かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市美しが丘保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市美しが丘保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0002
青葉区美しが丘2丁目2-1
tel:045-901-7190
設立年月日 1974(昭和49)年07月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【横浜市美しが丘保育園の立地・概要】
●横浜市美しが丘保育園は、東急・田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分弱、たまプラーザテラスゲートプラザのエスカレーターを下り、交差点を右に折れて高架下手前の階段を上がり、田園都市線の線路際に位置し、園庭から電車が見えて子どもたちの喜ぶ姿が見えます。園舎は閑静な住宅街の中にあり、通勤する保護者にとっても利便性の良い場所にあります。たまプラーザは、元々は丘陵地帯でしたが、東京急行電鉄による東急多摩田園都市計画に沿って開発された地域であり、都会の便利さと郊外の自然、恵まれた環境を兼ね備えた街造りが成されています。駅周辺は商業施設を充実させることで利便性を図り、住宅地には商業施設を設けず、随所に創られた公園や樹木の並木道が美しい景観を演出している地域です。

【横浜市美しが丘保育園の方針】
●横浜市美しが丘保育園の保育理念は、「触れ合う・見つめ合う・語り合う・育ち合う保育園」であり、リズミカルで覚えやすく、含蓄深い内容になっています。園目標として「丈夫な身体、元気な子」・「自分で考え、行動する子」・「自分を愛し、人を愛せる子」・「こころ豊かに遊ぶ子」を掲げています。全ての子どもたちが、自分を「かけがえのない存在」と感じ、自信を持って生きて行かれるよう、子どもが本来持っている「育つ力」を十分発揮できるよう、職員一丸となって育成に努めています。横浜市美しが丘保育園では、理念・方針を確認する会議を設け、職員で共通理解を図り、園内に理念・方針・目標を掲示し、各クラスにファイリングをして常に確認できるようにしています。また、職員間の目標共有カードに理念等を記載し、年3回、園長との面談の中でも確認を行い、理念・方針の徹底を図っています。横浜市美しが丘保育園として、“理念に沿って子どもを見つめることが人権の尊重の基底”と考え、「子どもがどれだけ尊重されているか」の一点を最重要と捉え、日々保育に当たっています。

≪優れている点≫

1.【センター園としての地域の子育て支援】
●横浜市美しが丘保育園は、センター園として地域の子育て支援の役割を担っています。横浜市公立保育園として地域の保育園の指導的、取りまとめ役的立場として、ネットワーク専任保育士が設置されており、ネットワーク専任保育士の果たすべき役割は非常に大きく望まれます。各保育園には保育園の専門性、機能を生かすよう地域支援が期待されており、日常の保育以外に積極的に地域の子育てを支援するには保育士の要員不足の現状もあり、地域との接点を設ける活動が定着して定期的に稼働すればスムーズな交流も図ることができますが、地域の子育て支援への課題を持つ保育園も少なくありません。地域との交流は、そのような点をコーディネーター役のネットワーク専任保育士が行うことにより、みんなで協力し合いながら地域の子育て支援が1歩前へ進みます。ネットワーク専任保育士はセンター園にさらに配置要因が求められますが、拡充を図り、地域の子育て支援の核となり、地域への貢献が大きく期待されます。 

2.【わらべ歌あそび、リズムあそびの推進】
●横浜市美しが丘保育園では、わらべ歌あそび、リズムあそびを推進しています。わらべ歌あそびでは、日本に古くから伝わるわらべ歌を大切にし、伝承して行きたいと考え、地域の育児講座にも職員を講師として派遣し、わらべ歌あそびの楽しさを伝えています。リズムあそびは、ホールでピアノに合わせて体を動かして「わに」、「とんぼ」、「かえる」等の動きを行い、リズム感、創造力、表現力を育んでいます。わらべ歌、リズムを保育に取り入れることで楽しさの幅が広がり、五感を刺激し、たくさんの言葉に触れ、体を動かすことで身体機能の充実も図っています。この活動は異年齢活動の中でも生かされ、月1回の「なかまっこ」では計画的に交流を図っています。また、運動会でも「なかまっこ」の競技を組み込み、年長児が年下の子どもをリードし、担任の保育士が分担して援助を行い、保育の成果につなげています。わらべ歌とリズムあそびを生かした保育は、横浜市美しが丘保育園の特長の1つです。

3.【ビオトープがある園庭】
●横浜市美しが丘保育園の園庭には、歴史あるビオトープが設けられています。造成したビオトープではなく、自然発生的な積み重ねられた自然の恵みと生態系が息づいています。調査者が中をうかがうと、男性の保育士が水を補充するため水道のカランをひねる姿が見え、自然発生的とはいえ管理が成されています。現在、メダカがビオトープに住み、季節になるとヤゴも宿を借り、園庭の一角に心が和む自然のコーナーとなっており、近隣の方々も楽しみに来園されると聞きます。設備された立派なプールの陰にある自然のビオトープは子どもの脳裏にも後々残ることだと思います。地域の貴重な産物は子どもの成長と共に歴史が作られています。

≪さらなる期待がされる点≫

1.【さらなる地域子育ての支援】
●横浜市美しが丘保育園および、子育て支援を担う支援保育士は、現状、精一杯活動し、地域に貢献しています。しかし、地域に1つか2つのセンター園に最大2名のネットワーク専任保育士、支援保育士が担うには限りがあります。地域子育ての支援を行うにあたり、核家族化の背景と共に子育ての仕方に思い悩む親や、保育園に入れられない(働いていない)家庭については、子育てに苦慮する親も多いと聞きます。これらの悩みを抱える親等、在宅での子育て家庭に対して、センター園のネットワーク専任保育士を中心とした地域子育ての「支援の仕組み」が充実していけば、心(愛情)の子育ての啓蒙および支援が期待できると考えます。是非、さらなる地域子育ての支援の体制作りに尽力を期待いたしております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●横浜市美しが丘保育園では、理念に沿って「子どもを見つめることが人権の尊重である」ことを基底とし、「子どもがどれだけ尊重されているか」を常に確認し、大切にして保育にあたっています。「保育の理念」・「保育の目標」を全クラス、事務所等、目に見える場所に掲示し、各クラスにファイリングしています。理念、目標をカードにして全職員に配付し、手帳に入れて携帯する等、確認できるようにしています。また、理念を確認する会議を設け、職員会議、カリキュラム会議、毎日のミーティング、年3回の目標共有シートによる職員面接においても、理念・目標を確認しています。非常勤職員については副園長が嘱託会議、アルバイト会議で理念、目標を確認する機会を設けています。保護者に対しては、園だより、入園説明会、園見学、懇談会および口頭で説明を行い、周知しています。さらに、年度末会議では、次年度の指導計画策定に向けて理念や基本方針を確認し合っています。

●個人情報の取り扱いや守秘義務については、個人情報の取り扱いについてのマニュア、守秘義務の規程を備え、年1回、個人情報の管理・扱いについてマニュアルに沿って確認しています。全職員(ボランティア、実習生含む)に、守秘義務の定義や目的について周知し、共通認識を図り、誓約書(ボランティ、実習生は同意書)を交わしています。保護者には、入園時や懇談会時に個人情報の守秘義務について説明を行い、個人情報の取り扱い(肖像権等)の確認を行い、同意を得ています。個人情報が記載された文書は事務所に保管し、不要になった場合はシュレッダーで処理をしています。

●性差に関する配慮では、遊びや行事の役割、持ち物の区別、順番、グループ分けや整列も性別で区分けすることはしていません。名簿は生年月日の順にしています。子どもや保護者に対して、父親・母親の役割を固定的に捉えた話し方や表現をしないように心得、職員は人権研修、ジェンダー研修に参加し、共通認識を図る体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●個別の計画は、0歳〜2歳児の乳児、幼児で障害を持つ子どもについては月案で個別計画を作成し、月齢差に配慮し、保護者と子育てが共有できるよう、保護者の意向を踏まえて作成しています。各月のクラスのねらいや週案は、保育室に掲示して伝えています。評価、改訂にあたっては複数の職員が参画し、保護者と送迎時での会話や行事後のアンケート等から意見を抽出して作成に反映させ、年度末には反省および、見直しを検討して翌年度につなげています。

●園舎内外の掃除、整理整頓について、マニュアルを作成し、職員の当番制を定めて清潔に保ち、園内、園庭の安全点検については毎日、複数の職員でチェック表を基に安全点検を実施し、安全確保に努めています。施設環境では、保育室に空気清浄器を備え、適宜、自然換気も行い、室内の温湿度計により快適に過ごせるよう配慮しています。保育室は南向きで陽光は十分に入って明るく、玄関、廊下、階段等に花や観葉植物、自然の置物、手作り品やお人形等を飾り、温かい環境作りをしています。園庭やプールには、遮光ネットを張り、紫外線予防を行っています。園庭には、横浜市美しが丘保育園の特徴の1つでもあるビオトープがあり、地域の親子にも開放し、子どもの感性を育み、気持ちよく利用できるよう配慮しています。また、音楽や保育者の声等が近隣に騒音にならないよう十分注意をしています。

●献立表は、保護者に事前に配付し、幼児クラスに「ぱくぱくだより」を掲示して情報提供や給食のサンプルを展示し、家庭での食育につなげています。保育参加や懇談会時には試食の機会を設け、給食に関心・理解が持てるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ●横浜市美しが丘保育園は、配慮を要する子どもの受け入れを行っています。配慮を要する子どもについては、個別のケースに関してカリキュラム会議や毎日のミーティングで状況や対応を話し合い、記録に残しています。健康に配慮の必要な子どもに関しては、職員間で認識している場所に個別の配慮事項を掲示し、すぐに確認できるようにしています。要配慮児への対応は、ミーティングや会議で確認し合い、職員間で共有し、統一した対応を心がけています。職員は、要配慮児に係わる研修を受講し、研修内容を会議で報告し、回覧をして知識の共有化を図っています。共有情報は記録し、ファイリングをしていつでも確認できるようにしています。
●虐待防止マニュアルを作成し、周知しています。虐待の定義については、年1回、全職員で横浜市が制定する「横浜市子ども虐待防止ハンドブック」の読み合わせを行い、確認し、周知を図っています。毎日の送迎時には保護者に声をかけ、小さなサインに「気づき」を持ち、子どもの健康状況、持ち物を確認する等、早期発見に努めています。虐待が疑われる場合は、直ちに園長に報告し、速やかに青葉区保健センターの保健師に連絡し、必要に応じて児童相談所に相談する体制を整えています。また、家庭支援の必要な保護者を見極め、継続的に見守りを行い、虐待の予防に努めています。
●食物アレルギー疾患のある子どもの除去食を提供する場合は、横浜市が定める「食物アレルギー対応マニュアル」に沿って、かかりつけ医の指示を基にアレルギー疾患生活管理指導票(主治医記入)に沿って適切に対応を行っています。保護者とは密に連携を図り、保護者、調理員、担任、主任、副園長、園長で毎月の献立を確認する機会を設けて除去食を提供し、前日のミーティングで、献立を全体で確認すると共に提供の仕方や対応の確認をしています。給食では、色違いの専用食器を用い、名札、色違い台布巾を活用して個別配膳と複数職員での確認を徹底し、誤配膳、誤食がないよう努めています。
●保護者からの苦情などに関しては、園のしおり(重要事項説明書)に「苦情解決制度について」を明示し、苦情・相談の窓口担当者を明記して入園説明会でも説明しています。苦情受付担当者および苦情解決責任者は園長と定め、重要事項説明書にも記載しています。要望や意見等を聞く機会としては、意見箱を廊下に設置しています。行事後にはアンケートを実施し、課題を抽出して次年度につなげています。集計内容は、保育園の自己評価として公表しています。
●感染症等については、感染症に関するマニュアルを備え、登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応について、保育園のしおりで周知し、入園時にも保護者に説明しています。感染症が発生した場合は、園内での感染症蔓延に注意し、注意喚起の掲示を行っています。職員に対しては、必要な情報をミーティングで速やかに周知しています。保育中に発症した場合は、マニュアルに沿い、速やかに発生状況と症状について保護者に知らせ、可能な限り別室で個別に対応し、蔓延の防止に努めています。地域、最新の感染症情報は、行政や地域等から入手し、職員間で情報を共有し、掲示板で保護者にも周知しています
●外部からの侵入に対して、不審者対応マニュアルに沿って訓練を定期的に実施し、侵入経路と避難体制の確認を行っています。門は常時施錠し、午睡時は窓や出入口を施錠して安全に配慮しています。また、園内に緊急時の110番自動通報装置を設置し、警備保障会社に委託して直接連絡できる体制を整備しています。園長、副園長、主任は「ピーガルくん子ども安全メール」、「青葉区犯罪発生メール」に登録しており、不審者情報は、青葉区こども家庭支援課からFAXで入手し、速やかな情報伝達と安全管理に努めています。
4 地域との交流・連携 ●地域の子育て支援では、支援事業に参加する親子にアンケートを実施し、次回の支援の実施に生かしています。横浜市美しが丘保育園は、センター園としてネットワーク専任保育士が配置され、青葉区役所にも滞在し、横浜市・区の情報、地域支援について情報を得、子育て支援に尽力しています。園の子育て支援サービスでは、支援保育士が中心となり、一時保育、園庭開放や、絵本の貸し出し、育児相談、育児講座、交流保育、ふれあい給食、ホール開放(ひだまり広場)を提供し、親子の集いの場を提供して子どもとのかかわり方や遊び方を伝えたり、子育て中の親同士の交流支援等の活動を行っています。
●地域へ園の理解促進のための取り組みとして、園行事(夏祭り・運動会・生活発表会)に地区内の自治会長、第三者委員、児童委員、老人会の方等を招待して園の理解を促しています。自治会の夏祭りには子どもたちも参加し、地域の防災訓練には職員が参加し、交流を図っています。園長は、「次世代郊外街づくり」のタウンミーティング(東京急行電鉄、横浜市建設局、青葉区役所等が参加)で街作りの話し合いに参画し、イベントでは年長児が踊りや歌を披露しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●保育所、職員として守るべき法・規範・倫理等の周知は、公務員としての横浜市職員服務規定や職員行動基準が定められ、全職員に周知しています。園長は、年度初めに職員行動基準の読み合わせを行い、コンプライアンスの規則、規定・要領を備え、他施設の事故・不祥事等の事例について職員に周知しています。定期的に研修を行い、職員は規範について再確認し、日々の保育に当たっています。また、保育士倫理綱領に沿って個人情報の扱い、義務遵守の徹底を心がけています。園の運営状況等の公開は「ヨコハマはぴねすぽっと」に掲載されています。
●ゴミ減量化、ゴミの分別、リサイクル・省エネ促進と緑化推進では、横浜市職員行動基準に則り、リサイクルに関する環境教育を推進し、ゴミ分別、減量化の意識向上に取り組んでいます。また、横浜市環境方針にグリーン購入法(再生紙の購入)等が記載され、コピーの裏紙使用等の励行を図り、エアコンや電気の節電に努め、物品購入時には、グリーン購入の品を取り入れています。園内の温湿度は、夏季、冬季に分けて適正な目安を示して管理を実施しています。園庭にはビオトープがあり、野菜や草花の栽培を行い、緑化を促進しています。
●園の運営面における情報は、横浜市こども青少年局保育・教育人材課や青葉区こども家庭支援課から得、園長会において情報を入手し、社会の動向はマスメディアや地域の情報から分析を行い、園運営に生かしています。情報は職員全体に周知し、話し合い、園全体で取り組んでいます。重要な情報については、リーダー会議で検討し、乳児会議、幼児会議で話し合い、最終的に職員会議で決定して全職員に周知しています。保育所の自己評価や改善課題についても全職員で話し合い、より良い園作りに向けて取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●常勤職員、嘱託職員、アルバイト職員の研修体制については、ニーズに応じて計画を立案し、時間を考慮しながら外部研修に参加できるよう配慮し、定期的に園内研修を設け、全職員が参加できるようにして知識・技術の向上を図っています。外部研修受講後は研修報告書を作成し、ミーティング時に報告を行い、職員間で共有し、研修資料は回覧をして共有化を図っています。毎年、近隣保育園と職員の交換研修を実施しています。
●園内研修を通して、嘱託職員、アルバイト職員と保育について話し合い、マニュアルの読み合わせを行い、保育方針の一貫性と資質向上につなげています。「わらべうた研修」にも参加してもらっています。また、クラス運営や子ども、保護者対応について細目に話し合う機会を持ち、月1回、嘱託保育士会議を設け、情報共有を徹底し、常勤職員、嘱託職員、アルバイト職員間でコミュニケーションを図りながら園の円滑な業務につなげています。
●総合的な人事管理では、園の理念、保育方針に基づいて人材育成計画を行い、人事基準は横浜市の公立園として明確に定められた基準に基づいて運用しています。横浜市では職場のコミュニケーションの円滑化を図り、職員一人ひとりの人材育成や能力開発につなげていくことを目的として人事考課制度を確立しています。職員からの意見等は、会議の場だけでなく、いつでも主任、園長や副園長に改善提案や意見を述べることができるようにしています。

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