かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ぶどうの実平間園

対象事業所名 ぶどうの実平間園
経営主体(法人等) 株式会社ぶどうの木
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0015
中原区北谷町693−10ペアシティヒラマ1階
tel:044-540-3355
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 一般社団法人 かわさき福祉相談センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要・特徴】
<立地・概要>
ぶどうの実平間園は平成20年3月に「かわさき保育室」(0〜2歳)として開園し、平成25年4月に「川崎認定保育園」(0〜2歳)として設立し、平成28年4月に「川崎市認可保育園」(1〜5歳)になりました。JR南武線平間駅から徒歩4分、商店街の通りに面した5階建マンションの1階部分にあります。1〜5歳児定員30名、在籍者31名となっています。運営は株式会社ぶどうの木で、川崎市内で他に5園の保育園の他、学童保育の運営を行っています。
<保育の特徴>
保育理念は「シアワセな未来を創る”ひと”を育てる」とし、「子ども一人ひとりを大切にする子ども主体の保育」を保育目標に掲げて、6つの保育実践ポイントを大切にしています。
平間園では異年齢保育の「ごちゃドバ」を行っており、1〜5歳児が同じ環境で遊び・食事・お昼寝など生活を共に過ごすことで、異年齢の関わりが広がっています。子どもの年齢に捉われず、「やりたい!」の意欲を大切に一人ひとりのペースや発達・興味に合わせて好きな遊びができるような環境を作っています。

【特によいと思う点】
1.異年齢保育「ごちゃドバ」の実施
年齢で保育環境を区切らず、子どもの活動の場を、興味や関心によって狭い空間を危険なく使うため、ブロックやお絵かき等の座って行う遊びの空間「静」と動きのある遊びの空間「動」とに分けて、子ども達が自由に行き来して好きなことができる「ごちゃドバ」保育を実施して、自然に異年齢の関わりを広げています。年長児は年下の子どもに対する思いやりが培われ、散歩時に年少児が歩道のより内側を歩くように手をつなぐ配慮などがみられます。年少児は年長児の行動を見て「自分もそれがしたい」と真似をするなど向上心が養われています。
2.家庭と共に子どもを真ん中にして子育てを一緒に考える「共育て」
子どもを真ん中にして、子育てのパートナーとして家庭と共に子育てを考えており、保護者と保育者の意見交換の場も持っています。人格形成にとって大切な乳幼児期に、子どもを取り巻く大人が共に手を取って子育てをすることで、園の掲げる実践ポイントの1つ「私は愛されている」と感じることで心の安定を育み、他の実践ポイントである意欲や態度、自負心を持つことを目指し、「そのままの自分でいいんだ!」と個性を自由に表現して自尊感と、大人たちや友だちに受け止めてもらう共感を大切にして、自己肯定感を育む保育を行っています。
3.一人ひとりを大切にする子ども主体の保育
遊びの際に、肢体不自由な子どもに対し特別に遊びを考えるのではなく、どうすれば同じ遊びに参加できるかを子どもたちが中心になって考え、保育士はそれを見守り、必要時に助言をするようにしています。園の掲げている保育実践項目「成長の根を育むための6つポイント」の全てが活かされており、自分も友達も尊重するように成長しています。

【さらなる改善が望まれる点】
1.ボランティア・実習生の受け入れ
設置法人によるボランティア・実習生の受け入れマニュアルが整備され、受け入れ体制も確立されていますが、まだ受け入れの実績がありません。園や商店会の掲示板を活用して積極的に働きかけ、更なる地域の方々との交流の場として、ボランティアを受け入れること、及び、保育に関する指導者育成のためにも実習生を受け入れることが期待されます。
2.設置法人共通の人事考課フォームの作成と記録
設置法人共通の自己評価シートがあり、年1回の自己評価の後に園長との面談を実施し、必要に応じて代表との面談が行われますが、人事考課に関する設置法人の共通の人事考課の手法が整備されておらず人材マネジメントが不十分なように見受けられます。人事考課内容の記録を残し、フィードバックや自己啓発の支援を効果的に進められているかどうかの検証に活かすことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の保育理念や保育方針に基づき、子どもをひとりの人間として尊重し、大人主導ではなく子ども主体の保育を行っています。大人が何もかもを行ったり指導したりはせず、子どもの言動に気を配り「やりたい気持ち」を尊重しています。子どもがうまくできないことも手を出したりせかしたりせず見守り、必要があればさりげなく支援するように心がけています。

・設置法人が開催する合同研修会では、毎回保育理念や保育方針について職員に説明し、その理解が子どもの意思の尊重や人権の尊重につながり保育に活かせるようにしています。保護者に対しては入園前説明会や保護者会等で保育理念や保育方針を繰り返し説明し、意識の共有を図る努力をしています。

・「女の子だからピンク」「ハサミは3歳から」など、性別や年齢で判断したり活動を分けたりせず、子ども一人ひとりの発達や意欲を尊重して、適切な見守りと援助の基にした保育を行っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・行事に対する案についてのアンケートや運動会やお泊り保育等行事後のアンケートをとることで、保護者の行事に対する考えや参加の意向を確認しています。年度末アンケートでは保育全体について保護者の意見や意向を確認し職員会議等で共有をおこない次年度の計画に反映しています。

・子どもそれぞれの発達や個性、家庭環境等を担当職員以外も把握し保育に反映しています。子どもの意見は尊重し、個々の状況に合わせるよう配慮をしています。送り迎え時の保護者との会話や連絡帳を通し、家庭での様子を確認し、家庭と園での支援内容を近づける努力をしています。

・園の理念や方針を一方的に伝えるのではなく、保護者の意向も聴いた上で相互理解を図り、園と家庭とで同じ対応ができるようにしています。

・登園時には体調や遊び、食事等家庭での様子を確認しています。保護者から聞き取った内容は全職員で共有できるように連絡ノートに記入しています。

・降園時の保護者との会話では挨拶だけでなく、園での様子の中から「今日は〜ができました」「こうすると家庭でもできるようになるかも」等の肯定的なエピソードを伝えるようにしています。担当職員以外も様子が伝えられるよう口頭や連絡ノートを活用し職員間のコミュニケーションを密に図っています。保護者のみが閲覧できるブログシステム(キッズリー)を活用し、子どもたちの様子や保育者の想いなどを写真やメッセージで伝えています。

・子ども同士の関わりで怪我があった場合は、怪我に至るまでの背景(関り合いや双方の想い)にある子どもの想いや発達、今後の関わりを保護者に伝えています。集団生活の中で、子ども同士関わることで成長し合っていくことを共有し、子ども1人を大勢の大人の目で見守っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園見学説明会での配布資料にて、保育理念「シアワセな未来を創る“ひと”を育てる」保育方針3本柱「勇気づけの保育」「裁かない保育」「見守る保育」や保育の内容を保護者に周知し安心して入園できるように配慮しています。また、入園前には「入園のしおり」や重要事項説明書、契約書等にて保育の内容や個人情報の取り扱い等についても説明しています。

・子どもの送り迎えの際には保護者とは挨拶だけではなく家庭での様子の確認をしたり、保育園での様子を伝えたりして、子どもの生活を一体的に把握できるようにしています。職員間での情報共有はミーティングや連絡ノートを使い、担任以外の職員も子どもの様子を確認することを徹底しています。

・保育の提供方法や個人情報の取り扱いや、危機管理、虐待防止、苦情対応等の各マニュアルについては、月1回開催される園長・主任等による情報共有会議「ぶどうの会」にて検討、見直しが行われ、設置法人はその意見を尊重し改訂しています。職員の資質向上に向けて、就業規則の中で「ぶどうの木の職員としての心がけ」を定め、職員の行動基準としています。

・意見や苦情は設置法人作成の対応マニュアルに沿い職員会議で検討し対応しています。日々寄せられる口頭や連絡帳等での意見はミーティング等で周知し検討しています。緊急を要する内容については園長に相談し即時対応を心がけています。

・苦情対応をした場合は議事録により全職員に内容を周知しています。

4 地域との交流・連携

・中原区の民生委員と情報交換をしたり、地域の家庭を対象とした「子育てサロン」を実施したりと共同で活動しています。ベビーマッサージの方法や育児相談、手遊びの指導など、自園でできる取り組みを常に考えています。商店街に立地しているので商店会にも加入しており、地域行事に参加したり、園の行事にも参加してもらったりしてなど積極的な交流を心掛けており、地域と共生する「地域で子育て」を基本とした関係構築ができています。

・ボランティアを受け入れるためのマニュアルが設置法人で作成されており、受け入れ可能な状態にあります。正式なボランティア受け入れの実績はありませんが、依頼があれば受け入れは可能です。近所の小学生が夏休みの数日間、保育体験をした実績があります。地域と良好な関係が構築できているので、園や商店会の掲示板を活用して積極的に働きかけ、更なる地域の方々との交流の場として、ボランティアを受け入れることが期待されます。

・夏まつり・ハロウィン・クリスマス会・劇の会など、園の行事を開放し、地域の親子や小学生との交流を図っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念・基本方針実施のための行動規範をまとめた「ぶどう基準」が作成されており、実際の保育の現場で、全スタッフの具体的な行動に反映されています。保育過程やカリキュラム、保育記録等の検討改善も適宜行われており、年々変化する保育事情に柔軟に対応できています。

・園長が策定した3年中期計画を踏まえて、スタッフミーティングで年度単位の事業計画を立てています。事業計画は各年齢別の年間カリキュラムに反映され、年度途中でも具体的内容の見直しを行い、月間カリキュラムに反映しています。スタッフ同士で週・月単位のカリキュラム会議を開催し、日案・週案・月案の評価を行っています。全体会議では四半期・半期・年単位で指導計画の評価・見直しを行う体制も確立しています。

・園長・副主任がリーダー研修を受講して、管理職層の人材育成を行っています。職員層の見直しを含めて中長期計画に反映されることが期待されます。

6 職員の資質向上の促進

・人材が一番の宝であると考えて、正規・非正規を問わず、全ての職員が同じ保育に関わる大人として、同じ立場で意見交換ができる関係を大切にしています。産休・育休へのサポートを行い、ライフスタイルに合わせた働き方ができる環境作りを考えています。

・設置法人による実習生の受け入れマニュアルが用意されており、保育技術に留まらない、仕事に対する姿勢や意欲も記されています。受け入れ可能な状態にありますが、受け入れの実績はありません。保育に関する指導者育成のためにも、今後、実習生を受け入れることが期待されます。

・設置法人共通の自己評価シートがあり、年1回の自己評価の後に園長との面談を実施し、必要に応じて代表との面談が行われますが、人事考課に関する設置法人の共通の人事考課の手法が整備されておらず、客観性や透明性の確保が図られていないように見受けられます。人事考課内容の記録を残し、フィードバックや自己啓発の支援を効果的に進められているかどうかの検証に活かすことが期待されます。

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