かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

にじいろ保育園 戸塚駅前

対象事業所名 にじいろ保育園 戸塚駅前
経営主体(法人等) ライクアカデミー株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0003
戸塚区戸塚町20-2
tel:045-390-0186
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 にじいろ保育園戸塚駅前は平成28年4月1日に株式会社サクセスアカデミー(平成29年8月ライクアカデミー株式会社に社名変更)により開園し、3年目になります。0〜5歳児までの定員は60名、平成30年11月現在59名が在籍し、産休明け保育や延長保育、障がい児保育を実施しています。園はJR東海道線戸塚駅西口から徒歩1分、駅のホームと並行して建つビルの3〜5階にあります。屋上園庭ではプランターで季節の野菜や花を育てています。駅前のため商業施設が立ち並び、戸塚区役所や図書館もすぐ近くです。少し歩くと駅の近くとは思えないほど緑豊かな複数の公園や、土手の桜がきれいな川があります。子どもたちは公園や公共施設、商業施設を毎日のように散歩やクッキングの材料買いなどに利用し、四季を感じ、充実した園生活を送っています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○職員の声を生かす取り組みを行い、職員一丸となってより良い園作りや保育の提供に努めています
 園長は、良い園であるために、まず職員の気持ちが満たされ安定して過ごせて働けることが大切と考えています。そのため園では職員が意見を言いやすい雰囲気で職員の声を聴き、生かす取り組みを行っています。毎月実施している園内研修の今年度のテーマは「保育士としてのスキルアップを目ざして」です。従来主任が担っていた進行やとりまとめを、職員の希望により今年度から月テーマごとの担当制にしました。担当から事前に宿題が出され、園長や主任も含め提出し、担当がとりまとめたうえで、みんなで園内研修に臨みます。「子どもを支配しない保育、NGワード」というテーマでは、具体的なNGワードや別の言い方、言わないための配慮や行動について意見を出し合いました。保育の振り返りや悩みの共有もでき、職員一丸となって園を良くしていこうと取り組んでいます。


○子どもの想像力や自己表現力を伸ばす活動や体験ができるように、職員が連携して取り組んでいます
 職員は、一つのものから子どもたちがさまざまな活動ができるように発想しています。園では職員に対してどのような給食がよいかアンケートを実施しています。例えば、献立が出た時に、一つの素材を見てクラスでどのような食育にしたらよいか考えています。素材を買いに行く、どのようにしてできたのか、どこで採れるのか、どのように食べることができるのか、素材は造形などにどのように応用できるのかなど、そのクラスの子どもたちの年齢や興味の方向などを考慮して、同じものでさまざまな食育体験ができるように、保育士以外の職員も連携して取り組んでいます。さまざまな体験を通して、子どもが「○○してみたい」という意欲を持ったり、見たり、感じたり、考えたり、喜んだり、驚いたりを経験できるように、職員は日々の保育に取り組んでいます。


○保護者の意向をていねいにくみ取り、保護者との連携、信頼関係の構築に努めています
 保護者の意向を聞くために「すまいるBOX」が置かれています。この箱は保護者の意見や要望を入れるだけではなく、行事の出欠や園からのアンケートなども入れるようになっていて、保護者が気兼ねなく使えるようにという園の配慮があります。行事の前後にはアンケートを取っています。例えば、懇談会で取り上げてほしいものを事前にアンケートで聞いて、集計した内容を掲示したり、行事後は感想を書いてもらい、その集計結果を園だよりに載せたりしています。こうした積み重ねにより、保護者は、ほかの保護者にも共通する思いがあることがわかり、園に対して自分の気持ちや考えを気軽に伝えるようになっています。保護者の思いをくみ、子どもにとって第二のおうちになるように信頼関係の構築に努めています。


《事業者が課題としている点》
 保育の実施内容について、子どもや保護者にとってさらに過ごしやすい温かい保育園を目ざすことを課題としています。職員がこれまでの経験を生かしつつ身につけていくべきことを考え、「気づける」保育者を目ざし、保護者から気軽に意見をもらえるシステムを模索するとともに、「園とともに育てる」意識をさらに高めていきたいと考えています。また、地域支援機能について、地域に根ざした、だれもが気軽に立ち寄れる「陽だまりのような保育園」を目ざすことや、職員の専門性の向上について、職員一人ひとりが周りの職員とともに成長することを意識して、意見交換ができる環境を整えることも課題としています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園では、保育理念として「のびやかに育て だいちの芽」、保育方針として「みとめ愛 みつめ愛 ひびき愛」、保育目標として「自然を愛し、心身ともに健やかな子ども」「自分で考え行動し、意欲と根気のある子ども」「仲間と関わり、人を思いやれる子ども」「自己を表現できる子ども」を掲げ、子ども本人を尊重したものとなっています。これら理念や方針、目標は、「めざす保育園像」とともに全職員や保護者がいつでも見られる園内各所に掲示され、保護者に配付している入園のしおりや重要事項説明書に明記し、入園時や進級時などにも説明しています。職員は本社の研修や職員会議、園内研修などで確認し合い、より深く理解したうえで保育の実践に生かしています。
 子ども一人一人の人格を大切に考え、常に穏やかな声かけをしながら子ども個々のペースや意思を尊重し、子どもの気持ちに寄り添う保育を目ざしています。職員会議や園内研修でも、子どもに対する言葉使いや好ましい態度、冗談でも子どもを辱めるような発言をしてはならないことなどについて、全職員で考え話し合い見直す機会をもっています。子どものつぶやきも聞き逃すことなく、子どもの「やりたい」「やりたくない」それぞれの気持ちに寄り添い、自分からやりたくなるような言葉かけを心がけています。しかる場合にはわかりやすく短く伝え、繰り返し同じ話をしないようにしたり、行動に間違いがある場合はその子ども自身がどのようにすれば良いのか考えられるように伝えています。
 個人情報の取り扱いや守秘義務の意義、目的については就業規則に明記され、入職時の研修で全職員に説明して周知し、誓約書を提出してもらっています。実習生やボランティアについても受け入れ時に説明し、誓約書を得ています。保護者に対しては入園時に個人情報の取り扱いについて利用目的や範囲などを説明し、内容によって使用の可否をチェックできる「個人情報使用承諾書」の提出をお願いしています。子どもの顔や名前の掲示や表記方法についても配慮しています。子どもや家庭の状況などを記した個人情報に関する記録類は、事務室の鍵のかかる書棚で保管し持ち出し禁止とし、パソコン内のデータはパスワードを設定して管理し、持ち出せないようにUSBの使用は禁止しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画に基づき、年齢ごとに「年間指導計画」「月間指導計画」「週案」を作成しています。また、0歳児から年齢ごとの「食育年間計画」を作成し、子どもたちが食材を見たり、触れたり、クッキングをしたりすることを通して、食事を楽しめるように意見を出し合い工夫をしています。3〜5歳児合同の朝の会では1日の活動予定を子どもに伝え、各クラスの当番の子どもが今日がんばりたいことを発表し、帰りの会で今日がんばったことを発表しています。日々の活動では子どもたちの表情や様子を見て意思をくみ取り、興味のあることから保育に展開するよう心がけています。子どもの気持ちや意見、自主性を尊重し、計画は柔軟に変更し、子どものやりたい気持ちを大切にしています。
 子どもたちの「○○したい」という気持ちや、興味を持っていることを見逃さず、遊びの内容に応じて机や敷き物でコーナーを作って遊びに集中できるようにしています。日常的にも、「○○がしたいから○○公園に行きたい」など子どもの目的を持った自発的な気持ちを大切にしています。一斉保育の時間や縦割り保育の時間には、鬼ごっこなどルールのある遊びを取り入れて、年上の子どもが年下の子どもに合わせたルールを考えるなどして遊んでいます。子どもが塗り絵の裏を使って迷路を作り、その迷路に合わせて物語やゲームを作ることがあります。このような発想がさらに広がるように、職員はおもちゃを用意したり、言葉がけをしたりしています。
 園は駅前の商業地にありますが、少し歩くと、園にない遊具があったり、花や自然があったり、電車が見えたり、さまざまな公園があり、散歩に利用しています。また、駅前の戸塚区役所の屋上の広場で、区役所職員と一緒にたまねぎの収穫を行っています。戸塚図書館に紙芝居などを借りに行っています。散歩に公園に出かけた時に出会う地域の方々には元気よく挨拶し交流しています。戸塚区幼保小連携事業の5歳児交流では、ドッジボール大会や遊び、運動会ごっこなどで他園と交流しています。近隣の系列園や公立園とも子どもたちが交流しています。戸塚区主催の子育て支援事業「とことこフェスタ」は戸塚区役所で開かれ、園では園紹介のパネルを展示し、子どもたちはライブを見たり、遊んだりしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  入園時には短縮保育(慣れ保育)を実施しています。5日を目安に子どもの様子や保護者の事情を考慮しながら進めています。新入園の0、1歳児については、気持ちが安定するよう主担当保育士を決めています。心のよりどころとなる縫いぐるみなどの持ち込みも認めています。保護者との日々の情報交換は、送迎時の会話のほか、0〜2歳児では毎日複写式の連絡帳を使用して睡眠や排泄、食事を含む子どもの様子や状態などについて細かく連携しています。3〜5歳児では必要に応じて連絡帳を使用しています。新入園児の受け入れでは、新しい友達が仲間入りすることを在園児に伝え、期待をもって迎える工夫をし、子どもが不安定な場合にはフリーの職員がサポートに入るなど配慮しています。
 要望や苦情への対応について記された「にじいろ保育園苦情等解決システム」を職員に配付し、園内掲示しています。保護者から要望や苦情があった場合、必要に応じて第三者委員や外部の権利擁護機関を交えて対応する体制ができています。相談や要望、苦情があれば、速やかに受付担当者の主任、解決責任者の園長に報告し、園内で対応できる相談は「育児相談記録票」を、本社と対応すべき要望や苦情は「苦情報告書」を作成し、内容に応じて速やかに話し合い対応しています。内容と対応方法は職員会議などで職員に伝え、回覧も行って周知し、保護者へは園だよりなどで周知を図っています。育児相談記録票や苦情報告書は年度ごとにファイルし、その後の解決に生かしています。
 「安全管理マニュアル」が作成されています。そして事故、プール活動時の対応、災害の対応などについて職員に周知されています。保育室の棚の上に置いてあるものには滑り止めマットを敷いたり、可動式ロッカーはストッパーをかけるなどして転倒防止対策をしています。毎月、地震や火災などさまざまな状況を想定して避難訓練を実施しています。園外への避難訓練や保護者参加の引き取り訓練、伝言ダイヤル訓練を行っています。園にはAED(自動体外式除細動器)を設置しています。また、消防署の救急救命講習などを受け、全職員が対応できるよう取り組んでいます。事故の際、保護者へ確実に連絡できるよう、複数の連絡先を把握しています。
4 地域との交流・連携  地域の子育て支援ニーズについては、年間指導計画の4半期ごとの振り返りや、翌年度の全体的な計画などの作成のための職員会議などで話し合っています。園も3年目に入り、今年度より「横浜市地域子育て支援事業」として、屋上の園庭開放や、体操などでの交流保育、育児講座、夏祭りや運動会、節分豆まきなど園行事への参加を呼びかけています。園の外の掲示板にポスターを貼り、地域の未就園の家庭に向けて案内しています。交流保育では、専門講師による体操教室を園の子どもたちとともに体験しながら、親子一緒に体を動かし楽しんでもらっています。地域に向けて「栄養教室」を開き、食品会社の協力を得て、園で提供する食事の出汁の取り方を学び、栄養相談を行っています。
 園の玄関横に掲示板を設け、季節に合った飾り付けをして、園だよりや保育理念などとともに、園庭開放や園行事に地域の未就園の家庭を招待する案内を掲示しています。育児相談は気軽に来園してもらえるよう、随時受付として、園のパンフレットにも「地域活動」の中で「お気軽にご連絡ください」と記しています。育児相談票に記載された相談の内容は職員に回覧して共有し、育児相談記録としてファイルしています。園の情報は戸塚区のホームページや園のホームページなどで見ることができ、園のブログで園行事などの情報提供に努めています。
 利用希望者からの問い合わせには、入園のしおりやパンフレット、園の保育の特長を書いたチラシなどに基づいて、主に園長や主任が、園の理念や方針、利用条件、保育内容、園独自の取り組みなどをていねいに説明しています。見学の受付について園の外の掲示板にも掲示し、保育に支障のない範囲で平日午前中1時間おきに受けていましたが、希望が多く、土曜日も応じています。職員や子どもたちには事前に見学者が入ることを伝えています。見学者には、パンフレットと園のチラシを渡し、主に園長が園を案内しながら、理念や方針、利用条件、サービス内容を説明し、質問に応じています。また、屋上の園庭開放や体操教室の交流保育なども案内しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

 にじいろ保育園の保育の標準となる内容を、理念や保育計画、保育内容など13の大項目ごとにまとめた職員の自己評価用紙「にじいろの保育」があります。職員は年度末に「にじいろの保育」の項目にチェックを入れて自己評価し、結果を職員会議で話し合い、課題を明らかにしています。明らかとなった課題は次年度の全体的な計画の作成に生かしています。保育所としての自己評価は、園長と主任が、各職員が行った「にじいろの保育」を分析し参考にして、園の取り組みや運営状況を加味し、本社が作成した「保育園の自己評価」の様式にまとめています。「保育園の自己評価」は、職員会議で全職員に確認して周知し、ファイルに入れて玄関で公表しています。
 保育理念や保育方針、保育目標を入れたフレームを、エレベーター前や階段踊り場、各保育室、事務室、トイレに掲げ、いつでも職員や保護者の目に触れるようにし、園の外の掲示板にも掲げて地域の方々にも知らせています。全職員に配付した入園のしおりや、全体的な計画などを基に、年度初めの職員会議などで理念や方針、目標を確認しています。職員は年度末の「にじいろの保育」を用いた自己評価で、理念や方針、目標の理解度を確認しています。また、園長は年2回の個別面談の時などに、職員が理念や方針、目標を理解して業務に努めてきたか確認しています。
 園の将来を見据え、「保育の質の向上」「安全な施設環境の確保」「地域支援」の3つを柱とした、2018年度から3年間の中長期計画を1年ごとに作成しています。また、この中長期計画を踏まえて今年度の事業計画を策定しています。園は開園後3年目に入り、次代の園の運営に備え、今年度より横浜市地域子育て支援事業を開始しました。園は戸塚駅から徒歩1分のJR系列会社のビルにあり、夏祭りや節分などで駅の協力を得ています。こうした園の強みを、今後も保育に生かしていく予定です。成長支援制度に基づいた成長支援シートや、本社の研修体系の活用により、次代の園運営を担う後継者の育成に努めています。運営に関して、園長も外部研修などで専門家から学び、本社が委託している公認会計士や社会保険労務士から、本社経由で指導や助言を受けています。

6 職員の資質向上の促進  本社の研修には新任、途中入社、階層別職員のスキルアップ、キャリアアップなどさまざまな研修が用意されています。職員はこれに加えて横浜市や戸塚区、大学、教育機関などの研修リストから、受講希望の研修を申請し、園長と主任を中心に受講者の選定をしています。キャリアアップや業務の必要性から受講者を指名することもあり、最終は園長が職員育成計画としてまとめています。研修の出席者は研修報告を作成し、職員会議で報告し、会議録として全職員に回覧され、周知され共有しています。非常勤職員も必要な内容は午睡時の職員会議に出席できるようにしています。園長と主任は研修報告や研修の保育への活用状況から研修を評価して、次の研修選定に生かしています。
 保育の振り返りは、全体的な計画に基づいたクラスごとの年間指導計画や月案、週案・日誌の自己評価欄に記入しています。保育の振り返りは、「行事の練習ではほめられるとよりほめられたいと頑張ったり、意識も上がると感じた。今後も頑張りを認めながら少しずつ前へ進めたい」とあるように、結果ではなく取り組む意欲や過程を重視して行っています。職員は振り返りを通して、実践の改善や、次の計画作成につなげています。
 本社が作成した「成長支援制度手引き」には、等級制度の項目で、職員の等級区分を業務担当者から全体統括まで5つに分け、それぞれの等級に求められる役割と、必要となる行動や能力を一覧表で明文化しています。園の運営の最終責任者は園長ですが、日常の業務は現場の職員の自主的判断に任せています。しかし、けがや事故、苦情、対外的なことが発生した時は、直ちに園長や主任に報告、連絡、相談するよう徹底しています。職員会議の議題について、園長があらかじめ議題一覧を作り、職員に配付し、会議で意見や提案が出やすいようにしています。園長は年2回の個別面談などで、職務の満足度や希望、悩みなどを聞き、対応しています。携帯端末による職員の意向調査での自由意見も、本社を経由し把握しています。

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