かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市すすき野保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市すすき野保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0021
青葉区すすき野2-8-6
tel:045-902-7207
設立年月日 1980(昭和55)年06月02日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の特徴
 横浜市すすき野保育園は昭和55年6月2日に開所し、来年で40周年を迎えます。施設は、東急田園都市線あざみ野駅から東急バス「虹ヶ丘団地」徒歩5分のところに位置し、鉄筋コンクリート2階建て、建物面積は283.01平方メートル(児童一人当たりの面積2.67平方メートル)。敷地面積は1422.41平方メートル(児童一人当たり13.42平方メートル)の状況です。
 園庭は全児童が運動することができる広いスペースになっており、園庭端には大きなプールが備え付けられています。施設はすすき野団地、虹ヶ丘団地といった閑静な団地に囲まれ、近隣には公園や緑が多く自然に恵まれた環境にあります。定員は0歳児から5歳児まで合計106名ですが、平成30年10月現在109名となっています。
 のびのびとあそぼう〜豊かな心と丈夫な体〜を園目標に掲げ、各クラスの児童の保育を円滑にするために、@自発性を大切にし、自ら遊びたくなるような環境を整えること A一人一人が安定し、安心して過ごせるようにすること B生活習慣の自立をはかることを保育姿勢として謳っています。

特に優れていると思われる点
1.家庭環境を踏まえ、子ども一人一人の育ちを大切にしています。
・乳幼児期に、意欲を持って積極的に自ら学んだり、人と交わったり、興味を持ったことに集中し持続することができる「学びに向かう力」を育むことが卒園以降の生活に大きな影響を及ぼすことから、当保育所では家庭環境を踏まえ、一人一人の育ちを大切にしています。
・具体的には乳児保育(0歳児)においては発達の個人差を考慮しながら、一人一人に積極的に優しく問いかけ、返ってくる子どもの言葉を愛情を持って肯定的に受け入れる保育を実践し子どもとの情緒的な絆を深めています。この頃から身体の動きが活発になってくるのでのびのびと探索活動ができるよう保育室のプレイヤードを活用しています。
・1歳児以上3歳児未満の保育においては、自我の芽生えを大切に捉え、見守ったり、待つことを大切に一人一人の子どもに接するよう職員全員で意思統一を図っています。この時期は自己が形成され、身近な人と気持ちが通じ合う時期でもあるので、近隣への散歩を出来る限り多く取り入れ、近隣住民との触れ合いや身体づくりに取り組んでいます。
・3歳以上における子ども本人の尊重とは、子ども一人一人の育ちを大切に「主体性」や「自己肯定感」を高めることであり、このことを全職員が認識し保育にあたっています。就学までに自分に自信が持てる、何事にも挑戦できる、人を大切にする子どもを育成することを目指し、単に褒めたり認めることだけではなく、失敗しても頑張った過程を褒めるように努めています。0歳児から5歳児まで発達の連続性ある保育環境を職員が一丸となって整えています。
2.保護者との連携を大切にし、保護者からの信頼を深めています。
・保護者と連携して子どもの育ちを共に支えるという視点を持ち、子どもの育ちを保護者と共に喜び合えることを全職員が大切にし、保護者の子育てに対する不安感・負担感・孤立感を解消するよう努めています。そのために連絡帳やクラスノートを活用し、登降時の保護者との会話などで、一人一人の子どもの様子やエピソードを丁寧に伝え、子どもへの理解を保護者と共有できるよう努めています。
・シフト勤務のため、全職員が各クラスに応援に入るので保育士は、全クラスの子どもを知ることができています。自分のクラスだけでなく全クラスが見えているということです。このように保育所全体で保育にあたっていることも、保護者との絆を強化している要因になっています。今回実施した利用者アンケートにおいても、「入所後子どもの名前を先生たちがみんなで呼んでくれ、話しかけてくれたのは親子共々嬉しかったです。」との自由意見が寄せられており、一人一人の子どもを大切にしている様子が窺えます。
・こうした背景には、職員同士が仲良しで意思疎通が図られているということが挙げられます。常に相手の立場にたって行動することで担任通しの風通しが良好なものになっています。後輩の職員は先輩がいいお手本を示してくれると尊敬し、先輩職員は若い職員の新しい専門知識を吸収し、互いに切磋琢磨し保護者により満足していただけるよう努めていることも信頼関係を深める大きな要因になっています。

3.調理員と保育士の連携により子どもに食事の楽しさを伝えています。
・利用者アンケートから「給食の献立内容」、「給食を楽しんでいるか」については「満足」「どちらかといえば満足」を合わせると概ね95%の高い満足度の状況にあります。
・調理の職員と保育士が連携して食育活動に取り組んでいます。毎月お楽しみ給食を実施し、調理員が日常的に保育に関わっており、調理員と保育士とで情報共有ができています。特に離乳食は子ども別に一人一人の発達の状況に応じて食べ物の固さを調整して調理するなど、きめ細かい対応ができています。また保護者にも作り方を伝えるなど、この様な点でも家庭との連携が図られています。
・ひと月に同じメニューが2度回ってくるので、1回目で不評であれば2回目では切り方、盛り付けを変えるよう工夫しています。特にゆで野菜の時は切り方を工夫しています。また野菜の型抜きやさんまの骨の取り方教室は子どもたちの食欲を駆り立て、食事が楽しくなるよう工夫しており、子どもたちにも大変好評です。誕生日には幼児クラスは誕生日ランチプレートを用意し特別な日として他の子どもたちから祝福してもらっています。
・職員面談の際、複数の保育士から「調理員さんは私たちの依頼をいやがらず、手間を惜しまず一緒になってきめ細かく対応してくれています」との発言もあり、調理員と保育士が信頼関係で結ばれています。

4.人材育成・援助技術の向上に努めています
・横浜市人材育成ビジョン、専門能力の向上を目指す保育士職キャリアラダーに基づき、職員のスキルの段階に合わせて計画的に研修を受けられるようにしています。研修内容は全職員で共有できるように研修報告書を作成し、随時ミーティングや会議等で報告を行っています。パート職員についても、必要な研修を受けることができます。新採用や2年目の職員には専属のトレーナー職員を配置しきめ細かな指導を行っています。
・正規職員は保育士職キャリアラダーに基づき目標共有シートを作成し、その年の各自の目標を掲げ、園長と面談をして内容を共有しスキルアップに努めています。各自の目標は全職員で共有され、共通点のある目標については、協力して行うようにしています。目標共有シートは、年度の終わりに園長と振り返りを行い次年度以降の能力開発につなげていきます。目標共有シートには個々人の得意分野を記入する欄が設けてあり、園長は得意分野に磨きをかけ専門力を高めるよう指導しています。園内研修では、自分の得意分野を中心に職員が講師となり知識や技能の継承に努めています。
・全職員で年度末に保育所の自己評価を行い、振り返りと今後の課題について、共通認識を持つようにしています。保育士の自己評価も行い、自身の保育の課題等を明らかにしています。

特に工夫する点・改善が望まれる点
1.地域に開かれた保育所として地域との更なる交流が期待されます。
・当すすき野地区は子育て世代が少なく育児支援利用者は減少傾向にあります。保育園はこれまで蓄積してきた保育の知識、経験、技術等の専門性を生かし、地域の共有財産として地元自治会だけでなく隣接の川崎市麻生区の虹ヶ丘団地等、より広い範囲で地域と交流を深めることが求められています。内部に向けた運営管理が素晴らしいだけに、地域のネットワークを利用して開かれた園として更なる地域への情報発信が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・園目標は子ども本人を尊重したものであり、それに基づき保育を実践しています。毎月の職員会議では全職員で保育方針を見直し共通の理解を図っています。
・呼び捨てや愛称で呼ばないように努めています(保護者からの要望よっては愛称もあります)。毎年全職員が人権研修を受講し、人権に対しての意識を高めています。研修の受講状況も記録・管理しています。実習生やボランティア・アルバイトの受け入れ時にも、人権面での子供への接し方について説明を徹底しています。
・誕生会は一斉に行わず、一人ひとり誕生日の日にクラスでお祝いをすることで、それぞれの成長をしっかり受けとめるようにしています。
・事務所やホールなども含め、1対1で話をしたり、一人で過ごせる場所を確保しています。
・泣いている子などの話しを聞く際には、保育士の立ち位置を工夫し、落ち着けるようにしています。
・トイレは個室で年齢に合わせて扉を付けています。
・守秘義務については全職員に周知しています。実習生やボランティアの受け入れやアルバイト職員採用時にはオリエンテーションで具体的な事例を示し個人情報の重要性を伝えています。
・毎年個人情報保護研修を実施しています。写真やビデオの扱いについては入園説明会や懇談会で保護者に伝えています。個人情報に関する記録は事務室の鍵付き書庫で管理し、事務室外への持ち出しを禁止しています。
・行事の呼び名では「くん」「ちゃん」ではなく、「さん」を使用しています。出席簿などは生年月日順にし、男女分けはしていません。制作など取り組み時も自由に色画用紙や折り紙を選べるようにするなど遊びなど日常生活を通して、子供たちが性差の違いを感じることの無いよう生活できるよう配慮されています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・発達の個人差を考慮し、一人一人に合わせた応答的な関わりを大切にした保育を実践しています。保護者との連絡を密にし、離乳食など家庭と併せて進めていけるよう、調理員と共に細やかな話し合いを行っています。
・探索活動ができるように保育室のプレイヤードを活用しています。また危険のないように棚にはカバーをかけるなど安全な環境づくりに努めています。
・自我の芽生えを大切に捉え、見守り、待つことを大切に一人一人の子どもに接するよう職員間で意思統一を図っています。また、懇談会などを通して保護者にも伝えています。
・一人一人が自己肯定感を持って卒園できるよう、意識して保育を実践しています。子どもの遊びの場面やエピソードを写真や文字にして保護者に伝え、内面の育ちを大切に保育を実践しています。
・まだオムツの外れていない子は個別のたらいを使用して水遊びをしています。戸外の温水シャワーは施設開放で来園した親子にも使用できるようにしています。
・乳児室のプレイヤードを使用し小集団での活動が行われるようにしています。死角ができないような空間づくりや保育士の立ち位置なども工夫しています。個々の子どもを観察しつつ全体が観察できるよう、保育士通しできめ細かく連携を取り合って保育を行っています。
・夏季保育や土曜、延長保育では異年齢保育を実践しています。幼児クラスは定期的に異年齢で活動する期間を設けています。幼児を赤と青のクラスに分け夏季3週間にわたり異年齢保育を行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園説明会ではパワーポイントを使用し、わかりやすく説明を行い、入園に必要な物は提示し理解しやすいよう配慮しています。乳児クラスは個別の連絡帳、幼児クラスはクラスノートでその日の様子を伝えています。
・全体的な計画は、よこはまの保育、保育指針に基づき、全職員がグループに分かれて作成しています。全体的な計画は毎年度末に自己評価の実施時に見直しを行っています。見直しをする際には保護者アンケートの保護者の要望・意見を取り入れ、次年度の課題に反映させています。
・年間指導計画は毎年見直し、その年の子どもの発達や姿に合わせた計画を作成しています。乳児クラスではゆったりとした雰囲気を大切にし、子どもの様子や表情をよく観察し、意思を汲み取り指導計画を作成しています。
・各クラスとも写真や絵を用いて、言葉だけでなく視覚から理解を得られるように工夫しています。指導計画の中には、子どもが主体的に活動できるような内容を取り入れ豊かな体験ができるように工夫しています。
・3歳未満児、特別支援児には個別の指導計画を作成しきめ細かく対応しています。
・0歳児、特別支援児には毎日個別の日誌を作成しています。子どもの様子によって保護者との連携が必要な場合は保護者に丁寧に説明しています。個別配慮については会議やミーティングで職員間の情報共有を行っています。0歳児と特別支援児には毎日の日誌、1〜5歳児については所定の個別記録簿に記載しています。
・進級時には旧担任から新担任に丁寧な引継ぎを行い、子ども、保護者とも安心して進級できるようにしています。児童票や経過記録は事務所保管で自由に閲覧可能であるが、個人情報漏えい防止の観点から事務所以外への持ち出しを禁止しています。小学校へは保育所児童保育要録を送付しています。必要であれば個別に小学校と連絡をとり、申し送りを行っています。
4 地域との交流・連携 ・地域の親子への対応は主任と有償ボランティアが継続的に行い、会話の中から要望やニーズを把握しています。交流保育、育児講座後にはアンケートを実施し、次回の内容に反映させています。エリア別子育て連絡会などを通して、地域の育児支援の状況、報告から情報を共有し反映させています。
・育児講座(年2回)交流保育(年17回)ふれあい給食(年6回)ひだまり広場(年6回)園庭開放(週3回)その他プール開放、育児相談、絵本の貸し出しなど行っており、地域の子育て支援として継続的に活動することで、地域のニーズに応えるとともに、地域支援拠点としての役割を担っています。
・全職員が地域支援の担当になっており、様々なニーズに対応する中で、交流を通じて得られた意見なども次年度の内容検討に活かせるよう取組んでいます。
・散歩時に地域支援のチラシを持ち歩き、出会った親子に案内をしています。
・育児相談は曜日、時間を一応設定していますが、随時行っています。相談は主に園長、主任が行っていますが、内容によっては保育室で同年齢の子どもたちの姿を見ながら、保育士が対応することもあります。相談内容によっては青葉区福祉保健センターや地域療育センターあおばなどの専門機関を紹介することもあります。
・近隣地域のサークル団体の歌の会(年2回)、おはなし会(月1回)、和太鼓(年7回)を実施しています。近隣の方には夏まつり、運動会の実施前にお知らせをポスティングするなど、年間行事を通じた交流に取り組んでいます。近隣中学校より職業体験を受け入れています。
・近隣の公園に青空おでかけパークとして出かけ、5歳児が地域の親子と一緒に手遊びや体操を披露したり、一緒に遊んだりして交流をしています。公園への散歩だけではなく、消防署やバスの営業所にも行き、興味や関心の幅を広げ、働く人に感謝の気持ちをもつ機会も作るなど、地域資源でもある施設に協力頂き子供の学びと交流に工夫して取り組んでいます。また、園庭開放や夏季のプール開放など、積極的に地域の親子に施設を開放しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育士倫理要綱や横浜市行動規準があり、職員は横浜市職員として、また保育士としての遵守事項を把握しています。毎年不祥事防止研修を実施し、全職員が意識を高め不祥事防止に努めています。ヒヤリハットも含め、園長より不正、不適切な事実の報告があった場合は当該事実と対策を全職員で共有し再発防止に努めています。
・理念や基本方針を明文化したものを事務室、保育室などに貼り、常に職員が意識できるようにしています。理念や基本方針の確認については年度末に次年度計画を立てる際と年度初めの職員異動の際に行っています。
・保護者会役員会には毎月園長または主任が出席し、保護者と情報を共有しています。重要な案件については会長などを通し話合いの場を持つように心がけています。新たな事業や取り組みについては懇談会や掲示物で周知し、保護者の意見や疑問があれば収集し説明をしています。重要な意思決定については、クラス会議、乳幼児会議、各種委員会等幅広い層から人選しプロジェクトを立ち上げ、全職員の意見が反映されるよう工夫しています。
6 職員の資質向上の促進 ・人材育成計画は年度初めに青葉区の区運営方針に基づき園長が行動計画を立案し職員に説明した後に、職員一人一人が目標共有シートを作成しています。このシートをもとに園長と面談をして目標を確認し、年度末に自己評価面談を行っています。
・目標共有シートには保育士職キャリアラダーをもとに職位による目標を設定し、年度末にフィードバックを実施することで人材育成に力を注いでいます。
・新入職員にはトレーナー制度があり、目標設定や振り返り、フィードバック等を定期的に行い育成状況を確認しています。
・外部研修はこども青少年局、青葉区で計画されている研修に積極的に参加しています。しかしシフト勤務により希望しても業務の都合で参加できないこともあるので、研修受講者は報告書を提出し回覧、閲覧を励行し、職員会議やミーティングで報告し意見交換を通して情報を共有しています。
・保育所内研修は調理員も含めた全員で少人数に分かれ、テーマ別に実施しています。年度末には自己評価を行い次年度につなげています。月間指導計画作成の際には、前月の自己評価をクラス担任間で行い課題は当月の指導計画に反映するよう励行しています。
・障がい児や配慮を必要とする子どもの保育に関しては地域療育センターあおばの巡回訪問を利用し、保育実践状況から技術的な評価や指導を受ける仕組みがあり、当保育所は2回以上利用しています。
・日々の保育日誌には、子どもの行動から内面の変化を具体的に記述するよう心掛けています。一日の出来事を反省し自己評価することで保育の質の向上につなげています。指導計画においても月毎、期毎に自己評価し、改善点を翌月、翌期、翌年度に生かしています。
・横浜市人材育成ビジョン、保育士職キャリアラダーに基づき、経験や能力、習熟度に応じた役割が期待水準として明文化されています。全職員は園長と定期的な面談を行い、業務や目標の進捗状況やスキルアップのための話合いを行っています。年度末にこども家庭支援課長より、人事考課の評価を一人一人に開示しています。

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