かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

つくしんぼ保育園(2回目受審)

対象事業所名 つくしんぼ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 つくしんぼの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 235 - 0033
磯子区杉田9-1-50
tel:045-774-6081
設立年月日 1999(平成11)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 つくしんぼ保育園は、京浜急行および横浜市営地下鉄ブルーライン上大岡駅からバスで20分「隋縁寺前」より徒歩2分の位置にある、平成11年4月開所の私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く、散歩コースに恵まれています。子どももおとなもともに元気になれる保育を目ざし、保育目標に「よく食べ、よく寝、よく遊び、いきいきした子」「自分と仲間をたいせつにできる子」「自分でやりたいことがあり、自分の力で乗り越えようとする子」を掲げ、主体性を尊重した保育を行っています。定員は45名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時30分から19時30分、土曜日は7時30分から18時30分です。地域に根ざし、遊びを中心とした楽しい保育を行っています。異年齢保育や食育、音楽活動も取り入れ、子どもたちは明るく元気に活動しています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもの主体性を育て、子どもの心を豊かにする取り組みを行っています
 子どもの主体性を育て、子どもの心を豊かにする取り組みをしています。保育室にはおもちゃが種類ごとに低い棚にしまってあり、遊ぶ時にはいろいろなコーナーを作って遊んでいます。お楽しみ会では2歳児から劇遊びをしますが、劇の内容を子どもたちと相談して決め、台詞や配役も子どもたちと話し合いながら作り上げています。4、5歳児クラスでは、年数回、弁当を持って遠くの公園に行き、ゆっくりと森の自然に触れる機会を持っています。3〜5歳児クラスでは、クレヨンやはさみなどが自分で取り出せるようになっており、製作を自由に楽しむことができます。楽器もすぐに使えるよう用意しており、年数回、お話し会、歌、ジャンベ(アフリカの太鼓)やチェロなどのコンサートを開き、表現することの楽しさを伝えています。

○子どもたちが食事を楽しみ、食に関心が持てるよう配慮しています
 子どもが楽しんで食事ができるよう、こどもの日にはちくわのこいのぼり、節分には鬼の顔の松風焼き、正月にはその年の干支の動物をかたどったハンバーグなど行事食を工夫し、年数回バイキング形式で食事を楽しんでいます。おいしさや食の安全に配慮し、国産の野菜やかつおだしを使用しています。また、たまねぎの皮むきや野菜のすじとリをしたり、5歳児クラスでは、毎月クッキング保育を行っており、うどんやきりたんぽ鍋などを作ったり、栽培したピーマンでピザを作ってほかのクラスの子どもたちと一緒に食べました。栄養士が栄養素や献立の話をしています。これらの取り組みは、子どもたちが食に関心を持つ取り組みとなっています。


○保育園と、在園児と卒園児の保護者が、ともに子どもの主体性を伸ばす保育に協力をしています
 園は、保護者と子育てのパートナーとしての関係を築き、育ち合える関係作りを心がけ、保護者とともに子どもを育てる姿勢を大切にしています。小さな保育園を、保護者も認可保育園になるように協力したという歴史から後援会があり、保護者とともに子どもを支える姿勢があります。卒園した子どもの保護者が「散歩の先生」として子どもたちの活動に協力するなど子どもたちをともに見守り、子どもたちの○○してみたいという気持ちが生かせるように協力しています。一つの例として、散歩の中で「もっと先はどうなっているんだろう、行ってみたい」という子どもたちの気持ちから、5歳児は毎年鎌倉まで片道を徒歩で出かけています。そのコースを探すときにも、在園児の知人がいろいろな道順を提案し子どもたちの保育活動がより豊かになるように協力しています。

《事業者が課題としている点》
 人材育成や援助技術の向上を課題としています。職員は常にそれぞれの能力や技術力の向上を目ざし、職員同士のコミュニケーション力を上げて、声をかけやすい雰囲気を作り、子どもたちや保護者、職員の楽しい園生活を作っていくようにしています。また、開所当時からの職員と10年以上在籍している職員が徐々に増えていますが、引き続き、人材確保や働き続けられる園作りにも取り組んでいきます。さらに、自然環境とうまく付き合って安全で安心な保育をしていくことも課題としています。さまざまな自然環境の中で、どう過ごしていけば気持ちよく安心して過ごせるかを考え工夫していきます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園の保育理念は「子どもの最善の利益、その福祉の増進に努めます」「子どもの人権を守り、子どもの育ちを保護者と見守り、保護者の就労する権利の保障に努めます」、方針は「子どもの人格が尊重され、ゆったりと安心して遊び、その子どもの持つ力を十分発揮でき、豊かな育ちのできる保育活動を行います」ほか3項目です。保育目標は「こんな保育園でありたい 大人も子どもも元気になれる保育園」「こんな子どもになってほしい よく食べ、よく寝、よく遊び、生き生きした子」ほか2項目を掲げています。保育理念は、職員の自己評価や園長との面談でも確認があり、職員には年度初めの職員会議で、新人職員には新人研修などで周知しています。保護者には入園説明会でも園長から話しています。
 園規則には「子どもの人権 保育園で大切な人権とは」という文言があります。職員は新人研修で「子どもの意見の尊重と参加する権利」を徹底して学びます。「遅いね、早くして」などのマイナスイメージの言葉使いはせず「みんな待ってるよ」など子どもの自己肯定感がはぐくまれるように子どもの気持ちを受け止め、小さなことでも褒めて認めることで、子どもが自信を持てるような言葉使いを心がけています。子どもの行動に対して否定的な受け止め方ではなく気持ちを受け止めていますが、危険につながる行動などに対しては、子どもが理解できる言葉で端的に伝え、してよいことと、いけないことの意識を持てるようにつなげています。
 職員から子どもたちの様子が見えなくなるような場所はありませんが、子どもが落ち着いて過ごせる環境として、乳児棟と幼児棟それぞれの構造を生かしたちょっとしたスペースや、押し入れの下の空間などがあります。また、パーテーションなどで個別の空間を作るなどして子どもが落ち着けるようにしています。職員が子どもと話を1対1でしたい場合は、子どもの様子を見て部屋の隅や別の部屋などを利用して、子どもに話が伝わりやすくなるような場所を考えて話をしています。子どものクールダウンが必要であったりする場合は、子どもがどのような気持ちを伝えたいのかを考慮し、環境を変え応接室なども使っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 全体的な計画は、保育理念や保育方針、保育目標に基づき、子どもの最善の利益を第一義に作成されています。地域の子育ての場となるように、保護者との連携、地域との連携を考慮しています。昨年は、保護者が主催して18年前の開所当時の卒園児が集まり同窓会を行いました。全体的な計画は法人の理念を基に園長と主任がたたき台を作り、職員の年度末の反省を基に意見を募り、それらを園長がまとめ微調整を重ね作成しています。全体的な計画については懇談会で保護者に向け園長が説明し、クラス懇談会では年齢別にそれに沿った保育内容を伝えています。
 全体的な計画を基に年齢ごとの「年間指導計画」「月間指導計画」「週案」を作成しています。ほかに年齢ごとの「年間食育計画」「給食計画」「保健年間計画」を作成し、栄養士の立てた給食計画には子どもたちに伝えることやクッキングについて記され、食育計画は年齢に合った食への興味やマナーなど、担任と栄養士が連携して計画を立てています。日々の活動は、子どもにわかりやすい言葉で伝えています。散歩をしているときに「この道はどこに続いているのかな」という子どもの疑問から、興味が広がり、現在5歳児は毎年4月と3月に歩いて鎌倉まで出かけています。このように、子どもの発想や主体性をはぐくめるように、計画には柔軟性を持たせています。
入園前の面接は園長と主任で対応しています。保護者には「入園児調査表」に、勤務先や通勤時間、食事に関しての質問、送り迎えの人などを記入してもらい、その内容を基に行います。子どもと一緒の場合には、子どもには保育室で遊んでもらい、その様子を観察します。入園前面接で得た内容は全職員に伝え、今後の保育に生かしています。なお、4月の全体集会までに、保護者から児童票や災害時園児連絡カード、新入園児補助表、健康台帳などを提出してもらい、子どもの詳しい状況を全職員で把握しています。


3 サービスマネジメントシステムの確立  入園時の短縮保育は、保護者の勤務状況などに応じて2週間を目安に行っています。その際に保護者の就労状況や、子どもの集団生活の慣れ具合を考慮しています。新入園児の主担当は決まっていますが、少人数のクラスであることから担任全員が子どもたちを見ています。子どもの心理的なよりどころとなるぬいぐるみやタオルなどの持ち込みができるようにしています。2歳児までは時系列の連絡帳を使っています。職員はその子どもの園でのエピソードを伝えるように心がけています。2歳児は乳児棟から幼児棟に替わるので、進級が近づいた時に幼児クラスで食事をして、新しい生活環境に慣れるように配慮しています。
 年間指導計画や月間指導計画、週案は、前月の子どもの姿など子どもの状況を踏まえて検討や見直しを行っています。日々の保育はクラスごとに週1回と随時、振り返りをして、職員会議でさらに検討し、職員が共通認識を持って日々の保育につなげています。月間指導計画や個別指導計画は、担当職員が自己評価や反省を記載し、評価や改定を園長と主任が助言して次につなげるようにしています。また、職員会議では栄養士も含めた職員で指導計画の見直しをしています。0〜2歳児の食事の進め方やトイレットトレーニングなど個別の計画は、保護者の意見や意向を反映しています。さらに年度末の保護者アンケートの意向も反映しています。
 保育所児童保育要録は5歳児担任が作成し、園長が確認して送付しています。また子どもの情報や園での生活、特徴、健康、発達状況などを記録するものとして、児童票や入園児調査表、新入園児補助表、健康台帳、個人面談記録があります。また、0〜2歳児は月ごと、3〜5歳児は期ごとの成長や発達を記載する「児童記録個人票」があります。これらのファイルを見ることで入園から卒園までの子どもの情報が理解できるようになっています。職員は進級時に子どもの姿を振り返り、新担任に申し送りをしています。これらの書類は保管場所が決まっており、どの職員も閲覧できるようになっています。
4 地域との交流・連携  毎年2月に開催している保護者会主催のバザーの際に「育児相談コーナー」を設け、主に園長が対応しています。また、日常的に散歩で行く公園で地域の親子と顔なじみになり、子どもたちは一緒に遊んでいて、保育士はその保護者から子どもへの対応方法やオムツはずしなど子育てに関する相談を受け、アドバイスをするなどしています。話をする中で園で行っている行事に誘うなど、地域の子育て支援ニーズを把握するよう努めています。磯子区の保育士会やネットワーク交流事業の勉強会に主任などが参加しており、地域の子育て支援ニーズや他園の取り組みについて情報を交換するなどしています。
 地域の子どもと園の子どもが一緒に遊べるよう「公園で遊ぼう」を企画してチラシを地域に向けて配付し、交流保育を実施したり、一時保育を行うなどしています。地域の保護者や子どもも参加できるイベントを年間で10回ほど開催しています。童謡を聞いたり一緒に歌ったりして楽しむ音楽会や、ピアノやフルート、チェロの演奏会、人形劇のほか、民族楽器のジャンベに直接触ったり演奏を聞いたりするコンサートをボランティアの協力を得て行っていて、園の子どもと地域の子どもが一緒に楽しめる機会となっています。年度末の職員会議で地域支援に対する年間の取り組みについて振り返りを行っており、職員間で課題点など意見交換して次年度の取り組みにつなげています。
 園の行事に参加した地域の保護者から育児に関する相談を受け付けたり、公園などで出会った保護者から保育士が相談を受けてアドバイスを行うなどしています。また、要望があった際に相談を受け付けられるよう体制を整えており、磯子区の保育情報誌に育児相談ができることを掲載しています。また、交流保育を企画し、近隣にチラシを配付しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 法人本部が運営管理しているホームページで、園の保育活動の内容や行事、給食などについて写真を用いて紹介しているほか、お知らせブログに子どもたちの日常の様子を掲載するなどして、園の特色をわかりやすく伝えるように工夫しています。また、入園の申し込みから入園決定までの流れを示したフローチャートや、延長保育や給食などにかかる料金など、利用希望者が知りたい情報を提供しており、申し込み先である磯子区こども家庭支援課のホームページにもリンクしています。横浜市のホームページ「はぴねすぽっと」や磯子区のホームページに園の情報を提供しています。磯子区こども家庭支援課が主催している保育施設紹介パネル展に参加し、園の紹介パネルを展示したり、自由に持ち帰れるようにパンフレットを置くなどして、情報を提供しています。
 園の利用方法についての問い合わせや見学の申し込みは、電話で受け付けることが多く、主に園長が対応しています。利用希望者や見学者に対して、園の基本方針や保育内容などを説明する際には、パンフレットなどの文書に基づいて、ていねいに行っています。見学の日時については、子どもたちの様子を見てもらいたいので可能であれば午前中の訪問を勧め、希望者の意向を優先して調整しています。見学者には来園カードに記入してもらい、園行事の案内などをしています。
 園の保育理念や保育方針に沿って職員の自己評価が行われており、園長は面談を通して職員の要望などを聞いています。年度末に保護者アンケートを行い、保護者からの意見や要望に対して、園として振り返り、改善点などを文書化して保護者に配付しています。また、保護者アンケートなどを参考に保育所そのものの自己評価も園の理念や方針、全体的な計画に沿って行われており、保護者に向けて「アンケートに応えて」やお便りなどを通して自己評価を公表しています。


6 職員の資質向上の促進  実習生の受け入れについて明記された文書があります。保育士を目ざす学生などがしっかりと学べる場とすることや、保育士の振り返りを行う機会として心がけることなど、実習生の受け入れの意義について明記され、指導における対応方法や留意点などが記載されており、職員間で共有しています。実習生の受け入れにあたり、実習期間などを掲示して保護者に周知しています。受け入れ業務は主任が担当しており、学校から提示された実習目的や内容、実習生の意向を加味して、入ってもらうクラスなどを調整しています。実習期間中は、担当した保育士と実習生で日々の振り返りを行い、最終日には主任と実習全体を通した反省会を行って、意見交換をしています。
 産休や育休などで欠員が生じる際には、休暇に入る前に引き継ぎなどができるよう人材補充を行っています。職員配置基準数は確保されており、経験の浅い職員に適切なアドバイスができるベテラン職員もいてバランスの取れた人材構成となっています。新任保育士、中堅保育士、リーダー、主任など、経験別に園の理念を踏まえた保育士像を7段階で設定しています。OJT研修(職場内研修)や外部研修、キャリアアップ研修を組み入れて作成されている法人としての職員研修実施要綱に基づいて、年間の外部研修や園内研修の計画表が作成されています。今後は、既存の経験別に望む保育士像をベースに、基準となる目標到達時期や、それぞれの段階ごとに必要な研修内容などを、計画に具体的に明記することと、計画と連動して職員個々の年度目標に対する達成度の評価を行う仕組みを構築することが望まれます。
 横浜市こども青少年局や磯子区こども家庭支援課、磯子区保育士会などが主催する外部研修に全職員が参加できるようにしています。参加した職員は研修報告書を作成し、全職員に周知しています。園内研修は、園の理念や基本的人権などをテーマに行っています。体操やわらべうたなどの保育技術に関する外部研修や、離乳食の介助時に子どもの咀嚼の様子を見るポイントを学ぶ外部研修に参加した職員が講師役となって伝達研修を行うなどして、実践につなげています。年間の研修計画は、外部研修に参加した職員の意見や感想、個々の希望などを考慮して、主任が中心となって作成し、職員の経験年数や担当クラスなどを踏まえて参加する職員を選定しています。

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