かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

かもめ保育園

対象事業所名 かもめ保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人かもめあゆみの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0051
鶴見区鶴見中央5-2-7
tel:045-506-4154
設立年月日 2014(平成26)年05月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
かもめ保育園はJR鶴見駅東口、京急鶴見駅から徒歩4分で、JRの線路と京急の線路の間に位置する保育園です。平成12年(2000年)1月、任意団体として、かもめ保育園を設立しました。その後、同じ年の4月に横浜市認定の横浜保育室になりました。平成22年(2010年)11月には、特定非営利活動法人かもめあゆみの会が設立され、平成26年(2014年)5月、建てえと同時に認可保育園になりました。
園舎は鉄筋3階建てで、窓を多く設置して、陽光を十分取り入れられるようになっています。夏場には屋上にプールを設置してプール遊びをしています。園庭では、砂場遊びができるようになっています。
定員は66名で0歳児から5歳児までの子どもを保育しています。保育時間は平日7時15分〜18時30分で、延長保育は6時30分〜20時までとなっています。土曜保育は7時〜18時です。
園の保育理念は「子ども同士のふれあいの中で、自主性、社会性を育て、保護者とのコミュニケーションを大切にし、笑顔あふれる環境をつくる」、保育方針は「0歳から6歳までの子どもたちの個々の成長を受けとめ、子どもの目線に立ち、共感しながら歩む」、保育目標は「一人ひとりの精神的、身体的発達段階を十分に踏まえ、様々な環境にふれたり、異年齢の子どもの交流を通し、子ども同士のふれあいの中での自主性、社会性を育てていく」です。


1.高く評価できる点  

● 子どもの最善の利益を第一義に、子どもの心に寄り添う保育を実践しています。
子どもを尊重し子どもの心に寄り添う保育の実践に取り組んでいます。「個人計画・評価表」を用いて、子ども全員に対して保育のねらいを立て、子ども一人一人に丁寧に寄り添い、個々の子どもに合わせた関わり方や環境設定を行えるように取り組んでいます。
日常の保育の中では、外遊びに力を入れていて、天気の良い日には、近くの公園や、總持寺に散歩に出かけています。公園では、砂場遊びや、しっぽ取りなどの鬼ごっこ、石拾い、葉っぱ集め、探索を楽しんだり、ジャングルジム・シーソーなどの遊具で遊んでいます。子どもが拾った落ち葉に3箇所穴をあけて、顔に見立てるなど遊びが豊かに展開されるように保育士が働きかけています。公園で気功をしている高齢者グループを見て、子どもたちは気功のポーズを真似たり、会話を交わしたりして地域の人々と関わっています。總持寺では、仁王様にみんなで挨拶をしたり、走り回ったり、葉っぱや木の実を集めたり、木登りをするなど、自然豊かな環境で思い思いの遊びを子ども自らが展開しています。
子どもへの言葉かけは、むやみに否定語を使うことなく、子どもの傍まで保育士が行って、穏やかに分かりやすく話しかけています。子ども同士のトラブルの際には、「何がしたかったのかな」「もっと先の方に並びたかったんだね」など話しかけ、子どもの気持ちを代弁したり、子ども自ら気持ちを言葉にできるようにしています。
また、子どもの最善の利益のため、保護者の心にも寄り添い、保護者の立場に立った対応ができるように、園長が中心となって取り組んでいます。利用者家族アンケートでは、保護者に対して園長の理解があることや、小さな相談事も聞いてもらっていること、職員が温かくアットホームな雰囲気であることなどについて意見が出ていました。
卒園後には、子どもたち一人一人に手作りのアルバムを渡しています。入園から卒園までたくさん撮りためた写真の中から、一人一人その子らしさが表現されているものを選び、個々のアルバムに納めています。思い出がたくさん詰まった手作りのアルバムは卒園生の宝物になっているようです。


● 全体会議や職員会議、5分間ミーティングなど話し合う機会を多く持ち、職員間のチームワークを醸成しています。
子どもの心に寄り添う保育、子どもの最善の利益を第一義にした保育を実践するため、年度初めの全体会議では、理念・方針、全体的な計画、保育所保育指針に関する周知を行うほか、今年度は「チームワーク」をテーマに、ディスカッションやロールプレイなどを実施しました。年4回実施する全体会議には非常勤職員も参加し、全員で子どもの情報を共有するとともに、学びあう機会としています。週1回実施する職員会議では、子どものケースカンファレンスを行い、皆で子ども個々のケースについて話し合うほか、園外研修の発表なども実施し、学びを共有しています。日々行う各クラスの5分間ミーティングでは、クラスごとにその日の子どもへの対応を振り返り、子どもにとってどのような関わり方が最善であるか話し合っています。
また、常勤・非常勤職員に関わらず、職員個々に「職員レポート」を毎年作成して目標を定め、年2回園長と個別面談をしています。今年度の「職員レポート」ではチームワークを醸成する基盤として、人間関係を良好にするためどのようなことに取り組んでいくか、個々に目標を設定しています。


2.さらなる工夫・改善が望まれる点 

● 保育に関する全体的な計画を保護者と共有することが期待されます。
全体的な計画は、子どもの心に寄り添う保育、子どもの最善の利益を第一義にした保育が重要であるという考えに基づき、園長と統括リーダーが全体的な計画の案を立て、職員全体で検討しています。
保護者に対しては、重要事項説明書に保育計画を明記して端的に伝えるとともに、懇談会やクラス便りなどで保育内容を伝えています。
今後は、全体的な計画を用いて、保護者に説明していくことが期待されます。全体的な計画を用いることにより、園の考え方や子どもの発達の過程、発達に合わせた保育士の専門的な関わりなどを保護者に伝えることができ、保育の可視化に有効と思われます。
また、現在園のホームページについて更新作業を進めています。ホームページのリニューアルを通して、より詳細な保育の情報が提供されることも期待できます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・状況に応じ仕切りなどを利用して、周りの視線を気にせずに過ごせる空間を作ったり、他の職員と連携して、保育士と子どもが一対一で関われる環境を整えています。
・守秘義務について、職員は入職時に、実習生は受け入れ時に必ず伝え周知しています。個人情報の取り扱いについては、ガイドラインを配布し、職員会議で確認して全職員に周知しています。保護者にも入園時に口頭で個人情報取り扱いについて説明し、了承を得ていますが、家族や近隣の人が子どもの写真撮影をしようとした時などは、職員がその場で説明し遠慮してもらっています。
・性別で色分けしたり、順番やグループ作りを性別で行ったりすることはく、子どもの好きな色や身長順、名前の順や子どもたちの話し合いでグループを作ったり、順番を決めたりしています。「母の日」「父の日」を設けず、「感謝の日」として子どもが感謝したい人にプレゼントを作っています。日々の振り返りの中で、不適切な言動がないか確認しあう機会を設けています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・事務室に理念・方針を掲示し、年度初めの全体会議で確認しあっています。日々行う各クラスの5分間ミーティングでは、子どもへの対応について話し合っています。また、職員個々の目標を記す「職員レポート」に理念・方針を明記することで、理念・方針を意識した目標を設定できるようにしています。
・入園説明会を3月に実施し、保護者が記入する書類や個別面談を通して子どもの発達状況を把握しています。個別面談には、子どもも一緒に同席し子どもの様子も把握しています。面接時に把握した新入園児の情報は、会議で報告し職員間で共有するとともに、ファイリングをして保管しています。
・子どもが快適に過ごせるように設備を整えています。「安全点検チェック表」や「掃除チェック表」を用いて、屋内・外ともに、清潔に保たれています。各保育室にはエアコンや扇風機を設置し、温度管理を適切に行うとともに、エアコン等の掃除も定期的に実施しています。陽光が取り入れられるように窓を多く設置し、各クラスの活動場所を考慮するなどして、他のクラスの音を気にせず保育をすることができています。
・保育室は各階ともひとつの広いフロアを低い棚で仕切って、生活場面に応じて使い分けられるようになっていて、年齢に応じたおもちゃやぬいぐるみなどが子どもたちの手の届くところに配置され、自由に取り出して遊べます。絵本は各年齢ともに季節や子どもたちの興味・関心に沿って用意されており、種類も豊富で、子どもたちが自主的に選ぶことができます。
・季節を通じて、玄関前にプランターを置いて、花・オクラ・ナスなどを栽培して、登降園の時には親子で成長を楽しんだり、できた野菜を給食に取り入れたりしています。また、近隣の家で栽培している野菜や公園の木々や草花の変化を子どもも保育士も楽しみにして、話題にしています。
・調理師・栄養士・保育士は子どもの好き嫌いを把握し、配膳やお代わり、片付けにも立ち会うことで食事のマナーや喫食状況などの情報を共有しています。子ども一人一人の体調や好みなどに配慮して献立の作成や調理に工夫をしています。
・0、1歳児は午睡時間に関わらず、個々のリズムに合わせて睡眠をとっています。午睡前に保育士は絵本の読み聞かせを行い、乳児には子守唄を歌ったり背中をさすったり、寝付けない子どもはおんぶをして外気浴に連れ出したりして個々に対応しています。年長児は1月から徐々に午睡をなくしています。ブレスチェック表を用いて、0歳児は5分、1歳児は10分、2歳児は15分毎にチェックを行い、子どもの姿勢、顔色、呼吸の状態などを観察し、うつ伏せになっている子どもは仰向けになおすなどして、事故防止に努めています。
・送迎時に子どもの様子を伝え合い、連絡帳や連絡ノート等で情報を交換し、成長の様子を共有しています。懇談会は春、秋、年度末の3回行っています。全体会の後、クラスに分かれて、担任から保育の様子を伝え、保護者間でも子育ての悩みや情報交換できる時間を設けています。10月には一人15分程度の個人面談を希望に応じて時間設定し、自由参加でおこなっています。面談期間以外でも保護者から希望があれば、随時、園長、クラス担任で面談に応じています。行事や写真販売については、メールの一斉送信で情報を提供しています。
・月1回のクラス便りで子どもの様子を伝え、毎日の様子はクラスごとの伝達ノートに記載し、いつでも見られるようにしているほか、特筆することは連絡帳で伝えています。絵画教室や制作の作品は、その日のうちに保育室に展示しています。制作の過程や日々の活動の写真は、パスワードで管理されたインターネット上にあげて、保護者が見られるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ・年度当初は、特に0・1歳児クラスで職員体制を手厚くして、新入園児を受け入れています。入園説明会や個別面談で短縮保育について説明し、10日前後を目安に、個別の状況に合わせて実施しています。全クラスに連絡帳があり、乳児クラスでは、家庭と園生活の連続性を考慮した書式を用いて丁寧に情報を共有しています。幼児クラスでは、ノート形式の連絡帳を用い、必要に応じて情報交換をしています。
・特別な配慮を必要とする幼児については、月案の中に「個別配慮」の欄を設けて、個別に関わり方について毎月計画しています。また、「個人計画・評価表」を幼児クラスも作成し、3ヶ月ごとに子ども個々に保育のねらいや配慮事項を定めて評価をしています。日々の5分間ミーティング、職員会議などで、保育の振り返りを行い、保育方法の見直しを随時行っています。
・特に配慮を要する子どもを受け入れています。保育する上で必要な情報は、毎週行う職員会議や、非常勤職員も出席する全体会議、日々の5分間ミーティングで共有・検討しています。発達障害に関する研修に職員が参加し、会議で発表をしたり、横浜市東部地域療育センターの巡回指導や、発達や療育に関する専門施設の児童発達支援管理責任者からの助言を保育に活かしています。
・「意見・要望・苦情・不満を解決するための仕組みの導入について」の書面を整備し、解決の手順を明確にしています。苦情を受けた場合は、職員個人では判断をせず、園長が対応することにしています。園単独で解決困難な苦情等は、鶴見区子ども家庭支援課と連携をすることになっています。苦情や要望の解決策は、職員会議を通して周知しています
4 地域との交流・連携 ・地域の子育て支援として、さくらんぼの会(鶴見区の保育園が、鶴見中央ケアプラザを拠点に月替わりで担当園を決め、毎月開催している子育て支援イベント。約30組の家庭が参加)、下野谷会館での育児支援会(年2回開催。約20組の家庭が参加)や、近隣の町会会館や地域支援センターで実施している子育て支援イベントに、園長と職員が参加しています。参加後、職員会議で地域の保護者の様子や育児相談の内容を未参加の職員と共有し、意見交換しています。
・地域の保護者の育児相談は、子育て支援イベントや園の見学、園見学予約時に、園長と統括リーダーが実施しています。園の見学には月20名程度が参加しています。また、市立保育園や近隣の保育園と企画し「地域支援センター」で実施している子育て支援イベント(約70組の家庭が参加)では、育児相談コーナーを設置し相談を行っています。相談内容は記録し、子育て支援に活用しています。現在、育児相談は定期的に相談日を設けていないため、定期的に実施されることが期待されます。
・運動会は近隣の公園を会場にして行い、地域の小学生や近隣の人を招待しています。地域の小学校とは定期的に連携を図り、先生の訪問を受けたり、5歳児は入学前の2月ごろに小学校で学校体験や給食体験をしたりしています。中学生の職業体験も1〜2月に2〜3人程度を2回受け入れています。地域の高齢者施設の敬老会やクリスマス会に参加して歌などを披露して交流しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・入園希望者からの問い合わせには丁寧に応じています。見学日程を月に何日か設け、曜日等は希望にそって日程を調整しています。1日3名まで、15時30分からの見学とし、子どものありのままの様子を見てもらっています。見学当日に感染症などの発生している場合は日程変更する旨を伝え、衛生上安全に見学できるようにしています。見学の際には、園の年間行事や子どもの様子がわかる資料を用意し、自由に見られるようにしています。
・法・規範・倫理等の周知に向けて、「就業規則」を事務室に保管しいつもで見られるようになっています。また、年1回「遵守事項(服務規律)」の書面を用いて、園長・社会保険労務士立会いのもと、職員と一緒に確認をして、署名を得ています。園長会などで得た不適切な事例を職員に周知し、啓発をしています。
・「かもめ保育園 職位・役割・内容」に基づき、職務分掌と権限・責任を明確にしています。運営状況は、横浜市のホームページを通して、事業計画書・事業報告書・貸借対照表・財産目録などを公開しています。経理面は税理士が毎月確認をしていますが、外部監査による指導は受けいていません。
・子どもの心に寄り添う保育、子どもの最善の利益を第一義にした保育を実践するため、事務室に理念・方針を掲示し、年度初めの全体会議で確認しあい、日々行う各クラスの5分間ミーティングでは、子どもへの対応について話し合っています。また、職員個々の目標を記す「職員レポート」に理念・方針を明記し、園長と個別面談をすることで、理念・方針を意識できるようにしています。
・現在の園舎に建て替えをする際や土曜日の保育時間の変更など、重要な意思決定にあたり、園長は、職員や保護者に詳しい状況を知らせて意見交換をしています。また、3歳児クラスから、絵画教室・体操教室・英語教室などの費用負担が増えるため、説明会を開いて同意を得るようにしています。
・「かもめあゆみの会 中期ビジョン」を今年度4月に作成しました。中期ビジョンには、「防災基盤の強化及び次世代リーダーの育成」と「質の高い子育て支援」を掲げています。年度単位の事業計画では、「実践の可視化」「安全への取り組み」「専門職にふさわしい研修」などを掲げています。
6 職員の資質向上の促進 ・「人材育成基本方針」として、「子どもの最善の利益を最優先に考えた職員集団」「対人援助者としての学び、気づきを大切にした姿勢と研修参加」を明確にしています。新卒、2年目〜5年目、5年目〜7年目など、段階を追って育成していけるように水準を定めています。研修計画は、新卒〜3年未満、3年〜10年、統括(主任)・副統括保育士、事務など、経験年数・職種・ポジションごとに必要なスキルを明確にしています。
・月間指導計画や週案、日誌の書式に、評価の欄を定型化してあり、保育や業務の計画及び記録を通して自らの実践を評価し、改善に努める仕組みがあります。評価が保育のねらいに沿ったものになっているかなど、統括リーダーや園長が確認しています。その他に、日々クラスで行う5分間ミーティングや週1回の乳児ミーティング・幼児ミーティングでも振り返りをしています。
・「人材育成基本方針」「人材育成における研修」を明確にしています。昇進・昇格については、採用時に昇給表を職員に提示しています。職務に関する成果や貢献度については、園長が評価し年2回個別面談を通して職員に話しています。評価を賞与に反映することで、職員のモチベーション維持につなげています。

詳細評価(PDF1,651KB)へリンク