かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

わかば保育園(2回目受審)

対象事業所名 わかば保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 あらぐさ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0813
戸塚区舞岡町992
tel:045-823-1439
設立年月日 1979(昭和54)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
わかば保育園は1965年に「乳児の家・わかば」として開設し、1979年4月に認可保育園となりました。運営法人は社会福祉法人あらぐさ会です。法人は横浜市内で他に2つの認可保育園を運営しています。
園は横浜市営地下鉄舞岡駅から、道沿いに小川の流れる遊歩道を8分ほど歩いたところにあります。園近くの小川には錦鯉が泳ぎ、田畑、森(舞岡ふるさとの森)や神社などがあり、四季折々の風景を感じられる自然豊かな環境になっています。
園は定員120名で現在127名が利用しています。通常保育のほか、一時保育、産休明け保育、障害児保育、地域育児支援を行っています。
2階建の園舎には天井が高く広いホール、広い廊下、保育室などがあります。木のぬくもりが感じられる園舎内は、雨天時にも子ども達がのびのびと過ごすことができる環境となっています。別棟にはホールと和室があり、茶室も備えつけられています。園庭にはアスレチックなどの固定遊具もあり、子ども達は園庭で充分な活動を行っています。


≪優れている点≫

1.園と家庭が連携して、健康で心豊かな子どもの育ちを見守っています

自然の多い環境を十分に生かして、子どもが存分に体を動かし、自分で考える力を身につけながら健康な体と心が育つよう、職員間で共通認識を持って保育にあたっています。
保護者には入園説明会や父母会総会、クラス懇談会等で基本方針や園が目指している保育、活動内容のねらいを丁寧に伝え、保護者の意向を汲み取りながら相互が協力し合って子どもの育ちを見守っています。
「わかばまつり」やお散歩会、保育参加など、保護者と連携して行事を行う中で子どもの成長を共有し、子どもを中心にした保育が実践されています。「わかばまつり」では、バザーや模擬店など大人が頑張っている姿を子どもが見て、自分たちもお店屋さんになって楽しみます。子ども達は大人に見守られ、様々な経験を積み重ねながら、元気にのびのびと園生活を送っています。
 園生活の中で育まれる子どもや家庭との信頼により、卒園後も園児が遊びに来たり、保護者が相談に来るなど、継続した関係性が築かれています。

2.子どもが主体的にのびのびと遊べる環境づくりを大切にしています

園長は職員会議やクラスミーティングなどで、環境が子どもの関心を触発することや子どもが興味を持っていることに対して保育士ができることは何かを考える姿勢を伝えています。
おもちゃ箱に入って遊ぶ子がいたことから、保育士は段ボールにバスや電車の絵を描いて、子どもが押しながら歩いたり、中に入って遊ぶことができるようにしたり、保育士と同じ色の子ども用のエプロンや連絡ノートを真似た物を作り、子どもがエプロンを付けて保育士になりきって遊んでいます。保育士は子どもの行動ややりたい気持ちに寄り添って、手作りおもちゃを作るなど子どもが楽しんで遊べる環境を造るため、創意工夫を重ねています。
子どもの興味関心に応じた探索活動、友達とのごっこ遊び、体を思い切り動かす遊びなど、子ども達がやりたいことを自分で見つけられる環境づくりを日々、職員間で話し合いながら、実践につなげています。

3.園の理念を職員に周知して、職員の資質向上を進めています

法人が求める保育士像を明文化して職員に周知徹底しています。法人理事長や園長は新人研修や常勤・非常勤を含めた会議で説明して理解を進めています。研修はレベルごとに新人研修、中堅研修、主任リーダー研修を計画して、実施しています。各レベルの職務や分担の基準を明確にしてキャリアパスにつなげています。また、園内で毎月定期的に学習会を設けて、保育の質について話し合っています。意見を出し合い、改善につなげることで職員のモチベーションの向上や定着につながっています。
職員は年度末に自己評価を行い、園長を交えて評価・反省し、次年度の目標設定に反映して取り組んでいます。園長は職員の満足度や要望を聞き、職員に良い点や課題を伝えています。職員の自己評価を園全体への自己評価に反映して、保育の計画に反映しています。自己評価結果とその取り組みについて、ホームページに公開して、保護者に知らせています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.マニュアルのまとめ方の工夫

園には、それぞれのマニュアルが作成され、職員にも周知されています。園の取り組みとして、1日研修があります。1日研修は全職員が参加し、その時の資料はマニュアルとして十分活用できる内容になっています。
しかし、1日研修としてファイルされマニュアル類がすべてその中にあるために、必要なものをその中から探す方法が現在とられています。慣れている職員はすぐに対応ができるかもしれませんが、新人が入った時などを想定して、わかりやすく使用することを目的に、同じような内容の物を一つのファイルにまとめるなどの検討が期待されます。

2.園の情報を地域に発信する方法の工夫

園では、一時保育、育児相談、赤ちゃん教室など地域に向けた支援を実施しています。園の行事については駅や、コミュニティーセンターに掲示して地域の回覧板に載せて情報を発信しています。
園の構造により、道に沿った表扉を開けてから、園の玄関まで少し距離があります。そのため、園の情報を掲示するのが難しい状態です。しかし、道路には人の通行も多く、園に用事がある人は表扉から玄関の道路を通ります。園の情報を伝える掲示版などは可能かと思われます。園を利用する保護者や地域の方に、園の状況や地域支援の実施などを伝える工夫が望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 法人の研修で人権について職員は周知しています。子どもの人権の尊重の一つとして、子どもの思いを肯定的に受け止めるようにしています。職員は否定的な言葉使いはせずに、子どもに聞き取りやすいはっきりとした口調で、優しく言葉がけする事や、注意時にも子どもに分かりやすく端的に伝える事など心がけています。日々の保育の中でも子どもが職員に話しやすい環境を心がけて、子どものペースにあわせて言葉を使っています。子どもの人権を認め、自尊心を傷つけない事は全職員が理解して保育にあたっています。

A 個人情報について、ボランティアや実習生にも受け入れ時に手順に沿って確認を取っています。保護者には、重要事項説明書の中で個人情報の取り扱いについて説明しています。パンフレット、ホームページへの写真掲載については保護者の同意を得てから掲載する旨を明記しています。職員は、園の就業規則で個人情報の取り扱いや守秘義務の重要性について周知しています。連絡帳なども取り扱いに注意しています。個人情報が含まれる児童票などの書類は施錠できる事務室のロッカーに保管しています。

B 男の子だから、女の子だから、お父さんだから、お母さんだからという区別はしていません。子どもの創造性や、遊びに対する気持ちを大切にして、性別にとらわれない個性を尊重しています。職員は法人研修でも性差について学んでいます。日常の保育でも(色を決めない、男女で分けない)など無意識にしていないかについて、疑問に思うことがあれば職員同士で話し合うなどして、性差についての意識を持って保育にあたっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 年間指導計画や月間指導計画、週案は、園長や主任、クラスにかかわる職員で作成し、子どもの状況などを踏まえて検討、見直しを行っています。日々の保育はクラスごとでも反省し、その日の振り返りを次の保育につなげています。月間指導計画や個別指導計画には、担当職員が自己評価や反省を記載し、園長や主任が評価や改めるべき点などをコメントして次に生かすようにしています。また、職員会議では栄養士や看護師も含めて指導計画の見直しをしています。計画では、乳児の食事の進め方やトイレットトレーニングなど個別の対応は、保護者の意見や意向を反映させています。

A 個人面談は、期間を設けて全員を対象に年に1回行うほか、希望する保護者に対しては、随時個別の面談を受け付けており、必要に応じて園より保護者に声をかけて行うなどしています。クラス懇談会は進級時と夏、2月の年に3回開催して、クラスの活動の様子を伝えています。連絡帳に子どもの園での様子を記入するとともに降園時に口頭で保護者に伝えています。

B 送迎時等、日常的に保護者からの相談を受け付けています。内容によっては、日程を調整し、医務室や食堂などを使って保護者が安心して話ができるよう配慮しています。保護者への適切な対応ができるよう学習会(園内研修)等で学び合い、園長や主任が助言する体制ができています。相談内容は記録し、保護者の様子に気を配り、声かけを行うなど継続的にフォローするよう心がけています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 保育所児童保育要録は5歳児の担任が記入し、園長、主任が確認して子どもが就学する小学校に送付しています。子どもの一人一人の記録は、入園までの生活状況や保護者からの希望、在園中の家庭の個別の状況・要望は児童票、児童健康票、個別指導計画等に記録しています。記録内容は職員会議で話し合うほか、必要な場合は見ることができるようになっています。子どもの引き継ぎに必要な情報は、日々の申し送りや会議だけでなく年度末に、次年度の担任に引継ぎを丁寧に行っています。

A 園では、保護者に顔の見える関係性を大切にしたいと伝えています。要望があれば、父母会会議に園長も出席し、意見、要望を汲み取っています。苦情受け付け担当者は主任、苦情対応責任者は園長です。さらに、第三者委員、公的機関の苦情解決窓口として横浜市の権利擁護機関の連絡先を玄関に掲示しています。保護者にはご意見箱を設置し、行事の後にアンケートを実施して、意見や要望を把握しています。日々のかかわりの中で信頼関係を築き、保護者が話しやすい雰囲気作りを心がけています。自分の要求を十分に表現できない子どもには、しぐさや表情から、意思を汲み取るよう努めています。

B 健康診断は年2回、歯科健診は年2回行っています。結果は健康記録に記載しファイリングするとともに所定の用紙に記載して保護者に渡しています。健診の1ヶ月前から、心配事や気になることがあれば園に知らせるよう保健だよりで保護者に伝え、1週間前には玄関に掲示して再度の呼びかけを行っています。健診時に医師に確認したアドバイス等を看護師が保護者に伝えています。日常的に気になることなどがあれば医師に相談するなどして連携を図っています。

4 地域との交流・連携

@ 園のパンフレットやホームページには、サービス内容や年間の行事予定、1日の活動内容等を写真とともに掲載しています。戸塚区役所内に園の紹介パネルを展示して、パンフレットを自由に持ち帰れるように置いています。ホームページ運営管理は、専門の人に依頼していて、随時園の新しい情報などを更新できるようにしています。

A ボランティアの受け入れや調整は、主任が担当しています。卒園児の保護者が週末の保育補助ボランティアをしてくれています。また、保育士体験で訪れた高校生が夏休みにボランティアとして、子ども達と一緒に遊ぶなどしていて、保育士の子どもへの言葉かけが参考になったなどの感想が寄せられており、職員間で共有しています。

B 園では、子育て支援活動に園舎を開放し、その際に来園した保護者からの要望などを聞いていす。地域で子育て支援に取り組むメンバーで構成する子育て支援連絡会などに職員が参加して情報交換をすることで、ニーズの把握に努めています。また戸塚区が主催する「赤ちゃん教室」を園の新園舎で行い主任、フリーの職員が参加し子育て相談や楽しい企画を行っています。そのさいにも、園に対するニーズの情報収集をしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 園内や研修で得た事例をもとに研究・検討を行っています。園の自己評価は全体的な計画に沿って行われ、法人の事業報告書の中で園長の振り返りが公表されています。保護者にはホームページで職員の自己評価を公開しています。そして、それに対する取り組みを記載し園の自己評価としています。

A 職員が守るべき法・規範・倫理は、就業規則の中に倫理規定が記載されていています。園長が入職時や年度当初の職員会議で説明し、職員全員で確認し合っています。園の運営状況はホームページで情報公開されています。職員会議では、新聞記事で紹介されている他園の不祥事の事例を検討テーマとして取り上げ、研修を行い職員の意識啓発とマニュアルによる手順の確認を行っています。

B 園の長期計画として、園の修繕を長期的な計画としています。そして、保育事業、地域との交流、次世代育成のための保育学生の受け入れなどについても視野に入れ計画をしています。運営に関して法人内の社労士など専門家からのアドバイスや指摘を受ける機会があり、運営に生かしています。単年度の事業計画は年1度(必要に応じて数回)理事長、園長で話し合いをしています。

6 職員の資質向上の促進

@ 園の人材補充は、法人が主となり行っていますが、緊急性が高い時は園がハローワークへの求人、養成校への問い合わせ対応をしています。年1回法人研修会があり系列園が一緒に研修を受けることで法人としての理念、方針についての理解を深め、園の保育に沿える人材を育成しています。園長は、職員の自己評価やキャリアパスを踏まえ、職員との個人面接を通じて人材育成計画を作成し、次代を担う職員の育成に努めています。自己評価の一環として、園長は職員と面接し、次年度の課題・目標を設定し、当該年度が終了した面接の際、目標に向けての実践の検証・評価を行っています。

A 職員は、年度末に自己評価を行い、一年間の振り返りを行っています。園長は、この評価表を踏まえて面接を行っています。職員は次年度の目標を設定して、次年度の保育に取り組んでいます。園では、次年度の事業計画、保育計画などに反映させるため、自己評価や職員会議の結果を踏まえて、園全体の自己評価を行っています。

B 法人が望む保育士像が就業規則に明文化しています。新人研修、中堅、主任リーダー研修が計画され人材育成が計画的に行われています。また、キャリアパス要件や各職の職務・分担表、組織図などにより人事基準が明確にされています。個別の園長との面接で職員の満足度、要望を把握しています。その際に、園長が職員への要望、課題、よい点についても口頭で話をしています。

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