かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

たいせつ保育園

対象事業所名 たいせつ保育園
経営主体(法人等) 合同会社TAISETSU
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0823
神奈川区二ッ谷町6−3メゾン・ド・ビー・フロント1F
tel:045-624-8836
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 たいせつ保育園はJR京浜東北線東神奈川駅・京浜急行仲木戸駅から徒歩7分、東急東横線反町駅から徒歩10分の神奈川区役所の前にあるビルの1階にあります。
たいせつ保育園は2016年(平成28年)合同会社TAISETSUによって設立されました。園は2006年(平成18年)に認可外保育園からスタートし、横浜保育室(2010年(平成22年)〜)をへて、認可園に移行しました。同じ神奈川区に姉妹園が1園あります。
 保育室はワンフロアになっており、奥に0歳児保育室があり、1歳児と2歳児の保育室に面して調理室があり、お互いの姿が見えるようになっています。1・2歳児クラスにはサンルームがあります。室内は木がふんだんに使われています。園から少し離れた園庭にプランターを置き、野菜や花を育てています。商業地域ですが、すぐ近くに公園や神社などがあり、自然にも恵まれています。
 定員は29名(生後6ヵ月から2歳児クラス)、開園時間は平日(月曜日〜金曜日)は7時30分〜20時、土曜日は7時30分〜18時30分となっています。土曜日は姉妹園との共同保育を行っています。
保育理念は「子どもの人権や主体性を尊重し子どもの最善の利益を守ります」「子どもにとってふさわしい生活の場となる安心して過ごせる保育所であるように努めます」「自分を大切にするみんなを大切にするすべてを大切にする温かい心を養い心身ともに健やかに成長するように援助します」、保育方針は「ひとりひとりの状況や家庭、地域での生活の実態を把握すると共に安心感と信頼感をもって活動できるよう子どもの主体の思いや願いをしっかり受け止める」「生活リズムを大切にし健康安全で情緒の安定した生活ができる環境や自己を十分発揮できる環境を整える」「個人差に十分配慮しながらひとりひとりの発達過程に応じて保育する」「相互の関係作りや尊重する心を大事にし集団における活動を効果あるものにするよう援助する」「自発的意欲的に関われるような環境を構成し主体的な活動や子ども同士のかかわりを大切にする」「保護者の状況や意向気持ちを受容し親子関係や家庭環境に配慮しながら援助する」「様々な体験や経験から多くの事を学び力をつけて主体的に生きていかれるよう転ばぬ先の杖ではなく、転んだ後の知恵をたくさんつけられるよう時には見守り先回りせず待てる保育をする」としています。
1. 高く評価できる点  
●子どもたちは保育士に優しく受け止めてもらい、安心してありのままに自分を表し、園生活を楽しんでいます 
子どもたちは、子どもらしく、素直でのびのびしています。どの子どもたちもその時々に笑顔や泣き顔、困った顔など表情豊かに自分を表して過ごしています。保育士は、一人一人の気持ちに寄り添っており、抱きしめたり、膝にのせて話を聞いて気持ちを受け止めています。保育士は常に子どもの態度や表情、言葉での訴えに、子どもの反応を見ながらゆっくり言葉を選んで話しかけるなど、丁寧に応えているため、子どもとの信頼関係が築けており、子どもたちは安心してありのままに気持ちを表し、園生活を楽しむことができています。例えば、子どもたちは二人ずつ手をつないで散歩に出かけますが、自分がつなぎたい相手には別の友だちがいたりして、なかなか相手が決まりません。保育士はせかしたり、無理やり手をつながせることはなく、自分たちで選べるようそれぞれの気持ちを聞いて、それぞれが納得して相手をみつけ手をつなぐまで、時間がかかっても待っています。常に子どもたちは気持ちを受け止めてもらっているので、無理に我慢をしたり、顔色をうかがったりすることなく、いつも素直にありのままに自分の気持ちを表すことができています。おもちゃなどの取り合いになる時も保育士に気持ちを代弁してもらい、納得したり、相手の気持ちにも気づいて、「あとで貸して」「いいよ、待ってね」と待ったり譲ったりできるようになってきています。保育理念の「自分を大切にし、みんなを大切にし、すべてを大切にする温かい心」が育ってきています。
●保育士は方向性を共有し、連携して保育にあたっています   
保育理念、保育目標を折に触れて確認しています。園長は職員会議などの場で、機会をみては理解を促すための取り組みをし、具体的に保育にどのように反映しているか、問いかけています。園での経験が長い職員・非常勤職員が多く、研修で理念や目標について取り上げるだけでなく、普段からお互いの保育観について話し合ったり、素直に自分以外の保育士の良い所などを認め合い、評価したりしています。定員が29名と小さな園なので、どのクラスの子どもたちのことも職員全員が知っていて、その日の活動状況に応じてクラスに応援に入ったり、子どもの保護者に声をかけたりしています。子どもの現在の発達についてや環境設定について等、会議だけでなく、常に話題にし、情報交換してより良い保育ができるよう心掛けています。栄養士や調理員とも保育士は話し合って、食育をしています。園の職員全員が一人一人を大事にし、「転ばぬ先の杖ではなく転んだ後の知恵をたくさんつけられるよう」見守って保育にあたっています。保護者からの信頼も厚く、満足度は極めて高くなっています。
2.工夫・改善が望まれる点 
● 計画的な人材育成に取り組まれることが期待されます 
職員の定着率が高く、経験豊かな保育士が多いため、子どもたちに良い保育サービスを行うことができていますが、園として系統だった人材育成計画がありません。個々の職員の資質向上に向けた年間の目標設定をして達成度の評価をしたり、保育士が自分で将来像をイメージできるような経験や職務に応じて求められる資質や役割り等を文章化することが期待されます。安定した保育園運営のために、新人、中堅、ベテランのバランスよい職員配置を確保し、計画的に後継者を育成していくことができるように、今後は園の人材育成に対する考え方やそのための方法、キャリアアップの仕組みなどを人材育成計画として文書化し、計画的に人材育成に取り組まれることが期待されます。
● 地域の子育て支援の充実が期待されます  
園としても課題ととらえていますが、一時保育や交流保育、施設開放、定期的な育児相談など地域の子育てを支援するサービスや園の専門性を活かした育児講座の開催等は実施されていません。園のスペースにも限りがありますが、経験の豊かな保育士も多く、保護者の悩みに対応できる力があります。食育
に関すること、絵本のことなど園の蓄積してきた専門性を今後は地域の支援ニーズに合わせて子育て家庭に還元していくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・職員会議で理念について話し合ったり、内部研修で、理念に基づく「竹のようにしなやかな心とは?」のテーマで話し合ったりして、園長は職員が理解しているか確認しており、職員も理念を理解して日々の保育をしています。
・子どもの思いを受け止め、伝えるタイミングや話し方などを意識して対応することを園長はじめ職員間で共有し保育にあたっています。保育士は子どもへの対応について日々話し合って振り返りを行うなど、より良い保育を目指して取り組んでいます。公園で遊んでいるときや食事中など、子どもの発言や行動に対して、?待つ”?見守る”など、子どもの思いに寄り添って保育士が対応しています。
・子どもの気持ちの変化を汲み取り、状態に応じてサンルームに誘うなど友達の視線を意識せず、過ごせるようにしています。子どもが気持ちを切り替えられるよう配慮しています。
・個人情報の取り扱いに関するガイドラインに個人情報の定義や個人情報を安全に管理するための実施概要が明記されており、職員に周知しています。入園時に保護者に説明し、ホームページへの写真掲載などに関する承諾書を記載してもらっています。個人情報が記載された記録などは事務室の鍵のかかる棚に保管管理されています。
・ままごと遊びなどで男女の役割を設定したり、グループ分けを男女別にするなど性差への先入観による対応を行わないことを職員間で共通認識として保育にあたっています。無意識に固定観念で保育をしていないか、日々の振り返りで保育士同士で意見交換のできる環境が作られています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・0歳児・1歳児の早生まれ児については、入園説明会の時に保護者と個別面談を実施しています。離乳食の進み具合、食べられる食材、1日の生活リズム等について聞き取っています。また、月齢にかかわらず、必要があれば面談をしています。
・保育室やトイレ、園まわり等は常に清潔に保たれています。保育室は窓から十分陽光を取り入れることができ、床暖房、エアコンが設置されており、温度・湿度の管理が適切に行われています。
・2歳児がアイスクリームのカップに折り紙などを詰めて遊んでいたことから、お店屋さんごっこに発展し、1歳児が買い物に来て一緒に遊ぶなど、子どもの自由な発想を受け止めて保育にあたっています。友達との関わりを通じて、子どもが楽しみながら、自然とルールを理解できるよう配慮しています。
・プランターでメロンやスイカ、ブルーベリー、オクラ、キュウリ、トマトなどを栽培しています。普段の給食ではなかなか野菜を食べなかった子どもも、自分で収穫したキュウリは、「おいしい!」と、食べたりしています。カブトムシの幼虫を近隣の商店の人からもらい、飼育の体験もしています。最初は怖くて、近寄らなかった子どもが、カブトムシの生長の様子に少しづつ興味を示し、触れるようになりました。
・日常的な散歩の際に近隣の商店の人などと挨拶を交わしたり、公園などでは地域の親子と一緒に遊ぶなど交流しています。また、森林公園の白幡の森におやつを持って出かけるなど、子どもたちが地域や自然に触れる機会を積極的に活動に取り入れています。
・栄養士や調理職員に教えてもらいながら、高野豆腐やひじきを水で戻したり、そら豆のさや取りをするなど、子どもたちが食材に直接触れる機会を取り入れ食に関する興味を持てるよう配慮しています。野菜が苦手な子どもが多いこともあり、ホットプレートで野菜焼きそばを子どもたちと一緒に作って、楽しみながら食べることができるようにしたり、ニラやニンジン等を入れた野菜のチヂミをおやつで提供するなど工夫しています。
・献立作成のポイントや旬の食材の効用などを掲載した献立表を毎月保護者に配布しています。保護者に給食またはおやつのどちらかを選んでもらい、毎年1度、試食をしてもらう機会を作っています。
・運動会で子どもがカメラレンズに向かって走るのと家族の笑顔に向かって走っていくのと子どもにとってどちらが嬉しいことなのか、行事等のビデオ撮影における保護者の振る舞いについて一緒に考える姿勢で提言するなど、園と保護者が一体となって子どもの育ちを見守ることができるよう方針に沿って取り組んでいます。
・日々の保育内容や目的などを掲載した園だよりとクラスだよりを毎月保護者に配布しています。たよりには、製作活動や給食の様子などの写真を入り口に掲示して保護者が送迎時に見られるようにしています。
・年に一度、「親子ふれあいデー」を実施し、保護者が保育参加できる機会を設けています。保護者から希望を聞くなどして活動内容を決めていて、子どもが日常的に訪れている公園に同じルートで歩いて行ったり、子どもと一緒に遊ぶなどして園での活動を体験してもらっています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園初日には1日保護者に一緒に過ごしてもらい、親子共に園生活の不安をとりのぞけるようにしています。その後状況に応じて慣らし保育を行っています。子どもの家庭での様子や家庭の状況を児童票や健康台帳に記録しています。園では毎月の個人の身長や体重、内科健診、歯科健診の結果を記録しています。
・特に配慮を要する子どもについて、保育に必要な最新の情報は神奈川区こども家庭支援課や横浜市東部地域療育センターから、園長を通じて職員へ伝えたり、横浜市東部地域療育センターの要支援児研修に参加した職員からの報告を受け、職員間で共有しています。
・全職員に虐待の定義等を会議で周知しています。疑わしいケースがあった時には神奈川区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所に相談し、連携を取る体制はできています。登降園時に親子の様子を見守り、園長は必要に応じて声をかけ、相談に乗るなど配慮しています。
・食物アレルギーのある場合は子どものかかりつけ医が記載した「アレルギー性疾患生活管理指導表」を提出してもらい、保護者と栄養士、園長、保育士とで話し合って適切な対応を取るようにしています。毎朝、毎食ごとの全体、且つクラス毎の献立確認、給食室との献立確認、受け取りの際の声出し確認、配膳の際は最初に配膳するなどの配慮を行っています。
・外国籍で生活習慣や文化が異なる場合も、子どもの呼び方や着替えなど生活習慣を尊重し、適切に配慮しています。日本語での意思疎通が困難な場合保護者とは翻訳アプリを使ったり、語学に堪能な保育士が話したり、神奈川区役所の通訳ボランティアを依頼したりしています。また、お手紙等はボランティアに頼んで母国語に訳して渡すなど配慮しています。
・要望や苦情を受け付ける窓口として、第三者委員の名前と電話番号が入園のしおりや玄関に掲示され、保護者に周知されています。また、「なんでも言えちゃう箱」という意見箱も設置されています。
4 地域との交流・連携 ・神奈川区子育て支援連絡会の会議や研修などに主任や保育士が参加し、他園の地域に向けた取り組みや地域の状況等について学んでいます。
・散歩で出かける公園等で、地域の親子と顔見知りになり、地域の子どもと園児が一緒に遊んだり、地域の保護者と保育士が会話を交わすなど交流しています。
・園で開催するボランティアによるピアノや弦楽器の音楽会に地域の保護者や子ども招待して、園児と一緒にクリスマスソングを聞くなどしているほか、卒園後の連携園である近隣の幼稚園に出かけて、プールで遊んだり、行事参加などを通して定期的に交流するなどしています。日常的な散歩等の際には、保育士が率先して地域の人と挨拶や会話を交わしていて、子どもたちが自然に地域の人と触れ合えるよう配慮しています。また、お芋掘りで取ってきたさつまいもを近所の人にプレゼントするなど交流しています。
・子どもたちは、かながわ地区センターのプレイルームや熊野神社などに出かけたり、州崎神社で行われる町内会のお祭りを見に行ったりしています。また、2歳児は給食で使う野菜やプランターで栽培する花の種を近隣の商店に買いに出かけるなど、地域の施設や商店を利用する機会を積極的に活動に取り入れています。近隣の保育園の5歳児に運動会で踊ったエイサーを見せてもらったり、木琴やシンバルの演奏を聞かせてもらったり、一緒にダンスをして遊ぶなどして交流しています。
・園の利用方法や見学申し込み等の問い合わせには、主に園長と主任が対応しています。見学日時については、午前10時、午後4時など、子どもの様子を見てもらえる時間帯を勧め、利用希望者の意向を聞いて設定しています。
・ボランティア受け入れマニュアルに受け入れ手順や受け入れ窓口を園長、主任とすることが明記されており、ボランティアの心得や守秘義務等の留意事項が明記された、文書「実りあるボランティアのために」をもとにボランティアに説明を行っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育士の自己評価は「基本項目」「子どもとのかかわり」「健康・安全」「人とのかかわり」「保育環境」「保護者とのかかわり」等95項目にわたり、1回目・2回目・3回目と記入するようになっています。保育所としての自己評価もおこなっており、保護者が手に取れるように置いてあります。
・園の倫理規定があり、職員に周知しています。園長は、他施設での不適切な対応などの情報があればタイムリーに取り上げ、職員に行わないように教育・指導しています。
・経理規定や事務規定、服務規程など、職務分掌と権限・責任が明確にされ、明文化され、職員に配布しています。また、理事長・役員による内部監査、会計士による外部監査が毎月行われ、経営改善のための取り組みを行っています。
・横浜保育室から認可園への移行や姉妹園との土曜日の合同保育の実施については、保育士・調理員・事務職全員で話し合いを重ね、個々の意見を出し合い、決定しました。また、保護者には全体説明会や懇談会で経過を説明し、意見交換をし、実施しました。
・園長は事業運営に影響のある情報を収集・分析しています。また、保育所保育指針の改定についての研修に参加し、主任と話し合い、重点改善課題として、アクティブラーニングについて取り上げ、職員間で共有し、取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進 ・実習生受け入れマニュアルに実習内容について明記され、受け入れ担当は園長、主任が行うこととしています。マニュアルに基づいて実習生の対応方法等を職員間で確認しています。また、文書「実りある実習のために」をもとに実習生に説明を行っています。
・今年度は「その行事は誰のもの?」をテーマについて、話し合う研修を持ったり、保育方針につながる「竹のようにしなやかな心」とはどういうことかを話し合ったりしたほか、毎月事例検討をする研修を行っています。また、横浜市私立園長会主催のキャリアアップ研修に参加したり、大学の栄養士による給食研修に参加したり、横浜市東部地域療育センターの実施する研修で他保育園の実地研修に参加しました。
・非常勤職員の指導担当は園長と主任で行い、職員間のコミュニケーションが図られるよう努めています。長年勤続している非常勤職員が多く、安定した保育が行われています。
・毎月、職員は個々に振り返りシートを用いて、保育スキルの目標等を定めて振り返りを行っています。姉妹園と交換保育を行い、良い気づきの場としています。
・月案、週案、日案には保育の振り返りができるように自己評価の欄があり、定型化されています。子どもの活動や結果だけでなく、子どもの成長や意欲、取り組む過程などについても保育士同士で話し合い確認し、結果を次の計画に活かしています。

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