かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク港南中央保育園(11回目受審)

対象事業所名 アスク港南中央保育園(11回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 234 - 0051
港南区日野1-7-9
tel:045-840-5311
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
アスク港南中央保育園は平成20年に開園し、定員は90名で、現在91名が在籍しています。横浜市営地下鉄ブルーライン「港南中央駅」下車、徒歩8分の鎌倉街道沿いにあります。ブルーラインは、「上大岡駅」で京急電鉄に接続し、「横浜駅」にてJRに接続しており、仕事を持つ保護者にとっては通勤に便利な路線です。
 園舎は鉄筋コンクリートの3階建てで防音に優れており、鎌倉街道の車の音もほとんど気になりません。園庭には砂場と鉄棒、タイヤ、動物のベンチ、菜園、ぶどう棚があり、子どもたちは園庭遊びを楽しんでいます。
・園の特徴
園目標、「みんなが えがおで ごあいさつ♪」を掲げ、毎朝、子どもたちと職員は唱和しています。また、設置法人から派遣される「英語教室」「体操教室」「リトミック」などの専門講師によるプログラムに加えて、職員による幼児教育プログラム、クッキング保育など子どもたちの「生きる力」「伸びる力」を育むことを目的にそれぞれの年齢・発達に応じた多様なプログラムを取り入れています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの発達に応じた食育計画とその実践
 園では保育の全体的な計画を立て、育ちの目安に合わせて、設置法人の栄養士が年齢別年間食育計画を作成して保育士との連携のもと、食育活動に取り組んでいます。子どもたちはお店屋さんごっこやレストランごっこなどのごっこ遊びも盛んで、3歳児からのクッキング保育で作ることや食べることへの関心を培っています。5歳児では「味噌作り」に挑戦し、それを使って作った味噌だれを園庭の菜園で収穫したパプリカに付けて食べたり、ナスやジャガイモの味噌汁を作ったりして、食べることの楽しさを味わっています。

2.子どもたちの園生活を伝える工夫 
毎月、クラスごとに子どもの成長に応じた「クラス目標」を掲げ、月ごとの子どもたちの園生活の様子をクラスだよりで伝えています。また日々の子どもたちの遊びや生活の場面を、アプリを使って画像で伝えています。さらに、園内の階段や踊り場の壁面には子どもたちの製作物やクッキング、お泊り保育のスナップ写真を掲示して、子どもたちの育つ姿を伝えています。毎月の誕生会には誕生月の子どもの保護者も参加して、みんなで大きくなったことを祝っています。保護者アンケートでは、「あなたのお子さんが保育園生活を楽しんでいるか」の問いに、100%の肯定的回答(満足63%、どちらかと言えば満足37%)を得ています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.子どもが遊び込める園庭の環境構成の見直しを
 270平方メートルの園庭には、砂場、鉄棒、動物のベンチ、小さなお家、数個のタイヤとぶどう棚、小さな菜園を備えていますが、築山や実のなる樹木、落葉樹はなく、体を動かして遊ぶ遊具も少なく、子どもが遊び込める環境にはなっていません。また、地域子育て支援の取り組みとして園庭開放や子育て相談日(週2回)を設けて、ホームページや港南区広報誌に掲載していますが、子育て中の保護者が立ち寄りたい思いに欠けるようで、利用がありません。園庭の環境構成の見直しが望まれます。

2.保護者と園とのコミュニケ―ションのさらなる強化努力を
 平成30年度は「保育預かり基準の変更」「保護者へのお便りのネット化」「職員の変動」など大きな動きがありましたが、保護者に十分理解を得られていないようです。保護者アンケートの園と保護者のコミュニケーションに関する項目を平均すると、25%の保護者が「どちらかといえば不満」「不満」と回答しています。より丁寧な説明が望まれます。

3.保育園の自己評価の公表を
 職員は全体的な計画に基づき指導計画を作成し、月ごと、週ごと、日々の自己評価を行っています。職員の自己評価を踏まえ、保育園としての自己評価は今年度、第三者評価の取り組みの中で実施しましたが公表を行っていません。公表することが望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「安全・安心を第一に」「お子様にとっていつまでも想い出に残る保育を」「利用者が本当に求める保育サービス」の設置法人理念と、「子どもの自ら伸びようとする力、後伸びをする力、五感で感じる保育の充実を目指す」の子ども本人を尊重した保育方針に加えて、「みんなが えがおで ごあいさつ」の園独自目標を園だよりやクラスだよりにも掲載し、保護者にも園方針への理解を求めています。

・個人情報の保護に関して職員に対しては研修で、保護者に対しては入園説明会で説明し周知しています。個人情報が入っているパソコンや各クラスの担任が使用するiPadにはパスワードが設定され、常勤職員しか使用できないようになっています。

・順番やグループ分け、整列の声かけなどを性別で行わないよう配慮しています。イベントとして父の日、母の日は行わず、勤労感謝の日や敬老会を開催し、保護者や祖父母に葉書を書く機会をもっています。

・園内研修にて「虐待とは何か」について学び、全職員は、虐待の定義、予兆発見などについて十分な知識を持って保育に当たっています。園では予兆を得た時点で設置法人内の相談窓口に速やかに園長経由で通告し、外部の関係機関とも連携して対応することにしています。

・外国籍の子どもがいる場合には、職員は国々の特徴を、世界地図などを子どもに示しながら、文化の違いなどについて説明しています。保護者と意思の疎通が難しい場合は、職員が単語などを勉強したり、絵や写真などを利用して対応しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育の内容に関する全体的な計画は、法人理念と保育方針に園目標を加え、子どもの利益を最優先に考えながら作成しています。全体的な計画は保護者・地域への子育て支援や長時間保育など、地域のニーズを把握し作成しています。年度初めの保護者会では必ず、保育の内容に関する全体的な計画を園長は説明しています。

・0歳児に対して保育士は常に笑顔で接し、子どもの表情や発する声から思いを汲み取り、子どもが心地よく過ごせるように配慮しています。おもちゃなどその子が欲しがっているものを、職員が素早く気付き、欲求を満たせるようにしています。

・使われていないおもちゃは常に片付けて広くスペースをとり、這う・歩くなどの成長の一過程においてケガの無いように細心の注意を払って保育にあたっています。時には部屋の真ん中に布団などを山のように積み上げ、子どもたちはハイハイで山登りをします。好奇心が芽生え始めた乳児に対して、玩具や絵本は自ら手に取れる場所に置き、子どもの思いや行動を職員が言葉にして、優しく声をかけています。

・1、2歳児については、時間がかかっても自分でやろうとする気持ちを大切に見守り、子どもの思いに寄り添って言葉をかけるようにしています。衣服の着脱や食事などの場面でどうしても難しそうなときには、「お手伝いする?」と聞き、子どもの意思を尊重しながら援助しています。

・園では、設置法人からの講師派遣による「リトミック」「体操教室」を、全年齢児クラスで行い、子どもの年齢・発達に応じた室内遊びを行っており、子どもたちは、全身を使う遊びに熱中しています。

・3歳児では、クラスの「お当番」活動などを通して、子ども同士でお互いに言葉がけをしたり、配膳を行うことで、社会性が身につくようにしています。

・4歳児ではケンカなどを経験しながら、相手の気持ちを理解し、お互に大切な存在であることを実感できるように、職員は見守り援助しています。

・5歳児では、園庭などでの遊びの中、低年齢児に対する思いやりやルールを守り、チームを作って子どもたちが互いに力を合わせて一つのことを遣り遂げる楽しさを実感できるように、職員は支援しています。

・「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の10の姿を目標としてではなく念頭に置いて、また、小学校教育の前倒しにならぬように配慮して、全体的な計画を策定し保育を進めています。

・午睡では、眠れない子どもも体を休めるため横になるようにすすめています。午睡前に絵本を読み聞かせ、カーテンを閉め、照明をおとして、ゆったりリラックスした状態で午睡に入れるよう環境作りを工夫しています。

・職員は、0歳児は5分ごとに、1、2歳児は10分ごとに呼吸や睡眠状態を確認し記録しています。うつぶせになっていれば仰向けの状態にしています。幼児は30分ごとに睡眠の様子を日誌に記録しています。5歳児は1月頃より午睡の時間を減らし、就学に備えます。

・トイレットトレーニングは年齢で区切らず発達状況や家庭での状況を保護者と相談しながら行っています。トレーニングパンツを使っている子どもには「トイレに行って替えましょうね」と職員が声をかけると自分で替えのトレーニングパンツを持ってトイレに行きます。園での排泄状況を0、1歳児は排泄ノートに記載、2歳児は連絡ノートに記載、3歳児は口頭で保護者に伝え、家庭とも連携してトレーニングをしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・年度初めの保護者会では必ず、当年度の保育の内容に関する全体的な計画(保育課程)を園長は説明しています。各クラス担任はクラス担当の職員も加えて全体的な計画に基づき、各年齢クラスの年間指導計画、月間指導計画、週案、日案を作成しています。0〜2歳児と配慮を要する子どもには個別指導計画を作成しています。

・理解のできる子どものクラスでは、必ず日案の内容を丁寧に説明の上、保育に入っています。子どもたちから出る意見、要望を聞きながら、指導計画に反映させ、保育を行っています。子どもの興味、関心の深いやりたいことは、即カリキュラムに取り込み、柔軟性を持たせた保育を実践しています。

・アレルギー児へは医師から「保育園におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、栄養士が保護者と面談の上、除去食を提供しています。設置法人のマニュアルに従い、栄養士は1か月分のメニュー作成時点でアレルギー食をチェックし、給食前日に各アレルギー児の「指示書」を作成し、当日、保育職員と調理担当職員に「指示書」を渡しています。調理・盛り付け後、特定色のトレイに乗せ、食器にラップを掛け、黒色マジックで子ども名を表示し、受け渡しの際、調理職員と保育職員は声を出して読み合わせ、誤食防止に努めています。アレルギー児のトレイは階段を使って取りに行き、一人一人に配膳しています。

・職員は、登園時の保護者との会話や保育中の子どもの様子から、子どもの健康状態を把握しています。情報は昼礼や引き継ぎノートで伝達をするとともに健康記録、成長記録に記載しています。 

・園と連携している嘱託医師により健康診断と歯科健診を行っています。その結果はクラスファイルにまとめ、当日家族に伝え、必要があれば通院を促しています。

・感染症発生時には玄関に「いつ、何が発症したか」を掲示し周知を図っています。感染症発生時には、感染症の症状や対応について昼礼や書面、伝達ノートなどで職員全員に周知しています。子どもが保育中に発症した場合は医師・看護師に相談し、別室で様子をみるようにしています。保護者に連絡し必要時にはお迎えをお願いしています。

・衛生管理マニュアルに基づき保育室、沐浴設備、トイレ、階段などの掃除や消毒を行い清潔を保っています。清掃記録表をつけ、管理を徹底しています。

・地震を想定して、ロッカーや棚の背の高いものは突っ張り棒で固定し、転倒防止の対策をしています。棚の上は展示物や物品が落ちないよう滑り止めシートを敷いています。避難訓練では、子どもの足で徒歩15分の一時避難場所の小学校まで、職員と子どもたちと一緒に歩いています。

・第三者委員や外部機関へ直接苦情を申し出ることができるように、連絡先を園内に掲示しています。園内部で解決困難な場合は、設置法人の苦情解決窓口および港南区の担当部門と連携して対応するようにしています。過去の事例に関しては、マニュアルに従い記録に残し以後の保育に生かしています。

4 地域との交流・連携

・園の夏祭りに地域親子を招待したり、港南区が行うフェスティバルに近隣保育園とともに参加し、保育園入園希望者に保育園を紹介しています。また、地域の公園愛護会と連携して、近隣の公園にひまわりを植えるなどの活動に協力しています。

・お散歩では、近隣の人たちとハイタッチで挨拶するなど、交流を図っています。近隣保育園とは港南区フェスティバルでの協力や公園でのふれあい交流会など連携を密にしています。

・近隣のケアプラザや老人ホームを訪問し、歌やピアニカ演奏などを披露して利用者に喜ばれた上、子どもの社会経験、地域の人との交流に役立てています。

・見学者に対しては、パンフレットなどで園の内容を説明しています。見学可能なことは港南区の子育て広報誌に掲載しています。利用希望者の問い合わせには、予約の上、見学を勧めています。見学者の都合や急な飛び込みにも対応しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園はホームページや港南区役所のパンフレットコーナー、港南区フェスティバル会場などでパンフレットを配布し情報を提供しています。港南区の子育て支援NPO情報誌や港南区の子育て広報誌及び設置法人のホームページには、園の詳細な紹介を掲載しています。

・環境への考え方は、園だよりやクラスだよりでごみ削減などを広報しています。ペットボトルキャップの回収活動を行い、新聞広告やカタログ雑誌の折り紙への利用、コピー済用紙の裏面利用などのごみの減量、リサイクルを行っています。すだれや朝顔の緑化カーテンなどで、エアコンの節電に努めています。

・全職員には園の理念・基本方針を「クレド(行動規範)」に印刷して配布し、周知しています。園長は職員会議などで説明し、年2回の園長面談では、職員の発言などから理解度を計っています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人は、法人の理念・基本方針に則った「保育所職員人材育成ビジョン」を作成し、職員の育成、活用(採用・配置)、処遇(報酬等)、評価などが体系づけられて保育所を運営しています。職員の人事査定(評価)は、「保育自己査定」方式により、公正な評価基準により定期的に実施するしくみがあります。

・設置法人は、採用した職員に保育所の理念・方針などについて新人教育を実施し、その後も階層別研修・自由選択研修などの「人材育成ビジョン」に沿った計画的育成研修を実施しています。

・設置法人には「自己評価シート」があり、職員は査定時に年2回自己評価を行っています。また、指導計画には実施後の振り返り欄があり、反省を書き込み、翌月、翌週の指導計画に結果を反映しています。

・設置法人には、職員の指導的役割を担う主任クラスを計画的に育成するプログラムがあります。主任は職員の業務や個人的状況を把握し、能力に合わせた種々の助言を行い、職員の状況に適応する最適なシフトを組む役割を担っています。

・実習生受け入れマニュアルがあり、受け入れ、教育担当は園長、主任がこれに当たり、学校より提出の実習目的に即した、学年や経験により@部分研修や、A一日全体研修など実習プログラムを立て実施しています。終了後は職員との反省会と感想文の提出を求め、意見は保育に生かしています。

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