:044-211-1306
設立年月日 1975(昭和50)年08月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
川崎市藤崎保育園は川崎市営バス「中島二丁目」徒歩2分の住宅街の中に位置しています。また当園から徒歩8分のところに京浜急行大師線鈴木町駅があり、駅前には大型商業施設が進出しています。昭和50年8月に開所した当園は、定員120名に対し123名の園児を受け入れている歴史のある大型園です。園庭は広く、平成14年には地域子育て支援センターを併設し地域に開かれた園としての役割が期待されています。
当園の基本理念は「こどもがのびのびと自分を表現できる集団生活を、保護者と職員が二人三脚で作り、子育ての喜びを共感していく」を掲げ、養護と教育の一体的な取り組みを通して子どもの自己肯定感や非認知的能力の醸成を支援しています。
また子どもの健やかな成長を支援するだけでなく、川崎区のブランチ園として、地域子育て支援、民間保育園との連携、次世代の人材育成としての実習生の受け入れ等多くの行事を実施しています。経年による園舎の老朽化と地域の保育のニーズの変化に対応するための建て替えにより2020年に仮設園舎に引っ越すことが決まっており、公立の園としてより一層の役割が期待されます。

<特によいと思う点>
■土づくりから収穫物の調理まで一貫した食育活動が藤崎保育園の特徴です。
自慢の「藤崎農園」では熱心な地域ボランティアの協力を仰ぎ、ゴーヤやキュウリをはじめ多くの種類の野菜を園内の畑で循環栽培し食育活動と資源のリサイクルを推進しています。子どもたちは稲を植え収穫脱穀し白米にし、おにぎりパーティーで食するという貴重な食育体験をしています。収穫後は腐葉土を作り次回の栽培に活用しています。川崎市のブランチ園として近隣の民間保育園にも呼びかけ一緒に栽培・収穫する等地域に貢献しています。こうした活動が評価され、平成28年に川崎市から環境教育貢献賞を受賞しました。

■異年齢交流で非認知能力を醸成しています。
幼児クラスで年間計画を通じて異年齢交流を行い、年間行事をトリオ編成し交流することで、年長児は思いやりやいたわりの気持ちを、3・4歳児は憧れの気持ちを育てています。また担任通し連携を取り合ってどのクラスへも自由に出入りし交流を深める等日常の保育の中での異年齢交流も大切にしています。年間4回の会食を通して異年齢交流を深めています。いつもの給食とは違った雰囲気があり、ワイワイ楽しいおしゃべりをしながら食が進みます。また職員は子ども全員の情報を共有することで保護者の信頼を深めています。

■三者連携集会を通し、子どもの健康を多面的に捉え援助しています。
看護師、栄養士、保育士の三者が連携し年間計画に沿って子どもたちに食を通して健康な体作りと食事のマナーの大切さを教育しています。四季折々のテーマを設け看護師、栄養士、保育士が寸劇を行い、野菜や三色栄養のパネルを活用することで子どもたちの視覚に訴え、また子どもたちに問いかけ考えさせることでより深い理解ができるよう工夫した集会を開催しています。各テーマとも三者が各々の専門性を発揮することで相乗効果を発揮しています。こうした集会は保護者にも告知し、家庭でも健康な体作りをしていけるよう支援しています。

<さらなる改善が望まれる点>
■現在の足元をしっかりと固めることも大切です。
来年から仮設園舎への引っ越し、更には園舎の建て替えといった大きな環境変化に直面し、これまでにない新たな課題がでてきています。しかしながら将来に向かってジャンプするためには現在の足元をしっかりと固めることも大切です。未来に向けた中長期のビジョンと目の前の子どもの利益を優先することを両立させる中長期計画づくりが期待されます。

■「災害への備え」に終わりはありません。
今回の保育所保育指針の改定で「健康及び安全」の章の中に「災害への備え」という新しい項目が追加されました。現在、当園は色々な可能性を想定して、毎月災害時における避難訓練を実施しています。訓練の都度新たな反省点が見つかり翌年の年間計画に反映し災害防止に努めています。しかしながら自然災害は「すき(隙)」をついてやってきます。災害時対策にこれで十分ということはありません。更に訓練を重ね今以上に臨機応変に対応できる仕組みづくりを期待しています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育においては一人一人の発達を把握した上で、子どもの気持ちを受け止め信頼
関係が築けるよう支援しています。誕生会は一人一人の誕生日の日にクラスでお祝いをすることで、それぞれの成長をしっかり受け止めるように努めています。
・運営管理課・区園長会主催の人権研修に参加し、使用した資料を臨時的職員にも配布し、意識を高めています。保護者にも川崎市子ども権利条例のパンフレットやお便りを配布し、懇談会等でもこどもの権利条約を啓発しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・発達相談支援コーディネーター4名が中心となり、外部講師を招いてインクルーシブ保育について勉強し、一人一人の人権を尊重し、他の子どもとの生活を通して、その子が安心して生活できるように共に育ちあえる保育を実践しています。そのためには良いところを見つけ長所を伸ばしていくことで、一人一人が居心地良く過ごせる集団作りを心がけています。定期的にケース検討を行う中で集団と個別対応を臨機応変に取り入れています。職員は発達相談支援コーディネーターには何でも相談できるので、安心して仕事に従事しています。

・当園は川崎市が作成した「保育の質ガイドブック」を活用し「保育を語れる集団づくり」を目指して日々研鑽しています。今回の保育指針の改定に伴い保育園も教育機関としての役割がより明確化された中で、非認知能力や自己肯定感を身に着けることが保育園の役割であることをしっかり受け止め、誰もが同一の質の高い保育が実践できるよう心がけています。そのために会議では「自分たちの保育が応答的な保育になっているかどうか」を、本ガイドブックを基に時間をかけて振り返っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・「全体的な計画」は入園から卒園までの育ちを見据え長期的な視点から作成し
ています。「全体的な計画」を基にクラス別年間指導計画、月案、週案と手順に沿って作成しています。指導計画では一人一人の子どもの発達過程を理解した上で狙いや内容を記入し、年齢ごとのつながりを大切にしています。
・週案については状況に応じて柔軟に対応しています。指導計画は保護者の意向を考慮し全職員が連携して作成しています。各指導計画には評価・反省欄を設け、自己評価することで次回に生かすマネジメントシステムが確立しています。

・幼保小連絡会議に出席し様々な意見交換を行っています。小学校の行事にも参加
し小学校の様子を把握する機会を持っています。不安なく就学できるように、他園の年長児との交流や小学校との交流を行い学校生活に期待感を持たせています。保護者には小学校の様子を丁寧に説明し就学に向けて支援を行っています。
・卒園までの半年間は、一人一人の長所を全員で言い合う「いいところさがし」に
取り組むことで自己肯定感を醸成し、グループで各種当番を担うことでチームワークと自主性を育む等就学に向けて円滑な移行に努めています。

・避難訓練については、現在、当園は色々な可能性を想定して災害時における避難訓練を実施しています。訓練の都度新たな反省点が見つかり翌年の年間計画に反映し災害防止に努めています。しかしながら自然災害は「すき(隙)」をついてやってきます。災害対策にこれで十分ということはありません。今以上に臨機応変に対応できる訓練を期待しています。


4 地域との交流・連携

・川崎区のブランチ園として園主催の行事の他に、地域子育て支援、民間保育園の支援、保育士人材の育成を通して地域に根差した保育園を目指しています。地域子育て支援センターの併設により、離乳食講座、保育や保健講座等地域に向けた子育て事業を推進し利用者が安心して生活を送ることができるよう環境の整備・運用を図っています。園庭開放に来られた方にスタンプカードのポイント集めの声掛け等を積極的に行うなど、自然な形で地域の方との交流促進に取り組んでいます。

・園庭開放のほかにも、園児と遊ぼうの会や獅子舞披露、世代間交流、乳児集会などの参加の呼びかけを行っているほか、公開保育を積極的に受け入れ保育者の人材育成にも取り組んでいます。また実習生を積極的に受け入れることで次世代の育成にも力を入れています。特に地域のボランティア活動に敷地内の一部を農作用に提供するとともに、園児の食育面での効果的な取組みは、他の施設にもノウハウを提供すべき素晴らしい取組みを継続しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・人事評価において、職員が質の向上に意欲を持って取り組むよう、園長が園長補佐・三席と連携して各職員の目標を確認し、人事評価の面談を通じて意欲向上を促したり会議や園内研修などで指導・助言し質の向上を図り、その取組に指導力を発揮してします。また、キャリアシートを用いて各自のキャリアパスを明確にし、進捗状況を把握するなど、保育の質の向上に努めています。

・保育サービスの質的な向上に関して、川崎市人事評価及び第三者評価、保育の質ガイドブックにて評価・検討を行い、体制を整備することで組織的に取り組むとともに、組織として取組む課題に対しては、その結果を基に職員会議で改善策や今後の課題について明確化し検討しています。また、取り巻く環境変化への対策として、川崎市から情報を的確に把握し、経営に活かすとともに、経営状況を分析して改善すべき課題の発見に向けて、園長会報告を通じて職員に周知し、改善に向けた検討・取組みを行っています。

・藤崎保育園は、定員数も多く地域のブランチ園として、今後建て替えに伴う近隣の仮施設への移転が予定されています。移転や新園舎の開設に向けて、園庭行事の見直しなど、これまでの事業運営上経験していない様なことにも、園児の安全を第一に取り組んで行くこととなります。この様なことに対応できる様、いまからミドルリーダーの育成を図り、厚みのある組織づくりに取組まれることを期待します。


6 職員の資質向上の促進

・職員の能力開発にあたり、職員の教育・研修に関する基本姿勢は運営管理課及び各区においても明示されており、それに沿って取組んでいます。個別の職員に対して、人材育成計画に基づき階層別や個々にあった研修が受けられるようにしています。園長は研修を通して保育に関わる様々な専門知識の習得と適切な対応ができる人間力の育成を心がけ、キャリアパスを示すことで職員のモチベーション向上につなげています。研修受講者は、報告書を作成し報告会議で研修の成果を職場全体にフィードバックすることで園全体の資質向上に努めています。

・職員の健康面については、看護師と園長が把握し管理するとともに、職員の悩みについては、園長補佐・三席・フリーが相談窓口となり対応するなど、職員の心身両面での健康維持に積極的に取り組んでいます。このような取組みを通じて、職員と管理者層の良好なコミュニケーションが図られ、各専門職との連携もスムーズで全職員のチームワーク力を高めることにつなげています。

詳細評価(PDF2,105KB)へリンク