かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ひかりの風保育園

対象事業所名 ひかりの風保育園
経営主体(法人等) 学校法人 聖ヶ丘学園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0067
保土ヶ谷区常盤台 75-3
tel:045-333-2011
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地・概要
  ひかりの風保育園は、相鉄線上星川駅や横浜駅から、浜11系統相鉄バスに乗車、ひじりが丘バス停下車徒歩1分のところにあります。近隣には緑に囲まれた横浜国立大学常盤台キャンパスがあり、子どもたちの散歩コースになっており、自然を身近に感じることができます。平成27年4月開園で、鉄骨造り地下1階付き2階建ての園舎に、約240平方メートルの園庭があり、0歳児から5歳児まで61名(定員60名)が在籍しています。設置法人は学校法人聖ヶ丘学園で、隣接して聖ヶ丘教育福祉専門学校があり、近隣に育和幼稚園を運営するほか、鶴見区のにじの風保育園、中区のうみの風保育園、磯子区に八幡橋幼稚園を運営しています。
・特徴
  保育理念に「共に生き、共に育ち合う」を掲げ、生きることに喜びを感じ、子どもだけが育つのではなく、みんなで大切な時間を過ごし、心身とも健やかに育ちあいたい、としています。子どもたち一人一人の成長過程を保護者とともに見守りながら、自主性・自立性を育てることを重視した「褒めて、認めて、励まして、しっかりと抱きしめ、受け止める」の保育方針のもと、子どもたちが持っている「育つ力」を大切にした保育をしています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの育ちを捉えた職員の振り返り(自己評価)と改善への取り組み
  年間・月間・週案の各指導計画はねらいや保育目標を明確にして立案し、それに沿った評価の視点も明記して、振り返りが計画とずれないようにしています。月案は翌月の指導計画の冒頭に先月の職員の振り返りを自己評価として書き、改善点は反映させて、計画と実践が連続性のあるものになっています。保育の振り返りは保育所保育指針や保育理念に立ちかえり、子どもの興味や意欲をとらえ、職員の働きかけでどのように変化していったか、子どもが笑顔で過ごせているか、子どものエピソードを大切に、それを観察できる目を持てているか、の視点を大切に行っています。職員は、週案(カリキュラム)会議、フロア(乳児・幼児)会議などで保育記録と振り返り(自己評価)をもとに話し合い、他者の意見を聞いてよりよい実践につなげています。課題は職員会議で共有して話し合い、改善に取り組んでいます。

2.非常勤職員との緊密な連携による保育の質の向上
  どのシフトの時間帯も、必ず職員と非常勤職員を組み合わせて配置して、保護者対応や連絡帳の記入も常勤・非常勤の区別なく対応しています。経験のある非常勤職員から学ぶことも多く、お互いに尊重して業務にあたっています。非常勤職員の指導担当者は主任で、日々の情報伝達や会議録の回覧を徹底しています。「夕方の合同保育の過ごし方、玩具の提供の仕方をみんなで考えたい」や「子どもの人数や保育士の配置を一人一人が意識し確認をして行動できるようにしていって欲しい」など、非常勤職員の意見や気づきをまとめて職員会議で伝え、皆で話し合い、保育に反映しています。内部研修はもとより、非常勤職員も本人の希望により外部研修を受けることができ、園全体の保育の質の向上に繋がっています。

3.地域のコミュニティとの連携
  自治会長、隣接する特別養護老人ホームの施設長、保護者3名を運営委員とし、また、第三者委員(自治会民生委員)2名をオブザーバーとする運営委員会を年3回開催し、園の財務状況も含めた運営状況や活動状況を説明して透明性を確保するとともに、地域の子育て支援ニーズや園に対する要望意見を聞き、園の運営に生かしています。
また、子どもたちが、近隣の老人ホームを日常的に訪問したり、系列の幼稚園や地域の保育室と芋ほりをするなど交流を持っています。そのほか、自治会の行事がある時に、園の駐車場を貸したり、幼保小連携会議のブロック会議に場所を提供しています。また、年3回不審者対応訓練を行うにあたり、警察に出向いて訓練方法を相談したり、救急救命法や消火訓練で消防署の指導を受けるなど、地域と友好な関係を築き、協力が得られる体制があります。

4.絵本と子どもの世界を保護者と共有する姿勢
  子どもの心を豊かにする保育を目指す一環として、「絵本の読み聞かせの持つすばらしさを園と家庭で共感し、子どもたちに提供したい」との思いから、保護者の同意を得て、園が推奨する絵本を毎月、各家庭で購入し、保護者と子どもが絵本を媒介してふれあいの時間をもつことを推奨しています。
園内研修で絵本についての講師を招いて学び、園だよりにクラスごとの毎月の絵本を掲載し、絵本の話題から、園と保護者が子どもの様子を話し合い、保育に役立てるよう工夫しています。また、保育室のある階のエレベーター前に絵本コーナーを設置して、子どもや保護者が落ち着いて絵本に親しめるようにしたり、傷んだ絵本を本格的に修理するボランティアをお願いするなど、絵本を大切にしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者へ外部の苦情相談窓口の紹介と要望の記録
  重要事項説明書には、園の苦情相談窓口の体制のみを明記し、他機関の紹介がありません。横浜市福祉調整委員会、かながわ福祉サービス運営適正化委員会など、園外の苦情解決窓口の紹介をし、保護者に要望や苦情の申し出には様々な手段があることを周知することが望まれます。また、保護者との日々のコミュニケーションが図られ、大きな苦情はありませんが、送迎時の会話やアンケートなどで寄せられた保護者の要望も一元化して管理し、ニーズを分析して、園の資源とされることを期待します。

2.中長期計画実現のための単年度ごとの具体的な計画の作成
  5か年をかけて実現を目指すビジョンを明記した計画があります。園の課題解決のための内容になっており、保育内容の充実、地域活動、保護者との協力体制の強化、職員研修の充実、職員の処遇・人事となっています。その実現のために単年度ごとの具体的な計画を立てて、進捗を定期的に確認しながら実行されることが期待されます。

3.ボランティア受け入れ体制の整備
  地域の協力体制があり、老人ホームの方や、設置法人の運営する専門学校の生徒がボランティアとして来園するなど、多様なボランティアを受け入れていますが、活動の記録がありません。ボランティアの受け入れにあたっては、受け入れと育成の担当者を定め、受け入れ時の記録を整備して、より活動が豊かに展開されることが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子ども一人一人の人権を尊重することの重要性について、職員会議や園内研修などで全職員の共通理解になるよう、話し合いの場を設けています。職員間でも、声の大きさなどの不備がある場合は注意し合うようにし、園長も指導しています。子どもに対しては一方的に注意するのではなく、子どもの意見を聞くようにしています。

・個人情報の取り扱いや守秘義務については職員に入社時に研修を行い、その重要性を確認し理解するようにしています。

・保護者には、入園前の保護者説明会や懇談会で、個人情報の取り扱いについて具体例を挙げて説明しています。

・子どもの表情や様子から気持ちや意思を汲み取る、また、丁寧に話を聞くことを大切にしています。個性や発達に応じた対応をして、子どもが自ら考える機会をもち、積み重ねて習得していくことができるような指導計画にしています。

・虐待防止ハンドブックをマニュアルとして入職時に学び、全職員に周知して、虐待の予兆がないか気をつけています。虐待が疑われる場合は園長、主任に報告し、横浜市西部児童相談所につなげるか保土ヶ谷区こども家庭支援課に相談しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は、子どもの発達過程を踏まえ、緑の多い近隣の環境を生かした保育や、福祉専門学校の系列園としての社会的使命を盛り込んで、地域の育児支援に積極的に取り組むことなどが明記されています。

・おもちゃ、教材などは子どもが取り出せるような高さの棚や収納箱に保管され、子どもが自由に遊べるようになっています。また、子どもが落ち着いて遊べるよう、パーテーションやマットを利用してコーナーを作っています。

・園のフェスティバルでのクラス発表は、子どもが興味を示した内容を取り入れています。子どもは、興味に応じて自由に遊んでいます。皆でゲームをする時は、職員がルールを分かりやすく説明しています。

・普段から近隣の公園や広い大学の構内で、草花や木の実に触れ、虫探しをしたりして、子どもたちが自然に触れて生き生きと活動できるようにしています。

・子どもの年齢、発達状況に応じてリズム遊びやダンスを行っています。その時に使用する音楽は子どもの希望に応じています。専門講師による体操教室を毎週行い、子どもの発達状況に応じた運動を工夫しています。折り紙や牛乳の空箱などは、子どもが自由に使えるようにしています。

・けんかがあった場合には、まず子どもたちで解決するように見守り、必要に応じて双方の言い分や気持ちを代弁して和解するように援助しています。0〜2歳児は、けががないように、職員がかみつきの癖などを把握して注意しています。

・食事は、子どもの食欲や健康状況に応じて盛り付けの量を調節しています。子どもの苦手な食材は、配膳前に量を調節し、少しでも食べたときは、皆の前でほめるなどして食べる意欲を育んでいます。乳児(0歳児)の授乳は、欲しがる時に抱っこして、静かな音楽や優しい声のもとで、子どものペースを崩さないように行っています。

・翌月の献立表を月末に保護者に配付しています。当日の給食サンプルを玄関近くに提示し、給食サンプルを見て親子が食事に関心を持てるようにしています。また、園だよりで給食時の子どもの様子を知らせています。年1回、給食の試食会を行っています。

・入眠時にうつ伏せで寝る子どもには保育士が付き添って見守り、子どもが寝入ってから仰向けにしています。0歳児は5分に1回、1、2歳児は10分に1回の呼吸チェックを行い、うつぶせ寝はその都度仰向けに寝かせています。0歳児は午睡チェックセンサーを導入し、二重チェックにしています。

・トイレットトレーニングは一律ではなく、子どもの発達に応じて声をかけ、個別対応をしています。保護者に園での排泄状況を伝えるとともに家庭での様子を聞き取り、トイレットトレーニングに生かしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・保護者には、保育理念や基本方針、保育目標はパンフレットや重要事項説明書に明記して、入園前の保護者説明会で伝えています。

・障がいのある子ども、家庭支援の必要な子ども、アレルギーのある子どもなど配慮を要する子どもを受け入れています。配慮の必要な子どもの情報は、全職員で共有しています。

・保土ヶ谷区福祉保健センターの保健師や保護者と連携し、横浜市西部地域療育センターの助言を取り入れながら、障がいの特性を考慮した環境づくりや関わり方を明記した個別指導計画を作成しています。

・アレルギー疾患について研修で学んでいます。アレルギーのある子どもへは、かかりつけ医からの、「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」の指示に沿った対応をしています。

・文化や生活習慣の違いがあれば、入園時によく情報を得て、尊重して対応しています。

・「意見・要望・苦情・不満を解決するための仕組みに関する規程」があります。
苦情受付担当者は主任、苦情解決責任者は園長で、地域の民生委員2名に第三者委員を委嘱し、重要事項説明書に明記して直接苦情を申し立てできることを保護者に知らせています。

・安全管理マニュアルがあり、内容について研修や検討を行って全職員に周知しています。地震を想定し、転倒防止策を講じています。月に1回、地震・火災・不審者対応などの避難訓練を実施しています。保護者連絡網を用いて、子どもの引き渡し訓練も行っています。

4 地域との交流・連携

・園庭開放を行い、地域の保護者からの意見を聞いて、保育所に対する要望を把握するように努めています。見学や園庭開放の折に地域の保護者から相談を受けています。区の園長会や横浜市西部児童相談所で事例の検討を行っています。また、年3回の運営委員会で自治会長・民生委員など地域の関係者と定期的に意見交換の場を設けています。

・必要な関係機関との連携が取れるように、リストを作成して事務室に掲示し、職員に周知しています。避難訓練や救急救命法の訓練などで警察・消防署と連携しています。また、支援が必要な保護者についても、保土ヶ谷区こども家庭支援課や横浜市西部児童相談所などと連絡を取り合っています。

・近隣の老人ホーム、系列の幼稚園、保育室と定期的に交流しています。

・見学は予約制ですが、保育に支障がない範囲で見学者の希望に沿うように随時受け付けています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育理念は、「共に生き、共に育ちあう」であり、保育の基本方針は、「子どもたちがもともと持っている自分で育つ力を大切にし、子どもたちのありのままを『受け止めて、褒めて、認めて、励まして、しっかり抱きしめて』子どもの自主性、自立心を育てる」としており、子どもを尊重したものとなっています。

・設置法人統一の就業規則やマニュアルに職員の守るべき法・規範・倫理を明示し、また、運営規程に事務、経理、取引などに関するルールや職務分掌と権限・責任が明確にされ、入職時に全職員に配付しています。

・園のホームページ、パンフレット、タウン紙などに、園の情報を掲載しています。

・5か年をかけて実現を目指すビジョンを明記した計画があります。園の課題解決のための内容になっており、保育内容の充実、地域活動、保護者との協力体制の強化、職員研修の充実、職員の処遇・人事となっています。

・運営委員から意見を聞いたり、保育士養成校である設置法人の専門家の意見を聞いて、運営に生かしています。

6 職員の資質向上の促進

・職員は非常勤職員も含めて、経験年数、担当などによって必要な研修に参加しています。外部研修を受講した職員は研修レポートを作成し、職員会議で報告を行って情報を共有しています。

・職員は年間・月間・週案の各指導計画の期末ごとに、振り返り・反省欄に記入するほか、各自年1回チェックシートを用いて自己評価をする仕組みがあります。

・職員は年3回園長と面談をして自己の業務を振り返る仕組みがあり、年度末にチェックシートを用いて1年を振り返り、次年度の目標を設定しています。職員の振り返りや提案、意向を確認して、人事配置や業務改善を検討しています。

・毎年、系列の専門学校生の実習生を受け入れています。受け入れにあたり、オリエンテーションを行い、実習生に基本的な考え方を説明しています。

・園長は、職員に会議の場や日常的に業務上の意見や要望を聞いており、職員会議で検討して積極的に取り入れています。

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