かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク上大岡保育園(13回目受審)

対象事業所名 アスク上大岡保育園(13回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0002
港南区上大岡西3-3-1
tel:045-840-3581
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
アスク上大岡保育園は横浜市営地下鉄ブルーライン、京浜急行の上大岡駅から徒歩8分の閑静な住宅街にあり、4階建てマンションの1階を園舎とし、約80平方メートルの園庭があります。平成18年4月に、株式会社日本保育サービス系列の神奈川県内における第1号保育所として開設された12年目の保育園です。0〜5歳児が現在56名在籍しています。周辺には公園や広場が多くあり、散歩や自然に関わって遊べる場所があり、子どもたちはよく園外にでかけています。
・園の特徴
園目標を「生きる力のある子ども、元気な子・考える子・優しい子」とし、設置法人グループから派遣される専門講師によるリトミック、体操教室、英語教室のほか、園職員によるクッキング保育を行っています。

【特に優れていると思われる点】
1.個別に配慮した子どもへの取り組み
「クラスの様子」として子ども一人一人についてレポートを作成し、毎月の職員会議で報告し、話し合って、その子に応じた対応を行っています。アレルギー児の除去食は全職員で食材のチェックを行い、偏食の子どもに対しては調理員と相談して対応しています。配慮を必要とする子どもの保護者とは「個人ノート」で日々の様子、情報を交換し、子どものペースを尊重した対応を行っています。設置法人が企画している内部研修のテーマとなっている発達支援、障がいについて職員が受講し、園内に報告し職員の知識を高めています。また、よこはま港南地域療育センターの職員や設置法人の発達支援チームによる巡回指導結果を全職員で共有して保育に生かしています。

2.職員の連携による円滑な保育活動
0、1歳児室、2〜5歳児室のそれぞれはワンフロアで、背の低い戸棚で仕切り、常にお互いの存在を意識して過ごす環境にあります。クラスごとの活動では、職員間で、その日の予定を確認し合い、連携・協力して保育にあたっています。散歩や活動の時間を調整し合い、集中して行う活動や大きな音を出す活動は、ほかのクラスが散歩に行っている間にするなど落ち着いて取り組めるよう工夫しています。日常保育の中で、職員は、常にほかのクラスの子どもにも声かけしたり、トイレ、食事、活動の切れ目の時間帯などの手助けも行ったりしています。

3.地域交流で子どもの生活が充実
夏祭りや運動会、誕生会に地域の方を招待し、地域の未就園児に対して「保育園体験会」を開いています。地域の近隣保育園と一緒に秋祭りや学校探検、小学1、2年生との交流会を持ち、「一緒に遊ぼう会」やミニ運動会、ドッジボールを行っています。地域との交流を通して子どもの生活の充実、地域の理解を深めています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.遊びの場の環境構成の工夫
保育室はスペースの関係で子どもがおもちゃを自由に取り出せない環境になっていたり、遊びに応じたコーナーなどがなかったりしています。ぬいぐるみやままごと道具、年齢に応じたおもちゃなどは用意してありますが、職員が子どもの様子や子どもの要求でおもちゃを出しています。発達の過程に応じたおもちゃを子どもが思いのまま選べたり、また、子どもの興味や関心に基づいた遊びのコーナーを設置するなど遊びの場の環境構成の工夫が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・運営理念は「安全・安心を第一に、いつまでも想い出に残る保育、利用者のニーズに合った保育サービスを提供する」であり、保育方針は「子どもの自ら伸びようとする力、後伸びする力、五感を感じる保育の充実を目指す」を掲げ、保育目標には「生きる力のある子ども、命を大切にし、頭と体を使い、自らやろうとする元気な子、大人の指示に頼らず、自分で判断し、思ったことを表現する考える子、大人から愛されている自信を持ち、人とのかかわりがわかり、他人への思いやりを持つ優しい子」とし、日々の保育にあたっては、子どもを尊重したものとなっています。

・散歩の行先や活動内容については、子どもの意見を聞き、子どもをよく観察し、子どもの主体性・自主性を発揮できるようにしています。また、子どもの成長する姿を考え、子どもの気持ちに寄り添い、子どもの意見を尊重して活動内容を柔軟に変更し、自尊心を傷つけない言葉かけにも心がけています。

・子どもへの言葉遣いや対応については、日々の保育の中で職員相互に配慮し、職員会議で話し合い、振り返るようにしています。叱るときも、子どもの気持ちに配慮し、せかしたりせず分かりやすく説明し、「した方がよいでしょう」などと、子どもへの声かけを、各年齢に応じた口調で丁寧に話すように心がけています。

・プライバシーを守れる場所として事務室や玄関で、威圧感を与えず一対一でゆっくりと話し合い、ほかの子どもの目に止まらないように配慮しています。保育室のロッカーの位置を変えたり、パーテーションを利用して、ほかの子どもから離れて話をすることもあります。

・個人情報取り扱いガイドラインがあり、守秘義務や個人情報を含む書類の取り扱い方法などについて職員には周知徹底を図っています。入社時に研修を受講し守秘義務に関する誓約書を提出しています。また、保護者には、「入園のご案内」に個人情報の取り扱いについて記載し、入園説明会にて説明しています。

・名簿は五十音順で、集まった順で整列し、食事の席はクラス担任が子どもと話し合いで決め、グループ分け、整列を男女別に分かれたりはしていません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育理念、基本方針に基づいた保育を実践するために、全体的な計画に基づき、子どもの発達や状況に応じて、また保護者の意向も反映して年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。

・0歳児保育では、子どもが十分に体を動かせるように棚や机を配置し、這ったり、つかまり立ちができるようにし、職員も一緒に遊ぶことで、玩具への興味や好奇心が育つようにしています。

・1歳以上3歳未満児の保育では、靴下や帽子入れ、靴箱に子どもの個々のマークをつけ、字が読めなくても自分でやろうという気持ちを育めるようにしています。ぬいぐるみやままごと道具、年齢に応じた玩具は用意し、職員が子どもの様子や子どもの要求で玩具を出しています

・3歳児の保育では子どもに体操教室やゲームをする中でルールを守ることを経験し、自分の思いを伝えたり、相手の気持ちに気付いたりできるようにしています。戸外活動で自然に興味をもたせたり、遊びの中に自然の素材を取り入れたりできるような環境を整えています。

・4歳児保育ではじゃんけんや勝ち負けのあるゲームを取り入れ、友だちとのやり取りの中で相手の気持ちや喜び悲しみに気づくようにし、絵本やごっこ遊びでイメージを広げるようにしています。

・5歳児の保育では子どもが音楽や製作活動を通して自分のイメージを広げ、友だちと一緒に表現することで楽しさを感じ、成し遂げた喜びを感じられるようにしています。

・職員は子ども一人一人の食べる量を調節し、無理強いせず完食できる喜びを感じられるように調節しています。排泄に関しては、排泄状況を子どもの姿から把握して、個人差を尊重し、排泄リズムに合わせて声かけし、子どもの発達に合わせて無理をしないように行っています。

・保育時間の長い保育の子どもには、その日の様子や活動によって、机上遊びやマットを敷いて、ブロック組み立てやぬいぐるみで遊ぶコーナーを分けて、落ち着いて遊べるように配慮しています。保護者の希望により、夕食を提供し、寂しさを感じないように会話を大切にしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園説明会時には、子どもと一緒に来てもらい、面談をして、子どもの様子、親子のやり取りを観察し、「入園時面談シート」に記入しています。保護者から子どもの生育歴、健康状態や家庭状況を「入園児家庭調査票」や「健康調査票」「お子さまの状況について」「入園時家庭調査票」を提出してもらい、個別ファイルしています。

・ならし保育については園見学会時や入園説明会で話し、子どもの様子から1週間から1か月程度を勧め、保護者の就労状況にも配慮し、保護者と相談しながら無理のない範囲で進めています。

・入園後の成長記録は、0〜2歳児は児童票に毎月記録し、3歳以上は3か月ごとに記録しています。 

・障がい児保育を行っており、障がい児の個別月間指導計画には、活動内容に対しての目標や具体的な対応方針を立てて、保護者とは「個人ノート」を作り、日々の様子、情報を交換し、子どものペースを尊重して作成しています。毎月職員会議で話し合い、情報を共有しています。設置法人や港南区主催の障がい児保育の様々なケースに応じた研修に参加し、また、設置法人の発達支援チームの巡回やよこはま港南地域療育センターの巡回相談時のアドバイスを職員会議で共有して保育に生かしています。

・虐待対応マニュアルがあり、職員は虐待の定義や対応について入社時研修や職員会議で学び、虐待が疑わしい場合は、担任から園長に、設置法人の支援課担当者や港南区こども家庭支援課、横浜市南部児童相談所に連絡をしています。

・食物アレルギーのある子どもは、入園時、保護者から医師の発行する「保育園におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、それに従って除去食を提供しています。アレルギー児情報は調理室、事務室に掲示して、全職員が確認できるようにしています。食物アレルギーのある子どもに食事を提供する際は、色の違う専用トレイを使用し、除去食を書いたラップで覆い、名前を書いて、誤食がないように提供しています。

・保育園業務マニュアルには、健康管理に関する取り組みを明記し、入園時に保護者に「児童健康調査票」に記入してもらい、既往症について職員は把握しています。健康診断と歯科健診は年2回行い、子ども一人一人の結果は「個人健康記録票」に記録し、健診結果は当日、書面の配付と口頭で保護者へ伝えています。

・感染症については、入園時に「入園のしおり」にて説明し、登園停止基準や保育中に感染の疑いが生じた場合の対応が明記されています。保育中に発症した場合はすみやかに保護者に連絡し、迎えを依頼し、他の子どもに感染しないように、事務室の一角に隔離し安静を保つようにしています。

4 地域との交流・連携

・地域の子育てニーズについて、職員会議で話し合い、地域の子育て家庭を季節の集会や誕生会、園庭開放に誘い、地域の未就園児の家庭に保育園体験会を開催しています。

・年4、5回港南区保育所園長会に参加し、その中で地域のニーズに対応すべく各園から意見を出し合い、検討会・研究会を行っています。港南区福祉保健センター・こども家庭支援課、医療機関、よこはま港南地域療育センター、近隣の保育園、小学校などの連絡先を事務室に掲示し、日常的に連絡を取っています。

・夏祭りや運動会などの園の行事、誕生会に地域の方を招待し、港南区主催の「こどもフェステバル春」に毎年参加し、京急百貨店の保育園幼稚園の紹介イベントに園のポスターを掲示しています。

・地域の小学校と連携し、近隣の保育園と一緒に秋祭りや学校探検、小学校1、2年生との交流会に参加する機会を持ち、地域の方向けに園庭開放を行い、「こどもフェステバル春」ではパラバルーンなどを貸し出しています。

・散歩には、上大岡公園、港南ふれあい公園、笹野橋公園のほか、幼児クラスでは久良木公園に行き、0〜2歳児クラスは地域ケアプラザのおもちゃ文庫を利用しています。

・地域の上大岡小学校の体育館を借りて運動会を行い、地域の保育園、京急キッズランド保育園、上大岡保育園、上大岡東保育園、小学館アカデミー保育園などと「一緒にあそぼう会」に参加し、また港南区の「こどもフェステバル春」にも参加して交流しています。

・上大岡公園で近隣の保育園、クオリス保育園、京急キッズ保育園と合同避難訓練を行い、また上大岡周辺の「京急キッズ、つばさ、ゆう、つくしんぼ等」保育園で行う合同ミニ運動会やドッジボール大会にも参加し交流しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・組織や職員が守るべき法、規範、倫理などについては保育園業務マニュアルや就業規則に明文化されており、職員には入社時研修で周知しています。また、設置法人にはコンプライアンス委員会があり、不正があった場合には直接通報できる仕組みを職員に周知しています。

・運営理念と保育方針、園目標を玄関に掲示しています。職員には入社時研修や年度初めの職員会議で周知し、指導計画を立案する際も園目標に沿っているかを園長は確認しています。また、園の重要な意思決定をする場合や変更する場合は、職員会議で説明し、保護者には保護者懇談会で知らせています。

・設置法人から保育園運営にかかわる業界の不正、不適切事例の記事や情報が、アクシデント情報として一日2回送信され、必要があれば職員会議で検討し、自園で発生した場合の対処法や未然防止策を設置法人に提出しています。

・平成30年度計画として「@様々な経験や対人関係の広がりを通じて自立心を高める A地域の方と共同でイベントを開催 B多様な経験を積み重ねることで豊かな感情・好奇心・探究心・思考力を養う」を挙げた保育を実践しています。また、長期目標として「@生きる力を育てる保育をする A地域に開かれた保育園に B豊かな人間性を持った子供を育成する」を掲げています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」に基づき、経験、能力や習熟度に応じた役割を期待水準として明文化しています。職員は年度初めに個人目標を立て、園長に提出し、年2回の自己査定を行い、園長やマネージャーと面談し、振り返りをして、達成度を確認し、次年度計画につなげています。

・設置法人が研修ニーズを考慮しながら、経験年数別の階層別研修と自由選択研修の計画を作成し研修を企画実施しています。常勤・非常勤とも職員が希望すれば、受講することができます。

・園長は園全体のバランスを考慮し、園の理念・方針を踏まえた保育をするための人材育成を図り、職能や経験年数に応じた人員配置を行い、欠員が生じた場合は設置法人に人材の補充を依頼しています。

・園長は、常勤・非常勤職員から事前に希望を取ってシフトを作成し、職員の精神面、肉体面にも配慮しています。永年勤続10年の表彰を授与される制度や良い企画を提案した場合社長賞を授与される制度があります。

・園長は可能な限り現場の職員に権限委譲し、クラス担任を中心に現場で判断し、主任・園長に報告をすることで、最終的な責任を園長がとる体制となっています。また、園長は現状の問題や意見・提案を個人面談や日々の会話の中で把握し、業務改善につなげ、いつでも職員と個別に話ができる環境を整えています。

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