かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

エンゼル保育園

対象事業所名 エンゼル保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 グランディール
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0046
神奈川区神奈川本町12-6
tel:045-453-2190
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園の運営主体は特定非営利活動法人グランディールです。同法人の系列保育園が横浜市内に当園のほか2園あります。開園は平成27年4月で、今年で4年目です。京浜急行電鉄の仲木戸駅またはJR横浜線東神奈川駅から徒歩5分の所にあり、周囲は、集合住宅と企業や店舗の入る雑居ビルなどに囲まれ、近隣には寺や公園などもあります。定員は40名、平成30年9月現在39名在籍で、延長保育や障がい児保育を実施しています。4階建てのビル全体を園舎として、4階部分に園長室と屋上スペースを作り、室内は広いとは言えませんが、収納や動線に工夫を施し、効率的に室内を使えるようにしています。園庭の代わりの一端を担う屋上では、子どもたちが園近くを走る電車や園をぐるりと囲む3方向の景色を眺めることができます。園の近隣は公園が多く、園庭がないことを補う計画的な散歩や外遊びを実施し、そのほか地域の公共施設を活用した活動など、地域との交流を図っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○園長と主任が職員の気持ちを一つにまとめ、園全体として質の高い保育の提供を目ざしています
 園長と主任が中心になり、若い職員たちをまとめています。園長は、職員一人一人がまず自分で考えて保育にあたる機会を多く設けています。そのことが、職員一人一人の園として目ざすべき取り組みへの理解を促し、また自信につながっています。職員へのインタビューでも、園の全体的な計画について理解し、一人一人が自分の考え方をもっていることが発言に表れていました。また、職員が必ず目にする場所に、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」を掲示するなど、それぞれが質の高い保育を目ざし、向上心が高い様子が見られました。

○園内外の資源を生かし、子どもたちに適切な環境を用意するとともに、生活や遊びが充実するよう配慮しています
 園舎は4階建てで、1階が1歳児、2階が2、3歳児、3階が4、5歳児の保育室となっています。園庭がないことや、室内のレイアウトに制約もありますが、職員の工夫でさまざまな遊びを展開しています。たとえば、1歳児クラスでは室内をおもちゃ棚や可動式のパーテーションで区切り、シール貼りなどのテーブル上の遊びとコーナー遊びを並行して進めています。2、3歳児の保育室では、マットを敷いてままごと遊びのスペースを作るほか、省スペース型のトランポリンを出して体を動かす遊びも行っています。外遊びでは、子どもたちの体力を考慮し、月曜から週末に向けてだんだん遠い公園へと足を延ばし、それぞれの公園の特徴を生かした活動を計画するなど、散歩にも意味をもたせることを大切にしています。


○職員だけでなく園全体で同じ方向を目ざした保育を実現できるよう、保護者との信頼関係を大切にしています
 認可保育所としては4年目の園ですが、前身の横浜保育室時代に築いた保護者や園周辺の地域の方たちとの信頼関係や、園としてのさまざまなノウハウなどを大切に生かし、運営も着実で、園内は非常に落ち着いています。第三者評価で実施した利用者調査でも、「子どもの思いをしっかり受け止めてくれている」「先生方も楽しそう」など、園への信頼を表す言葉が多く見られました。また、そうした信頼は保護者参加の行事などでの、保護者の協力的な様子にも見られています。保護者が自主的に手伝いを申し出てくれる機会もあり、園長はそのことにとても感謝するとともに、これからもそういった信頼関係が持続できるよう努めています。

《事業者が課題としている点》
 保育所保育指針の改定に伴って保育の見直しが必要になっていますので、あらためて自分たちの保育について全職員で共通理解を図る取り組みを長期的に行うことを課題としています。職員は、保育のスキルアップにつながる研修への参加など学びの意識は高く持っていますので、その学びを現場でどう生かすかも今後の取り組みと考えています。また、横浜市の示す開けた保育施設に近づくために、より視野を広げた地域支援活動の実施や、保育室の限られたスペースの環境構成も課題と考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 法人の保育理念は、「三つ子の魂百まで」というキーワードで表されるように、幼児期の教育の大切さをうたっていて、保育方針の柱の一つを「心育て」としています。理念と方針は明文化され、重要事項説明書にも記載しています。全体的な計画は保育所保育指針改定の際に見直しを行いました。園では保育活動を通じて、子ども同士のかかわりや思いやりをもつ心、子どもの気持ちを大切に、自分で考える力を育てていきたいと考えています。職員は法人から年2回教育研修を受け、基本方針が自分の保育活動とどう結びついていくか、職員会議で検討し合っています。保護者には3月の全体説明会で保育理念を説明するほか、園だよりの裏面にも掲載しています。
 職員が子どもを呼ぶときは、ちゃんまたは君をつけて呼んでいます。園長は職員と個人面談をする際や、年度初めの会議で子どもとのかかわり方や言葉遣いを指導しています。年に2回行われる法人の内部研修では、理事長が人権や子どもの人格について職員に話しています。子ども同士のトラブルに対処するときは、一方的にならないように、子どもの気持ちに寄り添って、表情や声色を見ながら子どもの気持ちを代弁する立場であることを考慮して話します。「保育士の心得」の中では保育士の役割や、子どもたちの感性や自立、社会性を育てることが重要であり、答えを教えてあげるのではなく、自分で答えにたどり着けるようにすることを教えています。
 子どもが職員と一対一で話したいときは屋上や事務室で話をします。保育室でお絵かきなどをしながら話すこともあります。何人かの小集団で過ごすときはテーブルで空間を仕切ったり、トランポリンを使って遊んだりします。自由遊びでは好きなおもちゃを持っていって何人かで遊んでいます。友達に知られたくないことを話すときや、おねしょの始末などはそっと階段室に呼んで、ほかの子どもに見られないよう片付けています。絵本コーナーなどのスペースでは子どもが一人で過ごすことは難しいため、公園で遊ぶときには一人遊びもできるよう保育士が介添えしています。室内で一人、遊んでいる子どもはそっと見守り、ほかの子どもが妨げないように目配りしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

全体的な計画を基に、年齢ごとに指導計画を作成しています。各年齢の子どもの発達に応じて、1、2歳児に関しては個別指導計画を作っています。3〜5歳児クラスは好きなものや担任の思い、やり方を取り入れています。子どもの理解を進められるように、イラストを使って説明し、言葉では意思疎通の難しい子どもにも視覚から理解できるように、「わからなかったら見てね」と言って、子ども自身が考えて行動できるようにしています。職員は子どもが主体となれるように、子どもたちの表情や姿を見ながら保育を行っています。園長は子どもの主体性を育て、発揮できるような、合同保育のメリットを生かす保育をしていきたいと考えています。
 1、2歳児の子どもの個別指導計画があり、前月の子ども一人一人の様子や既往症、健康状態なども踏まえて指導計画を作成しています。平成30年度からは月間指導計画を保育支援ソフトに入力するようにしました。健康面や発達の様子など、特別に配慮を必要とする子どもには個別に指導計画を作成しています。フロア会議では、クラスの子どもの目標に対する計画が妥当であったか評価したうえで、変更や見直しをしています。園長は職員がクラス全体を見守りながら保育活動をするように指導しています。計画の変更や見直しの際は、主に担任が保護者に説明しますが、個人面談や連絡帳でも伝え、日々の送迎のときにも口頭で伝えるように心がけています。
 パンフレットや入園のしおり、重要事項説明書には、保育理念や保育方針、保育目標を記載しています。入園時の説明会や新年度保護者説明会を行って、保育理念や保育方針を保護者に説明しています。また、園だよりには「園長の一言日記」というコラムページを設け、保育理念や保育方針にからめた内容を記載して保護者の理解を促しています。意見箱を設置して保護者が自由に意見を伝えられるようにし、クラス懇談会や個人面談は保護者から意見や要望を聞く機会にしています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

年齢ごとの年間指導計画や月間指導計画、週案があり、計画を作成する際は、保育園向け業務支援システムを使用します。職員はフロア会議で各クラスの様子を話し合い、子どもの様子を振り返り、現在と今後の課題について話し合います。園長は各クラスの目標に対して計画が妥当であったかどうかを確認し、次の月の目標を聞いたうえで、担任の意見を基に指導を行っています。保護者から要望が出たときには、職員は園長に報告したうえで担任と保護者とで解決できるのか、対処できるかを検討しています。計画を改定する場合は保護者に連絡帳を使って知らせたり、送迎時に話したりします。希望があれば個人面談にも応じています。
 衛生管理マニュアルを作成し、マニュアルの内容は年度ごとに職員間で確認し必要に応じて見直し改定しています。清掃マニュアルに基づいて、毎日、掃除機や雑巾、モップを使用して清掃を行っています。食卓は、食前はアルコール消毒を行い、食後は殺菌消毒剤を使用して拭いています。また、定期的にエアコンのフィルターを清掃し、年2回害虫駆除を行っています。衛生面を考慮して、1歳児のおむつ交換の際には手袋を使用しています。また、各保育室には手指消毒液を備えています。職員は手洗い後はペーパータオルを使用しています。日々の清掃状況は「毎日安全点検表」で確認し、園内の清潔を保っています。
 安全管理に対しては、災害時の対応や、風水害対応などのマニュアルを作成しています。各フロアに、「毎日安全点検表」を置いて確認し、ねじの緩みや破損箇所などは記録し、主任や園長に報告して修繕しています。夏季のプール遊びが始まる前に、職員は消防署による心肺蘇生法の講習を受けました。地震などを想定し、保育室には備え付けの棚以外に物は置かないようにして安全対策を講じています。毎月、さまざまな災害を想定して避難訓練を行っています。年2回、広域避難場所への訓練も行っています。小学校と連携し、校内への避難訓練を実施しています。保護者にも、年2回、緊急連絡訓練を実施しています。また、「戸外活動時簡易マニュアル」も作成し、全職員が携帯し戸外での緊急時に対応できるようにしています。


4 地域との交流・連携 園長は神奈川区の園長会や神奈川区子育て支援連絡会に参加する中で、長時間保育や保育時間変更への柔軟な対応、病児保育などを、現在保育園に求められていることとして捉えています。こうした保育園への要望や地域の子育て支援ニーズについては、園長が職員会議を通じて職員に投げかけ、それぞれが身近な課題として捉えられるよう働きかけています。また、地域の子育て支援として、戸外活動で公園に出かけ、そこで遊ぶ未就園の親子に呼びかけ、絵本の読み聞かせを実施しています。今年度は5月と11月に実施しました。そのほか、あかちゃんを連れて外出する保護者を支援する「あかちゃんの駅」としての機能を提供していることを示すマークを、園の玄関のわかりやすい場所に掲げています。
 園案内を作成し、保育理念や方針、目標とともに、園のデイリープログラムや年間行事、給食などについて記載しています。写真やイラストなども使い、暖色の色づかいで園の温かい雰囲気を伝え、園のあらましを簡潔に伝えるパンフレットになっています。園案内は区民祭りなどでも、区域の保護者が立ち寄る場所に設置しています。インターネットでは神奈川区のホームページや園独自に作成したホームページでより詳しい情報を提供し、さらにSNSを利用してタイムリーな情報を園内外に発信し、幅広く園の情報を知ってもらえるよう努めています。
 園見学ができることを神奈川区役所を通して説明するほか、地域の子育て支援活動「ワイワイパーク」の参加者や公園に遊びに来ている子育て家庭の保護者にも伝えています。見学の問い合わせには、園長または主任が対応窓口となり、見学希望者の都合に合わせながら、10時30分からと15時30分からの1日2回で1回2組までを受け付けています。所要時間はだいたい30分間とし、園案内に基づいて、保育理念や方針、目標をまず伝えたうえで、実際の保育室へ案内して保育の様子や子ども、職員の様子を見てもらっています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

   職員が守るべき規範や倫理については、就労規則のほか「保育士の心得」に明文化されています。職員には、採用時及び年度初めや年度末に園内研修を実施して説明し、周知徹底を図っています。そのほか、保育施設で発生した不正や不適切な事例などについても、そのつど職員会議で取り上げ、全職員に周知させるとともに、園内で同様なことの発生防止に努めています。また、必要に応じて、保育士の心得などをもとに、期中でも再確認を行っています。経営や運営状況については、NPO法人のため、毎年横浜市に決算報告書と事業報告書を提出しており、横浜市のホームページで公表されています。
 事業内容の変更など重要な意思決定については、法人として運営委員会を設置し、事前に協議を行っています。重要な変更や決定事項などについては、決定次第、重要事項説明書を改定して、保護者には文書を配付し、保護者会で十分説明を行っています。クラス別に討議が必要な場合は、直接保護者の話し合いができるよう、臨時のクラス懇談会を開催しています。職員には、園長が職員会議で説明し、職員間の連携を図り、会議に参加しなかった職員へは議事録を回覧し、連絡漏れがないよう努めています。
 保育を円滑に実施するため、新任指導や園内研修、教材などのさまざまな係があり、それぞれに担当職員を配し、取り組みについての検討と実施にあたっています。
 法人の策定する中長期計画に、園としての計画が記載されています。法人全体としては、施設の増加を目ざすという事業の方向性を決定し、組織の構築や、職員の定着率の拡大、職員の資質の向上が計画されています。中長期計画を踏まえた単年度計画についても、法人が策定しています。園の運営に関して、理事長や園長は、運営セミナーや経営セミナーなどに積極的に参加し、法人や園にとって必要なものを客観的に捉え、よりよい保育運営ができるよう検討を重ねています。また、職員の事務負担軽減のために、ICT化を進めています。


6 職員の資質向上の促進   採用は法人で募集を行い、採用決定にあたっては、配属先となる園の園長が面接に加わっています。また、横浜市保育士就職相談会に出展した際には、ブースを訪れた入職希望者に園の理念や保育方針をていねいに説明し、理解したうえで採用試験に臨んでもらえるようにしています。クラスへの職員配置は、経験年数に応じて、新人と経験のある保育士が組めるよう配慮しています。人材育成については、定められた園のキャリアパス要件に基づいて、人材育成計画を策定しています。また、フロアリーダーや副主任、主任といった役職の権限を明確にし、スキルによって責任を与えることで、職員と園全体の資質向上につなげています。園長および主任は、自己評価アンケートの記述をもとに職員一人一人と面談して、目標の設定と振り返りをしています。
 キャリアパス要件(キャリアアップのモデル)を作成し、職員の経験や能力、習熟度に応じた職員像と期待水準を明文化しています。保育園の運営にかかわることについては園長が対応していますが、日々の保育や子どもの状況については、担当職員へ判断を委譲しています。例えば、連絡帳の記入についての留意点を説明した後、連絡帳を通しての保護者対応はなるべく現場保育士に任せ、迷った場合はまず、フロアリーダーに相談し、フロアリーダーが判断できない場合は、主任や園長の指示を仰ぐこととしています。園長は、年度末の職員との面談で、現況への満足度や要望などについても把握するよう努めています。
 職員自己評価アンケートを年度末に実施しており、記入した内容に基づいて、園長と個人面談を行っています。面談では、保育理念の理解について確認し、実現するための実務である保育の振り返りを共有しています。また、年間を通しての振り返りを行い、面談を通して、職員が感じている課題も含めて園としての課題を抽出し、職員会議の議題に取り上げています。さらに、次年度の園内研修の題材として研修計画にもつなげています。外部からの保育の技術の評価や指導については、横浜市北部地域療育センターに療育相談などを依頼しています。

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