かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

芹が谷ぴよっこ保育園

対象事業所名 芹が谷ぴよっこ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 新緑会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0006
港南区芹が谷1-38-14
tel:045-821-2346
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は平成23年4月に横浜市立保育園から民間移管により、社会福祉法人新緑会下永谷保育園として開園しました。平成28年4月、新園舎完成を機に園名を現在の芹が谷ぴよっこ保育園に変更しました。横浜市立保育園の開園は昭和47年で開園からは47年を経ています。京浜急行上大岡駅またはJR東戸塚駅からバスで15分、芹が谷下車徒歩6分ほどの住宅地にある園です。園の利用者は東京や横浜方面への通勤者が多くいます。周辺には閑静な住宅が広がり、新興の住宅団地も造成中で、県立病院や関連施設、小学校や中学校、バス停付近には商店街、消防署などがあり、散歩に利用する公園がいくつもあります。こうした環境の中、子どもたちは伸び伸びと過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○職員が「目ざす子ども像」を描きながら、自主性、主体性、柔軟性を育てる保育をしています
 全体的な計画の中で、目ざす子ども像を「生きる力の基礎を身につけた子ども」としています。子どもの自主性や主体性を育て、柔軟性のある子どもに育ってほしいとの思いを職員が共有し、保育の実践をしています。園長からは機会のあるごとに職員に向けて、子どもとの接し方について話をしています。子どもの自己が育つために、園にいるときは伸び伸びと、好きなことをさせていく、自己を認めてもらえたと感じる時間を与えるように保育をしてほしいと伝えています。好きなことをさせていく中で起こる子ども同士のトラブルも、職員は子ども一人一人の気持ちを受け止めながら、子どもの成長につながるように声をかけています。職員はクラスの子どもたちの特徴を把握し、年齢や発達に応じた対応をするように努めています。


○「地域における家族援助」を保育理念に掲げ、地域の子育て支援に貢献する保育園を目ざしています
 園の保育理念に「ひとりひとりの伸びゆく個性を尊重し、可能性を信じて、豊かな人間性を持った子どもの育成に保護者や地域社会と力を合わせ、乳幼児の福祉を積極的に増進し、あわせて地域における家族援助を行います」とあるように、園は在園児のみでなく、元の市立保育園の伝統を引き継ぎ、地域の子育て支援を行う施設として対応に努めています。年度初めに地域の育児支援予定を組み、こどもの日やどろんこ遊び、運動会などほとんどの園行事や交流保育に地域の方々を招待し、給食を含めた半日交流保育「プチ体験」や、ほぼ月2回のモンテッソーリ保育による「子育てサロン」、園庭開放、育児相談を行い、毎回多くの参加者を集めています。地域に向け一時保育も実施しています。また、芹が谷地区社会福祉協議会主催や港南区主催の子育て支援行事に出前保育を行い地域に貢献しています。


○保護者や子どもたちとともに環境問題に正面から取り組んでいます
 重要事項説明書に「環境への配慮について」の項目を設けて、ごみの減量化やリサイクルのための取り組みを行っていること、省エネルギーの促進や緑化の推進に取り組んでいることを明記して、保護者に知らせ、協力を依頼しています。屋上に太陽光発電設備を備え、玄関には現在の発電量が表示され、「よこはまエコ保育所」の認証書を掲示しています。保育室などには分別表示したごみ箱を置き、紙は自治体の資源回収に、使用後の油も資源回収に出しています。保護者から集めたペットボトルなどの廃材は工作材料に再利用しています。LED電球の使用や、適正な温湿度管理、不要時の速やかな消灯、夏季の遮光シート、園舎西側にはゴーヤによる緑のカーテン作りなどで省エネに努めています。園庭には、花期が初夏から晩秋までと長い鮮やかな花が数か所に群れて咲いていました。


《事業者が課題としている点》
 保育士の安定的な確保が課題です。時給や手当など賃金面での改善や、借り上げ宿舎制度の導入など工夫してきていますが、今後はアプリを利用した求人や、業者を介した求人も検討しています。また、職員の研修も課題としています。定例研修やキャリアアップ研修など一日研修や回数の多い研修は参加が難しい状況ではありますが、研修時間は勤務時間として振り替えが取れるようにしたり、研修費やテキスト代、交通費を支給したりして支援しています。ほかに、1歳児の入所希望が増えているので受け入れ人数について検討したり、業務の軽減化も課題ととらえています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園の保育理念は「ひとりひとりの伸びゆく個性を尊重し、可能性を信じて、豊かな人間性を持った子どもの育成に保護者や地域社会と力を合わせ、乳幼児の福祉を積極的に増進し、あわせて地域における家族援助を行います」となっています。保育室や廊下に保育理念や基本方針、園目標を掲示し、保護者に周知しています。園目標は横浜市より運営移管した時から引き継いでいて、「子どもがいきいきと遊び、喜びを感じあい、自分も友達も大切にする」という3つのテーマで構成されています。全職員が基本方針を理解し、理念や方針に沿った保育を行っています。目標については理事会でも話し合い、理念や保育方針の具現化を目ざしています。
 職員が子どもを呼ぶときは、保護者が子どもを呼ぶ名前に、さんやちゃんの呼称をつけて呼んでいます。園長と主任は保育の場面で子どもが呼び捨てにされたり、威圧的に感じられるような言葉使いを聞くと、職員を直接指導します。職員は、子どもに接するときはわかりやすい言葉を使い、話し方に注意するとともに、話を最後まで聞くようにし、発言や気持ちを受け止めるようにしています。職員会議では、配付した全国保育士倫理綱領や保育理念を読み合わせます。その際に園長が子どもの人権を尊重することの大切さを話しています。職員は児童憲章などの研修を受けて、子どもの人権を尊重する姿勢について学び、会議で情報共有しています。
 園では「横浜市私立保育園における情報公開について」を基に、個人情報の取り扱いについてのガイドラインを設け、全職員に周知しています。保護者には入園説明会や重要事項説明書の中で個人情報の取り扱いについて説明し、周知しています。「保育園で撮影する写真の取り扱い方法について」という文書で、ホームページやポスターなどでの写真の取り扱いについても了解と、同意書への署名を求めています。ボランティアや実習生が園内で活動する場合には「個人情報保護に関する誓約書」を提出してもらっています。個人情報が含まれた記録は施錠できるキャビネットに保管しています。閉園している時間帯は警備会社に依頼して、セキュリティ管理をしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間や月間の指導計画を作成し、必要な配慮についても記載しています。子どもは成長に応じていろいろな形で意思表示するので、直接言葉で表現できない月齢の子どもには、表情やボディランゲージなどを見ながら気持ちを察するようにしています。パネルシアターや紙人形劇などは、子どもに集中してほしいときにプログラムの導入部分で使っています。職員は子どもたちの意見や意思を尊重し、自主性や主体性を育て、補助し、引き出し、子どもを主体とした保育活動を実践しています。園長はクラス担任の考え方を大切にすると同時に、子どもが理解し納得することを大切にするように教えています。
 0歳児の保育室は畳と床のスペースがあります。午睡は畳のスペースで行っており、食べるスペースと寝るスペースを分け、機能別の空間を確保しています。畳のスペースでは、絵本の読み聞かせなどをすることもあります。1、2歳児は食事をした後職員が掃き掃除と拭き掃除を行い、食事をしているスペースを外すように布団を敷いて、午睡をしています。3歳児以上の子どもは食事をホールで食べ、保育室で午睡をしています。子どもたちは朝、1歳児の部屋で異年齢交流をしていますが、日々の保育の中でも一緒に散歩に出かけたり、園庭で遊んだりしています。3歳児以上の子どもは夏季、縦割りのグループを作り、異年齢交流をしています。
 0〜2歳児には個別の月間指導計画があり、クラス担任が子どもの様子、内容、配慮、家庭との連携を記載し、次月に自己評価と反省を記入しています。3〜5歳児についても健康面や発達の様子、家庭の状況など個別の配慮が必要とされる場合は、個別に指導計画を作成しています。一人一人の子どもの目標や計画は発達や変化に応じて職員で話し合い、目標を達成できなかった際には、難易度を下げて取り組みやすいように見直したり、変更を柔軟に行えるようにしています。懇談会や個別面談で、作成した指導計画と見直しを行った部分を保護者に説明し、理解を求めるとともに、懇談会や面談の内容は記録して全職員で共有しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  短縮保育について入園説明会で話し、年度途中での入園の際には個別対応します。入園前の面接表を基に保護者と相談しますが、保護者がどうしても初日から通常の受け入れを要望している際には柔軟に対応します。今年度から、短縮保育の期間のめどを1週間に延ばして、子どもの生活が家庭と園とで無理なく引き継がれるようにしています。0、1歳児は、だいたい半年くらいの期間で子どもと職員の相性をみて、主に担当する職員を決めていきます。子どもが心理的なよりどころとするタオルや毛布などは持ち込みを許可しています。子ども一人一人に連絡帳があり、職員は毎日子どもの様子や体調面について記載し、保護者との連絡を密にとるようにしています。
 園の玄関やトイレはバリアフリーで、エレベーターも設置して環境整備に配慮しています。保護者の同意を得て、港南区福祉保健センターやよこはま港南地域療育センターから助言や情報を得たり、巡回を依頼できるように連携体制を作っています。担当の職員は障がいの内容を考慮し、子どもの特性に応じて個別指導計画を作成しています。外部研修の結果は全職員で回覧し、カリキュラム会議で話し合っています。職員は障がいのある子どもが安心して生活できるように、ほかの子どもたちと一緒に遊んだり、楽しさを共感したり、遊びの中で存在を認め合えるように配慮しています。クラスの子どもたちは、ありのまま障がいのある子どもの姿を受け止め、自然に手助けしています。
 入園説明会の中でアレルギー面談を行って、横浜市の「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」に沿って、生活管理指導表とアレルギー検査結果を基に「アレルギー児確認表」を作成します。担当職員は毎年横浜市のアレルギー研修を受け、情報や知識を調理担当職員と共有するとともに、全職員に周知します。保護者とはおおむね年に1度か2度、内容確認を行いますが、希望があればそのつど話しています。除去食を提供する際は、専用トレーに本人が識別できるマークと除去食品を記載した札を用意し、専用の食器に盛り付けています。食事を渡す際には厨房の調理担当職員からアレルギー担当の職員に直接手渡し、食べ終わるまでは介添えしています。
4 地域との交流・連携  園は在園児のみでなく、地域の子育て支援を行う施設としての対応に努めています。子どもたちが散歩に行く公園などで出会う地域の方々とは挨拶し、会話を通じて育児相談にも応じ、園に対する要望を聞いています。港南区が主催する子育て支援のフェスティバルに参加して一緒に遊んだり、相談を受けた地域の親子から要望を把握したり、園庭開放や園の行事に参加した地域の方々や一時保育の利用者、園の見学者などとの会話を通じて園への要望を聞いています。また、育児相談を行い、相談者の話から園への要望を把握しています。園長や職員は、港南区の園長会の分科会や幼保小の連携会議に参加して、地域の子育て支援ニーズについて情報交換を行っています。
 地域の子育て支援ニーズについては、年間指導計画の4半期ごとの振り返りや、次年度の計画作成の機会に職員会議などで話し合っています。地域の子育て支援として、一時保育や園庭開放、交流保育、給食を含めた半日交流保育「プチ体験」を行っているほか、月2回法人理事によるモンテッソーリ保育を取り入れた「子育てサロン」を開いており、毎回地域から多くの参加者を集めています。法人本部主催で能見台にある系列園で、当園も協力して育児講座を開催し、地域の方々の参加を得ています。また、芹が谷地区社会福祉協議会などが月1回開催する子育てサロン「チューリップ」に、当園や近隣保育園から保育士が参加して、地域の親子と遊ぶなど運営に協力しています。
 利用希望者からの問い合わせには、園のパンフレットや重要事項説明書(入園のしおり)などに基づいて、保育理念や保育方針、保育目標、施設概要、サービス内容などを説明しています。問い合わせには主に園長が対応していますが、問い合わせに関する事項を記載した「電話対応マニュアル」を事務室に用意して、全職員が対応できるようにしています。利用希望者には見学ができることも案内し、園の業務に支障のない範囲で日時を設定し、対応しています。見学者には園のパンフレットを渡し、園長または主任から保育理念や方針、目標、園での一日などを説明したあと、園内を案内し、質問に応じています。また、希望により、見学時に園の子どもと遊ぶ体験などもできるように配慮しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園のパンフレットを、園庭開放や園の行事に来園した地域の方々や、園の見学者などに渡しています。また、港南区こども家庭支援課にも置かせてもらっています。また、ホームページを通じても園の情報を提供しています。パンフレットには保育理念や保育姿勢(保育方針)、園目標、定員、園の一日、年間行事、園の外観や内部の写真、案内図を載せています。ホームページには、パンフレットの内容のほかに、園の開園日や開園時間、施設の規模、見取図、給食について載せています。園の情報は港南区こども家庭支援課や横浜市こども青少年局のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」などに進んで提供しています。
 クラスごとの保育の自己評価を基に職員会議などで結果を報告し合っています。話し合いの中から、園の課題が明らかになり、改善に取り組んでいます。子どものけがの話の中で他園の事例で、子どものけがに子どもの家庭の健康保険を使用したことが話題になったとのことで、当園では別途保険に加入していますが、けがをした子どもの家庭の健康保険を使うことを重要事項説明書に明記しました。園の自己評価は、年度末に職員各自が無記名で園の理念や方針をはじめ、8つの分野の各項目を5段階で評価し、これを基に園長が一つにまとめたものを園の自己評価として職員に明らかにしています。また、これをファイリングして園の玄関で公表しています。
 「就業規則」の中の「服務規定」には個人情報保護や守秘義務など守るべき法、規範、倫理を明記してあり、全職員は入職時に園長や主任から説明を受け、誓約書を提出しています。また、「児童憲章」と「全国保育士会倫理綱領」を全職員に配付して読み合わせをし、子どもの人権の尊重、子どもの人格や自尊心を傷つけないことを確認し、玄関にも掲示しています。また、「園の自己評価」でも法、規範、倫理を守ってきたか評価しています。園の経営状況は、法人の決算情報として法人のホームページに公開しています。世間で発生した子どもの虐待事例などは新聞情報などを基にミーティングを開き、園の子どもに置き換え、注意喚起と対応方法を確認しています。
6 職員の資質向上の促進  園長は横浜市や港南区、大学、教育機関などが主催する研修リストから、職員の希望する研修に園が職務上の必要や職員のキャリアアップを考慮した研修を指名して、外部研修計画を作成し、個々の職員に伝えています。外部研修参加者は報告書を作成し、職員会議などの内部研修の場で発表し、研修に参加できなかった職員には報告書を回覧して研修内容の共有を図っています。内容によっては必要な職員が必ず参加できるよう午睡時間の内部研修を2交代制で実施しています。わらべうたなどはすぐに実践したり、配慮を必要とする子どものために絵カードを作り活用しています。園長と主任は外部研修の報告書や実施状況から研修を評価して次に生かしています。
 職員は、年度初めに申告した自己申告書の目標に対して、年度の終わりに振り返りの文章と業務に関する12項目について5段階で自己評価を行い、園長と面談して指導や助言を受けています。また、園長は職員とともに園の自己評価を作成する仕組みがあります。外部研修で学んだことや、港南区内の他園で実施した研修で参考になったことを、ミーティングや会議で発表し、話し合い、良い事例は園の保育に役立てています。例えば、よこはま港南地域療育センターの仕事内容の研修や施設見学で学んだことを参考に、絵カードによる意思伝達の仕組みを取り入れました。また、園は同センターから定期的に年2回の巡回があり、配慮を必要とする子どもの保育内容の指導、助言を受けています。
 職員が個々に実践と振り返りを記入する自己申告書は法人共通の書式を用いています。保育に関する自己評価は、全体的な計画に基づいて、年間指導計画は四半期ごとに、月間指導計画や保育日誌はその期間ごとにクラス単位で行っています。保育の自己評価は、例えば4歳児では、「運動に全力で挑戦している子どもにはそのつど『ここがさっきより上手』などと伝えてやる気を持続できた」とあるように、その結果だけでなく、子どもの挑戦する意欲や努力など取り組む過程を重視して行っています。職員は保育の自己評価を通じてその改善や次の目標設定に生かしています。

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