かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

中野島のはら保育園

対象事業所名 中野島のはら保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 大慈会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0012
多摩区中野島4-4-15
tel:044-455-5510
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要・特徴】
●中野島のはら保育園は、社会福祉法人大慈会(以下、法人)の経営です。法人は昭和28年5月、川崎市多摩区に龍巌寺保育園設立に端を発し、現在、保育園を川崎市に9園(小規模保育事業含む)を運営し、川崎市北部の多摩区を中心に、高津区、中原区、宮前区に保育園を展開しています。法人の理念は「実が生り 皆が憩える 木のようでありたい」であり、基本理念として4つを掲げ、法人系列全園が統一して実践しています。中野島のはら保育園の保育目標は、「心も身体も元気なこども(にこにこ)、目を輝かせて遊ぶ子ども(きらきら)、仲間と育ちあう子ども(るんるん)」とし、子ども第一義とした3つのワードを掲げ、誰もがわかりやすく、共通理解を図り、保育目標に沿って保育に当たっています。園は、南武線登戸駅と中野島駅の中間に位置し、登戸駅からバスで7〜8分、中野島公社住宅前バス停から徒歩1分程度の住宅地の中にあり、平成29年に旧川崎市立東中野島保育園から民営化し、広い園庭を有し、物的・人的環境に整備された保育園です。周辺は多摩川流域の平地で、バス停の名称のように公団、公社等の団地と地域の工場等が混在しており、南部線登戸経由で東京、川崎へのアクセスが良く、新たな住宅化が進んでいる地域です。

〈特に良いと思う点〉
1.【 「大慈会の保育」 】
●法人は川崎市に多数の保育園を運営し、法人全体で同じゴールを目指すために「核」なる目標を必要とし、「大慈会の基本理念」を「核」として示し、社会、福祉、家族の在り方を鑑み、法人・職員が行うべき4つの基本理念を掲げています。多くの管理職・一般職員が存在する全園に向けて意識統一を図り、理解を深めるために法人理事長が具体的に『大慈会の保育』にまとめ、法人系列全園で大慈会の保育を実現する道標として冊子にして周知しています。園長をはじめ、全職員は「大慈会の保育」を保持し、「どのように職務に当たれば良いか」を法人主催の研修会、園内研修で研鑽を深め、日々保育に当たっています。
2.【子どもを第一に考えた保育の推進】
●園の保育方針は子どもの人権を第一に考え、子ども一人ひとりに寄り添う保育を行い、保育園で配慮すべき取り組みを丁寧に実施しています。中野島のはら保育園は、旧公立保育園の建物を全て更新し、子どもが安全で安らぎを得られる保育環境を再構築しました。人的環境の面では、子どもの「あるがまま」を受け止め、日常保育の中で子どもの「声」を聴き、表情、行為を汲み取るよう常に心がけ、子どもの意思の表明、拒否をする機会を作り、共有・共感を行い、一方的な保育とならないよう努めています。


3.【日本語研修の取り組み】
●園の保育・「大慈会の保育」として、子どもが自分の意見を的確に表現することができるよう、日本語研修の取り組みに力をいれています。園生活の中で、「自分」を表現する時間を取り入れ、保育士は、子どもが話したいことを傾聴の姿勢でじっくりと聴くようにしています。正しい日本語が乱れている現在、法人全体として日本語研修の大切さを伝え、保育の一環として取り組んでいます。また、保護者との会話への学び、子どもから家庭への影響等につながり、子どもの将来の布石となる重要な取り組みだと思います。

<さらなる期待がされる点>
1.【さらなる保育環境の整備】
●中野島のはら保育園は、非常に素晴らしい設備、恵まれた環境を提供しており、遊具も子どもが自由に取り出して遊べるようになっています。整えられた保育環境ですがさらに、子ども自身で「考え」、「発想力」や「創造性」が養える玩具の提供も検討し、与えられた玩具の域を超え、子どもが主体性を持って考え・遊びたい環境作りについて一層の整備に期待いたしております。

2.【ICT化の功罪】
●ICT化計画に伴い、既に電子連絡帳(幼児クラス)等の稼働が開始され、送迎時に伝えることができなかった事項を電子連絡帳でお知らせすることができ、保護者から意見・相談をしやすい体制を構築しています。保護者が子どもの持病において出欠の連絡がすぐにできる等、成果もみられています。反面、連絡手段(電子連絡帳)、登降園管理、帳票管理等において保護者、職員への周知及び実施体制等について、派生するクレーム等も予測されることも否めません。さらなる再々の周知を必要とし、的確に共有、提供ができるよう期待いたします。

3.さらなる地域との関係作り
●公立園の民営化に関して、民営化スタート当初は苦慮され、旧公立園と新園の比較や、新園の良い点以前に要求を多く望まれる経緯もありましたが、園全体で改善に取り組み、最近は良好な関係作り、地域に中野島のはら保育園としての確立が進んでいます。法人系列園での民営化園の実績等を参考にしながら、さらなる地域との関係について継続して誠実に積み上げていかれることを希望いたしております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●園の保育方針として、子どもの人権を第一に考え、子どもの「あるがまま」を受け止め、日常保育の中で子どもの「声」を聴き、表情、行為を汲み取るよう常に心がけ、また、安全で安らぎを得られる場となるよう、物的・人的環境に配慮しています。朝の会や帰りの会、一斉保育の機会に子どもの意思の表明、拒否ができる機会を作り、共有・共感を行い、子どもが自分の思いを言葉にして表現できるよう取り組んでいます。法人全体として日本語研修の取り組みに力を入れています。
●子どもの人権について、職員は、法人の新任研修で子どもの人権への配慮に関して学び、園内でマニュアルの読み合わせを行い、日常保育で実践しています。また、川崎市保育会の児童憲章、全国保育士会倫理綱領が明記された手帳を携帯し、子どもの人権尊重の理解を深めています。保育業務マニュアルに「虐待防止及び早期発見のための取り組み」を明記し、保護者との会話や登降園時の親子関係、着替え時の身体チェック、子どもの心身の状態を常に留意し、子どもと保護者の視点から早期発見に努めています。
●保育業務マニュアルに、子どもや保護者のプライバシー保護、権利擁護に関して明記し、職員会議にて読み合わせを行い、共有の下、職員は理解し遵守しています。保護者には入園のしおりに記載し、保育内容説明会時に説明を行い、個人情報使用同意書を得る等、肖像権にも配慮しています。職員は子どもの羞恥心に十分配慮し、排泄に失敗した場合は、他児に気付かれないよう配慮し、シャワーを利用する等気持ち良く過ごせるようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足の把握に向け、行事終了後に保護者にアンケートを実施し、保護者会(あゆみの会)、個人面談、クラス懇談会、保育内容説明会等で保護者から意見、要望を聞く機会を設け、意向等を確認し、日々の保育や行事に生かすようにしています。職員は、子どもの状況を把握し、遊びの広がりを確認しながら対応しています。
●意見、苦情、相談等については、クラス担任の他、園長、主任保育士、看護師、栄養士等、複数の相談相手を保護者が選択できるようにしています。送迎時に子どもの姿の些細なことでも伝えるよう心がけ、保護者が意見・相談をしやすい関係作りに努めています。また、保護者会の役員には保護者代表として、園に意見や要望等を述べやすいように体制を整えています。苦情・意見等については、マニュアルに沿って対応し、職員会議で改善について検討及び記録を行い、速やかな対応に努めています。
●家庭環境や生活リズムによる子ども一人ひとりの違いを把握し、個々の発達過程を会議等で確認し合い、適切な援助や関わりが行えるよう心がけています。職員は、子どものあるがままの姿を受容し、子どもの満足感、安心感に注力し、安心・安全に園生活が送れるよう接しています。配慮が必要な子ども、障害のある子どもの生活の質を高められるよう個別指導計画を策定し、発達に応じた環境、遊び、職員配置に配慮し、他児も見通しを持って対応できるよう支援に努めています。発達コーディネーターは研修等で理解を深め、支援に役立てています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●園の必要な情報は、法人のホームページやパンフレット、入園のしおり、多摩区子育て情報誌「たまっこ」、川崎市ホームページ等で提供しています。また、多摩区のギャラリーや年長児作品展でも園紹介の掲示を行い、情報を提供しています。園見学会を実施し、施設内や保育の様子を見学してもらい、入園のしおりを配付して園の保育サービスを説明しています。サービス利用開始にあたり、慣らし保育を実施し、期間については6日間を目安に対応し、子どもの心身への負担、ストレスや不安の軽減に配慮しています。保護者とは密に連携を図り、送迎時に子どもの様子を伝え、情報の共有を図っています。園では、全クラスで電子連絡帳を活用しています。
●個別の指導計画は、アセスメント結果から子ども、保護者の意向を反映して策定し、全職員で共有を図り、記録し、事務室で保管しています。個別計画については、「養護」、「健康状態と生活環境」、「発達の目安」、「子どもの心情・意欲・態度」、「子どもの姿」、「保育士のかかわり」、「個人目標」、「家庭との連携・連続性」、「今後のかかわり・保育のすすめ方」から構成され、計画を通して子ども一人ひとりの発達状況・生活状況・保育の実施状況等を記録し、全職員で共有しています。
●法人の基本理念の実現に向けて、方向性を示した「大慈会の保育」の冊子を全職員が保持し、法人主催研修、園内研修で活用し、職員は研鑽を深めています。園では、子どもの尊重、プライバシーの保護、権利擁護等の視点を基に「保育業務マニュアル」を策定し、一定水準を確保した保育の提供を図る体制を整備しています。保育業務マニュアル、重要事項説明書は閲覧できる場所に設置し、保育の研鑽を図る資料として活用し、より良い保育を目指して取り組んでいます。
4 地域との交流・連携 ●中野島のはら保育園は、基本理念等に沿い、積極的に保護者や地域に開かれた保育園となるよう努めています。園の情報提供は、川崎市ホームページ、かわさきし子育て応援ナビ、多摩区子育て施設マップ、多摩区区地域子育て支援情報誌「たまっこノート」、法人ホームページ等に情報を提供しています。また、川崎市や多摩区開催行事への参加や、近隣の小学校訪問、連携会議へ参加し、地域へ向けた掲示や、園見学者へパンフレットを配布する等、情報を提供しています。高齢者施設「多摩川の里」や子ども文化センターの行事に参加して地域の方々と交流を図っています。
●地域の子育て家庭へ園庭開放を行い、移動動物園や観劇会、ニコニコ劇場、三者連携集会等の園行事に参加の呼びかけをしています。地域へ向けた子育て支援として、子育てサロン「ばんび」に参加し、看護師や栄養士による専門講座を開催し、地域に貢献しています。ボランティアの受け入れについては、職業体験、地域のボランティア、中高生のインターンシップ、実習生の受け入れのマニュアルを策定し、受け入れ体制を整えています。
●地域の関係機関との交流、団体との連携では、川崎市保育会、川崎市社会福祉協議会、多摩区社会福祉協議会等と連携を図り、多摩区の園長代表者連絡会議、園長連絡会議、全体園長連絡会議、幼保小代表者会議、園長・校長連絡会、実務担当者会議、主任(園長補佐)会議、年長児担当者会議、看護師連携会議、栄養士連携会議、発達相談支援コーディネーター会議、子育て支援連携会議等の連絡会に参画し、地域の福祉ニーズを把握しています。また、民生委員・主任児童委員、区の保健師、川崎西部地域療育センター等の会議へ参加し、多摩区社会福祉協議会の保育研究大会へも参画しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●法人の理念、保育方針は、職員の理解が深まるよう理事長の作成した「大慈会の保育」の冊子を全職員が保持し、法人研修時に理事長の講義を受けて理解を深めています。経営環境の把握・分析を踏まえた中・長期の収支計画を策定し、3年ごとに見直しを図り、必要に応じて適宜、見直し・改訂を行っています。計画は、サービス内容、組織体制、人材育成等の現状分析から課題・問題点を明確にして反映させています。
●園長は、職務分担表等で業務内容を明確にし、自らの役割と責任を職員に対して表明し、具体的な説明を行い、理解を促しています。また、災害や事故等の有事における役割や責任についても明記しています。園長は、理事長、法人本部と連携を図り、運営、業務の効率化と改善に向けて尽力し、指導力を発揮しています。また、人事に関して分析・評価を行い、パート職員、その他の国基準保育士、フリー職員等の配置に配慮し、職員の就労状況を考慮してシフトの調整を図り、働きやすい職場環境作りに努めています。
●職員個々に自己目標を設定して自己評価を実施し、自己評価を基に園長と面接を行い、課題を明確にして共有を図り、次期に反映するようにしています。年1回、法人による職員のアンケートを実施し、意向、要望等を把握しています。今年度、第三者評価を受審し、園長を中心に、主任保育士、看護師、栄養士が担当し、評価結果はリーダー会議にて分析・検討してまとめ、職員会議で報告を行い、ケース会議等でも理解を深め、保育サービスの質の向上につなげています。
6 職員の資質向上の促進

●人材の採用については、法人で必要な人材や人員体制、人事管理に関する方針を定め、採用は川崎市保育会の採用システムにより人材確保につなげています。また、保育士資格保有の他、経験年数や年齢、職務経験、人格等も踏まえて多角的に捉え、園に必要な人材の採用に取り組んでいます。保育に従事する者として、遵守すべき法令・規範・倫理・保育に関するマニュアルから学び、職員は正しく理解し、遵守しています。より良い職場環境作りのために、ハラスメント研修も実施しています。


●職員の教育・研修については、「大慈会の保育」に沿い、法人主催研修、園内研修を実施し、保育の質の向上に努めています。研修受講後、研修報告書を作成し、職員会議で研修報告を行い、評価・分析し、職員間で知識・技術の共有化を図っています。研修内容の評価・分析結果は、来年度の研修見直しに役立てています。定期的に職員と面談を実施し、園長は職員一人ひとりの年間目標を確認及び共有し、振り返りと助言を行い、次期目標につなげ、職員の資質向上に取り組んでいます。
●園長は、職員の日々の様子、就業状況や意向を把握し、シフトの調整を図り、職場環境に配慮しています。また、有休消化率や時間外労働の状況を確認し、有給残日の消化、有効に取得できるよう努めています。また、夏期のアルバイト雇用、パート職員の雇用の検討や、職員の状況に合わせた就労形態、人的配置を見直し、給休暇取得率を高め、シフト軽減の工夫に努めています。職員とは必要に応じて随時面談を行い、職員の意向の確認、相談ができる環境を整え、法人理事長との面談も必要に応じて行える体制を整えています。

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