かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市南六浦保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市南六浦保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0031
金沢区六浦5-20-1
tel:045-701-1330
設立年月日 1974(昭和49)年07月01日
公表年月 2019(平成31)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 横浜市南六浦保育園は、京浜急行六浦駅から徒歩5分ほどの交通の便が良い住宅地にあります。周辺には、地区センター、地域ケアプラザ、小・中学校など地域の拠点となる施設があります。
 園舎は、築22年の鉄筋コンクリート造2階建で、広い園庭や駐車場も備えています。園庭には、滑り台の付いた大型遊具、屋根付き砂場、鉄棒などが設置され、子ども達が思い切り身体を動かせる広さがあります。
 定員は135人で、10月1日現在の利用者は147人の大規模保育園です。開所時間は、朝と夕方の延長保育を含めて、7時から19時までとなっています。
理念にある「地域に根ざした保育園を目指す」を実現するため、地域のニーズに応じて、一時保育、育児相談、育児講座、交流保育、園庭開放、施設開放、体験給食、赤ちゃんの駅、絵本の貸し出しなど様々な事業を進めています。


≪優れている点≫

1. 地域の子育て支援の充実に取り組むとともに、地域に開かれた運営をしています

  園内に「育児支援プロジェクト」を設置して、毎月ニーズに応じた育児支援について話し合っています。地域の保育ニーズに応じて、一時保育、園庭開放・施設開放、育児講座、育児相談、交流保育、体験給食等を積極的に展開しています。園庭開放は、週4日実施し、パネルや大型絵本による「ニコニコシアター」の上演もあるなど、地域の子ども達に人気があります。その際、保護者に声をかけて子育て相談にも気軽に応じています。育児相談は毎日実施していることを「市立保育園子育て支援予定表」で案内しています。
 交流保育は、七夕、運動会ごっこ、節分、ひな祭り、誕生会など年間スケジュールを作成して実施しています。金沢区内の公立保育園4園が連携して「合同育児講座」を実施しています。これも年間スケジュールに基づき、「親子でエクササイズ」や「親子で楽しむわらべうた&お話会」をテーマに、地区センターや保育園で実施しています。区民まつり「いきいきフェスタ」に参加したり、区内の大規模商業施設に出張したりして、情報提供、子育て相談、保育園紹介をしています。自治会と社会福祉協議会が主催する「フレンド祭り」に参加して、隣接の地区センター、地域ケアプラザと交流するなど地域との連携を進めています。


2.子どもを大切にして障害児保育に取り組み信頼を得ています

 園は理念にも掲げ子ども一人一人を大切にしています。保育上、特に配慮を要する障害児や要支援の子どもの受け入れを進めています。園内は、スロープ、手すり、点字ブロックを設置し、バリアフリーになっています。障害児や要支援児にとっては健常児と関わることにより、模倣をしたり、刺激を受けたりすることができます。健常児にとっては、障害児や要支援児と一緒に生活する中で、自然な形で関わることができるようになります。子ども達は、保育士が仲立ちとなり明るい雰囲気の中で生活しています。
 統合保育を行うにあたって、療育センターの巡回指導を年2回受け、環境設定のアドバイスも受けています。障害児保育の研修に積極的に参加し、受講後は園内での報告で職員の共通認識につなげています。予備室を活用して落ち着いて遊べるコーナーを作ったり、紙芝居などをする際は、視覚障害児は見えやすい場所に座ったり、持ち物を置く場所にカラーテープを張るなど環境設定に力を入れています。子どもの気持ちを受け止め、穏やかで落ち着いた保育を行っており、充実した障害児保育が行われています。


3.保育の質の向上を目指して、職員の人材育成を進めています

 「横浜市人材育成ビジョン」及び「横浜市保育士人材育成ビジョン」に沿って、職員の人材育成を進めています。年間の研修計画を作成し、職位に応じた研修を計画的にバランスよく受講できるようにしています。金沢区主催の人権研修には、区職員と一緒に参加し、保育士としてだけでなく、公務員としての立場も意識して研修しています。保育士としての専門性を高めるため、保育専門の短期大学の研修に交代で参加しています。外部の臨床心理士が定期的に来訪し、カウンセリングについての専門的な技法についてアドバイスを受けています。
 職員は、「業務改善」、「全体的な計画」、「環境」、「育児支援」の4つのプロジェクトのいずれかに所属して、毎月話し合いを重ね、保育の質の向上を目指しています。今回、第三者評価を受審するにあたり、臨時に「第三者評価プロジェクト」を立ち上げて、自己評価を行うなかで、課題等について話し合い、業務の改善に取り組みました。職員は、年度当初に、園の年度目標を踏まえた職員の目標を設定し、中間期と年度末に園長と面談して目標の達成状況を確認し、人事考課につなげる仕組みがあります。職員にとっては、自らの保育実践の振返りの良い機会となり、年度ごとに次のステップに向けた目標設定をしています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.保育園運営に関して保護者の理解を深めること

 保護者には、個人面談、保育参加、クラス懇談会の機会や掲示、「園だより」などにより、保育園の情報を伝えるよう努力しています。園舎は1996年に建築したもので、施設・設備の一部では老朽化が見られる中で、計画的に修繕を行うなどの対応をしています。
 しかし、保護者からトイレの臭いや明るさへの要望もあります。また、換気扇の修繕などで対処していますが、一部の情報が十分伝わっていない状況も見受けられ、保護者の要望が生かされていないと感じているようです。トイレの照明器具や壁面やおむつ置き場等の検討が望まれます。保護者への掲示や説明の方法を工夫して、必要な情報が保護者に届き、理解を得られるよう検討されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 保育理念、保育方針は「子ども一人一人を大切にし、保護者からも信頼され、地域に根差した保育園を目指す」「豊かな人間性を持った子どもを育てる」となっています。開園当初から大切にしているこの保育理念は、今日まで引き継がれており、年度末には保育実践の振り返りを行っています。全職員の理解に繋げるため年度初めはミーティング時に声に出して唱和したり、保育理念や目標、方針が載っている名刺サイズのカードを常に携帯して確認するなど理解を深めています。保護者にも懇談会、入園説明会の際に説明し、園内各クラスや園だよりに掲載して周知しています。


A 子どもに対して、子どもの気持ちを受け止めて、否定的な言葉遣いをしない、できたことは褒めるなど、子どもが自己肯定感を持てるように接しています。子どもの発達状況に合わせて、言葉だけでなく絵カードや実物を見せて分かりやすく伝えています。職員は金沢区が職員を対象として定期的に開催している人権研修に参加し、児童虐待、パワハラ等について学んでいます。参加した職員は、園のミーティングの際に、研修内容を報告しています。


B 保育士は、性差への先入観を持たないよう会議等で確認しています。出席簿、整列順、座席、運動会、遊びなど、生活・活動場面で役割分業意識を持たないように配慮しています。トイレ用のサンダルは性差による使い分けはせず、装飾や色も性差を感じないようなものにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 全体的な計画は保育の基本方針に基づき、地域の特性も考慮して作られています。全体的な計画をもとに指導計画を作成しています。指導計画を作成するにあたっては日常の保育の中で子どもの意見や自由遊びの中から興味のあるものを汲み取り反映しています。乳児クラス、障害児、要支援児は個別指導計画を作成しています。


A 子ども達が快適に過ごせるように清潔、採光、換気、照明など園舎内外の施設・設備環境について配慮しています。室温や湿度を保つためエアコン、扇風機、加湿機能付きの空気清浄器を設置し、点検や清掃を行っています。園舎の内外が常に清潔に保たれるよう清掃マニュアルに沿って清掃を行なっています。子どもの体を清潔に保てるように沐浴や温水シャワーなどの設備が整っています。


B 食事については、子どもの好き嫌いの把握、盛り付け量の調整を入園前に保護者とのやり取りで確認しています。調理員が各クラスを回って喫食状況を把握し、残食量を見ています。月2回同じ献立なので2回目には調理方法や、味付け、切り方、盛り付けを変えるなどの工夫をしています。排泄の自立に向けては、まず、排泄の時間を決めて一人一人の排泄のリズムを把握し、個人差に応じて対応しています。


C 保育理念、保育方針、園目標について、保護者に入園説明会やクラス懇談会で説明しています。「ほいくえんのしおり」や「園だより」に明記したり、園内に掲示して周知に努めています。乳児クラスは、一人一人の「連絡帳」で、毎日の体調、食事、睡眠、排泄について保護者と情報共有しています。幼児クラスは、「クラスノート」で活動の様子を伝えるとともに、登園時の体温を記入する健康観察カードの備考欄を利用して情報交換をしています。個人面談は、面談週間を設定していますが、期間外でも保護者の都合に合わせて実施しています。クラス懇談会は、年2回実施しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 「保育所保育指針」の改定に伴い、園に「プロジェクト」を立ち上げ、全職員参加で子どもの発達や状況に応じて園の「全体的な計画」を作成しました。指導計画の実施状況については、カリキュラム会議で自己評価を行い次月のカリキュラムを作成しています。毎日のミーティング、職員会議、クラスの話し合いなどで保育実践の情報を共有しています。保護者にも個人面談や懇談会で意見を聴いたり、行事に参加の際にアンケートを取るなど保護者の意向も反映して保育の振り返りを行っています。


A 一人一人の発達過程に応じた記録は、児童票、健康台帳、経過記録に記載されておりいつでも見ることが出来ます。重要な申し送り事項も記録され、必要に応じて進級時や転園先の保育所に伝達されています。年長児は「保育所児童保育要録」を就学先の小学校に送付しています。健康に関することは健康確認票を作成し、いつでも確認できるようになっています。


B 第三者委員の氏名、連絡先とともに顔写真を掲示したり、意見箱を1階と2階に置くなどして、保護者が要望や苦情を訴えやすくしています。第三者委員との懇談会を定期的に行い情報交換をしています。保護者から、行事後のアンケート、懇談会、個人面談などで要望や意見を聞き、個別に対応した記録があります。横浜市の苦情受付窓口である「横浜市福祉調整委員会」の案内も掲示しています。意見や要望に関してはミーティングや会議で全職員に伝え周知しています。保護者会役員会に園長も出席して直接話す機会を作っています。


C 感染症については対応マニュアルがあり、感染症が生じた場合の対応が明記され、保護者には入園時に知らせています。感染症の発生時や疑わしい時は合同保育を止め、感染症の疑いのある子どもは速やかに保護者に連絡し、迎えがあるまで他の子どもと接触しない様に配慮しています。ノロウイルス対応研修などに参加し全職員が嘔吐処理方法を確認し、各クラスに嘔吐処理グッズや洗面器を用意しています。感染症が発生した際は、職員は、速やかに情報共有し、保護者には発生状況について外掲示板や当該クラスに掲示するなどして周知しています。


D ケガや事故発生時の対応マニュアルがあり、事故や怪我の発生時、保護者や救急機関、地域への連絡体制が出来ています。ヒヤリハット事例は、日誌に綴じ、定期的に振り返りをしています。「不審者対応マニュアル」に基づき不審者対策をしています。正門、駐車場の門は電子錠、裏門はダイヤル鍵が設置され24時間施錠されています。警備保障会社と契約し、各保育室には緊急通報できる端末機を設置し、緊急時には使用できるようになっています。不審者情報があれば金沢区役所やスクールサポーターからの情報提供があります。

4 地域との交流・連携

@ 地域の子育てを支援する場として、交流保育や育児講座を積極的に開催しており、その参加者のアンケート回答などから地域の保護者の要望を把握しています。週4日、午前中に実施している園庭開放や施設開放の際にも、保護者からの相談に対応しています。金沢区内の公立保育園が主催する合同育児講座や区役所主催の「育児教室」も開催されています。金沢区の幼保小連携の会議や研修会、子育て連絡会などに参加して地域ニーズの把握に努めています。地域の要望等をもとに、職員参加の「育児支援プロジェクト」で話し合い、地域の子育て支援ニーズの充実を図っています。


A 地域の保護者や子どもに、運動会ごっこ、七夕、節分、ひな祭り、誕生会、交流保育への参加を呼び掛けています。園庭開放は、地域のボランティアの協力を得て、週4日実施しています。七夕に、園児たちは、毎年、隣家から提供がある笹竹で作った七夕飾りを、近隣の交番や消防署に届けています。幼保小教育連携の連絡会に定期的に参加し、学校教育との連携を図っています。子ども達は、自治会及び社会福祉協議会主催のお祭りに参加したり、隣接の地区センターの「子どもの広場」を利用したり、地域ケアプラザの利用者と交流しています。地域内の保育園の園児とドッジボールなどの交流をしたり、園庭開放や交流保育等を通して、園児と地域の子どもの交流を進めています。


B 職員は、ボランティアの受け入れに際して、「ボランティア受け入れのためマニュアル」に基づき、説明をしています。園庭開放のボランティアは継続的に事業に関わっており、地域の保護者や子どもと交流しています。中学・高校生を対象に「次世代育成ボランティア」を募集して職業体験をしてもらっています。中学・高校生からは、保育士に職業観を問う「職業インタビュー」が行われ、保育士にとっても自身の振り返りの機会になっています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 横浜市や金沢区のホームページ、広報誌、金沢区の掲示板でサービス内容の案内をし、地域の子育て拠点「とことこ」に情報提供しています。金沢区民まつり「いきいきフェスタ」で保育園のブースを設置したり、区内の大規模商業施設内で実施している遊びを提供するイベントで保育情報を提供しています。隣接の地区センターと地域ケアプラザ内に情報を掲載したポスターを掲示しています。職員の自己評価を踏まえた保育所としての自己評価を行い、その結果を掲示板に掲示しています。保護者からの問い合わせにはいつでも対応できるようになっており、見学会は、保護者の都合に合わせて、曜日や時間は柔軟に対応しています。


A 園長は、金沢区役所の幹部会議、金沢区園長会、エリア別園長会等に出席して情報収集し、園内のミーティング等で報告して職員間で情報共有しています。保護者からの意見、要望等については、運動会やおたのしみ会などの行事でアンケートをして把握できるようにしています。今回、第三者評価を受審するにあたり、臨時に「第三者評価プロジェクト」を立ち上げて、全員で「自己評価」を行うなかで、課題等について話し合い、改善に取り組みました。施設や遊具等の設備については、毎朝チェックシートで確認し、特に安全に関わり緊急を要するものは、迅速に対応するようにしています。

6 職員の資質向上の促進

@ 職員は、正規職員、嘱託、アルバイト職員で構成されており、シフト勤務となっています。職員の異動や採用は、横浜市が一元的に管理しており、必要な人材が確保できるようにしています。人材育成は、「横浜市人材育成ビジョン」及び「横浜市保育士人材育成ビジョン」に沿って進められ、職員一人一人の研修ニーズを踏まえて、研修受講計画が策定されています。横浜市や金沢区の研修のほか、専門機関の研修を積極的に受講し、保育の質の向上に努めています。職員は、年度ごとに目標を設定し、中間期と年度末に園長との面談により達成状況を確認しています。 
          
A 年間の研修計画を作成し、職員は、職位に対応した研修を計画的に受講しています。金沢区の職員として、区の人権研修にも積極的に参加し、参加者はミーティングで報告し研修内容を共有しています。毎年、市内の保育専門の短期大学が開催している研修に交代で参加し専門性を高めています。職員は、「業務改善」、「全体的な計画」、「環境」、「育児支援」の4つのプロジェクトのいずれかに所属し、月に1回の活動を通して、保育の質の向上に努めています。非常勤の職員もプロジェクトで活動したり、横浜市や金沢区の研修に参加しています。


B 「横浜市人材育成ビジョン」及び「横浜市保育士人材育成ビジョン」で、各職位の役割が明文化されています。職員は、毎年度目標を設定し、中間期と年度末に園長と面談して目標の達成状況を確認し、人事考課につなげる仕組みがあります。園長はこの面談のなかで、職員の意見や意向を受け止め、目標達成に向けてアドバイスをしています。目標達成状況に基づく評価の結果については職員に開示し、次年度の目標設定の支援をしています。

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