かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市舞岡保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市舞岡保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0813
戸塚区舞岡町1956
tel:045-822-5855
設立年月日 1969年06月16日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【横浜市舞岡保育園の立地・概要】
●横浜市舞岡保育園は、JR、市営地下鉄戸塚駅よりバスにて、最寄りバス停「公園前」から徒歩1分の閑静な住宅街に位置しています。舞岡保育園周辺は農地や梅林、田園風景が残る舞岡公園、舞岡ふるさと村等があり、四季折々の豊かな自然に恵まれ、子ども達にとっては遊びの宝庫となり様々な体験ができる環境にあります。舞岡保育園は、昭和44年6月16日に開所した地域に根差した歴史ある保育園であり、現在、定員63名で1歳児5名、2歳児10名、3歳児15名、4歳児16名、5歳児17名であり、園児は家庭的な雰囲気の中でのびのびと成長しています。
●横浜市舞岡保育園では、「地域の自然と安心できる環境のもとで、健康な心と身体の発達を促し、社会の中で生きる力の基礎を育む」とした理念の基、園庭開放、育児相談、育児講座、交流保育、絵本の貸し出し等を実施し、子どもたちと地域との関わりを心豊かなものにしています。園舎は白い平屋建ての建物で、門扉を入ると園舎に沿って広い園庭があり、砂場、ジャングルジム、鉄棒、滑り台等の遊具を設置し、銀杏の木、ハナミズキ、夏ミカン等の四季折々の木々が植栽されています。園舎裏側にはコンクリート作りの立派なプールがあり、その横に畑が作られ、子ども達によって色々な野菜や花々を栽培できるようにしています。園の玄関には一輪挿しの器に野花が活けられ、細やかな気配りが送迎の保護者を出迎え、やさしさと温もりが感じられる保育園です。

【横浜市舞岡保育園の方針】
●横浜市舞岡保育園の理念は、「地域の自然と安心できる環境の下で、健康な心と身体の発達を促し社会の中で生きる力の基礎を育む」です。保育方針は、「自己を十分に発揮できる環境を整え、子どもの主体性を尊重し、様々な経験・体験を通し意欲的に行動する力や自ら成長する力を育てる」とし、園目標として「自然の中ではぐくむ心と体」を謳い、「健康でよく遊ぶ子ども」、「自分で考えて行動のできる子ども」、「思いやりをもち、仲間と共に育つ子ども」を掲げ、保護者と共に子どもの成長を喜び合えるよう保育にあたり、ゆったりとした生活環境を通して、子ども一人一人の心身を大切にした保育を実践しています。
≪優れている点≫
1.【「向き合う保育」の推進】
●保育理念・保育方針に沿った保育姿勢として、「基本的生活習慣を身に付ける」、「子ども同士の関わりの育み」、「感動体験のできる保育の実施」、「保護者と共に子どもの成長を喜び合える関係作り」、「職員の連携を図り、一貫した方針の元で保育を行う」等、具体的項目を掲げ、年間指導計画、月間指導計画、個別指導計画を立案して実践し、子どもの「今」を見つめつつ人間形成の基礎作りへの支援を行っています。また、舞岡保育園の全職員(非常勤職員を含め)は、常に笑顔を絶やさず、子ども一人一人の成長と特性を把握し、個性を伸ばす取り組みを行い、一丸となって保育に当たっています。
2.【子どもが遊び込める環境作り】
●保育室の玩具収納棚や園庭にある収納庫は子どもが取り出して遊べるよう高さを工夫し、子ども達は好みの玩具を自由に取り出し遊んでいます。各保育室内には、子どもが潜り込める高さのスペースとして低いコーナーを設けたり、小さな仕切りパーテーションを活用してコーナーが設けられ、自分だけのスペースを作ることができるよう工夫しています。また、棚の下に入り込んでお友達とお店屋さんごっこをしたり、様々な場面を創造しながら遊びを楽しむ様子が見られました。子ども同士でルールを作り、互いに思いやりを持ちながら遊べるように、保育環境(子ども中心の遊び込める場所作り)が構成されています。

3.【地域の子育て支援】
●地域に根ざした保育園として、園の育児支援事業(交流保育、ランチ交流、育児相談、育児講座)等を活発に実施し、複数の親子が継続的に参加しています。園では、地区センターの子育て支援員等との連携を密にし、地域の子育てイベントに職員が参加して子育て支援や、保育園紹介等を行い、情報発信をする機会を多く持っています。また、戸塚区が行っている子育支援イベントにもスタッフとして参加し、区内全域の育児支援にも積極的に係わり、地域の子育て親子への支援に尽力しています。

≪さらなる期待がされる点≫
1.【職員間の情報共有の効率化について】
●職員間の情報共有の時間の確保について、会議でのケース検討も数多くあり、職員の勤務時間、曜日等のシフトにより職員全体での保育の振り返り等を検討する時間の確保に苦慮し、会議の設定の仕方、話し合いの進め方等について、今後さらなる検討、効率的な会議進行等の改善が望まれます。現在も常に視野に入れた取り組みが図られていますが、改善による成果が他園での見本となるよう期待いたしております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●保育理念、保育目標、保育方針は、子どもの人権や自立への援助に加え、保育理念として、「地域の自然と安心できる環境のもとで健康な心と身体の発達を促し社会の中で生きる力の基礎を育む 」を謳い、基本方針を「自己を十分発揮できる環境を整え、子どもの主体性を尊重し、様々な経験・体験を通し意欲的に行動する力や自ら成長する力を育てる」とし、子どもの最善の利益への支援を明確にしています。園目標については、「自然の中ではぐくむ心と体」を掲げ、園のしおり(重要事項説明書)、パンフレット、園だよりにも掲載して示しています。保育方針の理解については、園目標・保育方針を事務室、ホール、各クラスに掲示し、保護者の目の付くところに示して理解を促しています。非常勤職員、アルバイト職員を含む全職員で新保育指針を読み合わせ、共有を行い、毎週月曜日には園目標と児童憲章を唱和し、共通理解の基、日々保育に当たっています。
●個人情報の取り扱いや守秘義務については、個人情報の取り扱いについてのマニュアルを備えています。守秘義務の定義、目的について新任研修時に説明を行い、職員は順守しています。ボランティア、実習生にもオリエンテーションで定義・目的について周知し、共通認識を図り、誓約書を交わしています。保護者には、入園時や懇談会時に個人情報の守秘義務について説明を行い、個人情報の取り扱い(肖像権等)の確認を行い、同意を得ています。保護者や園の利用者等には写真撮影、ネットへの配信は行わないよう周知しています。個人情報に関するファイル、書類等は鍵付きロッカーに保管し、持ち出し禁止とし、閲覧場所を定めて管理を行い、書類の受け渡しは、個人情報管理用封筒で行っています。散歩時には、子どもの帽子に個人のマーク、園名のみを表示し、名札は付けないよう個人情報管理に留意しています。
●性差に関する配慮では、全園児が平等に活動できるよう活動内容を考慮し、遊びや行事の役割、持ち物の区別、順番、グループ分けや整列も性別で区分けすることはしていません。子どもや保護者に対して、父親・母親の役割を固定的に捉えた話し方や表現をしないよう心得、職員会議等で性差について話し合い、共通認識を図る体制を整えています。園では、お父さん、お母さんを使用せず、「家族の人」と表現し、職員間で共通認識を図っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●個別指導計画については、3歳未満児は子どもの発達状況に応じて毎月作成し、障害児、幼児の特別に配慮が必要な子どもについては期ごとに作成しています。評価、改定については、毎月のカリキュラム会議で園長、正規保育士、嘱託保育士、正規調理員が参加して意見交換を図って振り返り・作成を行い、連絡帳、クラス懇談会等での意見や要望も計画に生かし、最終的に園長の確認および助言を得て実施しています。改定後は園だよりにて保護者に知らせています。また、年度末に保護者アンケートを実施し、行事後のアンケートや、個人面談、懇談会、意見箱での意見を抽出して次年度の計画に反映させるようにしています。
●毎日、マニュアルに沿って園内外の清掃を行い、保育室、トイレ、廊下等を職員が交代で拭き掃除、玩具の消毒を実施し、清潔に保っています。保育室は園庭に面して南向きに設けられており、十分な陽光が入り、明るく、各クラスに空気清浄機を設置して定期的にフィルター交換を行う等、快適に過ごせるよう環境整備が成されています。室内の温・湿度は数値管理と子どもの様子に合わせて調整を図り、日誌に記録し、日々通気、自然換気に配慮しています。
●献立は、横浜市の栄養士が作成した献立であり、季節の旬の食材を取り入れ、伝統行事に合わせた献立を提供しています。調理担当者は毎日、食事の様子を見廻り、喫食状況、残食量を確認し、夕方のミーティングで保育士と調理員で意見交換を図り、月2回、会議で盛り付け、形状、調理方法等について話し合い、改善につなげています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

●横浜市舞岡保育園は、配慮を要する子どもの受け入れを行っています。特に配慮を要とする子どもについては、個別のケースに関して個別カリキュラム会議、ミーティングで状況や対応を話し合い、記録を残し、全職員に周知しています。職員は、積極的に研修会等に参加し、職員会議で内容の報告を行い、回覧にて全職員で共有化を図っています。
●家庭支援については、職員会議、ミーティング等で話し合い、全職員で情報共有を図っています。送迎時には挨拶や保護者との会話を通じて子どもの様子や、家庭での親子関係の把握に努めています。いつもと違う様子を感じた場合は、職員間で共有し、必要な援助がスムーズに行えるようにしています。また、保護者とコミュニケーションを図り、信頼関係構築に努め、送迎時や行事時には職員に相談ができるようにしています。虐待が明白になった場合は、関係機関(戸塚区役所こども家庭支援課、区の保健師、戸塚警察署、横浜児童相談所等)と連携し、必要に応じてカンファレンスを実施し、対応の共有を図ります。職員は、虐待対応に関する研修を受講し、横浜市子ども虐待防止ハンドバックを把握しています。
●食物アレルギー疾患のある子どもに対して除去食を提供する場合は、横浜市が定める「食物アレルギー対応マニュアル」に沿い、かかりつけ医の「アレルギー生活管理指導票」を基に保護者と密に連携を図り、除去食を提供しています。朝のミーティングで、全体で確認すると共にミーティングノートに記載し、当日の人数確認報告書で要除去食対応児の出欠を確認し、名前を記すようにしています。給食では、専用食器、個別トレイと除去食明示プレートを活用して個別配膳と複数職員での確認を徹底し、誤配膳、誤食がないようにしています。調理員、保育士は、「食物アレルギーについて」の研修に参加し、最新の情報と知識を得、園内研修で調理員より他園での事故や誤食の事例情報等を周知し、詳細情報は回覧で情報共有を図り、事故防止に努めています。また、毎年、「食物アレルギー対応マニュアル」の見直しを行い、確認しています。

●保護者からの苦情などに関しては、入園のしおり(重要事項説明書)に「ご意見・苦情解決」として、目的並びに苦情の定義と園の苦情受付相談の体制を示しています。苦情・相談の窓口担当者、苦情解決責任者を園長とし、第三者委員の氏名・連絡先を明示し、面談、文書等の方法により相談・意見を受け付けていることを知らせています。第三者委員の連絡先は廊下にも掲示し、権利擁護機関、行政窓口の紹介を行い、苦情に対する対応姿勢と手続方法を示しています。要望や意見等を聞く機会としては、意見箱を玄関に設置し、年1回、保護者アンケート(無記名)、行事後にアンケートを実施し、意見等を抽出して保育の参考にしています。
●感染症等について、感染症に関するマニュアルを備え、登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応について、入園時に重要事項説明書に沿って保護者に説明しています。感染症が発生した場合は、園内での感染拡散に十分注意し、各クラスに発症状況を掲示して注意喚起を行っています。職員に対しては、必要な情報をミーティングや引き継ぎノートで速やかに周知しています。保育中に発症した場合は、保護者の事情に配慮しながら電話連絡を速やかに行い、事務室で個別に対応しています。感染症に罹患した連絡を受けた場合は、染症患罹患者リストを作成し、職員間で情報を共有しています。地域、最新の感染症情報は、行政や地域等から入手し、職員間で情報を共有し、掲示にて保護者にも周知しています。
●外部からの侵入に対して、不審者対応マニュアルに沿って年数回、訓練を実施し、侵入経路と避難体制の確認を行っています。門は電子錠を使用して安全に配慮し、カメラ付きインターホンで来訪者の確認を行い、防犯カメラの設置も予定しています。また、園内に緊急時の110番自動通報装置を設置し、直通で警察に連絡できる体制を整備しています。さらに、警備会社に委託して非常時通報装置を備え、散歩時は、職員が携帯電話を所持して出かける等、子どもの安全に傾注しています。不審者情報は、戸塚区こども家庭支援課、近隣の小中学校と連携しており、速やかな情報伝達と安全管理に努めています。

4 地域との交流・連携 ●子どもと地域との交流では、舞岡公園内の田園風景が残る「小谷戸の里」を訪ね、古民家や水車小屋、情報館を見学して地域の文化に触れる体験を行い、地域の理解を深めています。散歩先では行き交う人やお店の人と挨拶を交わし、子どもたちは笑顔で挨拶を行い、地域の人々と親しんでいます。交流ネットワーク事業を通じて近隣保育所へブームメント遊具や備品の貸し出しを行い、他園と交流を図っています。また、幼保小の交流では就学を見据えて定期的に交流を行い、近隣の小学校の運動会には園児が参加する等、活発に交流を図っています。
●園の保育内容・保育方針等の情報提供は、戸塚区のホームページ、戸塚区の子育てカレンダーやパンフレット、戸塚区の子育て支援ブックや、横浜市の「ヨコハマはぴねすぽっと」にも情報を掲載しています。地域の子育て支援拠点「とっとの芽」にも園のパンフレットを設置して情報を提供しています。地域子育て支援フェスタ「とことこフェスタ」でも園の情報提供をしています。また、合同育児講座、交流保育に関するポスターを掲示する等、地域に周知しています。
●地域への園の理解促進のための取り組みとして、園行事(たなばた、運動会、敬老の日、節分、卒園式等)に地域の親子、自治会、町内会、地区内の小学校長、第三者委員等を招待し、園運営への理解を深めてもらう機会にしています。自治会、町内会、小学校、高齢者グループ「舞フレンド」等地域の団体、機関と幅広く定期的に交流を図っています。また、近隣中学校の職業体験を受け入れ、高校生との交流、年長児の小学校訪問(小学生と交流)等、良好な関係が築かれています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●保育所、職員として守るべき法・規範・倫理等の周知は、公務員としての横浜市職員服務規定や職員行動基準が定められ、全職員に周知しています。職員は職員行動基準のカードを常時携帯し、遵守しています。コンプライアンスの規則、規定・要領を備え、園長は他施設の事故・不祥事等の事例について、コンプライアンス事例を題材にして研修を行い、職員は規範について再確認しています。また、横浜市内公立保育園、戸塚区と共有し、事故防止の徹底を心がけています。
●ゴミ減量化、リサイクル・省エネ促進と緑化推進では、横浜市職員行動基準に則り、園児や地域に向けたリサイクルに関する環境教育を実施し、ゴミ減量化の意識向上に取り組んでいます。ゴミの分別では子どもにもわかりやすく説明を行い、保育室に分別ゴミ箱を設置して取り組んでいます。また、園内の節電を心掛け、室内と外気の差を考慮しながら子どもの状態に合わせて適切に室温管理を行っています。コピーの裏紙使用等の励行を図り、園庭で草花や野菜を栽培し、夏季には朝顔で緑のカーテンとして活用する等、省エネおよび緑化を促進しています。職員は、オフィス3R夢プラン策定と総合環境の研修に参加し、環境への考え方、取り組みを明文化して環境整備に取り組んでいます。
●園の運営面における情報は、横浜市こども青少年局保育・教育人材課や戸塚区こども家庭支援課から得ています。責任者会議や園の会議において分析し、園運営に生かしています。情報は職員全体に周知し、話し合い、園全体で取り組んでいます。重要情報は主要職員間で議論し、重点改善課題として設定し、研修や改善検討を図っています。また、保育所の自己評価や改善課題についても全職員で話し合い、より良い園作りに向けて取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●常勤職員、嘱託職員、アルバイト職員の研修体制については、職員のニーズに副って年間計画を立案し、定期的に園内研修を実施し、知識、技術の向上を図っています。職員は、公開保育研究会に参加して研鑽を図り、外部研修受講後は研修報告書を作成し、職員会議時に報告を行い、職員間で共有を図っています。報告書はファイリングして閲覧できるようにしています。
●非常勤職員、アルバイト職員に対して、園長から業務内容や園目標、守秘義務等について、保育者としての心構えを採用時に伝え、指導計画、詳細の業務等については主任保育士、指導担当保育士から説明を行い、理解を促しています。常勤職員、嘱託職員、アルバイト職員等が外部研修に参加できるよう配慮し、行政の研修には積極的に参加を勧めています。また、非常勤職員、アルバイト職員のリーダーを設けて伝達、連絡の連携を図り、常勤職員、嘱託職員、アルバイト職員間でコミュニケーションを図りながら園の円滑な業務につなげています。
●総合的な人事管理では、園の理念、保育方針に基づいて人材育成計画を立て、人事基準は横浜市の公立園として明確に定められた基準に基づいて運用しています。横浜市では職場のコミュニケーションの円滑化を図り、職員一人一人の人材育成や能力開発につなげていくことを目的として人事考課制度を確立しています。人事考課、昇任、昇級等のあらゆる側面から人事給与制度の改革に取り組み、全職員にも周知しています。

詳細評価(PDF2,748KB)へリンク